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09月20日-06号

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  1. 和歌山市議会 2019-09-20
    09月20日-06号


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    令和 元年  9月 定例会                令和元年          和歌山市議会9月定例会会議録 第6号            令和元年9月20日(金曜日)     -----------------------------議事日程第6号令和元年9月20日(金)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問第3 議案第1号から同第28号まで     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問(戸田正人君、古川祐典君、北野 均君)日程第3 議案第1号から同第28号まで     -----------------------------出席議員(38名)  1番  井本有一君  2番  中村朝人君  3番  赤松良寛君  4番  浜田真輔君  5番  堀 良子君  6番  西風章世君  7番  山中敏生君  8番  川端康史君  9番  永野裕久君 10番  中庄谷孝次郎君 11番  山野麻衣子君 12番  中村元彦君 13番  中谷謙二君 14番  丹羽直子君 15番  森下佐知子君 16番  坂口多美子君 17番  吉本昌純君 18番  園内浩樹君 19番  中塚 隆君 20番  薮 浩昭君 21番  山本忠相君 22番  芝本和己君 23番  戸田正人君 24番  松井紀博君 25番  井上直樹君 26番  古川祐典君 27番  姫田高宏君 28番  南畑幸代君 29番  尾崎方哉君 30番  奥山昭博君 31番  中尾友紀君 32番  松本哲郎君 33番  寒川 篤君 34番  北野 均君 35番  佐伯誠章君 36番  山本宏一君 37番  宇治田清治君 38番  遠藤富士雄君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         尾花正啓君 副市長        森井 均君 副市長        小林弘史君 市長公室長      犬塚康司君 総務局長       前 寿広君 危機管理局長     岡崎州宏君 財政局長       川嶋正起君 市民環境局長     和田年晃君 健康局長       佐伯正季君 福祉局長       宮崎 久君 産業交流局長     榊原佳寿君 都市建設局長     森 泰之君 会計管理者      山下勝則君 教育長        原 一起君 教育学習部長     坂下雅朗君 消防局長       山下直樹君 公営企業管理者    富松 淳君 企業局長       白井光典君 選挙管理委員会委員長 川端正展君 代表監査委員     森田昌伸君 人事委員会委員    松田美代子君   ---------------出席事務局職員 事務局長       中野光進 事務局副局長     幸前隆宏 議事調査課長     中西 太 議会総務課副課長   尾上博昭 議事調査課副課長   志賀政廣 議事班長       森本剛史 企画員        竹下裕威 事務主査       國定正幹 事務主任       中本庸介 事務副主任      中西真央   ---------------          午前10時00分開議 ○議長(井上直樹君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △諸般の報告 ○議長(井上直樹君) 諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(中野光進君) 令和元年9月19日付、和財第171号をもって、市長から追加議案の提出がありました。議案はお手元に配付いたしております。 以上でございます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(井上直樹君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において   宇治田清治君   中尾友紀君   松井紀博君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(井上直樹君) 次に、日程第2、一般質問を行います。 順次質問を許します。 戸田正人君。--23番。 〔23番戸田正人君登壇〕(拍手) ◆23番(戸田正人君) おはようございます。 最近テレビ等、あおり運転ということが取り沙汰されて、ワイドショーとかでもニュース番組でもいろいろ取り沙汰されて、本当に法改正までつながっていくという動きを示しておりますが、本当に和歌山の道を走ってても、日常的にそのような光景を目にするところであるんですけども、実は先日、役所を出て市道中橋線を北のほうへ、いわゆる伏虎義務教育学校を左手に見ながら北進やっておりまして、鷺ノ森の交差点で信号待ちでとまったんですけども、後ろの車の方が急に運転席からおりてこられて、バックミラーとカーブミラーにその姿が映るんですけども、私のほうにすたすたすたと歩いてくるわけですよ。いろいろやっぱり構えるわけですね、私も。それで案の定、運転席に来ると窓をコンコンコンとたたかれて、私もちょっと構えながら窓をおろしたら、30代ぐらいの髪の毛の少し茶色い、何か後ろできゅっと髪を縛ってピアスを、ひげも生えてるような方だったんですけども、いきなり窓をあけると、おじさん、後ろの給油口あいてますよ、閉めときますねと言うて、わざわざまた運転席から給油口をかちゃんと閉めてきゅっと帰っていかれまして。いや、久々に何かほっこりしたというか。何かあんな報道ばかり見てると、また何かあるんかなというて構えたんですけども、案外世の中はそういったことだけではないという気持ちと、そして車の運転はやっぱり譲り合いと何か信頼性というか、そういったマナーを守り運転していくのが本当にいいことなんだなと思いながら、何せほっこりした気持ちで今日を迎えておりますので、私の一般質問もほっこりとした形でさせていただきたいと思いますので、誠意ある御答弁をいただきたいと思います。 それでは、議長のお許しを賜りましたので、一般質問に入らせていただきたいと思います。 平成27年度から始まりました第1期まち・ひと・しごと創生総合戦略が、5年目であります本年、令和元年で最終年度となりまして、国は本年6月にまち・ひと・しごと創生基本方針2019を閣議決定しました。次年度である令和2年から第2期となるまち・ひと・しごと創生総合戦略が再スタートされようとしています。 国において第1期の総合戦略に対する総括が正式には発表されておりませんので、私が語るには大変おこがましいとは思うんですけれども、さまざまな有識者の方々のお話や書籍などを読み、自分なりに考えてみますと、各自治体が長期総合計画とは別に、人口減少に伴う地方の生き残りをかけた将来像を描くと言っても過言ではない地方版のまち・ひと・しごと総合戦略という計画を策定させ、また、その計画の中に重要業績評価指標、いわゆる横文字になるんですけどKPIというものを定め、また、それらをPDCA、いわゆる業務を継続的に改善するという意味で使われてる言葉ですけども、PDCAを用いて工夫されるなど、従来の言葉を書き連ねるような計画だけではなく、数字的目標を明確にし、一歩も二歩も踏み込んだ計画を一考させ、課題と目標を明確にしたものを市民と共有し、事業化していきなさいと。また、そのためには約1,000億円という規模の交付金を担保しますよといった、国としては新しい形の政策を地方に示したのでありました。財政難の地方にとっては大変ありがたい、新しい形の国の政策であったのではなかろうかと思います。 特に、総合戦略が始まった平成27年度、地方の人口減少とか、例えば、東京一極集中、いわゆる人の数というのがメーンになってでき上がってきたものだと思いますけれども、そのためにIターンやUターン、また、女性の積極的な雇用、働き方改革、移住化や定住化などの政策に加え、町の魅力とか、各自治体が短期的な視点で人の数、分母のない中での人の数の奪い合いとも言えるような政策に注視して策定されてきたものではなかったのかと私は思います。 本市におきましても、平成27年10月に和歌山市版の和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略が策定され、4つの基本目標が設定されましたが、やはり本市も人の数に注視した目標であったような気がいたします。 具体的にどのような目標であったかと申し上げますと、基本目標Ⅰ「安定した雇用を創出する」、基本目標Ⅱ「和歌山市への新しいひとの流れをつくる」、基本目標Ⅲ「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」、基本目標Ⅳ「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守る」。また、それらをブレークダウンした具体的戦略を立て、効果を検証するよう、本市も重要業績評価指標、いわゆるKPIを設定してございます。さらに、必要に応じて柔軟に総合戦略を見直し、本市の実情に応じた効果的なPDCAサイクルを構築するといった基本姿勢も戦略の中でうたっておるわけであります。 要は目標を数字化し、そしてその数字に向かって計画を立て、事業を実施し、一定期間でその事業をチェックし直し、再度行動しますといったようなサイクルであります。 ここでお尋ねいたします。 平成27年度から令和元年までの約5年間で取り組んできた和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略の数値目標の進捗及びそれらに対してPDCAサイクルをどのような形で行ってきたのかお答えください。また、現在までの本市総合戦略の総括をお答えください。 続いて、少し観光行政について触れさせていただきたいと思います。 本年1月に和歌山市のふるさと観光大使に就任され、テレビやメディア等で大々的に発言をし続けていただいております世界的ミュージシャンのHYDE氏。先日もテレビ番組の中、クイズ番組や音楽番組だったんですけども、そちらに出演されてるところを拝見いたしました。ふるさとのさまざまな自慢をするという企画ではなかったんですけれども、そのようなクイズや音楽番組の中で、御本人みずから和歌山市のふるさと観光大使であるということを司会者等と番組の中でお告げになられ、そして音楽のことはそっちのけてでもこの和歌山市の産品とかグルメとか観光地など、本当に全国の方々、視聴者に向けてPRしてくださっておりました。 また、東方神起というアイドルグループの元一員でありましたジェジュン氏や2016年度第58回日本レコード大賞優秀アルバム賞を獲得した人気ロックバンドのback number、さらには第40回日本アカデミー賞最優秀アルバム賞を獲得した人気バンドのRADWIMPS、このような方々が、これは、この方たちはHYDE氏と同じレコード会社なんですけれども、彼らが和歌山ビッグホエールでライブをするたびにラーメンをHYDE氏は自費で、もしくはレコード会社で購入していただき、それらのアーティストの関係各位全員にケータリングで振る舞って和歌山ラーメンのおいしさをPRしてくださったとも聞き及んでおります。 さらには、先日の9月4日から8日までの5日間、東京お台場にあるZepp Tokyoというところで、御本人のグッズ販売と並行して和歌山物産展というものを開催してくださったそうであります。HYDE氏がふるさと観光大使に任命されたときの関連グッズの展示や、また、玉林園のグリーンソフト和歌山ラーメンなどの産品コーナーやイートインスペースなど、これも御自身独自で企画し、販売し、PRしてくださったとのことでございます。 中でもこのグリーンソフトのキャラクター、アヒルのマークの、あれはアヒルのグリンちゃんという名前らしいんですけれども、私も初めて知ったんですけども、HYDE氏のこの格好いいデザインのTシャツにそのグリンちゃんのアヒルの絵が大きく描かれた、いわゆるコラボレーションしたTシャツが、また、トートバッグが大変な人気ぶりでありまして、その場で抽せんし、当選した方だけにしか販売しないというような異例の販売方法をとるなど、和歌山にちなんだ商品とのコラボが大変人気を博したそうであります。 この9月4日から始まったばかりのHYDEPARK。2日目のもう既に9月5日には御本人のツイッターで、「HYDEPARK和歌山物産展、大好評につき売り切れ続出で申し訳ありません!各メーカー様にご協力いただき追加発注をしていますが、生産が追いついておりません。。できる限りの入荷を予定しておりますのでご了承いただければと思います」などと発信されておられ、本当に観光大使だけではなく、商工振興大使も兼務されているのではないかと思うぐらいの御活躍ぶりであります。HYDE氏には本当に頭の下がる思いしかございません。 また、HYDE氏はさまざまな和歌山のスポットやグルメをツイッターで投稿してくださっているのですが、その説明文の語尾に「なんて素敵な和歌山なんでしょう」という言葉をつけてつぶやいたものがHYDE氏のファンの方々の中で再拡散、いわゆるリツイートをされております。これにより、「#(ハッシュタグ)なんて素敵な和歌山なんでしょう」というキーワードが確立されました。 ハッシュタグと申し上げるのは、プッシュホンの井戸の井に似たマーク、シャープと読んでたんですけども、その「#」、今、ハッシュタグと読むんですけど、ハッシュタグをつけてさまざまなキーワードをブログ、SNSに投稿することによって検索にひっかかりやすくなるんですね。例えば「#和歌山ラーメン」と入れますと、和歌山ラーメンインターネットで検索すると、すぐにそのハッシュタグのついた記事が上がってくるというシステムで、特に今、SNSをやられてる方は、例えば、ラーメンを食べに行きました、おいしかったですと言葉を並べるよりか、「#和歌山ラーメン」「#和歌山市」「#和歌山城」なんて3つぐらいのキーワードを書いてそのまま写真を投稿するということになっております。また、このハッシュタグをつけますと、趣味や嗜好の似たユーザー同士で同じ話題がつくりやすくなるというシステムらしいです。 それらSNSによる情報をもとに全国各地から本市に訪れたHYDE氏のファンの方々が和歌山の名所、また観光地、そしてグルメなどを次々と投稿し、SNSで再拡散。HYDE氏の発信、いわゆるインフルエンサーとしての効果は大変大きいものであると考えられます。 先ほど申し上げました元東方神起のジェジュン氏、この方は実は韓国人のアイドルの方でありまして、日本でも大変人気のあるアーティストなんですけども、つい先日もビッグホエールで2デイズ、2日間のライブをされたそうなんですけども、非常に超満員で大変な人気ぶりだったということなんです。 彼は改めて、ミュージックステーションという番組の中のツイッターの動画の中で和歌山ラーメン、この前初めて和歌山にライブに行きました、HYDEさんから和歌山ラーメンを差し入れいただいて本当においしかった、HYDEさんの愛情もたっぷり入ってたので、和歌山ラーメンを初めて食べてとてもおいしかったんだよということを、ツイッターで改めて和歌山ラーメンはおいしいということをジェジュンさんも発信やってくださって。そうするとその動画、そのツイートがもう既に1万人以上「いいね!」がついて、また、4,223人の方がリツイート、拡散してるわけですね。ジェジュンさんが和歌山ラーメンおいしいと言ってる動画をまた違う人が発信してくれる。非常にありがたい発信であります。私は、本当にこの韓国人であるジェジュンさんに対して、何てすてきな韓国の方なんでしょう、そういうふうに思いました。 いずれにしろ、このように肥大したネットの情報の中から自分の価値観で自分なりの情報を得る時代になってきた昨今。SNSでの情報共有から始まり、SNSでつながり、さらにはSNSで人々がコミュニティー形成されます。 HYDE氏の事例で申し上げますと、HYDE氏がSNSで和歌山市のことを発信した、それをHYDE氏のファンの方々同士が和歌山市の情報を共有した、さらにはHYDE氏のファン同士が和歌山に来られ、観光やグルメを楽しんだ、そしてまたファンの方々がSNSで「#和歌山ラーメン」などつけながら再発信して拡散していくといった循環になります。これがSNSの情報拡散システムと言われるやつです。非常に情報が早く、いろんな方々に伝達しやすいというシステムです。 また、同じような価値観やライフスタイルを共有するコミュニティーを最近のマーケット用語ではトライブ、直訳すると種族と呼ばれているそうでありまして、一緒に行動し、一緒に考え、そして思いをシェアしていく、好きなものにはとことんお金をかけていくというライフスタイル志向を指すそうであります。要は、本市にとってHYDEファンというトライブが確実にあり、その方々は和歌山市に目を向けてくださっているということは紛れもない事実であるような気がします。 そう考えますと、全国、いや、世界に何万人といらっしゃるHYDE氏のファンの方々に対して、本市はどのような観光戦略を立てているのかと疑問に思います。和歌山市役所1階ロビーに設置している観光大使就任記念品を展示している棚も、ファンの方々に広くSNSで拡散していただいてるにもかかわらず、いわゆるSNS映えしないといいますか、少し残念な展示ケースであると私は思いますし、設置場所においても、取り急ぎこの場所に設置したようにしか思えない、余り目立たない場所に設置されているようにも思います。 もちろん、現在の場所でも全国からファンの方々がこの展示スペースを訪れ、記念写真を撮られている風景は私も認識しております。しかし、先ほどから述べさせていただいてるとおり、展示スペースを訪れたファンの方々にSNSで拡散してもらえているのですから、それこそ映える、SNS映えする、また、写真映えするような展示場所や展示棚、また、それらがファンの方々のみならず、本市の観光スポットとなるような、そんな改善に努めるべきだと思いますが、御所見をお伺いいたします。 さて、地元出身のアーティストのふるさとに対する影響力は非常に大きいと私は思います。皆さんは存じ上げられてないと思いますけども、やるなら今しかない。私はひそかに長渕剛さんの大ファンでありまして、中学校2年生のときに初めて行ったライブを皮切りに、現在の51歳に至るまでの約37年間で多分35回以上のライブには参戦していると思います。その中でも絶対に忘れることができないライブが、それは2004年に、平成16年なんですけども、8月21日の夜、午後9時40分から翌朝の22日の午前5時半まで、鹿児島の桜島で行われました長渕剛桜島オールナイトコンサートでありました。 鹿児島市内からこの桜島に行くには、錦江湾フェリーに乗って海路で行くんですけども、本来なら15分程度で桜島を見ながら運航してるフェリーなんですけども、もうすごい人でありまして、そのフェリーに乗るまでにも2時間ぐらい立たされ、待って、ようやくフェリーに乗れるんですけれども、乗客が座る、乗船できるような上から人が詰めていかれて、どうも私は下のトラックや車を置くスペースにほかの人とすし詰め状態で、景色を見ることなく直立不動のまま桜島に運んでいただいて、そこからフェリー乗り場でおりてから約30分以上、特設会場ですから本当に道があってないようなところをみんなで行進して、それでライブ会場に着くというようなことでありました。 さらに、バスを使って行くルートもあったんですけども、それはもう南方方面、いわゆる錦江湾を右、南方に迂回するような形で、かなりの時間をかけてたどり着かなければいけないというところでありました。そんな条件でした。 夜9時から、次の日の5時過ぎまでの本当に夜通しライブ、そして先ほど申し上げましたように交通の便がよくない桜島、そんな条件にもかかわらず約7万5,000人のファン、島民は6,000人なんですけども、7万5,000人のファンが全国から桜島に集結し、私、皆、体が朽ち果てるまで何といいますか、ともに拳を上げ、喉をからし、そしてそのコンサートの時間を共有したものでした。 長渕剛さんは、本人もテレビや雑誌などでコンサートのことだけではなく、そのときからも地元鹿児島のグルメや観光地の紹介など、今もなお続けておられるんですけども、メディア等で鹿児島の魅力を伝え続けられております。そのため、私もその一人なんですけども、多くのファンは桜島のそのライブに行って、行った後また桜島に行って当時のコンサートを回想したりとか周辺のグルメを食べ歩いたとか、地元の土産物などを購入し、最後に日本を愛する長渕ファンは知覧特攻平和会館にも立ち寄るといった、長渕剛ツアーとも言えるような観光ルートをファン独自で旅程を組み、そして長渕剛さんのふるさと鹿児島へ訪れるといった行動がよく見受けられるようになりました。 さらにもう一つの理由として、平成16年に行われたオールナイトコンサートから2年後の平成18年、これは県内外から記念モニュメントを建立したいとの声が多数上がったそうでありまして、鹿児島県、市、地元企業で組織するモニュメント建立委員会が発足されました。同委員会が中心に募金を呼びかけ、目標額の3,000万円を達成し、モニュメントが完成いたしました。 鹿児島市としては、市の所有地にそのモニュメントの設置協力をし、あわせて周辺の広場整備、赤水展望広場と今は呼んでるんですけども、その広場整備を市も協力して行ったとのことです。モニュメントは、長渕剛さんがギターを抱え、そして桜島に向かって叫んでいるような像であることから、叫びの像と名づけられました。そのモニュメント見たさに、またそして、写真を撮ってブログにアップするために、当時ツイッターとかSNSとかは余りなかったんで、SNSというんじゃなくてブログやインターネットに上げるというようなシステムだったんですけども、全国から再度この鹿児島へ訪れるきっかけとなり、今もなお聖地であるモニュメントを訪れるファンが絶えないと私は認識しております。 先日、そのため、鹿児島県と鹿児島市に長渕剛オールナイトコンサートや長渕剛さんによる鹿児島のPRについての経済効果等、調査をかけさせていただきました。15年前という古いデータだったので記録としては残っていませんでしたという回答でありましたが、平成16年当時の西日本政策投資銀行南九州支店の発表によりますと、来場者の移動費や宿泊費、チケット代などの経済効果は50億円にも上ると試算をされていたそうであります。 また、そのオールナイトコンサートを境目に、前年である平成15年からさかのぼって平成11年までの5年間、鹿児島市の入り込み観光客数が平均823万人だったのに対し、コンサートが開催された平成16年度には一気に46万人増の869万人となっております。それ以降も次年度の平成17年から平成21年の5年間、そのときはインバウンドとかございませんでしたので、余り聞かれませんでしたので、それ以降の5年間においても同様の平均872万人と約6.0%の増となっております。全ては長渕剛さんの効果であったとは言えないと思いますけれども、鹿児島市の経済効果に大きく貢献していることは間違いないと言っても過言ではないでしょう。 また、滋賀ふるさと観光大使を務める同県出身のミュージシャンで西川貴教さん、T.M.Revolutionの西川貴教さん。この方も大変有名なミュージシャンでありますけども、テレビやメディアで地元滋賀の発信はもちろんのこと、地元で開催される御本人主催のロックフェスティバルによる収益の一部が県内各地の自治体に寄附されてるということです。累計寄附総額も約2,640万円にも上るとされております。 ほかにも琵琶湖固有種であるニゴロブナの稚魚を40万匹寄附だったりとか、さらには開催が危ぶまれていた彦根市花火大会のことを聞きつけて、観光の目玉となるように協力したいと盛り上げに一役買う意欲も示したとの報道もされており、地元ミュージシャンによる発信はふるさとに多大なる影響力と貢献度があるということが理解できるものであります。 そのような観点から考えますと、HYDE氏が本市に対して行っていただいてる貢献に対し、行政としても具体的な受け皿をつくり、そして観光客の誘客やまたシビックプライド、市民としての誇り、これらを醸成されるような取り組みを早急に行うべきと私は考えます。 ここでお尋ねいたします。 HYDE氏による経済や観光及び本市にもたらす何らかの効果は確認できておりますか。また、HYDE氏の発信力に乗じた観光戦略及びSNS戦略を進めるべきと考えますが、どうお考えでしょうか。 そして市長、先ほどから申し上げてるんですけども、本市ふるさと観光大使として本当に例えようのないぐらい御活躍くださってるHYDE氏に対して、この議場で何かお言葉がございましたら、ぜひともお述べいただきたい。そういうことを申し上げて、1問目とさせていただきます。(拍手) ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) おはようございます。 23番戸田議員の一般質問にお答えします。 観光行政について、本市ふるさと観光大使として例えようのないくらいに御活躍いただいているHYDE氏に対して何らかの言葉はないのかとの御質問でございます。 本年1月30日にHYDE氏の50歳の誕生日を記念して行われたバースデーライブで、ライブ途中、サプライズでふるさと観光大使就任を依頼し、その場で快諾していただきました。御就任後はすぐにみずからのSNSで積極的に和歌山市のPRをしてくださり、また、メディア等でも大いに発信していただいた結果、新たな観光客、特にHYDE氏のファンが多く訪れており、私も最近市内で、国内はもとより海外からのファンの方々に遭遇するなど、その影響は多大で、感謝してもし切れないぐらいに感じております。 また、HYDE氏が和歌山ビッグホエールでライブを開催していただいた以降、多くのビッグアーティストがビッグホエールでライブを実施してくれており、芸能界の中での影響力の大きさにも驚いているところでございます。 今後もHYDE氏に本市をPRしていただけるよう、観光面での魅力をさらに上げていくとともに、HYDE氏がふるさと観光大使として、何てすてきな和歌山なんでしょうと自慢できるふるさとであり続けられるよう取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 犬塚市長公室長。 〔市長公室長犬塚康司君登壇〕 ◎市長公室長(犬塚康司君) 23番戸田議員の一般質問についてお答えします。 本市の行政課題について、総合戦略について2点ございます。 1点目、和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略の数値目標の進捗はどうか、PDCAサイクルをどのような形で行ってきたのか、2点目、現在までの本市総合戦略の総括はどうかとの御質問です。一括してお答えします。 2015年度からの5カ年計画とした和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略は、4つの基本目標を掲げ、その実現に向け具体的な施策に取り組んできたところです。施策ごとにその効果を客観的に検証できるよう重要業績評価指標--KPIを設定しており、その状況を毎年確認するとともに、毎年受けている行政評価委員会での外部有識者による評価を踏まえ、必要に応じて各事業を改善しながら進めてまいりました。 次に、4つの基本目標の数値目標の進捗状況についてですが、基本目標Ⅰ「安定した雇用を創出する」の数値目標である雇用創出数5年間で1,800人については、昨年度末時点で3,141人となっており、既に達成できている状況です。 基本目標Ⅱ「和歌山市への新しいひとの流れをつくる」の数値目標である5カ年累計の社会増減数を転入超過に転じさせるについては、社会増減数が2016年マイナス724人、2017年マイナス322人、2018年マイナス225人と社会減が減少傾向にあるものの、昨年度末時点では達成できていない状況です。 基本目標Ⅲ「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」の数値目標である合計特殊出生率2013年1.43を2019年1.7に上昇させるについては、2017年で1.51と増加しましたが、昨年度の合計特殊出生率はまだ出ていない状況でございます。 目標Ⅳ「時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守る」の数値目標である和歌山市が住みやすい町だと感じる市民の割合を高める、2014年73.9%を2019年に80%にするについては、昨年度においては80.7%という状況です。 最後に、総合戦略の総括についてですが、現在、これら4つの数値目標や54のKPIの達成見込みの検証に加え、各施策に関連する統計データや外部評価、事務事業評価などを活用し、多面的に分析、評価を行うなど総合戦略の総括に向けて取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 榊原産業交流局長。 〔産業交流局長榊原佳寿君登壇〕 ◎産業交流局長(榊原佳寿君) 23番戸田議員の一般質問にお答えします。 本市の行政課題について、観光行政について3点ございます。 まず1点目、就任記念展示コーナーの改善に努めるべきではないかとの御質問です。 和歌山市ふるさと観光大使就任記念ギャラリーは、本年1月30日の大使就任を記念して2月15日に開設しました。展示物については、委嘱状のレプリカやHYDE氏直筆のサインなど、ここでしか見ることのできない貴重なものを展示しており、HYDE氏ゆかりの地、いわゆる巡礼の聖地の一つとして、土日を問わずファンの方に訪れていただいています。 展示コーナーについては、大使就任後、余り時間をかけず設置することが重要と考え、展示ケースなど庁内で調達できるもので急遽作成したため、議員御指摘のとおり、決して立派なものとはなっていません。 なお、展示場所については、休みの日にも多くのファンが来られることを想定して、庁内入り口となる西口から入ってすぐに見学してもらいやすい位置であると考えております。 いずれにしましても、展示コーナーが、議員御指摘のとおり、ファンだけでなく本市の観光スポットとなるよう、展示物の充実なども含め、展示コーナーの改善に努めていきます。 次に2点目、経済や観光及び本市にもたらす何らかの効果は確認しているのかとの御質問です。 具体的な数値としては把握できていませんが、ふるさと観光大使就任以来、HYDE氏の発信によりPRいただいている商品について大きく売れ行きが上がったり、また、土日を問わず市役所の展示コーナーに訪れるなど、HYDE氏のゆかりの地として多くのファンが和歌山市に興味を持っていただき、訪問してくれています。さらには、HYDE氏の発信を契機に、ファンの方がSNSで本市のすばらしい風景や食べ物などを「#なんて素敵な和歌山なんでしょう」で再発信してくれており、その複層的なPR効果は非常に大きいものと認識しています。 最後に3点目、HYDE氏の発信力に乗じた観光戦略及びSNS戦略を進めるべきと考えるがどうかとの御質問です。 HYDE氏がふるさと観光大使に就任して以来、SNS、特にツイッターでつぶやいた内容の反響が大きく、本市における影響は観光客の増加だけでなく、関連商品の消費拡大にもつながっていることを大いに認識しています。 そこで、観光戦略については、リピーターの獲得などさらなる誘客を図るため、HYDE氏ゆかりの地をめぐっていただく観光コースを官民一体となって造成し、発信することを検討していきます。 また、SNS戦略については、HYDE氏がツイッターで発し、ファンの中で話題となっている「#なんて素敵な和歌山なんでしょう」が拡散されており、そのハッシュタグを本市のSNSでも積極的に活用することでさらなる誘客と消費拡大を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 23番。 〔23番戸田正人君登壇〕(拍手) ◆23番(戸田正人君) それでは、御答弁いただきましたので再質問へと入らせていただきます。 なぜ私がこのような細かいとも言える数字をどのように分析してるのか、また、どのような改善策を講じているのかなどをお聞きしたのは、たとえそれらが教育分野であっても、また、福祉分野であっても、全てが人の数へという目的、さらには、公共施設においては持続可能な自走できる施設へと着地するのが、あくまでもこの地方創生に関する事業の本質だと私は考えているからであります。そう考えたときに、御答弁で施策ごとの効果を客観的に検証できるようKPIを設定したとお述べになられておりましたが、KPIとは目標とすべき数字でありまして、1年間を振り返るための検証数字ではないと私は考えるのであります。 また、基本目標の状況も達成した、もしくはしなかったと数字上での御答弁しかいただけなかったような気がします。総合戦略を立ててからの約5年間、根拠のある目標数字を立て、それらを分析し、それらの結果を追求してきたのでしょうか。単に1年間を通しての統計的な数字にしか私は聞こえませんでした。本市全体が地方創生の本質とも言える人の数という目的を達成するためのKPIの必要性、さらにはPDCAサイクルを用いて分析、評価する必要性をどう考えておられたのかと疑問に思うところであります。 私は、人の数やまちづくりというものは、市民のニーズをしっかりと分析し、計画を練り、醸成させ、そして実施していかなければならないと考えております。いわゆるボトムアップで行っていかなければならないはずが、突如と湧いた地方創生関連の交付金を獲得するため、本当に短期的な視点で総合戦略を策定し、住民の思いや魂のこもっていない計画や事業も一部では見受けられるのではないでしょうか。 例えば、この交付金を活用し、既に完成したハード事業でありますわかちか広場の整備事業。交付金を獲得するための目的だったというのも一定理解しつつも、観光案内所を1階のメーンコンコースからわざわざ地下に埋設し、他都市からお越しになった観光客の方々に活用されているんでしょうか。また、重宝されているんでしょうか。 地場産業機能もそうです。この機能を埋設したわけですね、地下に。地元の産品のPRや販売促進は本当にされたのでしょうか。一番の目的であるにぎわいは創出できましたかと、あえて聞きませんがお尋ねしたくなるものです。 また、加太の青少年国際交流センターについてはどうですか。青少年育成の目的だけではなく国際的機能も附帯させ、こちらも交付金獲得のためと一定は理解しつつも、国際的に、また、文化を初めとするさまざまな方々に活用され、にぎわいを創出できておりますか。また、利用する側も運営する側も使い勝手のよい施設となっていますかと、これもあえて聞きませんがお尋ねしたくなります。 重ね重ね申し上げてますけれども、私はこのKPIを設定するというのは、そもそも論、事業目的を明確にして、そのゴールに向かってどう取り組み、成果を上げるのか。その根拠となるものを数字的に示すと同時に分析し、進捗状況を把握していくためではないのかと言いたいわけであります。 例えば、民間企業であれば、KPIじゃなくてKGIという言葉を使うんです。キーゴールインジケーターというんですけれども、要は売り上げや利益など、企業の目指すべき指標にするわけですね、KGIを用いて。また、それらの目的を達成するために、企業はさまざまなアイデアや戦略を用いて効果を上げようとしてるわけです。 企業でいうKGI、自治体でいえばKPI。本市KPIにおける最大の成果を地方創生関連の交付金獲得だけの目的であったとされては困るわけです。 いずれにしても今後、本市において国からいただくありがたい交付金を活用して建設される予定の図書館や市民会館、四季の郷公園、つつじが丘総合スポーツ公園、有吉佐和子邸など、総論として議案に賛成してきた一人として、私は大いに期待してるところであるんですけれども、しかし、私が心配しているのは、全ての施設とまでは言いませんが、今後それらの施設の維持管理に係る費用や、また、それを少しでも補うための運営方針が確定されていないものが多く、ハード事業は猛スピードで進んでいるにもかかわらず、運営指針などのソフト事業はブレーキがかかり、立ちどまったままの状態であるものが多いと私は思えるのです。 一般的に、このような施設を建設してから修繕とか維持、そして解体するまでのコストは、その建設費の約4倍から5倍かかると言われております。令和の時代になって完成する施設をチャンスと捉え、それらの施設を活用し、人のにぎわい及び経済の循環をつくっていただきたいと考えておりますが、それらの事業の将来ビジョンを感覚的やまた抽象的なものでなく、しっかりと市民ニーズを分析し、市民ニーズを捉えながら運営方針を定め、的確にオーダー、注文していかなければならないはずの本市が、本当に建設だけを急いでしまって、設計や運営、おまけに基本構想までも丸投げしてしまっているのではないかと大変に疑問に思う事業が一部では散見されるということを申し上げたいのです。そのためにも、市民も、そして職員も、また、施設の設計や運営管理する側も、いま一つ同一方向、着地点、同じ方向に向いていないのではないかと私は憂慮するわけであります。 例えばの例で言いますと、白い画用紙でもキャンバスでもいいんですけども、真っ白なものを職員や市民や、ひいてはそれらを受ける事業者にぽんと丸投げして、何か書いてくださいと言ってるような気がしてならないんです。やはりそこのキャンバスや画用紙には、何らかのデッサンであったりとか、鉛筆で何かを形どったりとか、そういった塗り絵のようなものを市の職員やまた事業者に本市が差し出して、ここにいろんな色を着色してください、また、いろんな装飾をしてすばらしい作品に仕上げてくださいと言わなければならないんじゃないでしょうか。今、本当に真っ白なままで何かしてくださいと言ってるように聞こえてしようがないんですね。 ですから、じゃ、そのデッサンとかその型枠は何かというと、それは市民のニーズであったり市場ニーズであると思います。そういったことをきっちりと分析やって、まずは本市がある程度の形を描いて、そして色を着色し、すばらしい作品に仕上げようという方向性が必要だと申し上げたいわけであります。 どのようなにぎわいを求めるかという具体的なオーダーは必要であります。1問目の答弁では、現在、総合戦略の総括は分析中とのことで明確にお示しいただけませんでしたが、ここで改めてお尋ねします。 地方創生に関連する交付金を活用した施設整備については、建設目的に加え、よりにぎわいを創出しながら、なるべくは自走できる施設を追求するとともに住民ニーズを捉え、運営方針を何よりも本市が明確にしていくことが最重要と考えますが、御見解をお聞かせください。 次に、観光行政についてであります。 市長は、改めてこの議場におきましてHYDE氏への感謝の気持ちをお述べになられました。私も市長と同様、HYDE氏の和歌山市に対するふるさと愛には改めて敬意を表したいと思います。HYDE氏が和歌山市出身のアーティストとして国内のみならず世界で御活躍されている姿は、和歌山市民の一人として大変誇りに思います。 今回、市長のHYDE氏に対する感謝のお気持ちが、HYDE氏のファンの方々や多くの市民の方々に「#なんて素敵な和歌山なんでしょう」というワードとともに改めてSNSで再拡散していただければいいですね。期待したいところであります。 また、記念品展示スペースも、観光大使に就任していただいてたった2週間というスピード感で設置したという御答弁で、そういうことに対しては非常によくやっていただいたと思います。今までこのような記念品があっても、記念品というのは基本的に市長室になぜか展示されておるもので、一部の人--市長室に訪問した人しかなかなか見る機会がないんですけれども、このような予算のない中で速やかに1階ロビーに設置し、そして展示、市民や観光客にお目見えする機会ができたことは大変うれしく、評価させていただきます。 しかし、私が申し上げたいのは、あれからもう既に半年以上たってるわけであります。やはりそれらの展示物をより引き立たせ、また、観光スポットとなるよう改善すべきではなかろうかという趣旨での質問でありましたが、本市の観光スポットとなるよう改善や充実をしていく、また、SNSも積極的に活用し、観光PRもしていくと大変前向きな御答弁をいただけた。そういったことは大変評価させていただきます。 しかし、SNSというのは何よりもスピード感が重要でありまして、情報スピードという観点で申し上げますと、これらの御答弁である施策を、事業を補正予算を組み直してでも取り組んでいくべき価値のある事業と私は考えておりますので、速やかに御対応いただけますことを要望しておきます。 先ほども少し触れましたが、市長室には多くの著名人や芸術家の方々からいただいた数々の記念品や芸術品などが飾られております。それは、もう本当に市長室に入れる一部の人しか閲覧することができませんので、ぜひHYDE氏以外の記念品や芸術品も、もしこの際、市民や観光客の方に公開していただく機会があればよりよいのでないかなと思ってます。もちろん、市長のプライベートのものを見せてくださいと言ってるのではございません。市長が和歌山市民の代表として、もしそのような寄贈や寄附をお受けいただいた展示物や記念品、芸術品があるならば、やはり市民も見たいなと思う気持ちもありますので、ぜひともまたその機会もつくっていただけたらと思います。これは要望であります。 せっかくよい答弁を全体的にいただけてるんですけども、今回の一般質問のテーマは本市の行政課題ということで、少し奥まって入っていきたいと思うんですけども、本市の観光課の全体で行っている事業に目を向けていきますと、少し疑問に感じる部分もございますので、この際、議論を深めさせていただきたいと思います。 例えば、観光課が主管する事業として、もう御存じのように紀州おどり、また、来月開催されると思うんですけども和歌山城市民茶会、竹燈夜、食祭WAKAYAMAなどのイベントは、これらは実は内向き、市民向きの事業であります。観光課の本丸でなければならないはずの誘客、いわゆる外に向けての事業に余りなっていないのではないかと思うんです。 誤解なきよう申し添えますが、私はこれらのイベントを決して否定してるのではありません。むしろ市民向けのイベントとして市民力を高め、そして多くの市民が参加し、地域を盛り上げていくという意味では非常に意味のある、また、今後も必ず継続していっていただきたいと思います。しかし、誘客というものを目的にした観光課はこれらのイベント運営だけに傾注してしまい、それらのイベントを活用して、インバウンドなど外に向けた誘客に寄与することができていたのだろうかと疑問に思うところがあります。 例えば、地方創生の交付金を活用した事業で、3年前に約1,700万円の予算をかけて行われたビッグイベント、皆さん御記憶にありますか。1,700万円の観光事業というのは最近少ないですよ。たった3年前に行われたビッグイベント。私も会う職員さんや議員さんや市民の方に1,700万円かけた事業をたった3年前に行ったのを知ってますかと言うと、全ての人が回答されなかったんですけども、実はこれ、吉宗公将軍就任300年祭というイベントが1,700万円の予算をかけて行われた--3年前ですけど。それがどのような成果を上げ、今日の観光行政の礎となるべく政策としてブラッシュアップされてきたのか。 イベントの当該年度、本市歴史館の中にある土産物センターでは吉宗公に関連するグッズや土産品というのはほぼほぼ見かけませんでして、どちらかというと、当時NHKの大河ドラマで大ヒット中の真田丸関連商品が並んでいたし、飛ぶように売れておった記憶があります。どうしても私たちのイメージも六文銭のあのマークしか残ってない、それが印象的だったのではないかなと思います。辛辣な言い方になりますけれども、単に本当に予算を消化する事業を行っただけで、戦略的に行われた事業ではなかったのかなと、そういう思いであります。 改めて申し上げますが、観光課とは、イベント運営に明け暮れる課ではなく、本市に誘客を図るため、クリエーティブな発想で事業構想を行い、具現化し、数字、いわゆる結果を追い求めていかなければならないのではないでしょうか。私から見ると、本市観光課や観光協会の役割が大変不明瞭で、おまけにDMOの本質すらもわかりづらく、全てがどっちつかずになってるような気がいたします。 ここでお尋ねいたします。 観光課業務の中で既存のイベントなどの維持運営を行っていく部署と観光事業の構築やプロモーション企画などを行っていく部署を明確に独立させ、最終的にそれらを一つに集約していくための組織体制を改めて見直していくおつもりはございませんか。 また、先ほどから述べさせていただいてる観光マーケティングやプロモーション及び発信は、想像を絶するアイデアと戦略的立案のできる民間に委ねていくことも一つの方策と考えます。観光行政も人の数をこの地方創生の時代に必要とされておるわけですから、本市の関係人口や経済循環を導くための重要な位置づけと考えられますので、それらの提言もお踏まえいただきながら市長の御見解をお聞かせください。 以上で再質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 23番戸田議員の再質問にお答えします。 まず、総合戦略について、地方創生に関する交付金を活用した施設整備については、建設目的に加えて、よりにぎわいを創出しながら自走できる施設を追求するとともに、住民ニーズを捉え、何より運営方針を市として明確にしていくことが最重要と考えるがどうかとの御質問でございます。 総合戦略に位置づけし、地方創生に関する交付金を活用した施設整備については、老朽化や耐震化対策などの目的に加えて、地方創生の観点から施設が起爆剤となってにぎわいの創出や地域の活性化、本市の魅力向上につながる機能を付加し、かつ持続可能な施設となるよう進めてまいりました。 しかしながら、議員御指摘のとおり、にぎわいの創出や運営面において成果が十分に出ていないものもあり、利用者等のニーズや課題等の分析が不十分であったと考えています。 今後は、市民の皆様から愛され、自慢してもらえる施設となるようニーズを的確に捉え、運営方針等につなげるよう努めてまいります。 次に、観光行政について、観光行政も人の数を目的としているものであり、本市の関係人口や経済循環を導くための重要な位置づけと考えられるので、組織の見直しや民間委託の提言を踏まえて市長の見解はどうかとの御質問でございます。 人の数である国内外の観光入り込み者数は平成30年で過去最高の約669万人となり、本市の観光施策について一定の成果が出ているものと思いますが、総合戦略における目標値である700万人を達成するには、さらなる観光戦略の推進が必要であると考えております。そのためにも、議員御指摘のとおり、観光事業構築やプロモーション企画などの強化に向けた組織の見直し、その業務を遂行できる人材の育成など、民間事業者の活用も含め、より効果的な方策について検討し、交流人口をふやすことにより、さらに本市の関係人口や経済循環を導くための観光行政を積極的に行ってまいります。 以上でございます。
    ○議長(井上直樹君) 23番。 〔23番戸田正人君登壇〕(拍手) ◆23番(戸田正人君) それでは、御答弁いただきましたので、議論をより深くという意味で再々質問をさせていただきたいと思います。 答弁では、にぎわいの創出や運営面において成果が十分出ていないものもあり、また、利用者等のニーズや課題等の分析も不十分であったとされました。実際、運営面やそれらの分析などは一般的に容易ではないと私も理解してるつもりであります。特ににぎわいの創出となると、斬新かつシャープな目線で物事を捉えていかなければなかなか結果を見出すことができないとも考えております。 そのような点から、今度は図書館行政について一歩踏み込んだ角度で議論してみたいと思います。 今、まさに建設中の新市民図書館は、本来の社会教育施設機能のみならず、これはもとより、子育て世代の方々に、児童生徒の学習の場に、観光客の情報発信基地としてさまざまなニーズの方々に利用していただき、にぎわいを創出する目的もあわせ、開館されようとしております。 図書館の管理運営者であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社も年間の来館者目標を100万人という数字目標をしっかりと立て、民間企業独自の市場調査や分析を行い、万全の体制で開館準備に取り組んでいただいてるとも聞いております。また、彼らは東京本社などから既に11名の正社員を本市に移住させ、開館準備を行っていただいてるとも聞いてます。しかし、その準備というのも、現在の図書館から新館への引っ越し作業、準備のためだけではなく、社員一人一人が和歌山市に住んでいる人たち100人と会う、名刺交換しなさいというミッションをこなしているとも聞いております。 要は本の整理やレファレンス業務、サービス業務など本来図書館内で行われる業務をこなす目的だけではなく、社員一人一人が市民とのつながりを持ち、情報交換や意見交換などを積極的に行い、そして和歌山市のことを深く知ることにより住民が図書館に何を求め、何が市民の満足となっていくのかを考察していると聞いております。そして市民とともに盛り上げ、本市のシンボリックとなるような図書館を目指しているということであります。 こういうことを言いますと、また、CCCの営業マンと一部で言われるかわかりませんが、これが真実の民間の管理者の施設に関する運営する意気込みということで御理解いただいたらいいと思います。私はそのように認識しております。 そういう意味で指定管理者の運営ビジョンは非常に明確で、数字目標もはっきりさせ、スタッフ一丸となって情報共有して取り組んでおられるのがわかりますが、他方で、今までの図書館行政がよく比較対照してきました貸出数だったりとか蔵書数。よく全国ランキングで一覧表が出るんですけども、私が申し上げると単なる統計上の指標にしか見えません。総合戦略に書かれています本市の図書館のKPI--目標数字が単に類似都市である中核市の平均値を目標にしていることだけしか見えてこないんです。 わかりやすく具体例を申し上げますと、中核市の大体の平均蔵書数、これは約60万冊と言われてて、本市はまだ45万冊しかないんですね。新しい図書館も60万冊を目指しますと本市は頑張っておるわけです。また、KPIに書かれてる貸出冊数、いわゆる1人当たり何冊借りたか、何冊読んでいただくか、貸し出したかという数字なんかでも、本市はまだ3.0冊程度なんですけども、全国平均はやはり5.4冊。結局それを目指してるとの目標にしか私は見えないんです。 私が思うんですけれども、現在、休館になっております本市の図書館は、昭和57年に建てられました。その時代を含め、戦後昭和の時代において、市民は活字からさまざまな情報を得ていた時代であったんです。そのため、蔵書数が多い図書館はより市民ニーズやまた満足度をもたらせていたと、私はそう考えます。 ところが、平成の時代に入ってからパソコンというものが世の中に出回り始め、総務省の最新のデータでは、全世帯におけるパソコンの保有率は75%となっております。またスマートフォン、ここ10年間で急激に普及しているスマホも、特に20代から40代の方々の保有率は90%を超えてると言われております。全年齢層の保有率も60%超という時代になってきておりまして、気軽に調べ物ができる機器が私たち市民のライフワークの一部となっていたり、また、紙ベースとなっていた書籍や雑誌なども電子書籍、いわゆるeブックへと変化してきたりと、図書に対する市民ニーズは大変変化してきているのではないかと私は考えます。 それゆえに、蔵書数や貸出冊数が伸びないということを決して悲観することではないと私は私なりに大胆に分析しております。もちろん図書館は蔵書数が多ければ多いほどよい、貸出冊数が多ければよりよいなどの御意見やお考えがあるのも認識しておりますが、声なき和歌山市民の声も本市図書館行政はしっかりと分析し、認知していただきたいと考えます。 他方で、もしかすると蔵書の数より、好きな本を1冊選んで一日中図書館で滞在して読みふけりたい、また、ネット環境をもっと充実してほしい、また、図書館で一日中勉強したい、学習したいので、そのような場を一つでも多く席をふやしてほしい、また、家族連れで公園のような感覚で滞在できる図書館であってほしい、子供をベビーカーで連れていき、もしくは車椅子でも不自由なく回遊できる図書館であってほしいなどの声が多く聞こえるかもしれません。 新市民図書館はある程度方向性が定まってきていると思いますので、今後、本市図書館行政が明確に方向性を定め、担っていかなければならない各コミュニティセンター内の図書室の運営や分館化について、地域性や住民ニーズを捉えながら事務事業を進めていっていただきたいと考えます。社会教育施設としての役割と同時に、図書館においても人の数にこだわりを持っていただきたい。図書館における人の数とは、それは地域力であり、また、地域の居場所であるとも考えております。人々が常に訪れたくなるような公共施設であってほしいと願うのであります。 ここでお尋ねいたします。 今後、各地のコミュニティセンター内の図書室が分館として再構築されるに当たり、本来の図書館機能はもとより、各地域のニーズや特徴を分析して設計や建設及び改修に努めていただきたいと考えますが、当局の御見解をお聞かせください。 図書館を語りますとついつい熱く深くなってしまうのでありますけれども、先ほどから論じさせていただいてる地方創生時代における公共施設のあり方や運営という意味で、今までにない角度から物事を考えていただきたいとの思いで議論させていただきました。 本題に戻ります。 これまでの公共施設は税金でつくり、そして税金で維持管理するというのが前提でありました。しかし、地方創生関連における公共施設や公園も含めてなんですけれども、公共資産です。公共資産は今後どのように活用し、そしてまた自走していけるのかということを練り上げていかなければならない時代が到来しているのではありませんか。公共資産のあり方を反転させるぐらいの思いで、また、エッジのきいた取り組みで目的や目標にすべく、市民ニーズや市場を分析できる能力が本市にも必要不可欠であるということを申し上げたいのです。 某自治体の職員さんはこのように言っておられました。他都市の自治体の職員さんなんですけども。行政は、もともと法律で決められていることを正しく執行する役割を担っており、何か決まり事があることに対し正しい答えを出していくのは得意です。ただ、最近言われている地域づくりや地方創生には正解がない。正解がないことに対して答えを出していくということを職員は訓練されていないのです。そのような組織の中で斬新なアイデアを通そうとしても時間がかかるし、アイデアも丸くなってしまいます。そこで、行政組織の外に斬新なアイデアの意思決定機能を置き、エッジのきいたアイデアをそのままつくり出そうという試みが必要だと、そのように述べられておりました。本市職員においても、それらのことが実にウイークポイントではなかろうかと私は思うのであります。 昨今、他都市ではクリエーティブデザイナーだとか地方創生を業務とする民間企業などとパートナー契約を結び、ビッグデータから地域ニーズの分析や地域の資源を外部の視点で探り当て、地域内外に向けた情報発信や企画、施設の運営、新しい産業や事業の構想など、自治体の総合的な計画の後押しをするようなケースが見受けられますが、今後、本市においてもこのような取り組みを考えていくおつもりはございませんか。市長のお考えをお聞かせください。 今回、最後になりますが、私は、民間の力や知恵を大いに活用していくべきとの質問のようになりました。決してそれは本市の事務事業を民間に丸投げしなさい、すべきだと申し上げてるのでは決してございません。行政が担うべき事業は変わらぬ姿で担っていっていただきたい、また、担っていかなければならないと私は認識しております。しかしながら、申し上げましたとおり、答えの導き方が確立されていない地方創生という新たな時代のテーマが課せられた今、本市行政も今まで経験したことのない未知の世界へと突入しているのであります。 それらの時代を乗り切り、本市が令和の時代にふさわしい都市へと発展をしていくために、民間が持っているビッグデータや分析力、情報発信力、さらにはクリエーティブ力などを活用させていただきながら本市職員もともに学び、また、ともに経験を積み、新時代のまちづくりを担える職員として成長していっていただきたいという思いで質問させていただいたつもりであります。少しでも皆さんに私の質問の意図が届いてくれれば幸いです。 以上をもって私の一般質問を終了させていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 23番戸田議員の再々質問にお答えします。 総合戦略について、他都市でクリエーティブデザイナーや地方創生を業務とする民間企業などとパートナー契約を結び、事業構想など自治体の総合計画の後押しとなるようなケースが見受けられるが、今後このような取り組みを考えていくつもりはあるのかとの御質問でございます。 人口減少と少子高齢化の進展など、経済社会構造が急速に変化する中、多様化する市民ニーズを的確に捉え、地方創生を進めていくためには、官民協働や地域間連携等によりさまざまな地域課題解決や新しい産業の創出などに取り組んでいくことが重要であります。 このためには、議員御指摘のとおり、職員意識の向上などを図っていく必要もあると考えており、今後、専門的な知見を有する民間企業等とも連携しながら、市場調査やビッグデータを分析した上で施策を実施できるよう努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 原教育長。 〔教育長原 一起君登壇〕 ◎教育長(原一起君) 23番戸田議員の再々質問にお答えします。 本市の行政課題について、市民ニーズの分析について、今後、各地のコミセン内の図書室が分館として再構築されるに当たり、本来の図書館機能はもとより、各地域のニーズや特徴を分析して設計や建設及び改修に努めてもらいたいと考えるが、当局の考えはどうかとの御質問です。 コミュニティセンターの図書室は、平成28年3月に策定した和歌山市民図書館基本計画において分館化を検討することとしています。検討に当たっては、和歌山市まち・ひと・しごと創生総合戦略の計画のもと、具体的施策に取り組むこととしており、本市の目指すべき図書館としてのあり方や理念などを熟慮し、課題と目標を市民と共有していく必要があると考えます。 市民図書館基本計画での基本構想では、図書館がつなぐ本と人、人と人、人とまちを基本理念として定めており、南海和歌山市駅前に建設中の新市民図書館は、従来の図書館から知、情報、交流、くつろぎの拠点を具体化させ、子育て世代の場や児童生徒の学習の場を充実させるだけではなく、立地を生かして観光客への情報発信などにも活用するなど、滞在型の図書館として町のにぎわいの創出が期待でき、本市の図書館本館として機能するものと考えています。 また、さまざまな連携によるサービスの充実の一つとして、図書館ネットワークの整備充実を図るため、コミュニティセンター図書室の分館化の検討も進めていきます。今後、各コミュニティセンターが立地する地域の市民アンケートなどにより地域のニーズや特徴をしっかりと分析した上で計画を練り、特色ある施設となるよう考えていきます。 なお、南コミュニティセンターの図書室は現在、設計を行っていますが、おくればせながら、同時に市民アンケート調査を実施しており、その結果を設計及び運営にできる限り反映したいと考えています。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) しばらく休憩します。          午前11時13分休憩   ---------------          午後1時10分再開 ○議長(井上直樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 古川祐典君。--26番。 〔26番古川祐典君登壇〕(拍手) ◆26番(古川祐典君) 改めまして、皆さん、こんにちは。 ただいま議長からお許しをいただきましたんで質問に入らせていただきますけど、少しその前に、この間から敬老会、9月16日敬老の日でございまして、9月15日は私ども地元の鳴神のほうでも敬老会がございました。 毎年のことながら、敬老会にはいつもの地元の方々が見えられておるんですけども、敬老会のほうもだんだん高齢化してきたなというふうに思います。今まででしたらお二人で見えられてた方が、どちらかの方が、相棒がお亡くなりになって1人で見えられてたりとか、それから、敬老会の司会とか、そういったことをお手伝いしていただいてる方もだんだん高齢化してきた上に年いってきて、それでもやっぱり皆さんお元気でいらっしゃいます。そういったお元気の中で敬老会が開かれて、2時間楽しく私も過ごさせていただきましたけど、非常にうれしく思っております。 今回の質問通告の中で、成年後見制度が入っておりますけども、やっぱりそういったお一人の方がふえてくる中で、地域の見守り、声かけというのが改めて大事だなと、このように思いまして、そういうこともあり、質問の通告の中にも入れさせていただきました。 申しおくれましたけど、自民党市議の古川祐典でございます。よろしくお願いいたします。 それでは、改めまして、議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。 岡公園整備についてからお伺いさせていただきます。 天妃山が位置する岡公園は、和歌山市民の方々でしたら1度や2度は訪れたことのある公園で、特に春から夏にかけてのシーズンになりますと、和歌山城を含む周辺では桜や、それが終わればまたすぐにツツジの花で満開になるなど、季節感とても豊かであり、そういった穏やかさを感じることのできる環境も本市の中心地の魅力の一つとして親しまれ、また、特に幼稚園、保育園の遠足の場としても多く活用され、園児らが楽しく遊んでいる光景を目にするところであり、本市にとっては、普通にある公園として多くの方が昔からなれ親しんでいるところであります。 「きのくに風景讃歌」の「みどころ紀州路」等の資料によりますと、その歴史は古く、現在は刺田比古神社に移設されておりますが、山頂に弁財天社さんがお祭りされていたことから天妃山と呼ばれた岩山であり、ここは和歌山城築城のときの石切り場で、紀州の青石と呼ばれる結晶片岩で天守閣や本丸の石垣に使用したことなどから、建設のための御作事所(おさくじじょ)や百間長屋がありました。 明治に入り、旧紀州藩14代藩主徳川茂承(もちつぐ)と旧和歌山藩出身の陸軍将校の発意により、四役で戦没した491名の郷里軍人を祭るため、明治12年9月24日に山頂に記念碑を建て、山全体を公園に整備、それから明治27年--1894年に岡公園として一般に開放されました。その後、さまざまな歴史的記念碑等が至るところに建立、設置され、和歌山市の記念碑公園として親しまれるようになり、本市独自の文化の中で時代とともに長い年月をかけてその歴史を刻み、つくり上がってきた公園であります。 そういった意味では、時代の移り変わりとともに、本市の名誉市民の松下幸之助翁が寄贈された児童女性会館や、和歌山県出身の彫刻家保田龍門先生が寄贈された母子像がこの場所になくなってしまったことは残念なことです。 和歌山市の文化歴史公園とも呼べるべき岡公園が、本市の中心地、和歌山城に隣接する位置にあり、和歌山市の歴史文化財の宝庫として存在しているわけですから、和歌山城の扇風機の後ろではなく、もっと地元の資源を生かした魅力ある公園として内外的に発信できるよう、そこだけの点でなく周辺地域と連動させ、一体的な人の流れをつくれる動線を考慮に入れ、戦略的に整備していただきたく思います。 昨年12月の私の一般質問で、岡公園、天妃山にある石碑についての案内表示等の設置、動線の工夫についての質問に対し当局は、歴史要素の強い公園と位置づけた上で、歴史的イメージを生かし切れていないとし、案内看板の整備等々、「和歌山城との連動を図りつつ、人々が身近に触れ、歴史を学べる環境を整え、親しまれる公園として活用整備を図ってまいります。」としています。 まだまだ私個人的には、今の岡公園の整備状況では、中途半端な形で全体のよさが生かし切れていないような気がしており、とてももったいない感じであります。 また、ちょうど今から2年後には、2021年10月30日より第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会も開催が予定されている県都和歌山市において、その文化的魅力を最大限に発揮し、全国に発信できる絶好のPRの機会でありますし、加えて2021年、この年は、岡公園に現在、設置、保存されております市電の321号の車両が1971年に設置されてから50周年、また、陸奥宗光伯の銅像が建立されて50周年の記念すべき節目でもあります。この機会をぜひ生かしていただけるよう望むものであります。そのためには、いま一度公園のあり方、誰が見てもすばらしい文化歴史財産のある公園として喜んでいただけるよう改めて検証してほしいと思います。 そこで、お伺いいたします。 そういった本市の大切な歴史遺産が多く設置されている中、歴史文化の公園として遺産がより引き立つよう保存され、それが魅力として、一人でも多くの方に見て学んでいただけるようさまざまな工夫を進めていただきたく思いますが、現状の取り組みと、本市の歴史、文化遺産の宝庫として生かしていくために当局が目標とするところのイメージをお聞かせください。 次に、成年後見制度について質問させていただきます。 成年後見制度については、この議場においても過去に議論されてきたところですが、当局の取り組みに積極的な姿勢が見えてこないことから、制度運営、利用全般に係る観点でただしたく思いますので、そのあたり、初めに御了承ください。 制度利用については、一般的にまだまだなじみのない制度のように思われます。複雑多様化する生活環境において、一人一人の暮らしのあり方、誰もが安心した生活ができるよう後見制度利用も社会情勢に見合った形で運用され、それにかかわるソーシャルワーカーなど専門職とともに、行政側から啓発していかねばならないことも課題かと思われます。 特に、後見人が必要な方々にとっては、日常の財産管理、個人資産に係る最も重要なことなので、制度利用に対して社会的資源で個人の権利擁護を行う体制を整え、必要な方々に混乱なく活用できるよう、また、不正防止にも努めていただけるよう行政として整備し、より効率的に支援していただきたいと思う次第であります。 成年後見制度は、御承知のとおり、自分や家族が認知症、知的障害、精神障害等になるなどして物事がきちんと判断できなくなってしまい、不動産や預貯金などの財産管理ができなくなってしまったとき、その方の権利を守る援助者を選び、法律的に保護、支援する制度でありますが、これまで、独居の高齢者で、認知症の進行により地域での生活が困難になり施設入所に移行する場合や、障害者で、家族の死去により家族支援が当てにできなくなる等の課題が生じ、初めて対症療法的に利用が検討されてきました。 そこで、行政の主な役割としては、市長申し立てを行う場合や、特にその窓口となる機関、地域包括支援センター、関係担当課等や成年後見制度にかかわる専門団体との連携、利用するための手続、必要書類、後見人等になってくれる方の確保などについての相談業務などがあります。 全国的にもそうですが、特に近年、高齢化率が高く、独居老人や老人夫婦が多い社会情勢にあって、また、親族があっても本人に全くかかわらないケース、また、親族による経済虐待等が問題視される中、社会的に支援しなければ本人を権利擁護できないケースにあって首長が行う申し立ては、これからますます重要性が増す傾向にあることは容易に推察されるところであります。 そこで、お伺いいたします。 本市における成年後見制度に関する相談窓口として、家庭裁判所に申し立てるまでの対応体制はどのようになっていますか。また、課題として認識しているものはありますでしょうか。 過去5年間の福祉局における担当課別に、相談件数、市長申し立て件数実績、予算に対しての執行率をそれぞれお聞かせください。また、健康局における相談件数、市長申し立て件数実績をそれぞれお聞かせください。 その後のフォロー体制として調査、審査はどのように行っていますか、具体的にお聞かせください。 市長申し立ての場合、相談を受けてから後見が開始されるまでの期間はどのくらいの期間を要しますか。 以上、お聞かせいただき第1問とさせていただきます。(拍手) ○議長(井上直樹君) 榊原産業交流局長。 〔産業交流局長榊原佳寿君登壇〕 ◎産業交流局長(榊原佳寿君) 26番古川議員の一般質問にお答えします。 岡公園及び周辺整備について、歴史遺産が多く設置され、引き立つよう保存され、それが魅力あり、多くの方に見て学べるよう工夫してほしいが、現状の取り組み、本市の歴史、文化遺産の宝庫を生かすための目標とするイメージはどのようなものかとの御質問です。 岡公園の整備につきましては、平成29年度の長屋門移築工事を足がかりに、順次周辺整備に取り組んでいるところです。 現状の取り組みですが、長屋門移築に伴い、駐車場整備、滞留空間の創出を図り、都市公園としての機能の充実を図っています。あわせて、茶室西側に周遊コースを整備し、回遊性を高めるとともに、平成30年度から2カ年で景観を阻害していたブロック塀を撤去し、生け垣に更新する景観整備も進めています。 また、令和元年度は、国の歴史的風致活用国際観光支援事業費補助金を活用し、岡公園の周遊コースを表示した総合案内看板の設置、老朽化した看板を更新し、来園者がわかりやすく散策しやすい環境整備を行います。これにより、岡公園の歴史的記念碑等の魅力を発信することができ、来園者の増加、リピーターの創出につながると考えています。 今後の活用の目標とするイメージにつきましては、岡公園が歴史的空間であることを踏まえ、文化的イメージも生かしながら、あらゆる年代の方々が憩い、学び、体験できるような魅力ある空間づくりを目指していきます。 今後は、さらに岡公園の魅力を向上させ、和歌山城と行き来できるような検討をしていきたいと考えています。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) 26番古川議員の一般質問にお答えします。 成年後見制度について5点ございます。 1点目、本市における成年後見制度に関する相談窓口として、家庭裁判所に申し立てるまでの対応体制はどのようになっているのかとの御質問です。 本市では、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の十分でない方について、本人の財産管理や身上監護が必要な場合は、高齢者・地域福祉課、障害者支援課、保健対策課のほか、地域包括支援センターや相談支援事業所でも相談を受け付けております。また、各課の窓口では、社会福祉士、精神保健福祉士の資格を持った職員が対応する体制をとっております。 2点目、相談窓口として課題と認識しているものはあるかとの御質問です。 成年後見制度に係る相談業務の中で、「相談窓口がわかりにくい」や「制度について、わかりやすく周知してほしい」といった意見をいただくことがあり、相談窓口や制度の周知の徹底が課題であると考えております。 3点目、過去5年間の福祉局における担当課別の相談件数、市長申し立て件数実績、予算に対する執行率はどうかとの御質問です。 各年度の相談件数は、高齢者・地域福祉課で平成26年度は76件、平成27年度は91件、平成28年度は85件、平成29年度は124件、平成30年度は108件となっております。障害者支援課分は把握しておりません。 また、市長申し立ての件数は、高齢者・地域福祉課で平成26年度は19件、平成27年度は12件、平成28年度は8件、平成29年度は14件、平成30年度は17件となっております。障害者支援課では、平成26年度は2件、平成27年度は1件、平成28年度は2件、平成29年度は4件、平成30年度は3件となっております。 予算に対する執行率は、高齢者・地域福祉課で平成26年度は73.4%、平成27年度は96.5%、平成28年度は98.0%、平成29年度は69.2%、平成30年度は49.4%となっております。障害者支援課と保健対策課を合わせて平成26年度は95.0%、平成27年度は68.5%、平成28年度は86.2%、平成29年度は67.1%、平成30年度は54.1%となっております。 4点目、その後のフォロー体制として、調査、審査は具体的にどのように行っているのかとの御質問です。 成年後見制度について相談があった場合、本人の症状が軽度で、ある程度判断能力があるなど、本人が申し立てできる場合や親族がおられる場合は、本人の意向を確認し、相談をしながら本人申し立てや親族申し立てをするようお願いしています。その際、本人や親族への支援を適宜行うため、それぞれ担当課で、相談に応じた助言に加え、地域包括支援センターや相談支援事業所など関係機関と連携をとり対応しています。 市長申し立てを行う場合は、本人の判断能力の程度や2親等以内の親族の調査、ケアマネジャーや施設職員等支援者から提出される書類の確認等の上、審査しております。 5点目、市長申し立ての場合、相談を受けてから後見が開始されるまでの期間はどのくらいかとの御質問です。 それぞれの窓口で相談を受け、調査や審査を経て家庭裁判所へ申し立てた後、審判が下り、後見等が開始されます。個別の案件ごとに異なりますが、おおむね4カ月から7カ月程度の期間が必要となっております。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 佐伯健康局長。 〔健康局長佐伯正季君登壇〕 ◎健康局長(佐伯正季君) 26番古川議員の一般質問にお答えします。 成年後見制度について、過去5年間の健康局における相談件数、市長申し立て件数実績はどうかとの御質問です。 各年度の相談件数は、保健対策課では平成26年度は2件、平成27年度は1件、平成28年度は4件、平成29年度は2件、平成30年度は4件となっております。また、市長申し立ての件数は、保健対策課では平成26年度は2件、平成27年度は1件、平成28年度と平成29年度はゼロ件。平成30年度は3件となっております。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 26番。 〔26番古川祐典君登壇〕(拍手) ◆26番(古川祐典君) それでは、それぞれ御答弁をいただきましたので、再質問に入らせていただきます。 まずは岡公園からですが、市民憩いの場、本市の文化遺産を通し、誰もが歴史を学べる場として生かせるよう、市当局がしっかりと手を入れていただけることはまことにうれしいことです。そして、当局がイメージするところを市民の方々と共有、理解していただければ、より発展的にすばらしい公園になることだと思います。 ぜひ、岡公園も本市を代表する名所の一つとして、行政だけでなく、市民の方々の御協力を得ながら発信していただけるよう頑張っていただきたいものです。 例えば、岡公園には、さきにも少し触れましたとおり陸奥宗光伯の銅像がございます。私も幾度か陸奥宗光伯について過去に一般質問をさせていただいておりますが、現在、陸奥宗光伯の銅像の後方にはソメイヨシノ桜の木が植えられております。 その桜の木は、もともと市民の方々の要望、働きかけで植えられたものでありますが、これにはしっかりと物語といいますか意味がございまして、平成28年11月10日、岸田文雄代議士、現在の自民党政務調査会長が外務大臣当時に、外務省敷地内にある陸奥宗光伯の銅像再建立50周年を記念し、我々外務省の誇りである陸奥宗光伯の郷里和歌山市さんへ銅像再建立50周年の節目を記念としてと東京の飯倉公館にて、「地方創生支援 飯倉公館活用対外発信事業 外務大臣及び和歌山県知事共催レセプション」という公な式典の場で、外務省敷地内に建立されております陸奥宗光伯の銅像のそばの枝を、本市に尾花市長を通じて直接寄贈され、それを持ち帰り、育て、翌年の平成29年に外務省内敷地の銅像そばと同じように、発起人の方々、発起に協力してくれた子供たち、地元小学校の子供たち、市長、関係当局の方々によって5本植樹されたものであります。 その桜の木も、ことし少し花が咲いたと伺っております。来年の春にはもっとたくさんの桜の花が咲くことと楽しみにいたしておりまして、そういった関連のある桜の木であることも訪れた方々に知っていただけるようにしたら、もっと魅力が増すのではないかと思う次第です。 少し話がそれますが、先般、外務省国内広報室に、平成26年から平成30年、過去5年間の外務省への小中高生の年間訪問数をお尋ねしました。平成26年度訪問件数72件、人数にして1,511人、毎年増加傾向にあり、平成29年には204件、3,644人、平成30年には141件、2,705人の方々が訪問、延べ数は621件、人数にして1万1,737人の方が訪問されているとのことです。 当然、その中には、近年に行った本市の修学旅行の生徒たちも含まれており、本市の生徒たち以外で外務省を訪れた子供たち全員が、陸奥宗光伯を学び、外務省敷地内の陸奥宗光伯の銅像を見学して学んでいるわけでは確かにありませんが、外務省訪問をきっかけとして、中には、将来陸奥宗光伯に御興味を持たれ、学び、郷里である和歌山市に訪れてみたいと感じる方々もあるかと思います。また、そういった方々のために、岡公園周辺の案内がわかりやすくできることで、陸奥宗光伯生誕の地の石碑等もごらんになっていただきたいと思います。 話を戻しまして、そういったことからも、岡公園、天妃山の山頂にある征清記念碑も山頂まで上がらなければ拝見できませんし、陸奥宗光伯の銅像も近くまで行かなくては拝見することができません。特に陸奥宗光伯の銅像周辺については、数年前より周辺整備が進み、すっきりとはしたものの、一方で、駐車場ゲートが設置され、大通りからは以前より拝見しにくくなってしまっています。どの歴史遺産も、岡公園を象徴するものはすぐ近くまで行かないと拝見できない周辺環境になっております。 それら石碑等歴史財産を御案内するときの現状の多くは、和歌山城近くにある岡公園の何々といったぐあいになるわけです。これを、歴史文化遺産のある岡公園というだけでもわかって訪れていただけるように発信できないかと思います。岡公園だけではどうしても普通の公園で終わってしまい、その魅力が伝わりません。文化、歴史の財産、それらのPRが前に出ないとその魅力が伝わらないと思います。 例えば、和歌山城を訪れた方々が、和歌山市の歴史公園がすぐ近くにあるんだ、散策に行こうとか、陸奥宗光伯の銅像がすぐ近くにあるなら見に行こうというふうに、近くまで来なくても案内板等で自然と誘導し、和歌山市の歴史を堪能していただく、それぞれが、歴史財産のどれかを目的に和歌山市に訪れていただいてもしっかりと楽しんでいただけるように整備してほしいと思います。 そうして、まずは、和歌山市の方々であれば誰もが岡公園にある歴史財産の存在を知っていただく、和歌山市にいて岡公園に来たくなるよう、本市民の方々全員が岡公園にはこういう歴史財産があるんだと知っていただき、和歌山市の歴史、文化を改めて肌で感じてもらうことができればすばらしいと思います。それには環境整備が欠かせません。 高知に行けば、まず坂本龍馬を知らない人はいない。鹿児島を訪れれば西郷隆盛を知らない人はいないというふうに、和歌山市の誰もが陸奥宗光伯を知っていただけるように、今の岡公園を含む周辺は、さまざまな貴重な価値のあるものが点在しているにもかかわらず、和歌山城を除けば全体的に雑多な感じがして、訪れた方々を御案内しにくい状態であります。 そうしたことから、和歌山城周辺の岡公園ではなく、岡公園独自でも発信できる工夫をハード面からもしていただきたく思います。 和歌山城やわかやま歴史館を訪れた方々が、すぐに別のところへ車で移動するのではなく、岡公園も散策して、また、逆に岡公園を散策して和歌山城等を観光していただく、そうして楽しむところがふえればと思います。確かに、行政も旧大村家住宅長屋門等の歴史財産を設置するなど、力を入れてはいただいてると思いますが、岡公園全体をPRしていくという手法は余りなかったんではないかと思います。 そこで、陸奥宗光伯の御功績をたたえると同時に、岡公園を誰しもが訪れた際、その存在の偉大さに共感していただけるよう、それに見合った形で全体的な外見を考慮しながら、今後は整備をしてほしいと思います。 そこで、お伺いします。 岡公園の外見を考慮しながら、全体的に景観も重視した整備に対する取り組みを加えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。 和歌山城、わかやま歴史館と岡公園が一体となった散策コースとして、訪れた方々を誘導する動線づくりのため、城内にも、陸奥宗光泊の銅像のある岡公園、歴史文化公園としての岡公園への誘導案内等の表示を、また、岡公園独自としてもハード面、ソフト面から内外へ、今までのPR広報の仕方を鑑み、発信力を上げるよう工夫、検討していただけませんでしょうか。 岡公園の遺跡を整備する上で、陸奥宗光伯の銅像本体も建立50周年を2年後に控え、銅像の老朽化が危惧されるところであります。定期的なメンテナンスが必要な時期が来ているのではないかと思います。銅像の手入れには専門的な知識と作業が必要と思われますが、当局の認識をお聞かせください。 さきに述べさせていただきましたように、令和3年には市電321車両の設置、陸奥宗光伯の銅像も建立それぞれ50周年を迎えます。それを目した形で、何か記念になるようなことができればと思いますが、当局のお考えをお聞かせください。 続いて、成年後見制度についてお伺いいたします。 答弁をいただきましたとおり、本市における相談窓口については、現在、認知症の場合は高齢者・地域福祉課、知的の場合は障害者支援課、精神の場合は保健対策課となっており、手続に関して、同じ後見を受けるためであっても、ケースによってそれぞれ別で受け付け、対応し、申し立てまでもがそれぞれが独立して行っている状態です。 利便性を考え、相談窓口は広くてもよいのですが、相談や必要書類の作成のため家庭裁判所、専門職等の連携はほぼ同じ作業でありましても、実際に行っている手続業務の流れは独立しており、後見にかかわっている専門職の方々はそのほかの業務も行っているわけです。当局職員についても、対応は個人のマンパワーに頼り、チームで動きにくい状態かと推察しています。 これでは、お互いさまざまな点でロスが多く、今後さらに件数がふえることを考えますと、その分の業務負担がまた多くなるわけです。1人のソーシャルワーカーや個人が後見の相談に来ても、ケースが違えば別の担当課と相談しなければならないといったぐあいであります。 御答弁をいただいたとおり、高齢者・地域福祉課では毎年10数件の市長申し立てがあり、障害者支援課、保健対策課でもほぼ毎年数件の市長申し立てがあります。具体的内容まではお聞きしていないので一概に申せませんが、特に高齢者・地域福祉課では相談件数が100件を超えているのに対し、後見申し立ては2割に満たない状態、障害者支援課では相談件数のデータはとれていないとのことです。 ケースによって後見の手続に追われるかと思えば、別の課では、まれなケースとしての業務扱いとなっているわけであり、加えて、相談を受けてから、親族調査を含め後見を利用するまでの手続期間は4カ月から7カ月も要するとのこと、その間も、後見を利用したい状況を現場ではどうにかこうにか苦慮しながら対応している状態です。もっと包括的に対応することはできないかと思う次第です。行政として、後見を利用、活用する際の状況に対する当局の認識がまだまだ甘いのではないでしょうか。 最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」昨年の平成30年1月から12月までの全国数値資料によれば、申立人については本人の子供が最も多く、全体の24.9%を占め、次いで首長の約21.3%、本人約15.8%の順となっており、全国50の家庭裁判所管区において、和歌山の家庭裁判所管区内における総数も236件のうち51件、21.6%となっております。22番目に高い比率なわけであります。しかも、全国的には対前年比約9.5%の増加、先ほどの答弁から、和歌山市でも数値は増加傾向にあると見受けられます。 また、それだけに、今後の制度に対する体制のあり方に疑問を呈するわけでありまして、行政として、相談対応だけでは実際の援助者に対し支援し切れない状況的になってきているわけで、担当課にしっかり頑張ってくださいのかけ声だけでは済まない状況になってきております。 ほかにも、それによる弊害は労力だけでなく、ノウハウが蓄積されにくい、市長申し立てをする際の一定の基準が保たれず、被後見人の状況に対する専門職との見識に開きが生じた場合、解決に向けた作業が困難になる。また、行政においては一定期間で人事異動もあります。そうすると、いつまでも行政のスキルが上がらない等の弊害が出てくるんではないでしょうか。そうしたことから、市民に対し後見の利便性が確保されず、業務の見えにくさ、専門職との連携による信頼性、取り次ぎ業務の混乱がいつまでも解決できないで日々業務が流れているんではないかと思うわけであります。 特に、成年後見制度は措置になっているため制限がかかります。初めに直接相談窓口としてかかわる地域包括支援センターや福祉分野に従事するソーシャルワーカーがアセスメントを行い、市長申し立てを希望するケースにおいて、行政との見識が違いますとそこで話は打ち切り、福祉制度の適用が見当たらなければ行政としても現場で何とかしてくださいとなり、あとは現場に任せてしまうことになるわけです。 答弁で、地域包括支援センターと連携をとりといっても、現在の地域包括は、地域福祉の窓口業務に加え、委託元である市行政の下請機関のようなものであり、後見に関して言えば、申し立てを行うのは市長なので、担当課から言われればそれで終わりなわけです。これでは、行政として権利擁護支援につながらず、安定したサービスが難しく、当然に保障されるべき地域社会での生活の継続が結果的に困難になる事態も生じています。 例えば、本市でも、ソーシャルワーカーの方々にお話を伺いますと、財力に関係なく高価な買い物をしてしまっている方など、後見が必要と思われるケースでも、市長申し立ての手続がなかなか進まない場合があるやに聞き及ぶところであり、そうすると、その方の日常における生活の財産管理だけでも、行政はそこまで踏み込まないので大変な労力を費やすことになります。 行政に制度がなく、関連する担当課と連携をとり、問題解決に向け支援方法を探るのでしたら一定の理解もするところではありますが、到達先が同じで窓口が違うだけなのですから、何とか一本化して、より効率よく後見手続が進むようにしてもらいたいものです。そうすれば、私個人の意見からすれば、認知症者、精神障害者がふえている社会情勢にあって、恐らく本市における市民生活状況から鑑みますと、御答弁いただいた相談件数も予算に対する執行率ももっと高いのではないかと推察しています。 そこで、まず提案いたしますのは、成年後見制度のワンストップ窓口サービスの設置が一つの方法ではないかと思います。これまで市民対応窓口として、別の課でもワンストップ窓口の設置活用を検討されたことがあるかと思いますが、その先の管理、業務運営上うまく機能しにくいと判断されたのか、今後の検討課題としているのもあるのではないかと記憶しています。話がそれましたが、後見に関しては、当局にとっても複数課で受け付けている窓口業務の簡素化、明確化等メリットは大きいと思います。 るる述べさせていただきましたが、本市において、特にここ数年、成年後見制度に際し、当局の積極的な取り組み姿勢が一向に見えてきません。我々が今以上に共生社会の実現を目指さなければならない高齢社会において、その重要な役割の一部を担う成年後見制度にあっては、行政が取り組む喫緊の課題であります。 そうした社会情勢から、成年後見制度の利用の促進に関する法律が平成28年4月15日に公布され、同年5月13日に施行されました。本法律は、その基本理念を定め、国の責務を明らかにし、基本方針、その他の事項を定め、利用促進会議及び委員会を設置し、利用の促進に関する施策を総合的に、かつ計画的に推進するとされ、平成29年3月24日には、成年後見制度利用促進基本計画が閣議決定、また、平成30年4月より、厚生労働省は成年後見制度利用促進室を設置しています。 国の基本計画による基礎自治体における主な内容は、平成29年よりの5カ年計画として、1つ、制度の周知、2つ目、市町村計画の策定、3つ目、利用者がメリットを実感できる制度の運用、4つ目、地域連携ネットワークづくり、5つ目、不正防止の徹底と利用しやすさの調和、6つ目、成年被後見人等の医療・介護等に係る意思決定が困難な人への支援等の検討、7つ目、成年被後見人等の権利制限の措置の見直しであります。それらの実施計画作成は、令和3年度中をめどとする努力義務とされております。 うち、本市において、現在の状況を鑑み、特に力を入れていただきたいのは、地域ネットワークの整備に向けた取り組みの推進、中核機関、協議会の設置であります。 中核機関とは、市直営または委託により地域連携ネットワークのコーディネートを担う機関で、具体的には、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会等の専門職、家庭裁判所、医療・福祉関係団体、金融関係団体、地域関係団体、地域包括等による専門的助言等の支援確保や協議会の事務局など幅広い関係者との信頼関係を維持、発展させ、円滑に協力を得るノウハウ等を蓄積しつつ、地域における連携、対応強化の推進役を継続的に維持していく役割を担う機関であり、協議会としてもその枠に組み込まれています。 そこで、お伺いいたします。 現在、全国中核市58市中、成年後見制度を利用するための中核機関が設置されている市は幾つありますか。 本市においても、成年後見制度のより効率的な運営のため、中核機関、協議会の設置は喫緊の課題だと考えますが、本市に見合った中核機関の整備に対する当局の考え方をお聞かせください。 成年後見制度の利用窓口として、ワンストップ窓口サービスの設置の導入をしてはと考えますが、当局の考えをお聞かせいただきまして私の再質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(井上直樹君) 榊原産業交流局長。 〔産業交流局長榊原佳寿君登壇〕 ◎産業交流局長(榊原佳寿君) 26番古川議員の再質問にお答えします。 岡公園及び周辺整備について4点ございます。 まず、岡公園全体の景観を重視した整備についての取り組みについて、次に、発信力向上のための工夫について、次に、陸奥宗光伯の銅像のメンテナンスについて、最後に、令和3年に50周年を迎える陸奥宗光伯の銅像、市電についての当局の考えはどうかとの御質問です。一括してお答えします。 岡公園は、和歌山城の南東部に位置し、古くから岡山と呼ばれ、和歌山城築城当時の石切り場であった歴史的な公園であると同時に、陸奥宗光伯の銅像など数多くの石碑や、かつて市内を走っていた機関車や市電が保管されるなど、市民にとってメモリアルな要素の強い空間です。このような歴史的な公園であると同時に、茶室や遊具が整備された都市公園としての役割も担っています。 このような岡公園の特徴を生かしながら、繁茂した樹木の剪定等、景観に配慮し、歴史遺産が多く配置されている公園としてふさわしい整備に取り組んでまいります。 次に、発信力向上の工夫についてですが、和歌山城公園と岡公園の歴史的関係性を周知するためのホームページを活用した説明サイトの新設、また、和歌山城内に設置されている誘導看板に岡公園を示す案内標の添架を検討したいと考えています。 次に、陸奥宗光伯の銅像のメンテナンスについてですが、銅像建立は、明治100年記念事業の一環として昭和46年に岡公園内に建立されたもので、銅像の制作者は和歌山県出身の彫刻家保田龍門氏作の原型によって、御子息の春彦氏が完成させたものです。建立から長い年月が経過し、風雨や木々からの汚れで変色していることは承知しています。 今後、シンボル的銅像の管理方法等について、他都市の状況も調査、研究し、銅像修復の専門家に意見を聞きながら適切に保存できるよう努めてまいります。また、市電の設置、陸奥宗光伯の銅像の建立50周年に向けて、より広く知っていただけるよう取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) 26番古川議員の再質問にお答えします。 成年後見制度について3点ございます。 1点目、全国中核市58市中、成年後見制度を利用するための中核機関が設置されている市は幾つか、2点目、成年後見制度のより効果的な運営のため中核機関、協議会の設置は喫緊の課題だと考えるが、本市に見合った中核機関の整備に対する考えはどうかとの御質問です。一括してお答えします。 中核機関が設置されているのは、中核市58市中8市と把握しております。また、成年後見制度の利用促進については、平成28年5月13日施行、成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づき、市町村は、国の成年後見制度利用促進基本計画を踏まえた基本計画の策定や地域連携ネットワークづくり、中核機関の設置が努力義務として定められております。 中核機関、協議会の設置は、権利擁護支援の必要な人の発見や支援、早期の段階からの相談、対応体制の整備など、支援体制の充実のために必要であると考えておりますが、人材育成、確保や財源的な懸念もありますので、現在、本市にとって最適な方法を考えているところです。 次に、3点目、成年後見制度の利用窓口としてワンストップ窓口サービスを導入してはどうかとの御質問です。 高齢者や障害者の方についての相談は、本人を取り巻く環境など、その内容が多岐にわたることが多くあり、対応に専門性が求められていることから、市役所など各窓口で広く高齢者や障害者の相談を受けているところです。 一方、議員御指摘のとおり、成年後見制度に特化した窓口の一元化は、窓口の明確化につながるとともに、今後さらに相談件数がふえた場合にスケールメリットがあると考えます。 今後、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会、家庭裁判所など成年後見制度にかかわる関係機関とも意見交換を行いながら、窓口を含めた相談体制のあり方について検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 26番。 〔26番古川祐典君登壇〕(拍手) ◆26番(古川祐典君) それぞれ御答弁をいただきましたので、再々質問に入らせていただきます。再々質問のほうは、ちょっと成年後見制度のほうから入らせていただきますことを御了解ください。 成年後見制度についての中核機関設置、運営については、権利擁護支援の観点から、地域連携ネットワークの構築こそ包括的な取り組みの重要な手段として、厚労省もその肝いりとして今後取り組んでくることでしょう。 現在、和歌山県のほうでは、成年後見支援センターが和歌山県社会福祉協議会の中に設置されていますが、本市では、成年後見支援センター等は設置されていません。県との連携も個人的には伺ったことがございません。 今後は、制度、分野ごとの縦割りや支え合いの関係を超えて、地域やそれぞれの団体が我が事として人と社会資源が丸ごとつながり、地域をともにつくっていく地域共生社会の実現が目指されています。地域の将来を見通した全体構想が必要なわけです。言うに及ばず、中核機関の設置は成年後見制度利用促進のための手段であります。後見利用に対し、しっかりとすくい上げのできる体制を整備していただきたいと思います。 また、国のほうより、平成29年よりおおむね5カ年と令和3年度中をめどに成年後見制度利用促進基本計画の策定、地域連携ネットワークづくり、中核機関の設置が努力義務として求められていますし、現在は、全国中核市8カ所にとどまっていますが、恐らくこの令和3年度中までには幾つかの中核市も策定してくるものと思います。 そこで、改めてお伺いいたします。 要望も加えまして、本市においても令和3年までに成年後見制度利用促進基本計画の策定、中核機関設置に向け、令和3年度中までに取り組んでほしいと思いますが、改めていかがでしょうか、お答えください。 続いて、岡公園の整備についてでございます。 観光や今だけを考えるのではなく、多くの日本人我々が御先祖様に感謝の念を持つように、郷土の歴史、遺産、偉人に対しても尊敬の念を持ち、敬意を払って取り組んでいただきたいと思います。 今の我々が、特に行政におかれましては、現在、そのあり方だけでなく本市の大いなる遺産をしっかり受け継ぎ、次の世代にすばらしい文化歴史公園としてつないでいかなくてはなりません。その責任が我々にはあります。今の歴史遺産の存在を私たちがありがたく思うように、次の世代によくここまで整備してくれたと言ってもらえるようにしたいものです。そうした思いの中で活気につながり、発展的で和歌山市らしい文化力の高い中心市街地になっていくのではないかと思います。 しっかりと答弁でもいただきましたが、改めて岡公園の歴史財産一つ一つに磨きをかけ、誰が来ても岡公園が歴史文化遺産の保護公園として誇れる、本市にふさわしい公園となるようにお願いいたしまして私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(井上直樹君) 宮崎福祉局長。 〔福祉局長宮崎 久君登壇〕 ◎福祉局長(宮崎久君) 26番古川議員の再々質問にお答えします。 成年後見制度について、令和3年度中までに成年後見制度利用促進基本計画の策定、中核機関の設置に向け取り組んではどうかとの御質問です。 国は、成年後見制度利用促進基本計画に係る重要業績評価指標として、令和3年度末までに計画の策定、中核機関及び協議会等の合議体を全ての市町村で設置するという目標を定めています。 本市としても、利用促進基本計画の策定や中核機関の設置に向けて、さまざまな課題があるものの、本市に適したあり方を検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) しばらく休憩します。          午後2時10分休憩   ---------------          午後2時35分再開 ○議長(井上直樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 北野均君。--34番。 〔34番北野 均君登壇〕(拍手) ◆34番(北野均君) 年齢のせいかトリでございます。よろしくお願いします。 議長のお許しをいただきまして、一般質問の機会をいただきましたこと、多くの市民の皆様初め議会、それから当局の皆さん、本当にありがとうございます。感謝申し上げます。 1年ぶりにここへ立たせていただきますと、見える風景が幾分違って見えます。議員各位の席順だけではなしに、新たに市政に参画された議員の諸侯初め、和歌山市の発展に寄与しようという、その意識にあふれた令和元年の皆様方の新しい市議会の熱い息吹を感じております。年月の経過に感慨を抱きながら、自身を奮い立たせて、和歌山市に寄せる思いを皆様方と一緒に歩きたいなというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) さて、8月の末に政和クラブの面々と山口県の周南市へ行ってまいりました。本市の3倍の面積を持つ周南市でありますけども、人口が約14万4,000人と本市36万4,000人の約4割で、本市と同じように昭和60年時を人口のピークにしまして、それからずっと人口が減っているという都市であります。本市と同様に、いろいろ苦労されてるんだなというふうに拝察をされるところであります。 周南市が力を込めている施策に徳山動物園、それから新幹線徳山駅に併設する駅前図書館がありまして、それぞれ成果をおさめているとの情報を聞きまして、和歌山市にも運営に工夫を凝らし、来園者が増加している和歌山城公園の動物園、それから今現在、着々と工事が進み、姿を見せつつある新しい市民図書館について、何らかの参考になるのではないだろうかというふうに考えまして視察に行ってまいりました。 徳山動物園は、元徳山藩主毛利氏の屋敷跡に設けられまして、付近は住宅街というまちなかの動物園で、多少の苦情はあるにせよ、童謡の「ぞうさん」の作詞をしたまど・みちお氏が徳山出身ということもあり、市民に親しまれ、愛着を持たれているので、何かと協力を得られているとのことであります。 動物の種類は、ミーアキャット、虎、ライオン、キリン、象、ペンギンなど120種、500点もの多種の動物や鳥類を飼育しておりまして、レッサーパンダの繁殖では全国有数の動物園であるということであります。円形3階建ての管理棟のどの窓からでもレッサーパンダを観察できるようにしつらえた展示は、訪れた人にはインパクトのある見せ方だなと感心をいたします。 それ以外にもモルモットやヤギ、ミニ豚などと直接触れることができる「るんちゃるんちゃ」とネーミングした触れ合いゾーンが人気を呼んでおり、市外からの来園者も多いとのことで、10年前から約50億円をかけて2027年の完成に向けてリニューアルの真っただ中であります。 動物園の運営について、徳山動物園と和歌山城公園の動物園とは施設の趣旨、それから規模、予算、人員がかなり違いますので、一概に倣うべきだとは言えませんけども、飼育、繁殖、展示方法を含めて、全国の動物園やエリアブロックに属する他の動物園との情報交換や協議が重要であるということをお聞きしましたので、全国的に珍しい本市のお城の動物園が親しまれるよう、当局には参考にしていただけたらなというふうに思います。 周南市立駅前図書館は、新幹線と在来線の徳山駅のビルに併設されている図書館で、周南市の中央図書館初め6館ある図書館のうち、2018年に図書館、それから書店、カフェが同居するカルチュア・コンビニエンス・クラブが指定管理者となって運営する市立図書館であります。 管理が行き届いた美しい図書館で、駅と併設するという至便さやカフェでの休憩を兼ねているのか、平日にもかかわらず多くの方でにぎわっておりました。3階建ての駅ビル全てが図書館のようですが、飲食や山口産品の土産販売所もあり、かた苦しい雰囲気を強いるようでもなく、まち行く人がちょっと息抜きに立ち寄れるというような感じがいたしました。 私たち一行が到着しますと、駅の表で迎えてくれたCCC公共サービス企画カンパニー社長で海老名市立図書館館長の高橋聡さん、それから周南市の中心市街地整備課の次長さん、それから周南市の中央図書館の館長さんほかが待ってくれてまして、その人らの案内で館内を見学し、その後、会議室で駅前図書館のコンセプト、それから建設の企画、運営について詳しい説明をお聞きしたところであります。 周南市の人口構成、地域の気風の分析、それから新幹線、在来線の駅に併設されてることによる人の動きなどから、図書館をどのように味つけすればよいのか、中でも、従来から20歳を迎えた女性は周南市から出ていくと言われておったらしいんですが、そういう状況をどのようにすれば食いとめられるのか、まちの様子を分析し、それに対処できるまちづくりに力点を込めたという説明、それから、開館して2年目を迎えているが、入館予測で当初100万人としていたものが、予測をはるかに超える200万人もの方々が入館されたということで、今後の施設運営に資するため、利用者の年齢構成、それから利用の仕方、駅での立地に伴う市内、市外の人の利用割合などを数値的に調査しているという説明が特に印象に残りました。本市図書館の職員も同席しましたので、その辺の話は新しい図書館に生かしてくれることだろうと期待をしております。 41億円余りをかけて建設する和歌山市の新しい図書館です。ぜひにでも老若男女が交流する、そして文化、学芸、学術における本市の顔となることを願う者の一人として、性根を据えてこの事業に取り組んでいただきたいというふうに思っております。 ところで、この視察に行く直前に、議会事務局より全国市議会旬報が配られました。道中拝察をいたしました。 見出しには、「『圏域』構想に疑問相次ぐ」と題して、地方制度調査会が高齢者人口のピークを迎えつつある地方行政のあり方についての中間報告をまとめ、広域的な行政課題に対し地方公共団体が連携、協力して対応していくことが求められるとして、圏域推進の意向をにじませたとされることに対し、全国市議会議長会から、「市町村行政一般が広域連携の対象だと直ちに結論づけることには慎重であるべきだ」「地方自治の原点である『市町村起点』の考え方を大事にすべきだ」「広域連携を否定しているわけではない。どんな分野の事業で広域的な市町村連携が必要になるか、役割分担の整理をまず行ってほしい」「全国隈なく『圏域』の中に市町村を押し込めるような中央集権的な発想の転換はとらないでほしい」、全国の市長会からは、「『圏域』に関する言葉が漠然としたまま使われている。自治体が『地方公共団体』という一つの言葉でもくくられている」、全国町村会からは、「なぜ現行制度の活用ではだめなのか」、全国町村議会議長会からは、「国が一定の枠組みを決め、誘導して圏域行政にもっていくのは認められない」といった意見が出され、地方制度調査会の会長が、「圏域を前提とした議論はしていない。現行制度の良さも含めて、今後、議論していきたい」と引き取ったという第32次地方制度調査会の全国大会の模様が紹介されておりました。 私は、1年前の平成30年9月議会においてコンセッション方式について質問した際、その内容の一部で圏域について触れました。圏域とは、全国1,724ある市町村の枠をなくし、それまであった幾つかの地方自治体を組み合わせたものを新たに圏域という行政主体とする構想であります。 当然、昔から育まれてきたその地方独特の文化や風土を無視した、人口規模や生産性を平準化した枠組みとなるように構成される行政体とし、行政の効率性、経済性のみに重点を置くものとなるのでしょうが、恐らく国によって規定されるであろう行政体が、そういった採算性のみに着目するかのような性格でいいものなのか大いに疑問であり、全国津々浦々、国民、県民、市民、町民、村民の意識の問題でもあると思います。 が、現時点で、既に地方制度調査会の中間報告という形で圏域構想が語られることとなっていることについて、地方分権だの地方創生だのと喧伝される裏で、いかにも中央集権的な施策が着々と検討されている現実、東京一極集中が国力をそぐから、その対策として省庁を地方に移転するという動きは遅々としたまま、行政施策だけでは限界なのか、人口の東京集中がいまだに進んでいる現実を見ると、この旬報から伝えられた内容に非常に驚き、落胆し、また、恐ろしいなというふうに思ったところであります。 全国市議会議長会会長は、大会の席上、以下のように発言されております。   市町村は、住民に最も身近な基礎自治体。「市町村起点」は地方自治の原点だ。「人口減少など地域の急速な構造変化に一般市町村は到底対応できない」と証拠のない前提に立ち、「だから地域の枠を越えた連携だ」と一足飛びに議論するのは論理の飛躍。   「生活圏」「経済圏」といった曖昧な地域概念の下、市町村の行政一般を視野に、一定の市町村の区域を画一的・固定的に「圏域」として全国に張り巡らすような政策には賛成しかねる。「圏域」設定が政府方針として決定され、既成事実化している現状は残念だ。   圏域構想が--私どもの誤解でなく事実であるとすれば、戦後地方自治制度の根幹をなす「市町村中心」の大転換と認識せざるを得ない。地方自治制度の根幹を変える議論でありながら、国土政策や地域政策の衣をまとい、それと気付かれないようになし崩し的に本質的な変容を迫る審議の進め方は、国・地方の信頼を大きく損なうことにならないか、危惧している。全国隈なく「圏域」の中に市町村を押し込めるような中央集権的な発想の政策はとらないでほしい。 全くそのとおりとの思いを深くするところで、将来のある日、和歌山市という地方自治体がなくなり、国によって周辺の市や町と組み合わされた圏域を行政主体とする法律を施行しようとしているやに見えるのに、それと気づかれないように、財政難にあえぐ本市を含めた地方自治体に対してなし崩し的に本質的な変容を迫るやり方は、コンセッション方式の質問に対する市長の答弁にありましたように、国では下水処理場の施設改築に関して、社会資本整備総合交付金の交付に当たって、コンセッション方式の導入に係る検討を完了していることを要件にしたりしているなどでも推量されるところであります。 また、圏域に関して総務省では、平成30年7月より、複数の市町村で構成する圏域を行政主体として制度化する議論が開始されたが、この動きと地方創生推進交付金の国の制度との関係は現状では明らかではないとの答弁もいただいております。 そこで、市長にお伺いします。 地方制度調査会の中間報告について、市長はどのように思われますか。忌憚のないお考えをお聞かせください。 圏域構想について、国の検討状況を踏まえ、県下市長会でも議論の必要があるとの答弁をいただいておりますが、その後、県下市長会ではどのような議論が交わされているのでしょうか。 地方制度調査会は内閣総理大臣の諮問機関ですが、当該団体がこのような中間報告を出したということは、国ではこの議論が相当進んでいると推しはかられます。内閣府や総務省を初め、国の機関では現段階でどのような議論になっているのか、知り得るところを御教示ください。 それから、現在、議論されている圏域構想は、都道府県を対象にしていないのでしょうか。 それから、総務省での議論とされる圏域構想の制度化と、本市が頼る地方創生推進交付金の関係は明らかではないとされていましたが、その後どうなっているのでしょうか。 次に、公共施設の維持管理について伺います。 維持管理といえば、道路や橋梁あるいは建物や装備品の改修に幾らかかるかということになりますが、私がただしたいのは、本市所管の公共施設のうち改修が必要とされるものについて、幾らくらいの予算を見積もらないといけないのか。現在進行中の大型事業に振り分ける予算と同時進行しているわけですが、財政的なバランスがとれているのかということが、市の財政運営の専門家でもないにもかかわらず心配されるからであります。 本年5月、新たな会派政和クラブが構成されるに当たりまして、メンバーそれぞれが市政に具申したいと考える事柄を話し合った席上、私は、めじろ押しの大型事業と市民生活に関連する各種事業とが財政的にバランスがとれているのか注視したいと言ったところ、それなら、本市が計画している大型事業がどれぐらいあるのか、皆で調べてみようということになりました。 財政部から、本市が取り組む大型事業の事業費、平成30年から令和9年までの一般会計の中期財政見通しについて説明を受けたところであります。それによれば、大型事業は、一般会計分では(仮称)市民文化交流センター--市民会館です。それから市民図書館、四季の郷公園のリニューアル、扇の芝整備、大奥の整備、つつじが丘テニスコート周辺整備、市街地の再開発、それから岡崎団地の建てかえ、旧第2工場跡への消防活動センター整備の9事業、合計総事業費が460億9,800万円、特別会計分では、中央卸売市場整備、それから北駐車場整備の2件、合計111億5,900万円、合わせて572億5,700万円の巨額投資額であります。 一方、一般会計の中期財政見通しでは、平成30年から令和2年まで歳入の国県支出金と市債合わせて520億円から540億円で推移、令和3年から令和9年までおおむね450億円で推移する予定で、歳入平均で、平成30年から令和2年までと令和3年から令和9年までは78億円の減額になっております。 歳出では、平成30年から令和2年まで歳出の公債費と投資的経費を合わせて321億円から362億円で推移、令和3年から令和9年まで243億円から250億円で推移することになっており、歳出平均で、平成30年から令和2年までと令和3年から令和9年までは90億円の減額となっております。 投資的経費については、令和2年までは優先、令和3年からは約半分に抑えられ、公債費が平成30年から令和9年まで150億円から160億円台に平準化されるような枠組み、歳入、歳出とも令和2年までは1,500億円近くの規模に達し、令和3年から令和9年まで1,400億円台となる見通しとしています。 市債の発行額が令和2年まで100億円を超えているのに、令和3年からはその半額としていることや、扶助費や企業会計を含む繰出金の推移がこの予測額でいけるんだろうか、ええ、ほんまかいなという思いがいたします。 財政部の説明では、何とかしのいでいけるよう頑張りますということでありますが、言わずもがな相当苦労されているんだなというのが私の感想で、本市の身の丈に合った予算構成なんだろうかと半信半疑の思いがすると同時に、市民生活に直結する生活関連予算が圧迫されざるを得ないのではないかなと不安を覚えるところでもあります。 本年8月10日付産経新聞に、国交省や地方自治体が平成26年から平成30年度に実施したインフラ老朽化点検で、橋梁、トンネル、歩道橋など道路附属物の8万カ所近くが5年以内の修繕が必要と判定されたが、実現は困難な状況で、国交省は社会資本整備総合交付金や個別の補助制度などで自治体管理施設の修繕を支援しているが、進捗のおくれを踏まえ、拡充を検討するという記事や、9月6日付読売新聞では、「危険ため池4倍2539カ所」という見出しの記事で、平成30年の西日本豪雨によるため池の決壊によって大きな被害が発生したため、自治体任せであった危険なため池の認定基準を、国がため池から100メートル未満の浸水区域に家屋や公共施設などがあるものは危険であると定めて改めて調査をしたら、今までの4倍ものため池が危険だと判定され、和歌山市においても危険ため池が25カ所から289カ所にふえ、耕地課職員が地図の作成や管理者の確認を早急に進めたいとしているそうであります。 ため池への対応は市町村が所管しているが、予算や人員の確保がネックになっているとの記事を読みまして、和歌山市にはどれぐらい改修が必要な公共施設があるのか、昔から、住民要望を受けて改修のお願いをしても、市行政内の管轄の違いや予算の関係でスムーズに事が運ぶことが少ないだけに、それらの比較的少額予算で完結する事業に向ける予算が確保されているのだろうかということに思いをいたしたわけであります。 一例を挙げると、市役所社会で巷間うわさされる人員、予算ともに欠乏している道路管理課が所管する公共施設の維持管理、改修について、今後の必要事業量の説明を請うたところ、省令、告示の規定により定期点検が必要なトンネルや大小の橋梁で、点検、改修が必要なものは969カ所、そのうちには緊急改修が必要な83橋が含まれており、年間予算として3億円余りは最低限必要である。舗装598万平米の改修が必要と見込まれるものの、例年1億7,000万円程度の予算額では、今後175年かかる計算になるとのことであります。 従前から和歌山市行政の特徴は、新設物件には金をかけるが維持管理には無頓着で、修復不能寸前まで事実上の放置に近い対応しかしないと聞かれるところであり、事実、耐震診断で不適となり、エレベーターがストップしたまま事務所として使用されている教育文化センターの例を見てもしかりで、ほかにも数多くある和歌山市所管の建物、施設も同様な状態だと思われます。 こう見てくると、本市の現況の取り組みは、大型事業のみに目がいって、日常市民生活に直接かかわる公共施設の維持管理について財政的に無関心だと思えて仕方がありません。 そこで、伺います。 現在の財政状況にあって、次なる大型事業に取りかかる体力があるとすれば、どのぐらいの予算規模の事業でありましょうか。 それから、一般会計の中期財政見通しからは、大型事業に偏向し過ぎるようにうかがえる予算内容ですが、市政に対する市民からの需要並びに既にある公共施設の維持管理について、どのように予算配分、財政運営のバランスをとろうとしているのでしょうか。 次に、今まで申し上げた大型事業への財政出動を牽制すべきという論調とは逆になるわけなんですが、本市としては、今、検討を実施すべきだと考える比較的少額事業について申し上げます。 本年11月9日から第32回全国健康福祉祭和歌山大会「ねんりんピック紀の国わかやま2019」が開催されます。本市において卓球、テニス、ゲートボール、水泳競技が予定され、いずれも人気があるため、全国から選手、関係者、来客が訪れることになり、また、2年後の10月30日から第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭「紀の国わかやま文化祭2021」が開催され、県内各地で多彩な文化イベント催事が予定されております。そういう折の和歌山への玄関口は、JR和歌山駅と新装の南海和歌山市駅だと思われます。 そこで、現在のJR和歌山駅が玄関口としてふさわしいのか。果たしてそうとも言い切れないのは、タクシー、一般車両、障害者車両、福祉車両の乗降場所であります。 和歌山駅西口について、バス、タクシー、一般車両が分離した乗降場となっていることや、歩行者にとって雨天時のための屋根が設置されているのはいいのですが、タクシーに関して、乗降場所は国体時に後づけで張り出し屋根が設置されたため、その高さが極めて低いので、今のタクシー車種には万全ではありません。 先日、会派の出張の帰りにタクシーに乗りましたが、回ってきたトヨタ・プリウスのハッチに荷物を積み込む際、そのままあけたら屋根に当たるので、運転手が片手で抑えながら片手で荷物を積み込んでくれたのであります。乗り場の屋根高は1,800ミリメートル、プリウスの開口ハッチは2,050ミリメートルだからであります。 最近は、国の推奨でトヨタのジャパンタクシー、日産のNV200タクシーなど、いわゆるユニバーサルデザインタクシーが主流となりつつありますが、和歌山駅のタクシー乗降場所の屋根の低さにより入ることができません。当然、ワンボックスカーベースのジャンボタクシーもしかりであります。 わずか5年前に設置された屋根が今では役に立たなくなりつつあるのは、ジャンボタクシー、警察車両が屋根に接触し、破損する事故が頻発していることが証明しております。また、障害者車両のスペースには、乗降場所にはそもそも屋根がありません。現在では非難の対象になることが危惧されるところであります。 和歌山駅東口について、このロータリーは今から25年前、平成6年に整備されたので、現在では利用者の利便性からかけ離れたものになっております。 一般車両の乗降場所は、駅の入り口から南に50メートル離れているので設計どおりに利用されることはなく、タクシー乗り場近くに停車、降車するのでタクシー運転手とのトラブルは日常茶飯事、タクシーの降車場所も駅入り口からさらに60メートル以上離れており、タクシー客の乗降は、実際は駅入り口で同じような場所になっており、また、それぞれの乗降場所への動線上に屋根がないため、雨天時は駅の入り口付近に全ての車が集中するので混雑、トラブルの原因となっております。 さらに、非難されるであろう障害者車両、福祉車両の専用の乗降場所が存在しないことであります。障害者差別解消法の趣旨にのっとった行政施策が求められると思われます。 加えて、民間事業者による伊丹空港、和歌山駅東口を結ぶリムジンバスの運行計画があり、本年度中の事業開始を準備しているとのことであります。これが実現すれば和歌山駅東口の利用者がふえることは必定で、快適な利用環境のために施設整備が求められることになると考えられます。本年11月のねんりんピック、2年後の国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭の開催に向け、和歌山駅東西にある玄関施設の整備が急がれると考えます。 そこで、お伺いします。 和歌山駅東西玄関口の施設整備について、1つ、西口、タクシー乗り場、おり場の屋根の高さ不足解消策、2つ、西口、障害者、福祉車両の乗降場所の雨天時の対策、3つ、東口、一般車両の乗降場所への誘導改善策、4つ目、東口のタクシー乗り場の歩道の改修、5つ目、東口、現状に即したタクシー降車場所の移設、6つ目、東口、障害者、福祉車両の乗降場所の設置、7つ目、東口、乗降客動線への屋根の設置、これについて検討をしていただきたいと思います。 以上、るる思いを込めてお伺いいたします。どうもありがとうございます。(拍手) ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 34番北野議員の一般質問にお答えします。 地方制度調査会の中間報告について、忌憚のない考えをとの御質問でございます。 中間報告の中では、圏域構想に関する制度化、法制化について具体的には触れられていないものの、圏域における地方公共団体の協力関係等の広域連携に関連する方策では、地域の枠を越えた連携を中心に整理され、引き続き調査審議を進めることになっております。 中間報告の取りまとめに当たり、地方六団体からの意見聴取が行われ、各団体の代表者から、国から一方的に法律に基づく制度づくりが行われるのは決して容認できないといった意見や、画一的・固定的な圏域を押しつけることはあってはならないといった厳しい意見も述べられております。 また、本年6月、全国市長会からは、国に対して、調査審議を進めるに当たっては、住民に最も身近な基礎自治体の意見を十分踏まえるよう要請を行っております。 今後も、国は議論を進める意向であると思われますが、新たな広域連携に関する制度を創設される場合であっても、あくまで広域連携の手法や内容は、それぞれの地方公共団体の自主的な判断、決定に委ねられるべきだと考えております。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 前総務局長。 〔総務局長前 寿広君登壇〕 ◎総務局長(前寿広君) 34番北野議員の一般質問にお答えします。 地方制度調査会が検討している圏域構想について4点の御質問です。 まず1点目、圏域構想について、国の検討状況を踏まえ、県下市長会でも議論の必要があるとの答弁であったが、その後、県下市長会ではどのような議論が交わされているのかとの御質問です。 平成30年9月の答弁以降、広域連携に関する長期的なメリット、デメリットを検討するため、先進都市における成果や負担増について調査を進めるとともに、四半期に1回程度、定期的に近隣の市や町の企画部門を中心に意見交換会を開催し、情報共有等を行っているところです。 現時点では、和歌山県市長会で新たな議論を進めるに至っておりませんが、全国市長会から国に対して要請を行っておりますので、引き続き第32次地方制度調査会における議論と国の動向を注視してまいります。 次に、2点目、地方制度調査会は内閣総理大臣の諮問機関ですが、このような中間報告を出したということは、国ではこの議論が相当進んでいると推しはかられます、内閣府や総務省を初め国の機関では、現段階でどのような議論になっているかとの御質問です。 地方制度調査会の専門小委員会において、2040年を見据えた課題と方向性や人口構造等の変化を踏まえた対応について、関係省庁等に対して、教育分野、医療、介護、労働分野、公共交通、インフラ分野など各行政分野の課題や取り組み状況について、昨年ヒアリングを行い、分野別の各課題について求められる視点の整理が行われています。また、有識者からのヒアリングや地方公共団体の連携の状況や地方創生の取り組み等を把握するため、現地調査が実施されています。 現在、中間報告の段階でもあり、国の関係省庁において、公の場で具体的な議論は行われていないため把握しておりませんが、今後の動きとしては、内閣総理大臣に答申が出された場合には、関係省庁において必要な制度改正や法改正に向け議論が進められると考えますので、引き続き国からの情報収集に努めるとともに、今後の動向にも注視してまいります。 次に、3点目、現在、議論されている圏域構想は都道府県を対象としていないのかとの御質問です。 都道府県は、現在、議論されている圏域の枠組みの中には入っていませんが、中間報告の中では、広域的な事務への対応に加え、市町村を補完、支援するため、専門人材やノウハウを有する職員による技術支援のほか、事務の共同執行等の柔軟な連携を進めることが必要であるとされています。 最後に、4点目、総務省での議論とされている圏域構想の制度化と本市が頼る地方創生推進交付金の関係は明らかでないとされていたが、その後、どうなっているかとの御質問です。 平成30年9月以降、第32次地方制度調査会の専門小委員会において、まち・ひと・しごと創生本部事務局に対し、東京圏への転入超過の状況や、地方創生推進交付金等の地方への財政支援などの地方創生に関する現状についてヒアリングを行っています。 その後、地方創生の取り組みの総括、検証が必要との意見を受けて、地方公共団体の連携の状況や地方創生の取り組み等を把握するため現地調査が実施されましたが、現時点においても、圏域が行政体として制度化された場合における地方創生推進交付金制度との関係は明らかとはなっていません。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 川嶋財政局長。 〔財政局長川嶋正起君登壇〕 ◎財政局長(川嶋正起君) 34番北野議員の一般質問にお答えします。 公共施設の維持管理について2点ございます。 1点目、現在の財政状況にあって、次なる大型事業に取りかかる体力があるとすれば、どのくらいの予算規模の事業かとの御質問でございます。 これまで進めてきた大規模な事業につきましては、市民の安全・安心を第一に、耐震性のない施設の更新などを中心に手がけてきており、主なものはほぼ終わりに近づいております。 これから取り組む事業でございますが、その事業に係る国、県の財源や充当可能な市債の種類などにより影響が異なりますので、一概にお示しすることはできませんが、その時点での税収や財政調整基金残高などの財政状況を勘案し、残る未耐震の施設の整備や、地方創生に有効な事業などについて検討を要することとなります。 次に、2点目、一般会計の中期財政見通しからは大型事業に偏向し過ぎるようにうかがえる予算内容だが、市政に対する市民からの需要並びに既にある公共施設の維持管理について、どのように予算配分、財政運営のバランスをとろうとしているのかとの御質問でございます。 生活関連予算は、道路や水路などの老朽化等によるふぐあいの補修など、市民生活における身近なインフラ保全であるとの重要性を認識しており、前年同レベルでの予算を計上しております。さらに、財政見通しにおきましても、生活関連予算について前年度と同レベルでの事業費を見込むとともに、その他の事業費についても織り込んでおります。 今後も、財政状況を勘案しながら財政運営に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 森都市建設局長。 〔都市建設局長森 泰之君登壇〕 ◎都市建設局長(森泰之君) 34番北野議員の一般質問にお答えします。 公共施設の維持管理について、和歌山駅東西の玄関施設整備について7点ございます。 1点目、西口、タクシー乗り場、おり場の屋根の高さ不足解消策、2点目、西口、障害者、福祉車両の乗降場所の雨天時の対策、3点目、東口、一般車両の乗降場所への誘導改善策、4点目、東口、タクシー乗り場の歩道の改修、5点目、東口、現状に即したタクシー降車場所の移設、6点目、東口、障害者、福祉車両の乗降場所の設置、7点目、東口、乗降客動線への屋根設置についてどうかとの御質問です。一括してお答えいたします。 1番、西口、タクシー乗り場、おり場の屋根の高さ不足解消策及び2番、西口、障害者、福祉車両の乗降場所の雨天時の対策につきましては、現状を確認して、今後対策をとってまいります。 3番、東口、一般車両の乗降場所への誘導改善策につきましては、誘導看板の増設や路面標示を設置して対応いたします。 4番、東口、タクシー乗り場の歩道の改修、5番、東口、現状に即したタクシー降車場所の移設、6番、東口、障害者、福祉車両の乗降場所の設置につきましては、現状を確認し、関係機関と協議の上対応いたします。 7番、東口、乗降客動線への屋根設置につきましては、その必要性を十分認識しています。 以上、本市といたしましては、和歌山駅東口の現状が余りうまく利用できていないことから、利便性を上げるため早急に検討いたします。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 34番。 〔34番北野 均君登壇〕(拍手) ◆34番(北野均君) それでは、再質問をいたします。質問の順番が変わりますが、お許しを願います。 財政運営について、その時点での税収や財調の残高の状況を勘案して、残る未耐震施設の整備や地方創生に有効な事業などについて検討を要するとは、何を言われているのかわかりません。 生活関連事業について重要だとの認識を持っていただいていることはありがたいことではあります。 しかし、生活関連予算は前年度並みに見積もられているとのことですが、その前年度並みの予算がもともと不足しているため、市中から寄せられる比較的低額、小規模事業でさえ手がつけられないという実態があります。私は、大型事業がそうした生活関連の事業費を圧迫していると指摘したところですが、本市が取り組む大型事業を全否定するのではなく、財政的なバランスを考えていただきたいと提言したつもりであります。 時期的に言えば、もうすぐ新年度予算編成事務が始まりますが、令和2年度も大型予算になる予定であることは中期財政見通しから知るところであります。しかし、計画されている大型事業を多く抱える本市財政の現状を鑑みれば、少なくとも令和9年度までは、これ以上の大型事業に取り組む体力はないのも事実だろうと推量できます。 生活関連事業の重要さもおわかりいただいているのですから、ぜひ財政バランスを考えた上での運営をお願いしたいというふうに思います。 次に、和歌山駅の東西玄関口での課題について、さきの質問で触れましたが、UDタクシーは、健常者はもちろん足腰が弱くなった高齢者、車椅子の方、ベビーカーを伴う親子、妊娠中や疾病で動きが制限される方に至るまで利用しやすい、みんなに優しいタクシーというコンセプトで開発され、国が推奨しているにもかかわらず、そのおり場が遠かったり、雨天時対策がなされていないようでは、行政の姿勢としては本末転倒の対応と言わざるを得ませんので、その趣旨をしっかり認識されるよう重ねて申し上げます。 圏域構想について、市長、当局が捉えている状況は何となく知ることができました。 市長から、国は議論を進める意向だと思うが、あくまで広域連携の手法や内容は、それぞれの地方公共団体の自主的な判断、決定に委ねられるべきとの答弁ではありますが、地方の自主性をある程度認め、有無を言わさずに地方自治体を管理しなかったがゆえのさまざまな要因で国の財政を圧迫することとなっているので、今まで地方自治体に与えていた行政権限を取り上げ、幾つかの自治体をひっつけて、それを圏域という新たな行政主体としますよというのが地方制度調査会が議論している圏域構想であって、地方の自主性を認めるのなら、圏域を行政主体にするなどという構想はもともと出てこないはずではありませんか。 私は、人が構成する社会の基盤である行政体は、その時々の風潮に右往左往しないところがおおむね行政の値打ち、存在基盤だと思うのですが、近年は、その時々の声の大きさ、市井の動向によって動かざる山を無理に動かそうとしているような判断基準の浅はかさ、先人の熟慮を顧みない傲慢さが、行政面における圏域構想なぞという形で提示されているのではないかと思います。 和歌山県があり、和歌山市があり、日常生活を営む地域があるということになれ親しみ、文化が生まれ、社会規範ができ、人としての道徳が育まれてきたからこそ今の地方自治体があり、それらの集合体として国家が成立しているんだろうとも考えています。 現在まで連綿と続いてきた地方という概念を否定し、国から見て管理しやすく、行政の効率性のみに観点を置くような考え方をもとに圏域構想が進められているように思えるアイデアは、人間社会にとっての大事な要素を何か見落としているのではないかと思わざるを得ません。その大事な何かを見落としてしまったことが、平素我々の周りで日常的に起きる人の感性になじまない現象を、事件という形としてテレビニュースなどによって我々にフィードバックされていることが、今現在を生きる我々の姿なのかなとも思うところであります。 私は、地方制度調査会が議論している圏域構想というものは、地方自治制度を根底から変えてしまうような考え方だと捉えておりますが、そうではなく、今の地方自治制度と国との関係を今以上に整合させようとしている意図があるという反論を期待いたしました。 しかし、和歌山県市長会では、圏域構想について新たな議論を進めているわけではないし、全国市長会から基礎自治体の意見を十分踏まえるよう要請を行っているという答弁をお聞きすると、第1問で紹介した全国市議会議長会旬報が伝えた第32次地方制度調査会の大会の中で、全国市長会会長が地方制度調査会の会長に「『圏域』に関する言葉が漠然としたまま使われている。自治体が『地方公共団体』という一つの言葉でもくくられている」と紹介した記事内容をなぞっているだけではありませんか。 答弁からうかがわれることは、地方制度調査会やその周辺で取り沙汰され、議論されていることについて、議論中の構想の段階であり、その外枠もはっきりしないという認識以外に持ち合わすものがなく、国の動きを注視するということだけにとどまっている、まことに旧来の市役所らしい姿であるように映ります。 本市には、総務省を初め国から優秀な官僚が赴任され、それぞれの事務を管轄されているのですから、その辺の情報はとれる環境にあるはずだと思うのですが、積極的に情報をとりに行こうとしているようにも見えません。 思い起こせば少し前に、国から自治体の広域連携や連携中核都市について検討せよとの指示なのか、意向なのかがあり、議会、行政ともに議論に取り組んだところでありますが、その後、この話にどう決着がついたのかあやふやなまま現在に至っているのではないですか。 ここのところ、国の地方自治体に対する施策は、いかにも自治体を実験台にしているかのような趣があるように感じられるところでもあります。そのような近年の背景のもと、地方自治制度の存続そのものについての議論がなされているにもかかわらず、その議論を注視しているのかどうか、よそ吹く風としか見られない本市行政の姿勢で、市長が言われた、あくまで広域連携の手法や内容はそれぞれの地方公共団体の自主的な判断、決定に委ねられるべきだという和歌山市の声が、果たして国に届くのか疑問であり、心もとない限りであります。 そこで、再度、市長にお伺いします。 市政運営に対する哲学として、圏域構想について市長はどうお考えですか。 以上で再質問を終わります。(拍手) ○議長(井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕 ◎市長(尾花正啓君) 34番北野議員の再質問にお答えします。 市政運営に対する哲学として、圏域構想について市長はどう考えるのかとの御質問でございます。 現在、地方制度調査会の中で、人口が減少し、高齢者人口がピークを迎える2040年ころにかけて顕在化する行政の諸課題に対応する方策の一つとして、地域の枠を越えた連携について議論が進められております。 当初、総務省の自治体戦略2040構想研究会から、地方圏の圏域マネジメントとして、複数市町村で構成する圏域を行政単位で法制化するとした報告書が出されたことから、その後発足した第32次地方制度調査会では、議論の冒頭から、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会及び全国町村会議長会の各会長からさまざまな意見が出され、その中でも、地方創生の取り組みに水を差すもので、時間をかけて慎重な議論が必要であるといった相当厳しい意見が出されました。 私も地方創生に取り組む同じ首長という立場から、まさに意見を同じくするところであります。基礎自治体である市町村は、それぞれの地域で歴史、文化、伝統といった地域固有の特色や自然条件などによる多様な地域の姿があり、同一の市町村内でも、都市的地域と農山漁村的地域が存在するなど、人口構造の変化も一様ではなく、課題のあらわれ方も地域ごとに異なります。 和歌山市は、昨年12月に地方創生の中枢中核都市として選ばれ、東京圏や大都市への人口流出を抑止する機能を発揮し、活力ある地域社会を維持するための県全体の中心拠点都市としての役割を担っていかなければならないと考えております。 和歌山市だけでなく、現在、それぞれの地方公共団体が地域の実情に応じて地方創生に全力で取り組んでいるところであり、広域連携については、決して国から押しつけられるものや法律によって強制されるものであってはならないと考えております。 今後、国及び地方制度調査会において広域連携の議論を行う際には、住民に最も身近な基礎自治体の意見を十分踏まえた上で検討を進められるよう、全国市長会等を通じて要望してまいります。 以上でございます。 ○議長(井上直樹君) 34番。 〔34番北野 均君登壇〕(拍手) ◆34番(北野均君) 再々質問であります。 市長の考え方をお聞きいたしました。 今後、国及び地方制度調査会において広域連携の議論を行う際には、住民に最も身近な基礎自治体の意見を踏まえるべきだと全国市長会等を通じて要望されるとのことであります。 ソフトな表現で、言われることが何となくわかったような気がしますが、圏域構想を議題としている私には、答弁の中で圏域構想という言葉がありませんので、何をお伝えいただいたのか漠とした思いもあります。が、大もとについては恐らく同じ思いなのでしょうから、全国市長会を通じてだけではなく、ぜひ圏域構想やそれに連なる動きについて積極的な情報収集を進められ、国に対しては、和歌山市としての意見を活発に具申、発信できるよう、体制を構築されるよう具申いたしまして質問を終わります。長時間本当にありがとうございました。(拍手) ○議長(井上直樹君) 以上で一般質問を終結します。   --------------- △日程第3 議案第1号から同第28号まで ○議長(井上直樹君) 次に、日程第3、議案第1号から同第28号までの28件を一括議題とします。 これより、ただいま議題となっている28件の質疑に入ります。 質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井上直樹君) 質疑なしと認めます。 ただいま議題となっている28件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、おのおの所管の常任委員会に付託します。 以上で本日の日程は終了しました。 お諮りします。 明9月21日から10月1日までの11日間は、各常任委員会審査等のため休会とし、10月2日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて散会します。          午後3時38分散会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    井上直樹 議員    宇治田清治 議員    中尾友紀 議員    松井紀博...