静岡市議会 > 2022-06-02 >
令和4年6月定例会(第2日目) 本文
令和4年6月定例会(第2日目) 名簿

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  1. 静岡市議会 2022-06-02
    令和4年6月定例会(第2日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(望月俊明君) これより本日の会議を開きます。  この際、諸般の報告をいたします。  既に配布したとおり、公益財団法人静岡まちづくり公社ほか11件の出資法人に係る経営状況説明書類が市長より提出されました。  以上で諸般の報告を終わります。    ─────────────────── 2 ◯議長(望月俊明君) 本日の議事日程は、お手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第100号 令和4年度静岡市一    般会計補正予算(第2号) 外12件(総括    質問) 3 ◯議長(望月俊明君) 日程第1、議案第100号令和4年度静岡市一般会計補正予算(第2号)から日程第13、一般質問までを一括議題といたします。  これより総括質問に入ります。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  初めに、尾崎行雄君。   〔尾崎行雄君登壇〕 4 ◯尾崎行雄君 自由民主党静岡市議会議員団の尾崎行雄でございます。  通告に従い、会派を代表して質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  今回、私からは、大項目、市長の政治姿勢についてと、世界情勢激変の中での市政運営についてという2つについて質問させていただきます。  今回の質問のキーワードになるのは、経済であります。
     それでは、最初に、今年度まで8年間を使い取り組んでいる第3次総合計画の総仕上げの状況について伺っていきます。  本市の総合計画は、基本構想と基本計画と実施計画で構成されています。このうち基本構想においては世界に輝く静岡の実現をまちづくりの目標に掲げ、歴史文化のまちづくりと健康長寿のまちづくりを明示し、創造する力による都市の発展と、つながる力による暮らしの充実を市政運営の両輪として進めてきています。  そして、具体的な取組では、最優先に進める政策として5大構想を位置づけ、歴史文化、海洋文化、教育文化というそれぞれの特徴を磨いた3つの拠点づくりと、健康長寿のまち、まちは劇場という、生活の質を高める2つの仕組みづくりに取り組んでおり、市議会としてもこれに必要な予算を認めてきたところであります。  これまでを振り返ると、中でも最も醸成してきている歴史文化の拠点づくりでは、3次総の初年度の家康公四百年祭以来、次々と駿府城公園周辺エリアの魅力ある取組を進め、葵舟の運行や、今年度は歴史博物館のオープンや大河ドラマ館の開設も予定されています。  また、海洋文化の拠点づくりでは、清水港の客船誘致に力を入れて、開港120周年事業で盛り上がったところでしたが、新型コロナウイルスの影響で一時的にスローダウンし、現在は海洋・地球総合ミュージアムの整備事業が再開したところであります。  一方、健康長寿のまちづくりでは、生涯活躍のまちを目指し、健康寿命の延伸や暮らしやすい地域の活性化に取り組み、認知症支援対策のかけこまち七間町も稼働しました。  さらに、人口減少に立ち向かうために、子育て支援にも力を入れて、待機児童ゼロの達成、子育てしやすいまちのランクアップなどに加え、やはり3次総の初年度に開設した東京有楽町の静岡市移住支援センターの実績も着実に上がり、移住促進は一朝一夕にはいかなくても、地方創生の下で確実に静岡市は首都圏での注目を受けるようになってきています。  しかし、一昨年以降、コロナ禍の社会変化を受け、施策の見直しも必要に迫られて、2つのライフ、命と暮らしを守ることを最優先に、持続的な財政運営に留意しながら、市民の安心・安全の確保と社会経済活動を両立させる方針での新たな道筋を立てています。  そのような計画の下に、今後もさらにスピード感を高めていくことが必要であると考えますが、まずは最終仕上げの年に当たり伺いますが、第3次総合計画で取り組んできた静岡都心、清水都心のまちづくりについて、市長はどのように評価しているか、お聞かせください。  本年度、第3次総合計画は終期を迎えましたが、期間中に完了に至らなかった施策や、時代の潮流を踏まえて新たに取り組むべき課題などが見えてきたと思います。  来年度からの第4次総合計画の策定に当たり、社会変化への対応として、SDGsのさらなる推進や脱炭素をはじめとするグリーン社会の実現、さらにDXの推進などの意識を高めていかなければなりません。  そのような中で、4次総の基本構想、基本計画の骨子案が市議会2月定例会の会期中に当局より示されました。そこでは、これまでの5大構想に新たにオクシズにおける森林文化の地域づくりと豊かな市民生活の土台となる安全・安心のまちの推進の2つを加えて、7つの柱として重点的に取り組む計画が盛り込まれました。  さらに、3月に実施したパブリックコメントにて、市民からの様々な意見や提案も受け入れているところだと認識しています。  私個人としても、これまでの個人質問で提案してきた森林文化都市構想が具現化していくことへの期待に胸が弾む思いがあります。市域の8割を占める中山間地のオクシズの活性化なくして本市の発展はありません。  さらに、新型コロナウイルスや自然災害など多様化する市民生活のリスクに対応する安全・安心のまちづくりも欠かせません。  そのような観点から、今回示された骨子案は、十分にこれからの本市の行方を示す計画であると認めています。  しかし、4次総の対象期間である来年度からの8年間は、一昨年からのコロナ禍で停滞した社会経済活動の回復を図り、ポストコロナ社会においてさらなる発展を遂げるための重要な期間でもあります。国においても、経済中心に活力が低下している状況にあり、また、大都市の過密が課題として顕在化し、東京の一極集中が見直される契機ともなっています。  感染症の対策として人の移動や対面活動が抑制される中で、テレワークによる勤務形態の普及、首都圏からの移住先、ワーケーション先や二拠点居住の対象として、都市機能と適度な疎を併せ持つ地方の中核都市の注目度は高まってきていると言えます。  コロナ禍がもたらした新しい生活様式に対応し、本市が持続的に発展していくためには、市の経営基盤をいま一度しっかりと組み直すとともに、骨子案で提唱する人口活力を高め、まちと暮らしを豊かにする取組がまさに必要となってきています。  限られた財源の中で、広域な行政需要に対応していくためには、的確な優先順位に基づく選択と集中により、計画的に最少の経費で最大の効果を発揮しなければならないと考えます。  そこで、私たち自由民主党静岡市議会議員団では、中でも6名の精鋭を選出し、独自に4次総策定の研究グループを立ち上げて、私ども会派としての第4次総合計画の政策提言をまとめ、御承知のとおり市長に要望したところであります。  会派からの提言のポイントは、未来志向の軸を打ち立てるべきというもので、そこには本市を愛する強い思いを込めて5つの政策軸を掲げています。  1番目に、3都心の完成と市域の発展であります。  これは、歴史・海洋・学びの3つの都心づくりの完成を目指す新しい段階に入ったことを市民に示し、まちづくりについての一体感ともいう全体像を示してほしいというものです。  2番目に、経済産業の進化と官民共創であります。  市民は、本市の経済対策に注目しています。私たちは、骨子案の7本の政策の柱に経済対策が含まれていないことを憂慮しています。静岡市民は何を仕事に食べていくかをリアルな課題として捉え、既存産業の進化を支援しつつ、従来の枠組みを超えた積極果敢な政策展開により、官民共創を実行していくというものであります。  3番目に、子ども子育てと健康長寿であります。  これは、一生幸せを最大のテーマとして、子ども子育て支援と健康長寿推進を並列に進めていき子育てや社会福祉分野にとどまらず、MaaSの推進や公園整備まで、万人に優しい環境を整える必要があるというものです。  4番目は、森林文化と地球環境であります。  豊かな山林と水資源。オクシズを大切にすることは、地球を大切にすることに通じます。森林文化を生かす施策を推し進め、オクシズに軸足を置きつつも、新エネルギー事業も含めた総合的な環境政策を打ち出していくというものであります。  5番目は、交流人口拡大とスポーツ文化であります。  事業としてのまちは劇場はこれからも重要と考えますが、新たにスポーツ文化を掲げつつ、市民に分かりやすい柱とすべきと考えます。プロスポーツの開催を支援誘致し、これまでになかった交流人口の拡大や経済の活性化に結びつけていくものです。  そして、これら5つの政策軸にひもづいた具体的な28の政策を提言書にまとめたものであり、4次総の策定に当たり強く要望したところでありますが、市長のお考えを聞かせていただきたいと思います。  そこで伺いますが、第4次総合計画ではどのような政策に重点的に取り組んでいくのか、お聞かせください。  続いて、大項目2、世界情勢激変の中での市政運営について伺っていきます。  一昨年、爆発的な感染の拡大で世界を震撼させた新型コロナウイルスですが、株を変化させながら今なおくすぶり続け、完全な終息には至らないような模様さえ見せています。私たちは、生活様式を変え、ワクチン接種を受けて、日々の暮らしを取り戻そうと努力していますが、感染対策として自治体からの投資はこれからも必要であります。  また、ロシアによるウクライナ侵攻が4か月以上も続き、一進一退の戦禍も終息の模様が見えずに、予想以上に長期化してしまっているところです。  ロシアの対欧米政策による武力行使に乗じて、東アジアにおいても中国や北朝鮮が対米感情を増大させ、我が国へも威圧的な行動が目立ち、国防の危機とも言える状況下であります。  このような情勢に世界経済が動乱し、エネルギー関連、穀物関連の物資に影響が出始めて、物価高騰に歯止めがかからず、その波は地方経済にまで押し寄せて、消費者の家計にまでついに影響を及ぼすところまで来てしまいました。  このように、コロナ禍の影響やウクライナ危機が本市の経済情勢へ多大な影響を与えていることを踏まえて、自民党市議団では公明党市議会様と志政会様と3会派による緊急経済対策について早急な対応を求めて、先月要望したところであります。  第1に、市民生活に対する直接支援を行うこと。これは、物価上昇が止まらず市民経済活動が冷え込むおそれがあるため、工夫した消費喚起策の下に、家計負担が増えぬように配慮するよう求めています。  第2に、打撃を受ける本市の事業者への支援を行うこと。これは、コロナの影響を受けて、幅広い業種で事業者は依然厳しい経営状態であるため、雇用維持や事業継続に向けてきめ細かい支援をするよう求めています。  第3に、国・県の隙間を埋める市独自の支援を行うこと。これは、国や県の支援では結果的に行き届かない事業者や市民が多いため、実態の把握と市独自の対策を行うよう求めています。  第4に、支援事業の情報発信の強化と窓口の一元化を行うこと。これは、市民により分かりやすく広報することと、支援事業の申請や手続の負担が増えぬように窓口の一元化を図るように求めています。  2つのライフを守ることを最優先に、3次総の見直しをかけた中で、これからは主として市民や本市の事業者のまずは暮らしを取り戻していかねばなりません。  そこで伺いますが、新型コロナウイルス感染症の影響や物価高騰を受けた経済対策をどのように考えているか、お聞かせください。  以上、1回目の質問とします。 5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢についてのうち2つの御質問、すなわち、3次総で取り組んできた静岡都心、清水都心のまちづくりについてどのように評価しているか、それを踏まえ、4次総ではどのような政策に重点的に取り組んでいくのかとの質問に一括してお答えをいたします。  まず初めに、3次総における静岡都心、清水都心のまちづくりの評価でありますが、私は3次総を作成した8年前、静岡市のないものねだりをするのではなく、あるもの探しをしようというスローガンの下、5大構想を掲げ、諸施策に取り組んでまいりました。  このうち静岡都心における歴史文化の拠点づくりについては、来月のプレオープンを間近に控える静岡市歴史博物館を中心として、天守台の野外の展示とか葵舟の活用とか、エリア全体でにぎわいの創出を図ってまいりました。  さらに、今年度は大河ドラマ館の開設や駿府城公園の夜間照明のレベルアップによる演出といったMICEの推進、国内外からの集客を加速させる取組を進めてまいります。  こうした取組を通じ、静岡市の歴史資源に磨きをかけて、歴史の風格のあるまちの姿へ着実に近づいているものと考えています。  一方、清水都心における海洋文化の拠点づくりについては、公民連携で策定した、2040年を意識したグランドデザインの実現に向け、様々な取組を進めていた最中にコロナ禍のあおりを受け、主要な事業の一時停止を余儀なくされてしまいました。しかしながら、今年度は3次総の最終年度であります。  そこで、エリアの核となる海洋文化施設の事業をリスタートさせ、国際海洋文化都市の実現に向けた取組を一歩でも進めてまいります。  とりわけ、この4月、これは大変な追い風でありましたが、国から第1弾の脱炭素先行地域に選定されました清水駅東口エリア、日の出エリアでは、環境と経済を両立した世界水準の先進的なまちづくりが期待されています。これも公民一体となって、静岡市のいわゆるカーボンニュートラルの取組を加速させていきたいと考えております。  さて、これらの3次総の取組を踏まえ、その検証も経て、次に4次総における重点的な取組についてのお尋ねですが、今回、4次総の策定に当たって私がとりわけ留意していることは、議員各位はもちろんのこと、市民の皆さんからの声にきちっと耳を傾けて、そして、自分の意見を伝えたことによってこんな計画になったという当事者意識を持っていただく、納得感を持っていただく、そういった計画として収れんしていくことにとても注意を払っております。なので、パブリックコメントも2回やります。  今年2月の議会で、私は施政方針の中で、3次総を継承、進化させた5大構想プラス2、7つの柱という考え方を打ち出しました。  しかしながら、その後、3月に市民の皆さんからいただいたパブリックコメントとか、5月に市議会の各会派の皆様からいただいた政策提言において、この7つの柱は多過ぎるぞ、もっと市民に分かりやすい計画にしてほしい、もっと未来志向の政策を打ち出すべきといった御意見、御提案をたくさんいただきました。そして、それらを踏まえて修正いたしました。  この数か月間、7つの柱を新たに5つの重点政策として集約して、4次総に位置づけていきたいと目下考えております。  その5つの内容ですが、まず、3次総で取り組んでまいりました歴史文化の地域づくり、海洋文化の地域づくり、先ほど申し上げたとおりですが、これは引き続き4次総でも取り組んでまいります。  そして、3つ目としては、中山間地域の振興。持続可能なオクシズ地域の形成に向けて、豊かな自然環境と経済活動を両立させる中山間地域モデルを試行して、議員にもかつて本会議で提言いただいた森林文化の地域づくりに取り組んでまいります。  さらに、4つ目としては、従前の健康長寿のまちの推進に子ども子育てという観点を新たに加えて、全ての世代の市民の皆さんが誰ひとり取り残されることなく健康で活躍できる社会の実現に取り組んでまいります。  最後に、5つ目としては、従前のまちは劇場の推進による文化芸術の振興に、プラスアルファして、議員御指摘のスポーツ振興の要素を加え、そして、国内外からの交流人口の拡大による地域経済の活性化にも取り組んでまいります。  この5つの重点施策の全ては、世界的なスケールで社会経済改革が進むポストコロナ時代において、貴会派から御提言をいただいた経済の回復、経済産業の進化が不可欠であります。  ですから、あらゆる4次総の施策は経済政策に通ずると、この認識の下、4次総全体で地域経済の活性化を図ってまいります。  SDGsの17番目の目標は、パートナーシップで目標を実現しようという項目であります。この考え方の下、議員各位の皆様、市民の皆様とオール静岡でワンチームとなり、SDGsと連動した世界に輝く静岡の実現を目指し、今年度も一日一日を誠実に過ごしながら市政を運営してまいりますので、御理解、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。  以下は、副市長から答弁させます。 6 ◯副市長(本田武志君) 私からは、新型コロナウイルス感染症の影響や物価高騰を受けた経済対策についてお答えいたします。  本市が実施している景況調査では、景気の緩やかな改善が見込まれるものの、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化や急激な物価高騰により先行きは極めて不透明と言わざるを得ず、予断を許さない厳しい状況が続いているものと認識しております。  こうした状況下におきまして、先月16日付で市議会3会派から頂きました緊急経済対策要望にもございますとおり、市民生活と企業活動、双方への的確かつ迅速な支援を講じていく必要があると考えております。  そこで、今回の6月補正におきましては、まず市民の皆さんに対する支援として、住民税非課税世帯や低所得の子育て世帯等に対する特別給付金を支給するほか、保護者の皆さんの負担を増やすことなく学校やこども園などでこれまでと変わらない給食を提供いたします。  これらに加え、第3弾となりますモバイル決済を活用したポイント還元キャンペーンなどを実施することにより、物価高騰の影響を受ける市民の皆さんの家計負担の軽減を図ります。  また、事業者の皆さんに対する支援として、中小企業支援センターでの窓口相談及び専門家派遣、利子補給事業の拡充など、事業継続のための経営基盤強化に向けた支援を行います。  さらに、国の補助制度に対応した事業者支援として、新たにものづくり補助金持続化補助金活用支援事業を創設いたします。これにより、生産性向上を目指す市内事業者の皆様に対し、原油価格・物価高騰に伴い増大する負担の軽減を図り、国の補助事業の着実な実施を後押しいたします。  こうした市民の皆さん、事業者の皆さんの暮らしを取り戻すための経済対策を、スピード感を持って着実に実行してまいります。  今後につきましても、日々変化する社会経済情勢の変化を的確に捉え、国、県の動きと連動・連携し、市民の皆さん、事業者の皆さんの声をお聞きしながら、ポストコロナ時代を見据えた経済対策を進めてまいります。   〔尾崎行雄君登壇〕 7 ◯尾崎行雄君 市長から大変丁寧な御答弁をいただきました。私たち会派の政策提言を検討し、受入れてくださり、感謝します。  また、本田副市長からも市民生活と企業活動への迅速な支援の必要性を承り、さらに、新たな補助金の活用支援事業についても御回答いただきました。  それでは、2回目の質問に移ります。  2回目も、市民や市内事業者の暮らしを取り戻す取組について引き続き伺っていきます。  物価の高騰が止まりません。次から次へと打たなければならない経済対策には、行政当局においても大変悩ましい問題であると想像します。  この問題は、エネルギー価格の急上昇と円相場の急落に起因しています。国際石油情勢と日本の現況について調べると、政府の激変緩和対策による補助額がついに1リットル40円を突破しました。ガソリンを25リットル給油すると補助金は1,000円を超えます。この支援がなければ、市内のガソリン価格は1リットル220円にもなります。  昨年の6月は今より25円安く、一昨年の6月は今より50円安かったのです。補助金がなくても1リットル110円程度でした。今年の初めに1バレル70ドルだった原油相場が、3月には100ドルを超え、今月は120ドルまで上昇しました。まさにウクライナ危機が原因そのものであります。  そこに輪をかけて、円相場の急落であります。今世紀になってからの最安値でもあり、円売りドル買いが進み、1ドル140円台にもなる勢いです。こうなると企業物価指数も高水準の伸びが続き、燃料、原材料の高騰により企業がコスト増に耐えられなくなって、消費者への価格転嫁に踏み切ります。食品の値上げは1万品を超えるとさえ言われています。  また、同様に、燃料、建設資材の調達難が顕著になってきていて、公共事業においても入札不調や工期の遅れ等、事業進捗に大きな影響が出てきています。  私たち自民党市議団としても、建設関連業界団体からの切実な要望を受けて、やはり先月、社会経済情勢の変化に伴う公共事業契約の緊急見直しについて、会派独自に市長へ要望させてもらいました。  その内容については、まず、請負契約の金額について、実態に合った適正な金額へ見直すこと、そして、入札について、不調が続く事業においては適正な方法に見直すこと、さらに、業界団体と連携して今後の事業の在り方など適切な協議をしていただくことというものであります。各種対策を講じて、事業が前に進むようにすることが喫緊の課題であると考えます。  そこで伺いますが、社会経済情勢が変化する中、今後どのような考え方で公共事業を進めていくか、お聞かせください。  続いて、経済対策に関連して、具体的な案件として、静岡鉄道の仮称追分大坪新駅の設置について伺います。  長年、地元が待ち望んできた新駅設置につきましては、自民党会派としても新駅設置推進委員会を連合自治会様と共に立ち上げるなど、新駅実現に向けて様々な活動を行ってきました。  しかし、コロナ禍において、原油価格・物価高騰等の影響を受けて、公共交通を担う鉄道事業者も経営が苦しい状況下にあり、投資を伴う新駅設置に係る鉄道事業者との協議が困難な状況にあることが考えられます。  会派としては、このような状況においても着実に静岡鉄道との協議を進めていってもらいたいと考えています。  そこで伺いますが、物価高騰等の状況において、静岡鉄道仮称追分大坪新駅設置検討への影響と今後の見通しはどのようか、お聞かせください。  以上、2回目の質問とさせていただきます。 8 ◯企画局長(松浦高之君) 今後どのような考えで公共事業を進めていくのかについてですが、3次総においては、最重要政策である5大構想を中心とした取組を実施計画に位置づけ、持続的な財政運営に留意しつつ各種事業を推進してまいりました。  一方で、いまだ収束が見通せない新型コロナウイルスに加えて、ウクライナ情勢に起因する物価高騰など、世界的な社会情勢の変化によって本市の事業にも様々な影響が生じてきています。  このような中であっても、市民の皆さんの安全・安心な暮らしを守るために必要な事業や地域経済の活性化に大きく寄与する事業については着実に取り組んでいく必要があると考えており、現在、策定を進めている4次総においてこれらを位置づけてまいります。  また、事業の実施に当たっては、国の補助金、交付金を積極的に活用するほか、企業版ふるさと納税の獲得など自主財源の確保にも努め、財政規律を堅持しつつ取り組んでまいります。 9 ◯都市局長(八木清文君) 物価高騰等の状況における仮称追分大坪新駅設置検討への影響と今後の見通しについてですが、新駅設置については、これまで主に駅舎整備費や新駅設置後の維持経費を賄う鉄道利用者増加の方策等について、(仮称)追分大坪新駅検討会議などで協議を重ねてまいりました。
     しかし、長引くコロナ禍による鉄道利用者の落ち込みにより、まずは乗客数の回復を最優先とした中で、過去に例を見ない燃料費高騰が追い打ちをかけ、業績悪化など交通事業者を取り巻く環境が一変しております。新駅設置には、より慎重な調整が必要となっております。  一方、地域では、議員のお話にもありましたとおり、3連合自治会により設立された新駅設置推進委員会が7連合自治会へ拡大され、令和2年度には本市と地元の皆さんで年間5回のワークショップを実施し、乗客増加に係る利用者目線の提案がなされました。  その成果として、令和3年度には乗客の増加を目指し、地域の魅力を再発見するフォトロゲイニングが地元主体で実施されるなど、着実に新駅設置に対する機運上昇が図られております。  今後もこうした取組を継続しつつ、事業者の状況も考慮し、(仮称)追分大坪新駅検討会議の再開に向け調整を行い、静岡鉄道との新駅設置の基本合意を目指していきたいと考えております。   〔尾崎行雄君登壇〕 10 ◯尾崎行雄君 3回目は意見・要望を述べさせていただきます。  まずは、最初に市長より御答弁をいただいた第4次総合計画ですが、当局においては、より一層精力的な検討を行い、世界に輝く静岡の実現に向けた的確かつ有効な総合計画を策定されるよう強く要望します。  その中で、まずは3次総の方向性を引き継ぎ、静岡都心と清水都心、さらに草薙・東静岡副都心の3つの拠点のまちづくりを今後も進めるに当たり、これらを別々に考えるのではなく、それぞれが連携して静岡市全体の魅力向上に結びつけられるような視点で磨き上げていってほしいと思います。  追い風の吹く歴史文化の拠点づくりでは、エリア全体でイメージを共有することが大切で、何度でも来たくなる、さらに、来るたびに新しい発見があるような、魅力あり、そして風格のあるまちを目指してもらいたいです。これは、観光も含めて、宿泊業や飲食業にとっても密接なつながりがあると考えます。  また、事業再開後のこれからが楽しみな海洋文化の拠点づくりにおいては、帆を上げ、風を受けて、グランドデザインの下に、国際海洋文化都市として世界中から注目されるまちづくりを早急に進めてほしいです。  脱炭素先行地域も、グリーン社会の全国のフラッグシップとなるような場所にしていきましょう。  そして、まちは劇場の推進による文化芸術の振興とスポーツの振興による交流人口の拡大においては、大規模コンサートやプロスポーツ開催に向けた環境整備が必要であり、そのためにも観光振興と併せて、イベントの開催が可能であり、なおかつ防災機能を兼ね備えた多目的アリーナ等のコンベンション施設や国際基準に適応したサッカースタジアムの整備を早急に進めていってほしいと要望します。  今回、初めて主要政策の1つに入れていただいた森林文化の拠点づくりですが、オクシズの山林を整備して、市民が森や林を訪れて健康づくりをしたり、また、木材利用を進め、木のぬくもりに親しむ木育を推進したり、オクシズが持つ地域資源を活用した農業体験、古民家再生、閉校施設活用等で交流人口増加と、さらなる移住促進を図るよう要望します。  本日の答弁では、経済産業の進化については、あらゆる施策に経済が関与するという意味で1つの政策項目には至らなかったのですが、地域の特性を生かしたエリアマネジメントを含めた企業誘致と経済政策の推進や、市街化調整区域や農地等の未利用地をはじめ地域と調和した柔軟な土地利用の推進など、私たち会派からの経済政策の提言をこれから共に考えていってほしいと要望します。  今回、2月の施政方針で述べられた4次総の核となる7つの柱から、私たち会派の政策提言により、市民に分かりやすく5つの政策として位置づけていただいたことは大いに評価させていただきます。  来年からの8年間を見据えて、本市のビジョンを共に考え、活力あふれるまちづくり計画を進めていきましょう。  次に、経済対策や公共事業について意見・要望します。  今回は、地域経済の窮状を訴える市民の声、事業者の声を受け、市長への緊急要望を中心に質問させていただいたため、とにかく迅速に、また的確に対応した支援策を講じるように要望します。  その中で、6月補正で提案された市民に対する経済的支援は、特別給付金やモバイル決済、さらには給食費据置き措置など、他の自治体に先んじて消費者への対応を講じたものと評価いたします。しかし、事業者においては、いまだ経営支援の質や量ともに十分とは言えず、物価高騰に対する懸念の声が上がっています。  会派に届いた建設業協会からの要望として、資機材価格の高騰の対策として、市においてもスライド条項を適用していただき感謝しておりますが、設計単価の調査や更新時期を早めるなどして、少しでも実勢価格が反映された発注をお願いしたい、また、資機材の納期の遅れに対する対策として、市においても工期延長や完了検査において実態に即した柔軟な対応をお願いしたいなどの意見をいただいております。  本市の庁内通達にも、建設工事請負契約インフレスライド条項の継続運用がうたわれ、必ず協議の場を持つような指導がございますが、とにかく苦慮している現場の声に寄り添うよう強く要望いたします。  また、経済対策の具体例で取り上げた静岡鉄道の新駅設置ですが、整備費や維持費を賄うため鉄道利用者増加の方策等について協議してきたとの回答がありました。  先般行われた鉄道列車内でのSPACによる朗読劇のイベントに市長と仲間の議員と参加しましたが、とてもよい試みでした。通勤・通学や通院、買物の手段として、そしてイベントの媒体としても利用価値の高い交通であります。今後も利用拡大、そして何より利便性向上のために、新駅設置推進委員会を中心に、利用者目線に立った新駅検討会議を再開して設置合意に至ることが、清水のまちづくり、そして活性化につながるものと確信しております。  結びになりますが、今年度は何といっても節目の年であります。次の8年間の計画をしっかり立てて、市民の思いと行政の方向性をしっかり合わせるように、我々も常に意見させていただきます。  社会経済では、これからもじわじわと川上のインフレ、川下のデフレというような経済不況の波が寄せてくるでしょうが、共に乗り越えて、新しい静岡の未来をつくっていこうではありませんかと市長に申し上げまして、会派からの代表質問といたします。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 11 ◯議長(望月俊明君) 次に、風間重樹君。   〔風間重樹君登壇〕 12 ◯風間重樹君 創生静岡を代表し、質問を行います。  まず、国際情勢の変化と本市に与える影響について伺います。  新型コロナウイルスの感染拡大は本市経済にも深刻な影響を及ぼし、回復の道はまだ半ばといった状況です。また、ロシアによるウクライナ侵攻は、日本の安全保障にも暗い影を落としているだけでなく、世界経済の基盤となるエネルギーの需給バランスにも大きな影響を与え、国内においては生活関連の価格の上昇とともに、木材やコンクリートなど建築資材価格の大幅な高騰につながっています。  この経済情勢に対する見解については、先ほどの尾崎議員の見解と全く同じであります。  まず、戦禍の中にいる多くの人たちのためにも、一日も早い終息を願うばかりであります。  今議会に提出された補正予算は、新型コロナウイルス感染症への対策と原油価格・物価高騰等への緊急対策が大きな柱です。先ほどの答弁にもありましたとおり、市政運営においては、市民生活を守るための危機管理能力が問われています。  まず1点目、国際情勢の変化が市政に与える影響について、どのように見通しているのか、聞かせてください。  次に、2点目の第4次総合計画については4つの質問をいたします。  まず1つ目は、3次総の成果として、社人研の人口推計が上方修正されたことを挙げていますが、その要因をどのように分析されているか、伺います。  3次総の大目標であった人口70万人の維持については、計画当初の人口71万2,000人から68万4,000人に減少したことで第4次総合計画から削除されることになりました。  一方、第3次総合計画の成果として、社会増減がプラスになったこと、また、社人研の人口推計が2013年の時点と比較し、2018年の推計が大幅に上方修正されたことを挙げています。  社人研の人口推計は、2017年に長期の出生率を全国平均1.35%から1.44%に上方修正しており、これらの数値と比較し、本市の成果をどのように位置づけているかが気になります。  2つ目は、市民アンケートでいわゆる箱物への批判が高い結果が出ていますが、どのように考えているか、聞かせてください。  令和3年9月から10月にかけ、市民3,000人を対象にアンケートが行われました。行政サービスの在り方について尋ねたところ、全体では、箱物建設などの公共事業を減らし、他の行政サービスを充実させてほしいという意見が40.7%で最も高く、区別では清水区が43.2%でした。現在、市が進める海洋文化施設の建設などの事業が、市民意識と乖離しているとも考えられます。  3つ目は、大規模建設事業の集約化と複合化に対する見解を伺います。  現在、計画が進行中の海洋文化施設をはじめ、スタジアムやアリーナ構想など集客などで競合する点が多いと考えております。  先日、会派で長崎スタジアムを視察してまいりました。スタジアムは約2万1,000席、アリーナは約6,000席、ホテル約245室、オフィス約1万3,900平米、商業施設約90店舗、事業主体はジャパネットホールディングス、長崎での成功モデルを横展開し、日本全体の発展に貢献する施設として位置づけています。  創生静岡は、海洋文化施設の先行で、スタジアムの建設可能性は極めて低くなると考えています。また、さらに東静岡のアリーナ建設が先行すれば、スタジアム建設はほぼ絶望的と。  海洋文化施設かアリーナか、スタジアムか、今後の大規模建設事業については、財政規律の観点からも、独立採算は当然のこと、そのためには市外や県外からもお金を稼ぐ施設であるかどうかが重要なポイントであります。中途半端な施設をあちこちに造っても、将来的に市の負担が増すばかりではないでしょうか。  質問です。  現在想定している大規模事業はどのような経緯で選択してきたか。また、選択した事業について、立地的な集約化・複合化についてどのように考えているか、聞かせてください。  4つ目は、4次総と財政規律について伺います。  総合計画は、予算と一体的かつ整合性を持って策定される必要があると考えております。本市においては、高齢化の進行、行政ニーズの多様化によって財政需要が継続的に上昇していく反面、顕著な人口減少などによって税収は減少、財政維持がさらに困難になっていくことが予想されています。必然的に、第4次総合計画における新規事業は限られてきます。  このような状況の中で、総合計画をお財布を持たない買物リストにしないためにも、アセットを含む財政削減の計画を明確に盛り込む必要があると考えております。  第4次総合計画を進めていくに当たり、どのように財政規律を堅持していくか、聞かせてください。  次に、3点目、ガバナンスについて質問していきます。  政策形成過程における市民説明と市民参画は果たして十分でしょうか。多くの施策が対立軸を生み、事業実施が危ぶまれるケースが顕在化しています。例えば城北公園など、この事業が本市にとって必要な事業であるならば、事業の停滞、すなわち市の執行能力を問われることにもなります。  振り返れば、清水庁舎、桜ヶ丘病院、城北公園などの計画で、行政と市民の間で対立軸が生じています。厳しい言い方をさせていただきますが、静岡市政は今、市民から信頼されているでしょうか。  政治判断についての市民説明は、職員任せではなく、市長自らの責任で直接行うべきです。この点について、市長はこれまで幾度となく、丁寧に市民説明を行っていくと話しますが、結果的に、オール静岡で行政と一体になって説明をしていると職員任せ。そもそも、市民から問われている政治判断を市職員が代弁することはできないはずです。  また、マスコミや広報を通じて考えを伝えていくとの姿勢もいかがでしょうか。市民に心が伝わらないだけでなく、職員の士気が上がるとは到底思えません。  質問です。  幾つかの事業には反対があり、中断しているものもありますが、市長自身のガバナンス能力についてどのように考えているか、聞かせてください。  次に、2項目めの大規模建設事業について伺います。  まず1点目の海洋文化施設の建設計画については、4つの質問をいたします。  3月、カワスイ──川崎水族館を運営する企業が民事再生法の適用を申請しました。オープンは2020年7月。報道によると、新型ウイルスの感染拡大の影響で赤字が続き、資金繰りが限界に達したとのことです。負債総額は、特定目的会社を含む4社合計で53億円に上るとのことです。  代表者は水族館の敏腕プロデューサーとして知られるだけに、この時代の水族館経営がいかに難しいかを象徴する出来事として関係者に大きな影響を与えています。  6月5日、静岡新聞では「県内水族館・動物園 餌代、光熱費、燃料代高騰の波直撃」「負担大きい 料金値上げも」との見出しで、国際情勢の影響で各施設が対応に苦慮している状況を報じています。  また、建築資材の高騰は建設業界に多大な影響を与え、市内業者からは、数か月先の見積りは怖くて出せない状況といった声も聞かれています。  創生静岡では、田辺市長に対し緊急提言を行いました。多額な財源を必要とする海洋文化施設の建設計画については、市場が落ち着くまでの間、再凍結するべきです。市長の見解を聞かせてください。  2つ目の質問は、直面する建築資材やエネルギーの価格高騰による建設費や運営費の影響について、事業者はどのような反応であり、市はどのように考えているか。  3つ目は、契約後から完成までの資材価格の高騰等が続いた場合、市はどのように対応をするか。  4つ目は、新型コロナウイルスの影響のような予期せぬ事態により、今後、運営に影響が生じる場合、市はどのような対応をするのか、聞かせてください。  2点目は、清水庁舎についてです。  6月2日、第1回目の整備検討委員会が開催されました。市は、築39年の清水庁舎の老朽化や耐震性能を挙げ、一刻も早い整備が必要な状況と強調し、移転新築や現庁舎の大規模改修など5案を示しました。  清水庁舎の在り方については、桜ヶ丘病院の移転問題を機に、移転解体ありきで進んできた経緯があります。老朽化と耐震性能に関する協議が積み残したままになっています。  方針が大きく転換され、フラットで検討する以上、老朽化や耐震診断についても、より詳しく検証する必要があります。確認のため、6つの質問をします。  1つ目は、検討委員会で整備方針を比較検討するに当たり、庁舎の規模と改修パターンの耐用年数はどのように考えているのか。  2019年に開かれた建設検討委員会では、フルスペックの大規模改修をするにもかかわらず耐用年数を65年と定め、残余の年数でライフサイクルコストを計算、改修より移転新築のメリットが多大との方針を示しました。耐用年数について、市は本年4月、これまで60年としてきた建て替えの目安を60年から80年の間に改めました。これはアセットマネジメントにおける重大な方針転換と受け止めています。  今回の検討委員会では耐用年数を動かすのか動かさないのか、想定する庁舎の規模と併せて見解を聞かせてください。  2つ目の質問に移ります。  静岡庁舎と清水庁舎はほぼ同時期の完成ですが、静岡庁舎と比較し、清水庁舎が突出して老朽化している点はどのような点か。また、過去10年間の修繕費について、静岡庁舎新館との比較に差異がある場合の理由についても聞かせてください。  次に、3つ目の質問です。  これまで市民に対する説明で、大地震の津波による浸水時に地階の電気設備等が被害を受けると説明をしていますが、地階及び4階にはどんな設備が入っているか、静岡庁舎同様の設備の設置状況と併せ聞かせてください。  また、清水庁舎の地下の電気設備等を上層階へ移転することについて、具体的な荷重計算は行われているのかどうかも聞かせてください。  4つ目は、耐震性能についてです。  新耐震の施行日以前に着手しても、新耐震に対応する設計であれば、耐震ランクは新耐震の評定と同じIaになるのが通常と考えますが、いかがでしょうか。  5つ目は、清水庁舎の要緊急安全確認大規模建築物の耐震結果を、期日である平成27年末までに所管行政庁へ報告しなかったのはなぜか。  6つ目は、要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果の報告期限である平成27年末時点で、所管行政庁は清水庁舎を対象建築物としていなかったのはなぜか、聞かせてください。  次に、3点目の項目、サッカースタジアムについて2つの質問をします。  21日、「サッカースタジアムを活かしたまちづくり検討委員会」第1回の会合が開かれました。委員には、エスパルスの山室晋也代表取締役社長のほかJリーグのスタジアム推進役、日本政策投資銀行など専門・学術・投資関係、市民代表など14名が名を連ねました。まずは、これだけの委員を集め、会議が開催されたことは高く評価したいと思います。  しかし、第1回目の会合は入り口議論となり、委員にとっては拍子抜けの感も強かったのではないでしょうか。会議の中では、このスケジュールでは抽象的な議論になりかねない、候補地が固まらない検討委員会は夢で終わることが多いとの発言も聞かれました。  夕暮れ迫る駿河湾と霊峰富士、まばゆい照明に浮かぶメインスタジアム。実現が強く望まれていますが、事業の実施については社会情勢を見極め、市民理解を得ながら慎重に見極めるべきと考えています。この前提に立ち、質問をいたします。  まず、費用について。  独立採算が前提となれば、エスパルスの試合を考えた専用スタジアム単体では不可能です。さきに述べた長崎スタジアムのようにホテルやレストランなどを併設、また、アリーナや商業施設等を集約していくことも必要と考えます。しかし、この場合の建設費はスタジアム単体に比べ莫大な費用がかかります。  計画を現実的な議論にするための課題は明確になっています。費用はどこが負担するか、建設場所はどこかの2点です。  田辺市長は、記者会見で候補地については検討委員会の議論に委ね、建設費用については場所が決まってからと話します。候補地が決まった段階で、その場所を建設地とするめどはついているのでしょうか。また、建設地が決まった段階で、建設費をどのように賄っていく方針なのか市の姿勢が明確になっていなければ、今回の検討委員会はまさしく夢を語る委員会になります。  田辺市長は、建設に伴う市の負担については財政規律を十分考えなければならないと重ねて発言されています。市は、何らかの形で費用負担をする意思があるのか。市と経済界、市民の役割はどのように考えているのか。  1つ目の質問です。  主に費用面と運営面に関して、田辺市長が考える官民連携とは何かを聞かせてください。  2つ目は、官民連携について、エネオスや経済界にどのような働きかけを行っているのか、また、今後どのような働きかけを行っていくのか、聞かせてください。計画着手には、経済界を中心に莫大な支援が必要になると考えております。  3項目めは、JR東海リニア建設計画について伺います。  田辺市長は記者会見で、JR東海がリニア工事に伴う大井川の水対策として打ち出している田代ダムの取水を抑制する案について、受け入れられると評価しました。
     リニア中央新幹線は、南アルプスユネスコエコパークの核心地域と緩衝地域の地下をトンネルで通過することとなり、場合によっては環境保全対策をJR東海に強く求めることも必要になってきます。国交省による大井川流域の生態系に関する有識者会議も始まっています。軽々な発言は慎むべきと考えます。  質問は1点。リニア中央新幹線工事に伴い、県外流出の水量と同量を大井川に戻す方策としてJR東海が示した、工事の一定期間において田代ダムへの取水を規制し、大井川に還元する案について、市はどう考えるか、聞かせてください。 13 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、市長の政治姿勢についてのうち2つ、そして、大規模建設事業についてのうち1つ、合わせて3つの御質問に一括してお答えいたします。  まず、国際情勢の変化と市政への影響についてですが、御承知のとおり、コロナ禍に加えてウクライナ情勢に起因する世界的な物価高騰などによって国内経済も大きな影響を受けております。先行きは不透明であります。今後の動向を注意深く見守っていく必要があることは言うまでもありません。  本市としましては、何よりも市民生活と市政への影響を最小限に抑えるべく、必要な経費を6月の補正予算に計上したところであります。  今後も情勢の変化を注視し、引き続きスピードを持った必要な経済対策を講じてまいります。  次に、ガバナンスについてでありますが、私が市政運営、市政ガバナンスで大切にしていることは、まず歴史観、大局観を持って、中長期的に目指すべきビジョンを描く。そして、逆算して、いわゆるバックキャストで、今からそれがどういう道筋で実現するのかというその行程表を示すと。そして、それを市民の皆さんと、まず都市ビジョンを共有し、その時々の状況に応じてよりよい決断をしていく、これが基本中の基本であります。  その際に重要なことは、市民の皆さんに十分に理解していただきながら事業を進めること、これも言うまでもありません。これまでも、市議会での答弁はもちろんのこと、定例の記者会見、広報紙、市民と直接対話する市長ミーティング室などの新しい事業も加えて説明してまいったつもりであります。  そして、時には今回のコロナ禍のように当初の行程の見直しを迫られる場面もありますが、そのようなときこそいま一度、本来の目指すべき姿、この都市ビジョンをしっかりと見据えることが肝要だと私は考えます。  そこで、3つ目の海洋文化施設についての市長の見解についてのお尋ねですが、これも世界中から人が集まる清水、物流や人流が行き交い、交流する国際海洋文化都市・清水という都市ビジョンを描きました。そして、3次総、引き続いて4次総にもそれを位置づけてまいります。ですから、今回、コロナ禍で一旦停止をしたものの、今年度よりリスタートするというのは先ほど答弁したとおりであります。  そして、並行して、これは追い風でありますけれども、今後、ワールドクラスのカーボンニュートラルポート清水港を実現するに向けて、環境省の脱炭素先行地域に全国に先駆けて静岡市が選定された、これは朗報であります。そこで、民間の事業者様が大型集客施設のさらなる集客のための増改築を始めているなど、港町清水に新たな価値も生まれようとしております。  SDGsの目標、気候変動に対策をと連携した世界レベルのカーボンニュートラルポートを造っていきたいという目標も設定いたしました。将来は、清水港で生まれる水素エネルギーが海洋文化施設にも供給されるということも視野に入れております。  この海洋文化の事業が周辺開発の起爆剤となり、さらなる民間投資を呼び込むことによって、日の出地区のにぎわいから市内全体の回遊性を向上させ、交流人口の増加につなげていくことを期待しています。  本年5月に貴会派から、それでも本事業を凍結し、再検討するよう提言を受けました。しかしながら、コロナ禍の収束、ポストコロナ時代を見据えて、事業者の本事業への参画意欲も回復をしております。周辺エリアの事業も動き出しています。私は、現在の状況を好機と捉え、先ほど申し上げました清水の都市ビジョンの実現に向けて、本事業をリスタートすることを決断いたしました。  議員が愛してやまない清水、そして、私どもが国際海洋文化都市・清水と都市ビジョンを打ち立てました。これは私にとっての坂の上の雲であります。その中で、海洋文化施設はそのビジョンの重要なワンピースであります。この都市ビジョン、坂の上の雲を目指す中には、それは晴れの日もあるでしょう。雨の日もあるでしょう。曲がりくねった道もあるでしょう。凸凹道もあるでしょう。しかし、それを一歩一歩踏みしめ、乗り越えることによって、国際海洋文化都市・清水を実現してまいりたいと私は決意しております。  その中での海洋文化施設の整備を、令和8年4月の開館に向け、着実に進めてまいります。議員の御理解を伏してお願い申し上げます。  以下は、局長及び統括監から答弁させます。 14 ◯企画局長(松浦高之君) 4次総に関する4つの質問にお答えいたします。  まず、2018年の国立社会保障・人口問題研究所の人口推計が上方修正された要因についてですが、移住・定住促進に関する取組として、全国の市町で唯一、東京有楽町に設置している移住支援センターや、本市独自の取組である新幹線通学費貸与事業、若者の地元就職・UIJターン就職促進事業などを行っています。  人口推計が上方修正されたのは、こうした本市の取組により社会減が改善したことが一定の効果をもたらしたものと考えております。  しかしながら、依然として人口減少問題は本市の大きな課題と認識しております。引き続き人口減少対策に取り組むことにより、人口活力の向上を目指していきたいと考えております。  次に、4次総策定における市民アンケート結果についてですが、本市の大規模事業は議会での審議やパブリックコメント、市民の皆さんとの意見交換など様々なプロセスを経て意思決定し、本市の目指すまちづくりの実現に必要なものとして取り組んでおります。  事業を進めるに当たり、何よりも重要なことは、その必要性や効果について市民の皆さんに御理解いただくことであります。4次総の作成に当たっては、より丁寧な説明を心がけてまいります。  次に、大規模事業の検討の経緯と集約化・複合化についてですが、大規模事業については、本市の地域資源を最大限に生かすことでまちの魅力や求心力を高め、経済の好循環を生み出すことができる事業という観点で検討し、それぞれの熟度に応じて推進しております。  事業の集約化・複合化については、今後の検討過程において、それぞれの施設の特性や立地などを踏まえ、まちづくり等への寄与が見込める場合には、他都市の先行事例も参考にしながら検討してまいります。  最後に、4次総における財政規律についてですが、持続可能な都市経営を進めていくためには、しっかりとした財政の見通しの上で事業を進めていくことが不可欠だと認識しています。そのため、引き続きアセットマネジメントの推進や企業版ふるさと納税などの財源確保に取り組みながら、財政規律を堅持しつつ事業を実施してまいります。 15 ◯海洋文化都市統括監(杉山雄二君) 私からは、海洋文化施設に関する3つの質問にお答えします。  まず、建築資材やエネルギー価格の高騰による建設費や運営費の影響に対する事業者の反応と市の考えについてですが、事業者の反応としては、本年4月下旬に実施した本市との対話では、物価高騰の影響はあるものの、本市が示す事業費内に収める調整を続けていることを確認しております。  6月中旬にも事業者から対話の申込みがあり、現在も入札に向けて調整の努力を続けているものと認識しております。  事業者がこのような調整を続けられるのは、本事業が設計、建設、運営及び維持管理を担うおのおのの企業が一体となり、それぞれの技術力や経営能力を発揮することで効率的な運営を見据えた施設整備が可能となり、さらに、15年間の維持管理・運営を通じて本施設特有の運営ノウハウが蓄積されることにより、コスト縮減が図られるからと考えております。  本市としては、これらのことから、現在の建築資材やエネルギー価格の高騰の状況においては、サービスや品質を低下させることなく、本市が示す事業費内で要求水準を満たす施設整備と継続的な運営ができるものと考えております。  次に、契約後から完成までの資材価格の高騰などに対する市の対応についてですが、本事業においては、資材単品ごとの物価変動ではなく、建設費全体の物価変動について対応することとしており、本年2月議会に上程し、議決を得た債務負担行為の限度額には、この物価変動に基づく増減額を加算しております。  具体的には、本年10月末に予定している入札書・事業提案書提出時の物価指数を基準に、本施設の設計業務の完了を市が確認した日以降、物価指数の変動が1.5%を超え、かつ建設の残工期を2か月以上有している場合、事業者は市に対して建設費の増額を請求できることとしております。  また、建設費の改定後12か月経過した日以降において、再度物価指数の変動が1.5%を超えた場合にも、同様の請求ができることを認めております。  建設費の増額については、請求時の残工事費を対象とし、物価変動前と物価変動後の工事費の差額のうち物価変動前の工事費の1.5%を超える額を市が負担することとしております。  なお、物価指数の変動がマイナス1.5%より下回る場合は、同様の方法で建設費用の減額を市から事業者に対して請求できることとしております。  最後に、予期せぬ事態により運営に影響が生じる場合の市の対応についてですが、本事業では、本年5月末に公表した事業契約書(案)のとおり、新型コロナウイルス感染症をはじめとする疫病や地震、津波などの自然災害、さらには火災、騒乱その他の人為的な現象のうち通常の予見可能な範囲外のものであって、市または事業者のいずれの責めにも帰さない事態を不可抗力と判断し、対応することとしております。  具体的には、不可抗力が生じて開業準備業務及び維持管理、運営業務に損害、損失などが発生した場合は、年度ごとにこれら費用の累計額が、市が支払うサービス対価の1%を超えた場合、その超えた額を本市が負担することとしております。  なお、本市の指定管理施設においても、令和元年度から3年度は、新型コロナウイルス感染拡大による休館要請や事業の中止などによる指定管理者の収入の減少分と施設費や人件費、事業費などの支出の減少分の差額について、指定管理料を変更することで対応しました。 16 ◯企画局長(松浦高之君) 清水庁舎について、整備方針の比較検討における庁舎の規模と耐用年数はどのように考えているのかについてですが、庁舎の規模については、6月2日に開催した第1回清水庁舎整備検討委員会において活発な議論が交わされ、委員の皆さんから整備パターンに関する多くの御意見をいただいたところです。  今後は、これらの御意見を踏まえ、現時点での市の条件を整理していく予定です。  庁舎の耐用年数については、平成29年度に新清水庁舎建設基本構想を策定した際には、国土交通省監修の建築物のライフサイクルコストの手引を参考に、建て替えや改修の全てのパターンで65年を採用しました。  一方、今回の検討における改修パターンの耐用年数は、令和4年3月に改訂した静岡市アセットマネジメント基本方針に基づき作成した施設の長寿命化改修を計画する際の検討フローを踏まえ、鉄骨鉄筋コンクリート造である現庁舎は60年から80年の間で設定するものと考えております。  なお、改修パターンの耐用年数は、目標とする耐用年数から供用開始までの現庁舎の使用年数を減じた期間となります。  耐用年数とともに、庁舎の規模に関しても、現在、検討中であり、今後の検討委員会において市の条件を示したいと考えております。 17 ◯財政局長(大石貴生君) 清水庁舎に関する3点の御質問にお答えします。  初めに、清水庁舎の老朽化している点と過去10年間の修繕費についてですが、清水庁舎において老朽化が著しいのは冷温水発生機などの空調設備で、海に近いという立地条件から蓄熱水槽に海水混じりの地下水が浸透し、使用している水の塩化物イオン濃度が高く、塩害が進んでいるものと考えております。  過去10年間の修繕費については、静岡庁舎新館が約17億1,000万円、清水庁舎が約2億8,000万円で、主な修繕として、静岡庁舎はエレベーター7基の改修に約4億3,000万円、空調機や受変電設備の改修に約4億5,000万円、一方、清水庁舎はエレベーター3基の改修に約4,000万円、空調機の改修に約3,000万円を要しました。  大きな差が生じた要因は、建物の規模に違いがあるほか、長寿命化に伴う改修を静岡庁舎は平成30年度から開始したのに対し、清水庁舎は清水庁舎整備事業の動向により見送っていたことによるものです。  次に、清水庁舎地下及び4階の設備と地下からの設備移動に伴う荷重計算についてですが、清水庁舎の地下2階には空調機や消火設備用ポンプ、それに電力を供給する受変電設備などが設置されています。  また、4階には非常用発電設備や各階へ電力を供給する受変電設備が設置されています。  なお、静岡庁舎の同様の設備は全て地下2階に設置してあります。  清水庁舎の地下2階の設備を上層階へ移設することについての具体的な荷重計算についてですが、平成25年度に概算による5種類の補強案を検討した際には、改修方法により設置場所が異なるため具体的な荷重計算は行っておりません。  これについては、現在検討を行っている清水庁舎整備方針の結果を踏まえ、現庁舎の補強改修のケースなど必要が生じた場合には、補強計画の中で調査し、対応したいと考えております。  最後に、要緊急安全確認大規模建築物の耐震結果を期日までに所管行政庁へ報告しなかった理由についてですが、清水庁舎は設計時の構造計算書に新耐震設計法(案)に従って設計した旨の記載があったことに加え、平成24年に実施した耐震診断において、構造耐震指標であるIs値が建築基準法の耐震基準の0.6を上回っていたことから耐震性能がある建物と認識し、平成27年当時は要緊急安全確認大規模建築物に当たらないと判断していました。 18 ◯都市局長(八木清文君) 清水庁舎について、耐震性能及び耐震診断結果報告の2点について引き続きお答えします。  まず、清水庁舎の耐震性能についてですが、令和2年9月定例会での答弁のとおり、清水庁舎の構造設計では新耐震基準による一次設計において、中規模の地震動でほとんど損傷しないことを検証する許容応力度計算が行われております。  しかし、二次設計において、大規模な地震動で倒壊・崩壊しないことを検証する層間変形角と保有水平耐力の計算は行っておりません。  なお、当時の超高層建築物の設計に用いられていた地震応答解析を任意で実施しておりますが、このことで新耐震基準に沿った設計とは言えません。  よって、建築基準法では構造計算の方法が新耐震設計を満たしていない建物として取扱い、耐震診断の結果に基づく耐震ランクはIIとなります。  続きまして、清水庁舎を対象建築物としていなかったのはなぜかについてですが、所管行政庁では、平成27年当時公表していた、公共建築物の耐震対策の現状において、新耐震基準施行日以降の昭和58年の建設年度であり、耐震性能があると判断したことから、要緊急安全確認大規模建築物の対象外としていました。 19 ◯企画局長(松浦高之君) サッカースタジアムの御質問と、リニア中央新幹線に係る御質問にお答えいたします。  まず、サッカースタジアムに関する官民連携についてですが、他都市においては、例えば民間でスタジアムを建設し、市に寄附したパナソニックスタジアム吹田や、今治市がふるさと納税制度を活用し、整備費の一部を支援する里山スタジアム、公民で建設費を負担し合う、広島市の新サッカースタジアムなど、様々な整備や運営方法があります。  民間の自由な発想を生かした魅力あるスタジアムにしていくためにも、整備と運営の両面について、検討段階から公民連携で進めていくことが重要だと考えております。  次に、エネオス社や経済界への働きかけについてですが、これから候補地を検討する段階であり、現時点で公民連携などの他の検討には入っておりません。今後の進捗に応じて対応してまいります。  次に、リニア中央新幹線建設工事に係る田代ダムへの取水を抑制し、大井川に還元する案についてですが、現時点において具体的な還元量や期間などその詳細が示されていないことから、本市としましては今後の議論の推移を注視してまいります。  この案を含めたJR東海による対策が、大井川中下流域の皆さんの懸念の解消につながるものとなるよう、議論が進展することを期待しております。   〔風間重樹君登壇〕 20 ◯風間重樹君 それでは、2回目の質問に入ります。  清水庁舎については、確認のため2つの質問をいたします。  1つ目は、清水庁舎の構造設計者は当時の新耐震に対応した設計を納品したと証言しています。計算が不足しているのはどのような確認をしたのか。  2つ目は、要緊急安全確認大規模建築物として耐震診断結果が報告されましたが、所管行政庁はその内容の妥当性をどのように考えているのか。また、報告された内容の公表に当たり、所管行政庁は清水庁舎の耐震診断の内容を見ているのか、聞かせてください。  次に、4項目め、桜ヶ丘病院について伺います。  桜ヶ丘病院の移転先については、二転三転、紆余曲折を経て、JR清水駅東口公園へ移転する方針が確認されましたが、幾つかの課題が残ったままであります。  この点について、昨年12月、当会派は市長に対し、桜ヶ丘病院の移転に伴う災害医療計画等について要望書を提出しました。  また、本年4月22日の定例記者会見では、市長は桜ヶ丘病院に対する県の補助金見送りを受けて、市として何らかの支援を検討しているかとの記者の質問に対し、財政的な面を含めた支援を検討しているとコメントされております。  これらを踏まえ、今回は災害医療と今後の支援の有無について伺うものであります。  1点目の災害医療について、新病院は津波災害発生時に病院機能が停止する可能性がありますが、その間の医療提供はどのように行われるのか。また、清水桜が丘高校への救護所設置に向けた準備状況はどうか、聞かせてください。  2点目は、桜ヶ丘病院に対してどのような財政的支援を検討しているのかを聞かせてください。  次に、5項目めは、未来への投資について伺います。  質問は2点。  1点目は職員の成長について、2点目はスタートアップへの投資についてです。  市の組織において、職員に成長の機会を与えることはとても重要と考えています。静岡市人材育成ビジョンでは、使命感と熱意を持ち、自ら考え行動できる職員を目指すとあります。地域課題を解決するためには、市民と行政が互いに立場を認識し、自覚と責任を持ってそれぞれが役割を担い、協働する姿勢が必要です。  他市の事例では、神戸市、会津若松市などが、公益性が高い地域貢献活動、また市の活性化につながる活動を規定し、市職員が積極的に活動しやすい環境をつくっています。  静岡市行政の源は職員であります。職員が自治会活動など地域貢献活動やまちづくりイベントなど市の発展につながる活動に積極的に取り組むことで、仕事や市民サービスの向上につながると思います。また、このような活動を組織として評価する仕組みも必要ではないでしょうか。  まず1点目の職員の成長については、2つの質問をいたします。  1つ目は、市職員が地域貢献活動または市の活性化につながる活動に積極的に取り組むことについて、組織としてどのような認識を持っているのか。  2つ目は、市職員が地域貢献活動または市の活性化につながる活動に積極的に取り組んだ場合に、その活動を評価する仕組みがあるのかについてであります。  つぎに、スタートアップへの投資について質問いたします。  課題として、資金調達の困難さと手続の煩雑さが挙げられています。藤枝市をはじめとした複数の都市では、補助金を交付するなどスタートアップに積極的であることを市内外にアピールしております。  また、先日、会派視察で尋ねた福岡市では、先端技術を活用した社会課題の解決や生活の質の向上などにつながる実証実験プロジェクトを全国から募集、優秀なプロジェクトについては実証実験を全面的にサポートする、実証実験フルサポート事業を行っていました。  2点目のスタートアップについては、1つ、企業のスタートアップ支援について、独創的な取組を実施していく考えはないか、聞かせてください。 21 ◯都市局長(八木清文君) 清水庁舎の構造計算及び耐震診断結果についての2点の質問に続けてお答えします。  まず、構造計算の確認についてですが、令和2年9月定例会での答弁のとおり、二次設計において必要な層間変形角及び保有水平耐力の計算が行われていないことを、所管課で保管している構造計算書にて確認しております。  続きまして、耐震診断結果の内容の妥当性についてですが、清水庁舎の耐震診断は、建築物の耐震改修の促進に関する法律で定める、国土交通大臣が認める方法によって実施されていること、また、耐震診断の結果が妥当であるか否かを、第三者の立場から公正に判断することを目的に設立された、静岡県建築士事務所協会の耐震評定委員会において評定を受けていることから、その内容は妥当であると考えます。  次に、耐震診断の内容を見ているかについてですが、同法に基づき、所管行政庁は、要緊急安全確認大規模建築物の所有者から耐震診断結果の報告を受けます。報告を受けるに当たり、所管行政庁は法で定められた報告書、報告書の記載内容が確認できる耐震診断書抜粋の写し、既存建築物耐震診断・改修等推進全国ネットワーク委員会に登録する耐震判定委員会が発行した評定書の写しなどの必要書類に不備がなく、記載内容に不整合がなければ受理することとなります。  よって、清水庁舎の報告においても、耐震診断書抜粋にて報告書の記載内容に不整合がないかの確認はしておりますが、耐震診断書全ては見ておりません。 22 ◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君) 桜ヶ丘病院につきまして、2つの質問についてお答えいたします。  まず、津波災害の発生時に新病院の機能が停止した間の医療提供についてですが、災害の発生等により新病院の病院機能が停止し、搬送が困難であると判断される場合には、各医療機関の患者受入れ可否などの情報を共有できる広域災害救急医療情報システムの活用等により、受入れ可能な他の病院に搬送し、医療救護活動を行うことになります。  次に、清水桜が丘高校への救護所設置に向けた準備状況についてですが、本年度も庁内関係課で継続的に協議を行っているところです。
     その協議において、医療従事者の確保、配備資機材の検討、近隣の救護所との位置関係などの課題を把握しており、その解決に向けて、医師会等の関係機関とも協議してまいります。  次に、桜ヶ丘病院に対する財政的支援についてですが、本市はこれまで救急医療をはじめとした清水地域の医療体制を確保するため、桜ヶ丘病院の移転新築を支援してきていることから、公的病院としての桜ヶ丘病院の役割を踏まえた上で、財政的支援の必要性について、今後、検討してまいります。 23 ◯総務局長(渡辺裕一君) 職員の地域貢献活動等への取組に関する2つの質問にお答えいたします。  まず、市職員が地域貢献活動または市の活性化につながる活動に積極的に取り組むことに関する認識についてですが、本市では、静岡市新人材育成ビジョンにおいて、使命感と熱意を持ち、自ら考え行動できる職員を市職員の目指すべき姿としております。そして、あるべき行動の1つとして、市民・地域へ貢献することを掲げております。  市職員が公務員としての自覚を持ち、自治会・町内会活動などの地域貢献活動やまちづくりイベントなどの市の活性化につながる活動に積極的に取り組むことは、新たな知識や情報を得たり、人脈を築いたりする機会となり、職員自身の成長につながるもので、望ましいことと認識しております。  次に、市職員が地域貢献活動等に積極的に取り組んだことを評価する仕組みについてですが、本市では職員の勤務成績を評価する仕組みとして人事評価制度を設けており、職員個人の業務、役割等に関する目標を設定し、その達成度合いを評価する業績評価と、職員の知識や能力、態度や意識を基に生み出される行動を評価する行動評価の2つの観点から職員を評価しております。  行動評価の中では、職員の行動を評価する際の評価項目の1つとして市民・地域へ貢献することを定め、地域貢献活動等に参加し、そこで得た知識や経験を業務に生かしたときに評価する仕組みとなっております。 24 ◯経済局長(稲葉 光君) 企業のスタートアップ支援に係る独創的な取組を実施していく考えはないかについてですが、国の骨太方針2022では、スタートアップに関して、資金調達、起業を支える人材の育成や確保、研究開発や販路開拓への支援などについて取り組んでいくことが示されており、各自治体がスタートアップ支援に注力する中、創業する場所として選ばれるためには、本市ならではの取組が重要となってきます。  本市においては、これまでも創業セミナーやビジネスプランコンテストをはじめ、創業前から創業後まで切れ目ない支援を行うとともに、令和3年8月にコ・クリエーションスペースを設置し、市内外の企業や学生などの交流により新たな事業アイデアを生み出すプロジェクトなどを進めてまいりました。  さらに、東京都が設置したスタートアップに特化した施設NEXs Tokyoを活用し、首都圏などのスタートアップ企業が起業する場所として本市を選んでいただくため、イベントの開催などによる誘致活動などを行っていくとともに、それを後押しするような新たな支援メニューを検討してまいります。   〔風間重樹君登壇〕 25 ◯風間重樹君 3回目は、答弁に対する創生静岡の所見を述べさせていただきます。  まず、JR東海リニア建設計画については、当事者意識を強く持っていただきたいと考えております。  大井川流域市町が懸念する水問題については、その水源が本市にあること、また、リニア中央新幹線は南アルプスユネスコエコパークの核心地域と緩衝地域の地下を通過することを考えれば、自然環境に対する懸念は払拭できません。  田辺市長には慎重な対応をお願いするとともに、早急に現地視察を行うよう要望いたします。  次に、桜ヶ丘病院についてです。  津波浸水想定区域に立地する以上、大規模地震発生時、けが人の搬送については清水区のみならず葵区や駿河区にも影響が出ることが懸念されております。少しでもそのリスクを軽減できるよう、桜が丘高校でのバックアップ体制の構築など早急な対応をお願いいたします。  また、財政的な支援については、医師の確保を含め、清水病院を最優先で考えるべきです。また、清水区全体の医療バランスについては、市が責任を持って調整されるようお願いいたします。  清水庁舎についてです。  2019年の建設検討委員会では、最初から移転ありきで協議が進められてきました。フラットな検討を進める以上、これまで十分に議論されてこなかった点について、具体的な協議が求められます。  1つは、耐震性能はどうなのか。2つ目は、老朽化の進捗はどうなのか。3つ目は、目標耐用年数をどのように定めるのか。  まず、耐震性能については、当時、設計会社に勤務していた構造の専門家から次のような指摘がありました。ないと言われる保有水平耐力計算と層間変形角の計算は、市が、現在、見当たらないとしている構造計算書別冊内にある。昭和56年当時の建築基準法では、保有水平耐力も層間変形角も必須ではなかった。  また、当時、清水庁舎の設計に当たった佐藤武夫設計事務所の構造責任者に面談し、話を聞いたところ、清水市からは東海大地震に耐える市庁舎を要求された。当時、日本における建築構造工学第一人者であり、新耐震の法律をつくった梅村 魁氏が設計の監修に当たった。それゆえ、当時最先端の設計を納品したと考えている。法律上の形式は旧耐震下の計画通知となるかもしれないが、構造的には耐震性能は新耐震に適合させてあると明確に答弁しております。  また、耐震診断については、清水庁舎の診断方法に適用された二次診断は適さない。建物の構造上、より高次の診断が求められるとしています。  市当局は、方針が決まれば詳細な診断を行うとしていますが、果たして、構造責任者から適さないと言われる診断方法を、当時の計算書も確認せずに確定値として扱ってよいのでしょうか。  当局は、予算の都合から詳細な耐震診断は補強の計画が決まってからと話しますが、そもそも、方針を決める際に、より正確な診断が求められているのです。市民共有の資産の将来をどうするかの議論です。より正確な耐震診断を行い、公表をするよう強く求めます。  2つ目の老朽化については、同時期に建設された静岡庁舎に比べ、清水庁舎が突出しているとは言えません。また、課題としてきた電気設備とは、空調関係と消防設備です。それ以外の電気施設は4階に位置しています。  消防設備の地階設置については、静岡庁舎も同様です。必要であれば消火設備の移設は十分可能ではないでしょうか。いずれにしても、上層階移転のための荷重計算を行うべきであります。  さらに、3点目の耐用年数について、前回の検討委員会では市庁舎の寿命を65年と定めていました。今回の検討委員会で耐用年数をどう設定するのか、アセットの方針転換により変更するのか。  本来、公共建築物の耐用年数は、建物固有のカルテ等に照らし、市が方針を指し示すべきです。だからこそ、正確な建物の診断が必要なのです。  次に、海洋文化施設については、建築費も運営費も規模が大き過ぎます。国際情勢のあおりをまともに受ける可能性があります。経済情勢の見通しがつくまで再凍結すること。この間、現在、計画が進められているアリーナやスタジアム建設計画についても、多機能複合化の可能性を含め、改めて横一線で検討することを要望いたします。  次に、第4次総合計画については、お財布を持たない買物リストにならないよう、実施計画、予算との整合性を基本に、財政規律の維持を大前提に構築されるようお願いいたします。  また、教育環境の整備を含め、市職員の能力の向上やスタートアップ事業など、このまちの将来を担う人材や企業の育成については特段の配慮が必要と考えます。  最後に、市長の政治姿勢についてです。  現地現場主義、鳥の目、虫の目、1人の100歩より100人の1歩、これまで田辺市長から様々な言葉を聞きました。しかし、これらの言葉と行動は一致しているのでしょうか。  改選期を控え、政治家として、市長として毎日をお過ごしのことと思いますが、改選期だからその前にと、あれもこれも必達目標を掲げて事業を行えば、必ず足元が危うくなります。  誰のための市政か、改めて慎重なかじ取りをお願いし、質問を終わります。 26 ◯議長(望月俊明君) この際、暫時休憩いたします。         午前11時45分休憩    ───────────────────         午後1時再開 27 ◯副議長(佐藤成子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、山本彰彦君。   〔山本彰彦君登壇〕 28 ◯山本彰彦君 通告に従いまして、公明党静岡市議会を代表し、地域経済、教育・子育て、安全・安心社会について質問させていただきます。  第208回通常国会が閉会しました。新型コロナのオミクロン株が猛威を振るう中で開会し、ロシアのウクライナ侵略への対応と、26年ぶりに政府提出法案が全て成立するなど、大きな成果を得ることになりました。  とりわけ、当初予算の例年より早い成立と補正予算の成立は、国民生活を守る上で重要な意義があります。当初予算では、コロナ対策として5兆円の予備費を確保したほか、新たな成長の原動力となるデジタル化とグリーン化の推進、住居確保を柱とする困窮者の自立支援や、家族の介護や世話を担うヤングケアラーへの支援などであります。  また、ウクライナ危機で一層深刻になった物価高騰については、政府の総合緊急対策に反映されました。  そして、子供政策の司令塔となるこども家庭庁設置法や重要物資の安定供給を柱とする経済安全保障推進法、自治体による脱炭素化を後押しする改正地球温暖化対策推進法などが成立しました。  自治体には、数々の重要な法律を確実に実行に移し、市民生活を守る支援策の充実が求められます。  初めに、地域経済についてであります。  昨年11月、国は原油価格高騰等に対して、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策にエネルギー価格高騰対策を盛り込むとともに、本年3月には原油価格高騰に対する緊急対策を取りまとめてきました。  しかしながら、現在、原材料価格の高騰や世界的な供給制約等が長引き、国民生活や経済活動に重大な影響が及んでいます。  このため、直面する物価高騰による影響を緩和するための対応と、円滑な価格転嫁や賃上げを促し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため、原油価格・物価高騰等総合緊急対策が策定されました。  経済対策について伺います。  国のコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策では、自治体それぞれの特色に応じた支援策に活用することができる地方創生臨時交付金が拡充されました。  この総合緊急対策を踏まえ、5月16日、自民党、公明党、志政会の3会派共同提案として、本市における緊急経済対策について市長へ要望を行いました。  要望内容は、午前中、尾崎議員から紹介していただきました4項目であります。  この要望を踏まえ、具体的に事業者の声をどのように把握し、経済対策に反映していくのか、お伺いします。  次に、企業におけるSDGs推進に関して伺います。  静岡県中部地区の発展に向けた将来構想を提言する中部未来懇話会の本年度総会と春季シンポジウムが開催されました。  このシンポジウムでは、国連の持続可能な開発目標──SDGsに対応した企業活動や経営戦略について、パネル討論や今後の地域経済の在り方など意見が交わされました。  SDGsを推進している県内3社からは、再生可能エネルギーの導入や地域課題の解決に向けた取組内容の報告がされました。  また、環境や人権への配慮、働きやすい環境づくりなど、SDGsの理念に沿った企業経営を求める潮流が世界的に高まる一方で、社内では理念や目的が浸透し切れていないなどの課題が挙げられました。  企業が成長し、持続可能な経営を続けていくため、本市では企業におけるSDGs推進をどのように後押ししているのか、お伺いします。  次は、ウクライナ情勢について伺います。  ロシアのウクライナへの侵略は4か月を経過し、世界中の経済を混乱させ、多大なマイナス影響を及ぼしています。ウクライナ情勢の影響は拡大し、原油・エネルギーや穀物・食料品の価格高騰、それに伴う物流費や原材料費の値上がり、さらに急激な円安などによってコスト増加が続いています。  総務省が発表した5月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数が2020年を100として101.6。去年の同じ月を2.1%上回り9か月連続で上昇、上昇率は4月と同じで、消費税率引上げの影響を除けば13年7か月ぶりに2%を超えた4月に続き、2か月連続で2%を超えました。  主な要因は原油価格の高止まりで、去年の同じ月と比べて電気代は18.6%、ガソリン代は13.1%それぞれ上昇し、エネルギー全体で17.1%の大幅な上昇となりました。  物価高騰に伴う建設事業や施設管理などの本市事業への影響、また、今後の財政運営への影響と対応について、どのように考えているのか、お伺いします。  そして、ロシアによる侵略は各国の経済成長に大きな影響を与えるだけでなく、深刻な人道危機を引き起こしています。  日本では、本年3月からウクライナへの人道支援として、ウクライナ避難民の支援体制づくりを本格化させてきました。ビザの申請に必要な書類の大幅な簡素化、複数人のビザ申請を代表者が行うことなど迅速な審査・発給、避難生活の長期化を見据え、就労可能な在留資格を希望者に付与することや、住居・就労先支援を表明する動きが地方自治体や企業から出ており、これらを避難民のニーズと結びつける取組が始められています。  認定NPO法人難民を助ける会会長、立教大学大学院長 有紀枝教授はウクライナ避難民の受入れに対する政府や自治体の対応は素早く、十分評価できますとしつつ、今後の政府、自治体におけるきめ細かな支援に期待を寄せています。  本市では、ウクライナ避難民をいち早く受入れ、国際的・人道的な視点からの顕著な成果と言えます。ウクライナのニュースが毎日流れ、国際情勢への市民の関心は非常に高まっています。市の国際化推進行政の重要度が一層増しており、市職員の海外派遣も行っていると聞いています。  市として、ウクライナ支援を含め、国際化の推進をどのようにしていくのか、お伺いします。  続いて、脱炭素社会の実現について伺います。  国連広報センターは、メディアを通じて気候変動対策を呼びかけるキャンペーン「1.5℃の約束-いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」を立ち上げ、この時点で日本メディア108社が参加表明しました。  メディアの垣根を越えて、地球温暖化を抑えるために具体的な行動を示し、読者や視聴者、企業などに行動変容を訴えることであります。このように、世界共通の喫緊の課題である地球温暖化はその影響が顕著となっています。  2014年に公表された第5次評価報告書では、2100年までに世界平均気温は何も対策を取らない場合、4.8度上昇すると予測されていましたが、今回の報告書では最大5.7度上昇すると予測されており、直近で地球温暖化の進行が進んでいることを再認識することになりました。  本市は、本年4月に国から静岡県内で唯一、第1弾の脱炭素先行地域として選定されました。脱炭素先行地域は、国が目指す脱炭素ドミノのモデルとして、地球温暖化対策のフロントランナーの役割を担い、大きな期待が寄せられています。  一方で、この選定はあくまでもスタートラインとなります。今後、実現に向けて公民が連携し、取組を進め、先行地域の取組のみならず、市民生活や事業活動などありとあらゆる場面で地球温暖化対策を進めていかなくてはなりません。  そこで、脱炭素先行地域の選定を受け、今後の脱炭素社会の実現に向けて、市長はどのような思いを持っているのか、お伺いします。  また、国土交通省は、脱炭素社会の実現に貢献する下水道の将来像を定め、関係者が一体となって取り組むべき総合的な施策とその実施工程表を、脱炭素社会への貢献のあり方検討小委員会報告書として取りまとめました。  報告書では、下水道施設の省エネ化や資源・エネルギーの利活用は維持管理費の削減等による下水道経営改善や地域活性化に資すること。下水道が有する高いポテンシャルを活用し、脱炭素地域の形成に貢献することは、下水道のプレゼンス向上につながり、地域から海外までの人材や資金を引きつける好循環を生み出すとしています。この視点は、下水道のみならず上水道も含め、上下水道局全体で持つ視点であります。  下水道施設は浄化センター7か所、ポンプ場15か所、上水道施設は取水施設59か所、浄水施設20か所、配水施設86か所と大規模施設が多く、常時大量のエネルギーを使用しています。  そこで、上下水道事業の脱炭素について、どのように考えているのか、お伺いします。  そして、公共建築物の中でも大きな割合を占める学校施設では、教育環境の向上とともに、学校施設を教材として活用し、児童生徒に環境教育を行う環境を考慮した学校、エコスクール事業が行われてきました。  現在は、文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省の連携・協力により、エコスクールとして整備する学校をエコスクール・プラスとして認定し、整備が進められています。  この事業は、地球温暖化対策に貢献するとともに、学校施設を環境・エネルギー教育の教材として活用することができます。これにより、学校が児童生徒だけでなく地域にとっての環境・エネルギー教育の発信拠点になるとともに、地域における地球温暖化対策の推進・啓発の先導的な役割を果たすことが期待されています。  そこで、小中学校における脱炭素社会に向けた取組について、どのように考えているのか、お伺いします。  次は、教育・子育てについてであります。  今国会で、子供の権利を守るための基本理念を定めたこども基本法と、子供政策の司令塔となるこども家庭庁が成立しました。  こども基本法は、法的に子供の権利を定めて、日本が1994年に批准した国連の子どもの権利条約に対応するための国内法という位置づけで、画期的な法整備と言えます。  権利条約は、生命・生存・発達の権利、子供の最善の利益、子供の意見の尊重、差別の禁止の4原則が定められ、この法律でも同様な権利が明記されました。子供を権利の主体として、全ての子供の健やかな成長が保障されることになります。  また、こども家庭庁は、2023年4月に新設され、今後の子供政策において、この原則を基本理念とした上で具体策を立案し、推進役を担います。  さらに、児童福祉法も改正され、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化や事業の拡充がされてきます。子供を社会の真ん中に据えて、子供の幸せを最優先する社会の再構築へ向け、本格的に始動しました。  総合教育会議について伺います。  総合教育会議は、市長と教育委員会が対等な執行機関として、本市における教育行政の総合的な推進を図ることを目的として平成27年度から実施されてきました。多様化した教育問題への適切な対応、教育委員会の活性化、さらに、子供の視点による教育行政などが期待されてきました。  これまでの協議内容は、子供の貧困対策、不登校対策、教員の多忙解消、ICT教育の推進など、重要な課題や緊急性のある課題について、毎年テーマを決め、取組がされてきました。
     そこで、総合教育会議のこれまでの成果と、今年度の取組をどのように考えているのか、お伺いします。  次に、部活動の在り方について伺います。  公立中学校の部活動の在り方を検討してきたスポーツ庁の有識者会議は、休日の指導を地域のスポーツクラブや民間事業者に委ねる地域移行を2025年度末までに目指す提言を取りまとめました。  この提言では、受皿となるスポーツ団体や指導者の確保に加えて、経済的に困窮する家庭を援助するための財源確保など、実現に向けた課題も多く挙げられています。  本市では、2017年度、部活動ガイドラインを策定し、活動の見直しが進められてきましたが、部活動ガイドラインの検証結果を踏まえ、今後の部活動改革にどのように取り組んでいくのか、お伺いします。  次に、教員確保について伺います。  文部科学省が初めて実施した教員不足の全国実態調査では、全国の公立小中高と特別支援学校で、昨年4月始業日時点に2,558人の教員が計画どおり配置されていなかった調査結果が報告されました。  背景には、小中学校では多忙化への敬遠などから教員志望者が減少傾向であることや、産休・育休の取得者が見込みより増加したことなどがあります。  教員不足の現状と課題はどのようになっているのか、また、今後の対応策についてどのように考えているのか、お伺いします。  次に、教育負担の軽減について伺います。  子供政策は、これまで児童手当の拡充や教育無償化、子供医療費の無償化などが進められてきました。2019年10月から幼児教育・保育の無償化として、3歳児から5歳児の全世帯とゼロ歳児から2歳児は非課税世帯を対象として決まりました。  また、2020年4月からは高等学校において、2010年に開始した高等学校等就学支援金制度の改正により、私立高校授業料においても実質無償化され、さらに、高等教育においては、学ぶ意欲のある学生が経済的な理由で進学や就学を断念することのないよう、給付型奨学金・授業料減免が大幅に拡充されました。  ここで、本市の市立の高等学校の授業料無償化の現状はどのようになっているのかお伺いし、1回目の質問とします。 29 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、地域経済についてのうち脱炭素社会の実現について、脱炭素先行地域の選定を受け、今後の脱炭素社会の実現に向けてどのような思いを持っているのかとの御質問にお答えいたします。  今日も全国的にうだるような暑さの中、熱中症が懸念されております。また、異例の早さで今日、西日本を中心に梅雨明けが発表されました。  このままの地球ではいけない、この地球温暖化を是正して、持続可能な地球を次の世代に、子供や孫たちの時代に残していかなければならない、それが私の思いであります。  午前中にも言及しましたSDGsの13番目の目標、気候変動に具体的な対策を、この具体的な対策こそ議員御指摘の脱炭素社会の実現にあります。  SDGs未来都市としての責務で、この課題に果敢にチャレンジし、国内外の都市のモデルになるよう、高い志と強い覚悟を持って取り組んでまいります。  目下、環境局を中心に、第3次静岡市地球温暖化対策実行計画の策定を始めておりますが、国はCO2を2030年度には2017年度比46%という削減目標を掲げてきましたが、静岡市はそれを上回る50%以上の削減目標を掲げようと、現在、検討を深めているところであります。  しかしながら、この目標は静岡市だけが旗を振ってできるものではございません。静岡市内の民間企業との公民連携が不可欠であります。SDGsの17番目の目標、パートナーシップで目標を達成しよう、これが重要な意味を持ちます。  ただ、民間企業ですので、利益を生み出さなければいけません。地球温暖化という公益性と民間企業としての事業性の両立がなされなければいけません。  そこで、近年、脱炭素に向けた企業の取組が金融市場にも認められ、広く消費者にも受け入れられるような流れになっております。そこで、静岡市はこの公益性と事業性の両立を実現するような、民間企業の取組を下支えするために、脱炭素先行地域という強力なカードを手に入れました。それを新たなビジネスチャンスにつなげていただきたいと思っております。  そこで、静岡市は、公民連携により脱炭素先行地域の内外で生み出すクリーンエネルギーを地域内で活用するという新たなビジネスモデルを構築し、それを市内外に水平展開していくことで、国が目指すいわゆる脱炭素ドミノにも大きく貢献していきたいと考えています。  議員各位もこの脱炭素先行地域の将来を思い浮かべてみてください。例えば、各地区、各地域に備えつけられた太陽光パネルから得られた電気が隣近所の事業所などにも供給され、災害のときには大型蓄電池に蓄えていた電気も活用して地域内に明かりをともし続ける、市民や事業者の皆さんに安心をもたらすまち。  あるいは、この太陽光由来の電気と水からつくり出されたクリーンな水素エネルギー、これがカーボンニュートラルポートとなる清水港の周縁を巡るバスの燃料となって、たくさんの笑顔を海洋文化施設につないでいく、そんなにぎわいのあふれるまち。私は、そんな将来の目指すべきビジョンを持って、この脱炭素先行地域にトライしていきます。  この取組は、地球温暖化対策にとどまらず、地域経済の活性化、まちのにぎわいづくりにも貢献し、そこに暮らす方はもちろん、事業を営んでいる方、観光に来る方、その全ての方々がこの静岡で豊かなひとときを過ごしていく、その社会インフラになると確信しております。  大きな指針として、貴会派と共通するSDGs国際目標、これを共通の理念として、現在、策定を進める4次総の根底に脱炭素社会の実現という理念を据え、そして、国内外の地球温暖化対策を牽引していくことによって、地球温暖化に貢献する静岡市、世界に輝く静岡市をアピールしてまいりたいと考えております。議員の御理解と御協力をお願い申し上げます。  以下は、教育長並びに局長から答弁させます。 30 ◯経済局長(稲葉 光君) 経済対策について、事業者の声をどのように把握し、経済対策に反映させていくのかについてですが、本市では定期的に景況調査や静岡商工会議所、金融機関、各業界団体との情報交換を実施しています。  さらに、今般の原油価格・物価高騰の経済状況の変化に当たっては、各業界団体への訪問などにより経営状況や支援ニーズ等の把握に努めているところです。  その中で、事業者からは資金繰りなど経営の先行きが見えない、消費者の買い控えが不安といった声があり、6月補正においてはこれらの声に応えた新規事業の創設や既存事業の拡充を行います。  具体的には、経営相談窓口の開業時間延長や利子補給事業の拡充、モバイル決済サービスを活用したポイント還元キャンペーン第3弾を実施するほか、観光イベントを契機にした新たなチャレンジに取り組む商業者の皆さんを支援する商業者新商品開発支援事業を創設します。  今後につきましても、事業者の声を聞き、寄り添いながら、時宜を捉えた経済対策を機動的かつ確実に進めてまいります。 31 ◯企画局長(松浦高之君) 企業におけるSDGs推進への後押しについてですが、企業のSDGsの取組においては、環境や社会との調和が図られた経済活動が求められており、SDGsに対応した製品開発やサービスの提供をビジネスチャンスにつなげる潮流にあります。  本市は、市内事業者等がSDGsに積極的に取り組むことを推進するため、本市独自の事業として静岡市SDGs宣言の募集を他の自治体に先駆けて令和元年10月から開始し、現在までに460件を超える宣言が寄せられ、事業所等におけるSDGsの認知度向上や情報発信に取り組んでおります。  また、しずおか焼津信用金庫、静清信用金庫、日本政策金融公庫では、SDGsに取り組む地元中小企業をサポートするため、宣言事業所を対象とする融資を開始しています。本市の取組が地元企業によるSDGs推進とSDGsへの投資拡大を後押しし、地域経済に好循環を生み出す事例となっております。  地域経済の活性化に寄与するためにも、引き続き静岡市SDGs宣言などにより、企業のSDGsの推進のため連携機会の創出や情報発信に取り組んでまいります。 32 ◯財政局長(大石貴生君) 物価高騰に伴う市の事業や財政運営への影響についてお答えします。  初めに、物価高騰に伴う建設事業など市の事業への影響についてですが、世界情勢や国際金融市場の変動などを背景とした原油価格・物価高騰等は市の建設事業や施設管理にも影響をもたらしており、現時点では主に建設資材価格、エネルギー価格、食料品価格の高騰や半導体不足による影響が出始めています。  具体的には、建設資材については、主に鉄鋼等の価格上昇が顕著となっており、道路工事や上下水道工事等において設計単価の見直しや物価スライドへの対応が必要となっています。  エネルギーについては、ごみ焼却燃料であるコークスの大幅な価格上昇により西ケ谷清掃工場の運営に影響が出ているほか、電気料は静岡庁舎では直近3か月で前年比30%以上上昇するなど全ての市有施設が影響を受けており、一部の指定管理施設においては新電力会社との契約終了に伴う増額も見込まれています。  食料品については、生鮮食品を中心に価格が上昇しており、学校やこども園の給食の食材料費、動物園の飼料費などに影響が及んでいます。  また、半導体不足により消防車両整備や設備修繕などに納期の遅延が発生しています。  これらに対応するため、早期の予算措置が必要な事業において6月補正予算で対応したところですが、今後も市の各事業、各施設運営が着実に実施できるよう、補正予算等で対応していきたいと考えております。  次に、財政運営への影響と対応についてですが、当面の物価高騰による事業費の増加には、国の交付金のほか決算剰余金、財政調整基金、予備費で対応できると考えております。  しかしながら、今後、物価高騰や供給制約が長期化した場合には、建設事業や施設管理のみならず市の様々な事業に影響を与えるおそれがあります。  さらに、今後の金融市場の動向によっては、金利上昇による公債費負担の増加なども懸念され、財政運営に大きな影響を及ぼす可能性もあります。  このため、引き続きこれらの動向を注視するとともに、国の支援策や基金を活用して対策を講じるほか、必要に応じて国への要望を行うなど適切な財政運営を行ってまいります。 33 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) ウクライナ支援を含め、国際化の推進をどのようにしていくのかについてですが、本市は海外との交流を通じた地域経済の活性化を目的の1つとして、地域外交を推進しているところです。  例えば、姉妹都市や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会でのホストタウンの取組を通じ、世界の都市と相互交流を図っております。  そのほかに、パリに派遣している職員を通じて、フランスを中心としたヨーロッパでの本市のプロモーションや日仏自治体交流会議の本市開催のための誘致活動も進めております。  また、ウクライナ支援については、人道的観点から避難民の受入れを行い、市営住宅の提供や、一般財団法人静岡市国際交流協会と共に寄附金を基とした支援金の支給も始めたところです。  引き続き、避難民の方々が安心して生活できるよう、国、県、企業、市民団体や市民の皆さんと連携し、一人一人に寄り添ったサポートをしていきたいと考えております。  今後は、国際情勢の変化を踏まえた国際貢献や、これまでに築いた海外との関係性を生かした取組などを盛り込んだ新たな地域外交基本方針を令和4年度中に策定し、世界に輝く静岡の実現に向け、一層の国際化施策の推進を図ってまいります。 34 ◯上下水道局長(服部憲文君) 上下水道事業の脱炭素についてですが、これまで温室効果ガス排出量の削減につながる取組として、中島浄化センターでの下水道汚泥の燃料化をはじめ、本市のエネルギー地産地消事業からの電力調達、西奈配水場での小水力発電の導入、各施設での省エネ機器への更新などを実施してまいりました。  これらの取組を通じ、第2次静岡市地球温暖化対策実行計画に示す上下水道施設の温室効果ガスの排出量は、基準年である2014年度実績約6万900トンから2020年度は約4万3,300トンとなり、6年間で約1万7,600トン、29%の削減につなげております。  この1万7,600トンは、同期間の市政運営における全削減量の61%に相当するもので、温暖化対策にいち早く取り組んだ中島浄化センターの汚泥燃料化が大きな削減要因となっております。  今後、脱炭素化をさらに推進していくため、本年度、上下水道の全施設を対象に、再生可能エネルギーの導入拡大について可能性調査を実施いたします。  上下水道事業は、使用者の皆さんの水道料金、下水道使用料によって経営が支えられていることを踏まえ、脱炭素化のため新たに生じるコストを慎重に見極めつつ、本市全体の計画との整合を図りながら目指す削減目標を掲げ、取り組んでまいります。 35 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中学校における脱炭素社会に向けた取組についてですが、学校における脱炭素社会に向けた取組においては、次の3つの視点が重要と考えております。  1点目は施設の設計や建設における環境負荷の低減、2点目は施設における自然エネルギーの有効活用、3点目は子供たちの学びにつながる環境教育です。  これまでの取組として、1点目の環境負荷の低減では、新築工事や大規模改修工事における地域木材、リサイクル建材の利用促進、LED照明器具への切替えなど、2点目の自然エネルギーの有効活用では、太陽光発電設備による蓄電池の設置などを実施しております。  また、3点目の環境教育では、様々な教科において人と自然との関わりや地球規模で起きている温暖化の問題などについて学習しています。  身近な学校施設を活用した例としては、アサガオなどの壁面栽培により内側と外側の温度差を調べ、グリーンカーテンの効果を体感し、省エネに取り組む学習などが行われています。  今後も、本市、地球温暖化対策実行計画の中で施設整備における一層の取組を進めるとともに、環境教育では学校施設も1つの教材としながら、子供たちが脱炭素社会の実現に向けて自ら考え、働きかける取組が進められるよう工夫してまいります。 36 ◯教育長(赤堀文宣君) 私からは、教育・子育てに関する御質問のうち、総合教育会議のこれまでの成果と今年度の取組はどのようか、そして、部活動のガイドラインの検証結果を踏まえ、今後の部活動改革にどのように取り組んでいくのかの2点の御質問にお答えいたします。  まずは、総合教育会議です。  総合教育会議は、教育に関する重要な課題に対して、重点的な予算措置や組織体制等、市長部局と教育委員会が連携し、オール静岡市で効果的に、かつスピード感を持って取り組むことを目的に毎年開催しており、平成27年の総合教育会議設置以降、この7年間で様々な新しい教育施策を実現してまいりました。  近年の総合教育会議の主な成果として、具体的には次の3つが挙げられます。  まず、1つ目の成果としては不登校対策です。  平成30年度の議論を踏まえ、令和元年度より不登校の子供の家庭へのアウトリーチ型支援として新たに訪問教育相談員を3名配置し、今年度は12名まで拡充しました。  令和3年度には、これまでの中学校における取組に加え、小学校でも校内にサポートルームを設置し、別室登校の子供の居場所をつくるなど、どの子も置き去りにしない支援体制の構築に、順次、取組始めております。  これらの施策により、訪問教育相談員が関わった児童生徒の71%の不登校状況が改善しております。  2つ目の成果としては、特別支援教育の充実です。  令和元年度の議論を受け、通常学級の中でも特別な支援を要する子供に目が行き届くよう、国に先駆けて令和2年度より全学年での静岡市型35人学級編成の完全実施をスタートするとともに、特別支援教育支援員をこの3年で約20名増員しました。  また、自閉症・情緒障害学級には、担任だけでは指導が困難な複数学年の児童生徒が在籍するクラスに対して、令和2年度より非常勤講師を新たに4名追加配置し、今年度はさらに10名に拡充しました。  非常勤講師を配置した学級への調査結果では、36%の子供が学習内容の理解が向上し、50%の子供の授業態度が向上しました。ある子供からは、通常学級との交流授業にサポートがあることで安心して授業に参加することができるという声も聞かれるようになりました。  3つ目の成果としては、静岡型ICT教育の推進です。  令和2年度から3年度の2年間をかけて議論を深めたことで、1人1台端末の配備を進めた上で、令和3年度からはICT支援員を配置し、また、本年4月からは静岡市GIGAスクール運営支援センターを新設し、教員の指導力の向上につなげております。  日常的に授業で端末を活用することで、子供一人一人の学習状況を把握した上での個別指導や、教員と子供、また子供同士の双方向のリアルタイムのやり取りが可能となり、主体的・対話的で深い学びにつながる授業が実現できるようになります。  子供たちからも、発言が苦手だったが自信を持って自分の考えを発表できるようになった、多くの友達の意見を聞くことができるようになったなどの声も聞かれております。  以上のような成果の下、今年度の総合教育会議については、協議テーマを部活動改革とすることを予定しております。  部活動については、急激な少子化による部員数や部活動数の減少など、これまでの取組だけでは解決が困難な課題が生じております。  本市の子供たちが将来にわたってスポーツや文化に親しめる環境を創出するような幅広い議論が必要であると認識していることから、市長部局と一丸となって議論を深め、取り組んでまいりたいと考えております。  続いて、部活動改革です。  部活動は、生徒が興味・関心のある活動に仲間と協力して取り組むことを通して、主体性や社会性を育む価値ある教育活動として、長きにわたり実施されてきました。  しかしながら、長時間の練習が常態化するなど部活動が過熱したことによる生徒の心身への負荷、教職員の指導負担などの課題が表出してきたため、これらを改善すべく、平成30年度、全国に先駆けて本市独自の部活動ガイドラインを策定いたしました。  その中で、人間形成のための魅力ある教育活動という部活動のあるべき姿を明確にし、生徒主体の活動とすることを示した指導基準の徹底、週3日程度の適切な休養日の設定、外部顧問の配置等に取り組んできました。  成果としては、生徒主体の充実した活動、専門的な指導による質の向上の2点が挙げられます。  令和3年度に行った生徒アンケートの結果において、目標を見つけ、自ら考え取り組み、主体性が伸ばせたか、外部顧問の配置により専門的な指導が受けられたかという質問に対し、肯定的に回答した生徒の割合がともに9割を超え、生徒にとって質の高い活動となってきたことが確認できました。  一方で、少子化による部員数の減少が継続していること、外部顧問の大幅な増員が見込めない状況になっていることなど、ガイドラインに基づく取組だけでは解決が困難な課題が見られるようになってきました。  このような課題を乗り越え、スポーツ・文化芸術活動の機会、人間形成に資する活動、居場所としての役割という部活動の価値を中学生年代の子供たちのために維持すべきものであると考え、部活動改革に取り組むこととしました。  改革においては、ガイドラインの実践により得られた成果を生かしつつ、将来にわたって子供たちがスポーツ・文化芸術に親しめる環境づくりを目指します。  国においても、令和5年度から7年度を部活動改革の改革集中期間として位置づけています。本市としても、スポーツ・文化芸術に関するヒトやモノなどの地域資源を生かし、新たな運営手法の確立に向け、取組を進めます。  令和4年度は、3年度から取り組んでいる実践研究の継続と、本年度から新たに始める静岡市部活動改革検討委員会による協議の2点に取り組みます。  1点目の実践研究では、少子化による部員数不足等に対応するため、拠点となる学校において複数校の生徒が部活動をする拠点校方式による実践と、専門性を有する地域の人材が休日の指導を担う地域部活動について実施しています。  2点目の静岡市部活動改革検討委員会での協議では、有識者や関係団体等の委員に参加いただき、部活動改革の方向性や運営方法等について、様々な視点から検討を深めていきます。  それに先立ち、種目団体等へのヒアリングを実施し、関係者の意識を丁寧に把握しているところです。  本市における部活動が、将来にわたりスポーツや文化芸術に親しむための入り口としての役割を担うことができるよう、中学生年代の子供たちのための環境を構築する改革を進めてまいります。 37 ◯教育局長(青嶋浩義君) 最初に、教員不足の現状と課題、今後の対応策についてですが、本市においては、令和4年度当初、学校に配置すべき教員の人数2,988人に対し19人が未配置となっており、喫緊の課題と捉えております。
     これは特別支援学級の増加、産育休取得者の増加、教員志望者の減少による人材不足などが原因として考えられます。  教員不足の課題としては、教員の繁忙状態が解消されていないことや、職業としての教員の本質的な魅力が伝わっていないことなどが挙げられますが、現在、その対応策として、教員にとって働きがいがあり、働きやすい環境を整える働き方改革の推進と、熱意のある人材が教員を志望することにつながるよう教員の魅力発信の2点に取り組んでおります。  まず、働き方改革の推進については、働き方改革新プランを本年度から施行し、スクール・サポート・スタッフの配置による事務業務の削減や保護者との連絡手段のデジタル化などを進めており、今後も教員の働く環境を改善してまいります。  次に、教員の魅力発信については、今年度から静岡大学や常葉大学のオープンキャンパスにおける教職セミナーを高校生向けに実施いたします。また、両大学、県や浜松市と共同で、教員の魅力と教員の業務環境改善をセットで発信する教員の魅力発信プロジェクトへの参画を通して、幅広い世代に教員の魅力を伝え、教員志望者の増加に努めてまいります。  こうした取組を通して、早期のうちに教員不足を解消し、子供たちの健やかな学びや成長につなげてまいります。  次に、市立の高等学校の授業料無償化についてですが、本市の市立の高等学校については、国の制度である高等学校等就学支援金制度により、家族構成や収入状況により異なりますが、1つの目安として、前年度の世帯収入が約910万円以下の生徒は授業料が無償となっております。  令和3年度については、市立の高等学校2校で約76%の生徒が制度の対象となり、約1億5,800万円の支援を受けております。  また、この支援金制度のほかにも、修学旅行費など授業料以外に活用できる高等学校等奨学給付金制度等もあり、それらを活用することで高等学校における教育に係る経済的負担の軽減を図っております。   〔山本彰彦君登壇〕 38 ◯山本彰彦君 市長、教育長、また各局長からの御答弁ありがとうございました。  市長から、脱炭素社会の実現に向け、高い志、強い覚悟という御答弁をいただきました。市長の力強いリーダーシップの下、これからの着実な事業展開を期待しています。  また、教育長から総合教育会議と部活動改革について、大変丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございます。ぜひ、今後の議論の中では子供目線を大事にして議論を進めていただきたいというふうに思っております。  1点、要望を申し上げます。  教育負担の軽減につきまして、ゼロ歳児から2歳児までの無償化については課題、議論があるところではありますが、本市が教育・子育てを社会で支援するその姿勢を示すために、子供への出資はコストではなく未来への投資であるとの認識の下、高等学校につきましては、先ほど残り24%ぐらいですか、あったかと思いますが、市独自の支援として就学支援金制度の所得制限をなくし、全生徒の授業料無償化をぜひ実現していただきたいというふうに思います。  それでは、2回目は、ソフト面の充実という観点から、安全・安心社会について質問させていただきます。  まずは、全世代型社会保障についてであります。  全世代型社会保障構築会議において、議論の中間整理が取りまとめられました。この中間整理では、子育て支援や勤労者皆保険の実現、介護の負担軽減、地域共生社会づくり、医療・介護・福祉サービスなど5項目について従来の課題を挙げ、制度改革や法改正の着実な実施が示されております。  また、この内容の中で、医療・介護・福祉サービスについて、今後のさらなる高齢化の進展を踏まえると、地域完結型の医療・介護提供体制の構築に向け、地域包括ケアシステムの整備を着実に進めていくことが示されており、これに関わる取組を強化する必要があります。  本市では、静岡市健康長寿のまちづくり計画に基づいて静岡型地域包括ケアシステムを推進していますが、その取組内容と現在認識している課題は何か、また、今後その課題にどのように対応していくのか、お伺いします。  次に、女性への支援について伺います。  ここ数年の新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国的に女性が抱える困難や課題が顕在化し、従来の売春防止法の枠組みではニーズに合った支援ができないことが浮き彫りとなりました。  このような中、今年5月に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が議員立法で成立しました。この法律は、女性相談や一時保護事業を行う婦人保護事業がその根拠を売春防止法に置いていることによる制度的または運用面の課題を抜本的に見直すため、同法から婦人保護事業を切り離し、困難を抱えた女性一人一人の状況に合わせた支援の実施を目的としています。  困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の成立を受けて、今後どう取り組むのか、お伺いします。  次は、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。  新型コロナウイルスのパンデミックは3年目に入り、昨年11月に見つかった変異ウイルス、オミクロン型は瞬く間に世界に広がり、日本でも最大規模の流行となる第6波を引き起こしました。今年2月にピークを迎え、感染の減少スピードは緩やかで、現在に至っています。  ここ数週間は新型コロナウイルス感染症の感染状況が全国的に落ち着きを見せ、国は外国人観光客の受入れを再開するなど、社会や経済の再生を進める動きが見られ、コロナと共存する道へとかじを切り始めました。  23日に開かれた、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合では、全国の感染者数は減少幅が鈍化しつつあるとした上で、ワクチン接種などで得られた免疫の効果が下がっていくことなどから、今後は感染者数の増加も懸念されると指摘されました。  社会全体が落ち着きを取り戻しつつある今だからこそ、第7波に備える必要があります。  第6波の感染拡大では過去最多の患者数となりましたが、保健所はどのように対応してきたのか、また、今後感染が再拡大した場合、どのような対策を取っていくのか、お伺いします。  次に、コロナ禍におけるイベントの開催について伺います。  これまでのイベント開催では、国が示した人数上限や収容率などの基準や県の対応方針に基づき、感染防止策を実施してきました。  現在、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数はいまだに多い状況ではありますが、病床利用率の状況から、静岡県では国評価レベル1となっています。  しかしながら、今後、市内では大型イベントや地域でのイベントが予定されており、気を緩めずに、引き続き基本的な感染症対策を徹底するなど、安全・安心な環境の下で一日も早く市民の日常生活を取り戻していかなければなりません。  コロナ禍におけるイベント開催について、どのように取り組んできたのか、また、今後どのように対応していくのか、お伺いします。  次は、民間企業・団体との協定について伺います。  近年、自治体が民間企業と包括連携協定を結ぶ事例が増えてまいりました。包括連携協定は、地域が抱えている課題に対して、自治体と民間企業が協力し解決を目指し、地域住民の暮らしを豊かにすることであります。  地域の課題は、防災、環境、福祉からまちづくりまで多岐にわたります。この協定の背景には、自然災害の頻発が理由の1つとして挙げられます。  自然災害が起きたとき、自治体では住民の安全と生命を守るため、速やかな行動と対策が必要です。そして、さらなる被害拡大防止のために、一刻を争う迅速なやりとりや情報提供が求められます。自治体の行政職員だけでは人員不足や情報の提供が間に合わないケースから、民間企業の協力が必要となりました。  特に災害時においては、市民の生命・財産を守るために、行政だけでなく民間事業者と連携した被災者支援が必要であります。  災害時における民間事業者との連携協定をどのように活用しているのか、お伺いします。  最後の質問、地方創生連携協定と大学包括連携協定について伺います。  協定の基本姿勢は、民間企業が持つノウハウや最新の技術、サービスを自治体に取り入れて地域の課題解決や市民サービスの向上に役立てるため、自治体と民間企業が意見交換し、考えをすり合わせながらプロジェクトを遂行することであります。  協定によるメリットとして、自治体は最新の住民の希望に沿った行政サービスを提供できることであります。民間企業のメリットは、地域の発展をサポートすることによって地域の信頼を得られ、高い宣伝効果が見込めることであります。  一方、課題として、予算、スケジュールなどの意識の違い、締結後の具体的な成果が見えにくいなどがあります。  地方創生連携協定や大学包括連携協定に基づき、具体的にどのような連携事業を実施しているのかお伺いし、2回目の質問とします。 39 ◯保健福祉長寿局長(増田浩一君) 静岡型地域包括ケアシステム推進に向けた取組内容、課題、今後の対応についてですが、まず、静岡型地域包括ケアシステムは、静岡市健康長寿のまちづくり計画に基づき、医療や介護の専門職の連携による支援、市民の連携による地域での支え合いにより推進しております。  具体的な取組は、認知症ケア推進センター、かけこまち七間町の設置、地域包括支援センターの増設や体制強化などであり、全体では138に及ぶ事業があります。  次に、現在の主な課題は、平成27年から令和2年にかけ、高齢化率が28.4%から30.3%に上昇するとともに、高齢者独り暮らし世帯が4万4,000世帯から5万3,000世帯に増加しており、この傾向が今後も続いていくことです。  また、コロナ禍における外出控えや人との交流の抑制による認知機能の低下、フレイルの進行についても懸念されているところであり、これらに対応することも課題として認識しております。  そのため、今後の対応は、静岡型地域包括ケアシステムの一層の推進に向け新規拡充する施策として、かけこまち七間町を拠点とした認知症対策のさらなる取組強化、人生の最期に関する包括的な支援、いわゆる終活支援、介護予防のための医療機関と本市との連携強化などを現在策定中の次期計画に盛り込むことを検討してまいります。 40 ◯市民局長(草分裕美君) 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の成立を受けて、今後どう取り組むのかについてですが、この法律は、困難な問題を抱える女性の福祉の増進を図るために、支援に関する必要な事項を定め、施策を推進することにより、人権が尊重され、女性が安心し、自立して暮らせる社会の実現を目指すものでございます。  地方公共団体に対しましては、基本理念にのっとり、必要な施策を講ずる責務を課しております。  コロナ禍において在宅時間が増えたことなどにより、静岡市女性会館の相談件数は平成29年度から令和3年度にかけて約2割増加しています。特にDV、家族・人間関係などの複雑な相談が増えているため、相談窓口では困難な問題を抱える女性に寄り添いながら、それぞれの状況に合わせた支援と関係機関との連携が重要となっています。  このような中、今回、補正予算を組み、新たに実施する女性のための支援者養成事業は、男女共同参画の視点を持つ支援者の養成により、困難な問題を抱える女性への支援ときめ細やかなセーフティーネットの構築に取り組むことを目的としており、この法律の趣旨にかなっているものと考えております。  今後も国の動向を注視しつつ、県や様々な支援を行う団体と連携を図り、令和6年4月の法施行に向け取組を進めてまいります。 41 ◯保健衛生医療統括監(吉永幸生君) 第6波の感染拡大への保健所の対応と今後の対策についてですが、本年1月からのオミクロン株による第6波では、新規感染者数が急増し、1日最大で520人を記録した日もありましたが、そのほとんどが軽症か無症状であったことから、入院ではなく自宅療養が中心となりました。  これら自宅療養者への対応についてですが、保健所からの最初の電話連絡に時間を要してしまうため、事前にショートメールを送信し、療養期間中の注意事項を説明した動画やよくある質問などを掲載したホームページを案内したほか、体調が急変した際の緊急連絡先を伝えることにより不安解消に努めました。  また、本来、保健所が行うべき自宅療養者の健康観察については、医療機関の先生方に約30%を行っていただいており、本年3月からは新たに訪問看護ステーションへの委託も開始いたしました。  さらに、保健師や事務職員などの全庁的な職員応援により、感染状況に応じて柔軟に対応できる保健所体制を構築いたしました。  次に、感染が再拡大した場合の対策についてですが、本市ではこれまでも保健所業務の負担を軽減することで保健所機能を最大限発揮し、より重症化リスクの高い患者への対応を手厚く行うため、発熱相談センター業務や患者搬送業務などを委託してまいりました。  加えて、現在、自宅療養者へのパルスオキシメーターや食料を配送する業務、医療機関からの届出情報の入力業務について外部委託を検討するとともに、自宅療養者への療養解除の連絡を電話からショートメールに変更する準備を進めております。  今後も保健所業務の委託化、効率化を一層進め、これまでの感染症対策の経験も生かし、引き続き感染予防対策に努めるとともに、再拡大した場合にも備えてまいります。 42 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 新型コロナウイルス感染症対策に関する御質問と、災害時の民間企業、団体との協定に関する御質問に続けてお答えいたします。  初めに、コロナ禍におけるイベント開催への対応についてですが、イベント開催については、国の専門家会議等において、人流の抑制、飛沫飛散シミュレーション等を踏まえ、安全性に配慮した開催制限や基準を設定してきたため、本市においても国等の方針を遵守してまいりました。  一方で、感染力の強い新たな変異株の影響やワクチン接種の進展等に伴い、人数上限や収容率等が変更されるほか、規制緩和策の導入など開催制限が何度も見直されてきました。  このため、本市においても、イベント主催者や参加者の混乱を防ぐため、国や県から積極的に情報収集し、変更点を分かりやすくまとめ、速やかに庁内や関係団体等と情報共有を図ってまいりました。  また、緊急事態宣言下等においては、対策本部会議を開催し、イベント開催時における感染防止策の徹底、県外からの参加自粛の呼びかけ、開催時期の見直し等の対応方針を確認し、イベント主催者や関係団体等に伝えるとともに、メディア等を通じて安全・安心なイベント開催を広く周知してまいりました。  今後、大規模イベントなども予定されており、また、屋外マスク着用の考え方も見直されたことから、安全・安心なイベントが開催できるよう、アンテナをさらに高くし、積極的な情報収集と情報共有に努めるほか、感染防止策をより一層徹底することで市民の日常生活が回復できるよう取り組んでまいります。  次に、災害時における民間事業者との連携協定の活用についてですが、本市では、災害時における被災者の避難生活の支援等を図るため、民間事業者と108の連携協定を締結し、地域防災計画に登載しております。  近年、全国的に自然災害が頻発化・激甚化しており、予想できない突発的な大規模災害時においても迅速かつ確実な支援につなげられるよう、平常時から民間事業者との連携協定に基づいた様々な訓練を実施しております。  例えば、救護所における負傷者の応急手当てやトリアージ訓練のほか、被災者に必要な物資をスムーズに供給するための輸送訓練、大規模地震等により破損した重要な水道管を迅速に復旧するための被害調査訓練、避難所における良好な生活環境を確保するためのLPガスを活用した炊き出し訓練などを実施しております。  また、大規模災害時には民間事業者との連携・協力体制が欠かせないため、協定に基づいた訓練などの実施状況をホームページに掲載するほか、報道機関へ情報提供することで民間事業者の防災意識の向上を図り、地域貢献への積極的な参入を促すなど、民間活力の活用による地域防災力の向上に取り組んでおります。  今後も民間事業者と連携・協力した取組を積極的に進め、災害時におけるきめ細やかな被災者支援や災害からの迅速な復旧につなげることで市民の安全・安心を確保してまいります。 43 ◯企画局長(松浦高之君) 企業、大学等との包括的な連携協定についてですが、本市は地域社会の発展や人材の育成などを推進するため、企業、大学等と地域課題の解決に協働して取り組んでいます。  このうち、庁内の複数の局にまたがる幅広い分野で連携事業を実施する場合には、包括的な連携協定を締結しております。  企業、団体については、平成27年2月に本市初の地方創生の推進に向けた連携に関する協定を締結して以降、これまでに地元企業をはじめ全国展開する企業、非営利団体など24の企業、団体と協定を結んでおります。  具体的には、損害保険会社は安全運転セミナーを、食品販売会社は地元産品を使用した弁当の販売を実施されており、市民の安全・安心の確保や地域経済の活性化など多岐にわたる分野で連携による成果が上がっております。  また、大学については、平成24年11月に本市初の包括連携に関する協定を締結して以降、現在、市内5大学を含む計6大学と協定を結んでおります。  具体的には、大学や学生が持つ知見を生かす地域課題解決事業を、中部5市2町に対象を広げて年間20件程度の事業を実施しており、介護予防活動や生物多様性学習プログラムの開発など地域が抱える課題の解決を図るとともに、大学の研究機能の向上、将来を担う人材の育成にもつなげております。  今後も包括的な連携協定を通じて、市と企業、大学等の双方がウイン・ウインの関係を構築しつつ、幅広い分野で連携を推進してまいります。   〔山本彰彦君登壇〕 44 ◯山本彰彦君 それぞれ御答弁ありがとうございました。  3回目は意見、要望になります。  まず、民間企業、団体との協定であります。  危機管理では108ですか、締結されているということで、地域防災計画へ反映されているということでありました。  企画から御説明のありました企業とは24団体、そして、大学とは6大学と協定を結ばれているということでありましたが、実際のところ、本市では自治体や民間と様々な連携協定などを締結していますけれども、どのような協定が存在して、市の施策に活用されているのか、また、その活用実績がどのように公表されているのか、大変分かりづらい状況であります。  協定の内容、文書管理、継続・改善・廃止、事業の進捗管理など、協定を一元化し、実効性を高め、活用していくことが必要であると考えます。  最後に、長期化する新型コロナウイルスとの闘い、緊張が続くウクライナ情勢、さらに少子高齢化や格差の拡大など社会に閉塞感が広がり、市民は何らかの不自由さや不安を抱えながら生活しています。  私たち公明党静岡市議会は、市民の不安を取り除き、誰もが希望を持ち、安心できる社会の実現に向け、取り組んでまいります。  以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 45 ◯副議長(佐藤成子君) 次に、児嶋喜彦君。   〔児嶋喜彦君登壇〕 46 ◯児嶋喜彦君 志政会の児嶋喜彦です。志政会を代表しての質問となります。よろしくお願いいたします。  それでは、通告書に従って質問させていただきます。  最初に、緊急経済対策についてです。  日本での新型コロナウイルスは、一昨年2月のダイヤモンド・プリンセス号の乗員乗客の感染判明から2年4か月が過ぎ、今年1月から感染が拡大した第6波では感染者が多く出ましたが、ワクチンの3回目接種も進んだことから、感染者は2月中旬以降、多少の波はあるものの、ゆっくりとした減少傾向となっております。  コロナ禍では、飲食店の営業制限など自粛が続き、海外からの観光客もほぼ来なくなったことから、飲食業、観光業、それらに関わる事業を含め、大きな経済的打撃を受けました。  製造業でも、かねてからの世界的な半導体不足に加え、ベトナムや中国の都市ロックダウンによる部品不足から生産停止に追い込まれたり、コンテナ不足などによる物流の混乱もあり、さらには、ロシアのウクライナ侵攻により、原油価格高騰による原材料コスト、物流コストの増大、小麦粉など食品材料の高騰など、製品価格の値上げをせざるを得ない状況となり、2022年の食品値上げが1万品目を突破との報道があったように、値上げラッシュとなっております。  これらの値上げは市民の家計に大きく影響し、岸田首相が推奨する賃上げ促進も、今年の春闘で多少の効果はあったものの、これらの値上げに対しては不十分で、さらなる行政による経済対策が必要となっております。
     本市では、令和4年度6月補正予算にて、コロナ禍における物価高騰等の影響に対応するため、市民生活に対する直接的支援など、緊急経済対策を進めています。  その1つとして、モバイル決済サービスを活用した生活者支援・地域経済活性化事業があります。これは、本市ではコロナ禍で過去に2度実施した支援策同様、対象店舗で指定のモバイル決済サービスを使うと20%ポイント還元されるというものであり、過去2回の実績から算出して、今回の事業はどれくらいの経済効果が見込めるか期待されます。  そこで質問です。  過去に実施したモバイル決済サービスを活用したポイント還元キャンペーンの経済効果、及び今回の経済効果の見込みはどうか、お聞きしたいと思います。  ほかの事業として、省エネ家電購入促進事業もあります。これは、物価高騰による市民生活への負担を軽減するため、脱炭素化に向けても効果のある、省エネ性能に優れた家電の購入に対しての助成です。テレビ、冷蔵庫、エアコン、照明器具をそろそろ買換えようかと考えている方にとっては、省エネ化による家庭の電気代が安くなる効果も含めて、買換えへのよい後押しになる施策かと思っております。  過去に、2009年から2011年にかけて環境省による家電エコポイント制度がありましたが、想定以上に購入者が多くなり、メーカー側としては増産対応など、生産運営が難しくなりました。特に、制度が終わる間際には駆け込み需要が多くなりました。助成予算額も同様に、見込みの算出が難しいのではないかと考えます。  そこで質問です。  省エネ家電の購入助成に対する予算額をどのように算出したのか。また、予算額を超える需要があった場合、増額を検討する考えはあるか、お聞きしたいと思います。  緊急対策として、そのほかの生活者支援・事業者支援などもあり、申請のない受給資格者に対してのプッシュ型の給付などもありますが、市民や事業者に広く周知し、支援が必要な市民や事業者に対して必要な支援を行き届かせることができるか懸念されます。  そこで質問です。  支援事業を市民に広く周知させるために、どのような方策を実施していくか、お聞きしたいと思います。  ここからは、静岡市第4次総合計画、略称4次総に対する提言に関して質問させていただきます。  我々志政会は、5月26日に市長宛てに4次総に盛り込むべき政策提言を行いました。  提言の内容としては、基本構想、基本計画に対する考え方を述べた上で、各分野別計画ごとに具体的な施策について提言させていただきました。  その中から、まず産業振興についてお聞きします。  新型コロナ感染者が減少しつつある今、市民の暮らしを守り、経済を活性化させるためには、産業振興に注力する必要があります。  本市には様々な産業がありますが、本市の工業についてお聞きします。  本市の工業は、江戸時代、家康公が静岡浅間神社を再建するに当たり、全国から優れた職人が集められ、様々な工芸品を手がけ、それらが静岡市の特産工業へと発展し、その技術が代々伝わり、模型とかプラモデル産業にも伝承されています。  今では静岡市に模型・プラモデルメーカーが10社以上、プラモデルの全国シェアは9割近くあり、そのような背景から、プラモデルのまち静岡を前面に出すべきかと思っております。  ただ、静岡ホビーショーに来場されるようなコアなファンにはプラモデルのまちとして十分周知されていても、全国的に広く知られているかは課題であり、さらなるプロモーションが必要と考えます。  一方、プラモデル以外にも本市の強みである製造業は多くあり、私の出身会社で製造しているエアコン、冷蔵庫もその1つだと思っております。  これに加え、市内に所在する中小企業は約99%を占め、地域経済を下支えしていることからも、プラモデル以外の中小企業、中小製造事業者にも目を向けていくことが重要であると考えています。  そこで質問です。  本市の製造業に焦点を当てた取組はどのようなものか、お聞きしたいと思います。  次に、高規格道路周辺対応についてお聞きします。  本市は、東京、名古屋をつなぐ東名高速が1968年に開通し、名古屋と神戸をつなぐ名神高速と合わせて日本の大動脈となる高速道路が東西に走り、それに加え、2012年に東名高速の北側を通る新東名高速が開通、昨年は山梨県と南北につながる中部横断自動車道が全線開通しました。  これらにより、本市は東西2本の高速道路と南北の高速道路が走る国内有数の重要拠点となり、企業立地にも適した場所となっています。  日本平久能山スマートインターチェンジ周辺では、恩田原・片山地区で企業立地が進み、建築工事も始まっています。今後、清水いはらインターチェンジは県道75号清水富士宮線バイパスと接続することにより利便性が増し、中部横断自動車道には(仮称)両河内スマートインターチェンジの建設も予定されています。  清水いはらインターチェンジ周辺や両河内スマートインターチェンジ周辺は、インターチェンジに近いという立地から、平地は少ないものの、日本平久能山スマートインターチェンジのような企業立地も期待されます。企業立地により雇用が増え、周辺エリアの人口増加も期待できます。  そこで質問です。  高規格道路周辺への企業立地について、どのように考えているか、お聞きしたいと思います。  次に、スポーツ政策についてお聞きします。  本市はJリーグ清水エスパルスのホームタウンであり、高校サッカーでは1982年に清水東が全国制覇して以来、全国でもサッカー王国として知られています。  近年では、2019年に静岡学園が全国制覇をしましたが、高校サッカーでは最近、上位進出が難しくなり、清水エスパルスも残念ながらJ1残留争いが多くなっております。  1992年に静岡市に住み始めた私としては、静岡といえばやはりサッカーで、トップチームと高校サッカーで頂点に立ってほしいと思いますが、そのほかにも、野球も昔から人気のスポーツで、近年、オリンピックの影響もあり、それら以外にも多くのスポーツに注目が集められるようになりました。  このように、スポーツは国民や市民を1つにする力があり、スポーツの力を生かしたまちづくりも必要と考えます。  そこで質問です。  4次総においてスポーツをどのように位置づけ、取り組んでいこうとしているか、お聞きしたいと思います。  スポーツについては、トップチームの活躍だけじゃなく、市民一人一人が自分の好きなスポーツに取組、子供からお年寄りまで楽しく健康的に過ごすことも必要です。  私が小学生の頃は、学校が終わると自転車で公園や広場に出かけてよく野球をしたものです。今は安全面の問題で、公園では野球やサッカーなどの球技をすることができず、学校のグラウンドも放課後児童クラブで使うことが多いと聞きます。  安倍川河川敷や草薙、西ケ谷など、市内には様々な運動のできる広いエリアがありますが、居住地によっては距離が遠く、小学生が自転車でそこまで行くのは難しいエリアもあります。  そういう意味では、学校のグラウンドであればどこのエリアにもあり、放課後児童クラブとの兼ね合いや安全面での課題もあるとは思いますが、学校のグラウンドは子供たちが放課後や休日に有効に使える場所かと思います。  安倍川河川敷や草薙、西ケ谷などのエリアや体育館などについては、市民が事前予約をして使用できるようになっていますが、決まった人が定期的に使用されていることが多いように思います。  ホームページで施設の予約ができますが、使用したことがない人にとってはどこのどの施設が予約できるのか、どこからどのように予約するのか分からないのではないかと思います。  そこで質問です。  市民が日常的にスポーツに親しむためのスポーツ施設の利用促進について、どのような取組を実施していくのか、お聞きしたいと思います。  次に、観光事業促進についてお聞きします。  本市の観光スポットといえば、駿府城公園周辺、清水港周辺、三保松原、日本平、久能山東照宮ほか多々ありますが、位置的には分散しており、初めて訪れる人にとってはどのような周遊ルートがよいか分かりづらいと思います。  本市に多くの観光客を呼ぶために、これらの観光資源を結ぶルートを連携させ、どのような周遊ルートがよいかもっと知ってもらう必要があると思います。  車で来る観光客には観光スポットから近い駐車場の整備、電車で来る観光客にはバスやタクシーを安価で利便性よく使える必要があります。それぞれの観光スポットを効率よく巡る観光ルート案をもっと知ってもらえればと思います。  本市では、歴史博物館がいよいよ7月23日にプレオープン、来年1月にはグランドオープン予定となっています。同じ来年1月にはNHK大河ドラマ「どうする家康」が始まり、浅間神社境内には大河ドラマ館が開設され、駿府城公園には東御門、天守台発掘調査など歴史文化が多くあり、これら本市の強みを軸に市内観光施設の周遊へつなげていければと思います。  そこで質問です。  本市の強みである歴史文化などを軸にした市内周遊をどのように展開していくのか、お聞きしたいと思います。  1回目の質問は以上となります。 47 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、スポーツ政策についてのうち、スポーツの力を生かしたまちづくりについて、4次総においてスポーツをどのように位置づけ、取り組んでいこうとしているのかとの御質問にお答えします。  私も議員のスポーツに対する考え方に全く同感であります。昨年、世界最大のスポーツの祭典、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を経験して、改めてスポーツってすばらしい力があるな、人々の心と心を1つにする、そんなスポーツの力を改めて強く印象づけられました。  そこで、今、私は、スポーツには3つの価値があると整理しています。  1つ目は健康、スポーツ自体が持つ価値であります。スポーツをすることによる心や体の健康増進や、練習を積み重ねることによる競技力の向上です。  2つ目は経済、まちづくりに資する価値です。スポーツを見ることを通した交流人口の増加や地域経済の活性化、まちのにぎわいの創出です。  そして、3つ目は教育、人間形成に寄与する価値です。スポーツを支えることによって、チームプレーを学ぶ機会やその指導を通して、中学の部活動もそれに含まれますけれども、社会性、主体性を磨くことで人間性を高めていきます。  このように、スポーツが有する3つの価値を見いだした上で、ポストオリパラの時代、静岡市4次総では、スポーツを重要な政策の1つとして位置づけるよう目下、検討を進めております。  静岡市スポーツ推進計画においては、スポーツ庁を中心に国が提唱するスポーツ・イン・ライフ、生活の中のスポーツ、もっと大げさに言えば人生の中のスポーツ、この概念を取り入れております。  これは、スポーツはもっと気軽なものなんだよ、ボールを使わなくたってできるんだよと。例えば、毎日の通勤のときのウオーキング、あるいは階段の上り下り、こうした日常における軽い運動、体を動かすということもスポーツであるというのが国の定義で、これを打ち出すことによってスポーツに親しんでもらう、スポーツの実施率を向上させるという取組であります。  さらに、スポーツにはこのような、するということだけではなくて、スポーツを観戦するというような、見る、そして、大会のボランティアに参加するというような、支えるという生活の中での関わり方もあるということでありますので、この、する、見る、支えるの3つの視点をバランスよく取り入れた上で、市民の皆さんに対して、四季を通して温暖な静岡市の自然環境の中、スポーツを通した健康で豊かな生活の実現につなげてまいりたい、そう考えております。  まず、スポーツをする。スポーツを楽しむことができ、健康長寿の基礎となります。  次に、スポーツを見る。サッカーの清水エスパルスをはじめ、バスケットボールのベルテックスジャパン、シャンソンVマジック、そしてラグビーの静岡ブルーレヴズなどトップチーム、おらがまちのホームタウンチームを持つことによって、その試合、市民のスポーツ大会、そんな各種スポーツの観戦を通して、多くの来訪者と市民の皆さんとの交流や新たな経済活動が生まれます。  そして、スポーツを支える。大会のボランティアやスポーツ推進委員、施設の管理者などがスポーツを楽しむ環境を支えてまいります。これもスポーツへの関わり方です。  中学校における部活動は、目下、全国的な課題でありますが、部活動指導員に支えられ、スポーツの入り口としての役割や、生徒個々の人間力の向上に貢献しております。  しかしながら、近年では少子化への対応や指導人材の確保などの課題を抱え、部活動の維持の岐路に立たされております。その改革にも取り組んでまいります。教育委員会と連携して、市長部局はこれを下支えしてまいりたいと思います。  スポーツという大地に富士山を想像すると、トップチームが活躍するこの山頂、頂から、市民が気軽に楽しめるスポーツという裾野が広い、そんなイメージを思い描いていただきたいと思います。  その中で、する、見る、支えるで様々なスポーツの場面に関わる市民一人一人の生活の取り入れ方があり、そして、それぞれ主人公になっていただきます。このようなスポーツの力を生かしたまちづくりを進めて、市民にさらにこのまちで人生を謳歌していただきたい、そんな気持ちで、世界に輝く静岡、市民一人一人が輝く静岡の実現に向けて、スポーツの力を生かしてまいりたいと、そう考えております。議員の御理解とますますの御支援をよろしくお願い申し上げます。  以下は、副市長並びに局長から答弁させます。 48 ◯経済局長(稲葉 光君) モバイル決済によるポイント還元キャンペーンの経済効果についてですが、本市では、買物などでキャンペーンを利用した決済額と次の買物での消費が想定されるポイント還元額の合計額を経済効果と考えています。  令和2年度に実施した第1弾では、決済額が約17.6億円、ポイント還元額が約2.3億円であったことから、合計約20億円の経済効果があったと捉えています。  令和3年度に実施した第2弾では、決済額が約30.9億円、ポイント還元額が約4.2億円であったことから、合計約35億円の経済効果があったと考えています。  今回、実施予定の第3弾では、これまでと比較し、キャンペーン期間を1か月から2か月に延長すること、還元上限額を5,000ポイントから1万ポイントに拡大すること、モバイル決済サービスの普及率が上昇していることなどから、ポイント還元額を約16億円と想定しています。  それに加え、これまでの実績から、決済額を還元額の7.5倍の約120億円、合計約136億円の経済効果があるものと見込んでいます。 49 ◯環境局長(田嶋 太君) 省エネ家電の購入助成に対する予算額の算出と予算の増額の検討についてですが、まず、この制度は、省エネ性能に優れた家電製品の購入支援を通して家計の負担軽減を図ることを目的としており、世帯当たりの電気使用量の多い上位4品目である冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコンを購入支援の対象としております。  また、他都市の補助制度や本市の他の省エネ補助制度の実績などから補助額を設定した上で、市内における対象家電の販売状況などを踏まえ、5,000件から6,000件程度の申請件数を想定して予算額を算出いたしました。  次に、予算額の増額については、申請状況や販売状況などを注視し、需要の把握に努めるとともに、国の緊急経済対策などの動向も見据え、検討してまいります。 50 ◯連携調整監(大村明弘君) 緊急経済対策支援事業の周知方法についてお答えいたします。  市民や事業者の皆さんそれぞれが、市だけでなく国・県の支援事業も含めて、自分がどのような支援を受けることができるのかなど、各事業の内容が分かる特設ホームページを早期に公開するとともに、簡単に情報にたどり着くことができるよう、市のLINE公式アカウント上に特設ホームページへのアクセス窓口を設置いたします。  あわせて、広く市民や事業者の皆さんに知っていただくために、広報紙への記事掲載や新聞広告などを行うとともに、支援事業を紹介するCM映像を各庁舎や市の公式ユーチューブチャンネルで放映してまいります。  さらに、スマートフォンなどの利用が苦手な方も情報を入手できるよう、電話の相談窓口である新型コロナなんでも相談ダイヤルの周知を改めて行ってまいります。  以上のように、広く市民や事業者の皆さんに支援事業の情報を周知できるよう情報発信に努めてまいります。 51 ◯経済局長(稲葉 光君) 製造業に焦点を当てた取組についてですが、本市には模型産業をはじめとする特色のある産業のほか、自動車関連製品や空調機器の関連部品など数多くの業種の中小製造事業者が所在し、地域経済を下支えする役割を担っています。  このことから、市場における競争力を高めるため、中小の製造事業者向けの支援として、主に次の2つに取り組んでいるところです。  1つ目は、自社の製品を売るための販路開拓として、展示会の出展や新商品の開発などを支援しています。  2つ目は、生産性の向上に向け、高品質化、納期短縮といった取引先からの要望に応えていく設備投資を支援しています。  また、新型コロナウイルス感染症をはじめ、ウクライナ情勢、円安など、先行き不透明な状況が続いていることから、事業者が抱える課題を捉え、設備投資の補助金を拡充するなど、必要な措置を講じてきたところです。  今後も、競争力を高める取組を進めていくとともに、若年労働者が減少している現状も踏まえ、若年層に対するキャリア形成や教育訓練などの取組を通じ、地域経済の将来を見据えたものづくり人材の強化にも取り組んでまいります。  続きまして、高規格道路周辺への企業立地についてですが、本市ではこれまで継続的に企業誘致の取組を行ってきました。その結果、直近では国道1号静清バイパス周辺にも企業が進出するなどの成果につながってきております。  こうした中、令和3年度に本市が県内外の7,000社を対象に実施した企業立地ニーズ調査では、多くの企業が立地場所の選定に当たって交通アクセスを重視しており、清水港や新たに開通した中部横断自動車道等の高規格道路網を大きな魅力として捉えていました。  現在、主要地方道清水富士宮線の整備が進む清水区の庵原地区や、両河内スマートインターチェンジの事業化が決定し、光回線が整備された両河内地区は、今後、企業からの注目度がさらに高まっていく可能性があります。  そのため、本年4月に本市と国・県及び港湾事業を行う民間企業で構成する清水港利用促進協会の中に企業立地に関するプロジェクトチームを立ち上げ、まずは令和4年度に新たな用地調査等を実施し、その結果を踏まえ、5年度以降の誘致活動につなげていきたいと考えております。  コロナ禍をきっかけに、企業が地方に拠点を移転・分散する動きが続くことが見込まれる中、これを大きなチャンスと捉え、こうした公民連携の取組により企業立地を推進してまいります。 52 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) スポーツ施設の利用に関する御質問にお答えします。  市民が日常的にスポーツに親しむためのスポーツ施設の利用促進への取組についてですが、本市では、総合運動場や体育館などの施設から河川敷にある無人のスポーツ広場まで、様々なスポーツ施設の管理運営を行っております。  また、市民の皆さんに身近な市立小中学校の体育施設を開放することで、地域のスポーツ活動を推進しております。  一方、コロナ禍が大きく影響し、令和3年度の市民意識調査では、過去1年間に学校を除く市内の公共スポーツ施設を利用した人の割合は17.6%であり、平成30年度の25.6%から8ポイント下がりました。これは、複数人で行うスポーツや人が集まる施設での活動が敬遠されたことが理由であると考えられますが、スポーツ施設予約システムへのアクセスと利用方法について十分に周知されていないことも原因の1つであると考えております。
     そのため、市民の皆さんが予約システムにアクセスしやすくなるよう、広報紙や市ホームページの掲載方法を工夫するとともに、SNSの活用も積極的に行ってまいります。  また、予約システムの更新に向けて、システムの機能や利便性の向上などを検討してまいります。  今後も引き続き、市民の皆さんが安全・安心にスポーツ施設を利用し、健康で豊かな生活を送れるよう、施設の利用促進に努めてまいります。 53 ◯副市長(大長義之君) 私からは、歴史文化を軸とした周遊についてお答えいたします。  本市では、これまで日本遺産に認定された2峠6宿の魅力を発信し、周遊を促すシンポジウムや、東海道を舞台とした40余りの体験プログラムから成る東海道おんぱくの開催など、歴史をテーマとした観光に取り組んでまいりました。  本年度は、令和5年1月に歴史博物館のグランドオープンを控えており、静岡で育まれた大切な歴史の価値と魅力を発信するこの施設が、本市における新たな周遊観光の道を切り開くものと考えております。  なお、グランドオープンの時期はくしくも大河ドラマ「どうする家康」の放送と重なることから、本市といたしましては、令和5年の1年間を家康公にスポットを当てた市内周遊の強化の年と捉えております。特に、家康公の元服式が行われたとされる静岡浅間神社、天下人として大御所時代を過ごした駿府城、そして、家康公が神として祭られている久能山東照宮は、家康公の人生において重要な意味を持つ場所です。  それぞれの場所には、大河ドラマの世界観を通じた家康公に触れられる大河ドラマ館、駿府のまちを舞台に家康公について学ぶことのできる歴史博物館、家康公の日用品や甲冑など充実した収蔵品を持つ久能山東照宮博物館が存在しており、これら家康公の生涯を多様な切り口から知ることができる施設が市内に集積していることは、他都市には類を見ない特徴であり、まさしく本市の強みであると考えております。  このため、これら3つの施設が連携し、電車、バスなど公共交通と施設の入場券を組み合わせたセット券を発行し、多くの来訪者を呼び込むことで、家康公が人生の約3分の1を過ごされた、家康公が愛したまち静岡をしっかりとアピールしてまいります。  そして、この3か所に観光ボランティアガイドを重点的に配置し、家康公ゆかりの地や世界遺産の構成資産である三保松原、夜景遺産に認定された日本平など、本市が誇る観光地への訪問を促すとともに、目的地や移動中などで使える、買物や食事が楽しめる特典つきクーポンの発行やスタンプラリーなどの仕掛けも実施し、地域における消費拡大につなげてまいります。  このように、家康公ゆかりの資源に様々な周遊施策を組み合わせて市内での滞在を楽しんでもらうことに加え、本市が誇る歴史資源を中心とした周遊コースをこの1年間で持続可能なものに磨き上げていくことで、一過性に終わらせない地域全体のにぎわいの創出、そして、経済の活性化につなげてまいります。 54 ◯市長(田辺信宏君) 先ほどの私の答弁で、チーム名をベルテックスジャパンと発言しましたが、正しくはベルテックス静岡でありました。訂正をお願いいたします。失礼いたしました。   〔児嶋喜彦君登壇〕 55 ◯児嶋喜彦君 それぞれの質問に対する御答弁、ありがとうございました。  意見・要望は最後に述べさせていただき、続きまして、公園整備についてお聞きします。  本市には500を超える公園が整備されており、当然のことながら老朽化に対応することは喫緊の課題ではありますが、そのような状況下で、民間の力を活用し、公園のリニューアルを図ることはよい方策であり、本市では城北公園の魅力向上を目的に、公募設置管理制度──通称Park-PFI制度を活用して駐車場やカフェなどの施設設置を計画しており、私も大変期待しております。  Park-PFIは、地方公共団体が民間事業者などから企画提案を募り、最も優れた事業者の提案が選定され、設置する施設は公園利用者へのサービスを向上させ、公園管理者の負担も軽減でき、施設の収益も見込めるよい制度と考えます。  一方、城北公園では、テナントの1つとしてスターバックスの出店が予定され、地域住民の御意見を反映し、ドライブスルーの中止、樹木伐採を考慮して店舗位置の見直しなど変更したものの、根強い反対者がいることから、スターバックスは出店を辞退することとなりました。  ほぼ同じ時期に、Park-PFIではなくPFI事業となりますが、大浜公園の再整備事業の入札が参加資格を満たした事業者がいなかったため中止になった件や、桜ヶ丘病院の建設工事の入札が不調に終わった件が報道されました。  これらは、ロシアのウクライナ侵攻などによる資材高騰など、それぞれ事情は違いますが、静岡市の事業は大丈夫かという声を聞くようになり、今の状況では民間事業者側が静岡市での事業に参入するのは難しいのではないかと危惧しております。  Park-PFIは、民間事業者と協調して事業を進める必要があること、制度が新しく成熟していないことなど、難しさを伴う制度であり、城北公園の状況を鑑みると、今後、Park-PFIを活用した事業に消極的になってしまうのではないかと懸念しております。  そこで質問です。  Park-PFI制度活用事業を今後も継続して進めていくのか、お聞きしたいと思います。  次に、少子化対策についてお聞きします。  日本全体もそうですが、静岡市は人口減少傾向となっており、人口減少を食い止める直接的な方法は出生率の改善であり、出生率の低下には様々な要因があります。  まずは婚姻率の低下や晩婚化があり、これは先日のニュースで、配偶者や恋人のいない率が、20代女性は5割、男性では7割との報道があり、スマホなどでのネットを通したコミュニケーションの増加など、出会いが少ない状態がコロナ禍でさらに拍車がかかり、また、出会いがあっても結婚生活を送る経済力がない、仕事が不安定などの社会的問題もあります。これらは日本全体で考えなくてはなりません。  次に、結婚してもなかなか子供ができないケースがあります。これに関しては、不妊治療に保険が適用されるようになり、不妊治療をしている御夫婦の負担は多少減るようには思いますが、職場や社会全体の理解を含め、さらなる支援が必要かと思います。  その次に挙げられるのが、子供は1人だけにしよう、頑張っても2人までといった、2人目、3人目を断念するケースです。今は共稼ぎ世帯が7割近くあり、出産・育児のたびに休職を複数回取得するのは難しいなどの事情もありますが、何といっても高校、大学までの学費を考えた上で、子育てにお金がかかるためだと思います。  2人目や3人目、4人目の子供ができても、金銭面も含めて、安心感を持って子供を産み育てることができる環境や、子育てと仕事の両立を支援する環境づくりが重要で、そのような多子世帯への支援が必要です。  そこで質問です。  本市は多子世帯への支援について、どのような取組を行ってきたのか、お聞きしたいと思います。  次に、脱炭素社会実現についてお聞きします。  脱炭素社会とはカーボンニュートラルを実現した社会、カーボンニュートラルとは排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素を同じ量にするということで、主に地球温暖化の原因となる温室効果ガスの中で最も影響の大きい二酸化炭素に焦点を当てたものであります。  二酸化炭素の排出が急激に増え始めたのは18世紀の産業革命以降のことで、石炭や石油など化石燃料を燃やして多くのエネルギーを得るようになったためです。特に、20世紀の100年間は温暖化が急激に進み、産業革命以降、世界の平均気温は約1度上昇しています。  地球温暖化を進行させないため、我々は脱炭素社会実現に向けて取り組む必要があります。二酸化炭素の発生を減らすには、化石燃料を燃やしてエネルギーを得ることから再生可能エネルギーに転換していくことが必要です。  再生可能エネルギーとしてポピュラーなものは太陽光発電ですが、太陽光発電は日差しの強さの影響を受け、悪天候時や夜間では発電能力が落ち、安定したエネルギーを得ることはできません。日中に発電した電力を蓄電する蓄電池の開発も進んでいますが、太陽光発電以外の再生可能エネルギーも活用しなくてはなりません。  そこで質問です。  太陽光発電以外にも様々な再生可能エネルギーの活用を進めるべきと考えますがいかがか、お聞きしたいと思います。  また、自動車、鉄道、航空といった運輸部門の二酸化炭素排出も多くあります。家庭で身近な乗り物として自動車、バイクがありますが、以前に比べ燃費のよい自動車が増え、ハイブリッド車や電気自動車も年々増加しています。  ガソリン車に比べ二酸化炭素排出量の少ない電気自動車については国からの補助金もあり、東京都など、自治体によってはプラスの補助金があります。また、私が4年間住んでいた中国では、当時から二輪車は電動バイクが主流でしたが、日本ではガソリンバイクのほうが多く、排気ガスの影響を含め、電動バイクを増やすための補助金も必要と考えます。  そこで質問です。  電気自動車や電動バイクなどの普及に向けた支援を進めるべきかと考えますがいかがか、お聞きしたいと思います。  2回目の質問は以上となります。 56 ◯都市局長(八木清文君) Park-PFI制度を活用した事業の継続についてですが、Park-PFIは、民間事業者のノウハウを生かし、新たな魅力を加えるカフェなどの収益施設の設置と公園機能を底上げするための公園施設の整備を同時に実現できる制度として、平成29年に創設されました。  本市においても、多様化する市民ニーズに応えていくため、従来の行政主体で公園を造り管理するという考えに、市民や民間企業と共に公園を経営するという視点を加え、公園のポテンシャルを最大限引き出すことができる当該制度を活用した既存公園のリニューアルを進めております。  本市初の取組となる城北公園では、議員お話のとおり、テナントが出店を辞退する状況となりましたが、引き続き駐車場とカフェを備えた魅力的な公園を目指し、当該事業の実施に向けて関係者と協議・調整を進めてまいります。  また、清水船越堤公園においても検討を進めており、有度山の自然や折戸湾を一望できる眺望を生かしつつ、現在の利用者のニーズに合うようアップデートすることでさらなる魅力の創出につなげる考えです。  今後も、公益性や事業性などを勘案した効果的な公園を選定し、市民の皆さんにとってより快適な公園となるよう、Park-PFI制度を活用した公園の魅力づくりを積極的に展開してまいります。 57 ◯子ども未来局長(橋本隆夫君) 多子世帯への支援についてどのような取組を行ってきたのかについてですが、多子世帯は、子供の数が増えるほど経済的負担や育児、家事の負担が増えていくことから、これまで様々な支援に取り組んできました。  まず、放課後児童クラブの保護者負担金では、平成27年度から、兄弟姉妹が同時利用している場合にはおやつ代等の実費を除き2人目は半額、3人目以降は無料としています。また、多子世帯に対するこども園等の保育料の軽減については、第2子を半額、第3子を無償とする特例措置の適用に当たり、国の基準よりも対象となる世帯の範囲を拡大するなど、市独自の軽減制度を導入しています。  さらに、このような経済的支援以外にも、3歳未満の子供を2人以上養育する家庭に家事や育児の援助を行う子育て支援ヘルパー派遣事業や、こども園等に入所する際の利用調整で、兄弟姉妹の利用申込みがあった際に加点し入所しやすくするなど、多子世帯を支える取組を行っております。  今後も、現行の支援を継続していきながら、多子世帯の状況に応じた効果的な支援の在り方について、引き続き検討してまいります。 58 ◯環境局長(田嶋 太君) 脱炭素社会実現についての2点の質問にお答えいたします。  初めに、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの活用についてですが、地理的条件などから、本市における導入効果の高い再生可能エネルギーとして、太陽光に加え小水力やバイオマスなどが挙げられます。  このうち小水力については、現在、中部電力が令和6年春の稼働を目指し、安倍川に出力7,500キロワットの発電所の建設を進めています。  また、本年4月に選定された脱炭素先行地域の取組の1つとして、令和7年度の稼働を目指し、民間企業が興津川での導入を検討しているところです。  本市といたしましても、当該計画が円滑に進むよう必要な支援を行うとともに、市内への水平展開についての調査研究も進めてまいります。  また、バイオマスについては、本市で実施している沼上・西ケ谷清掃工場の廃棄物バイオマス発電や白樺荘での木質バイオマス熱利用、中島浄化センターでの下水汚泥の燃料化などに引き続き取り組むとともに、既にバイオマス発電を行っている製材事業者やNPOなどとも連携を図り、さらなる利用拡大に向けた研究なども進めてまいります。  次に、電気自動車や電動バイクなどの普及に向けた支援についてですが、国は地球温暖化対策の1つとして、2035年までに乗用車新車販売に占める電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、いわゆる電動車の割合を100%にすることを目指しています。  本市としましても、電気自動車や電動バイクは脱炭素社会の実現のために有効なモビリティーと考えております。  現時点では電気自動車や電動バイクの購入に対する支援制度は設けておりませんが、国の動向や他都市の状況などを注視しつつ、購入促進に加え、市民意識の啓発や社会インフラの整備など、普及に向けた施策を検討してまいります。   〔児嶋喜彦君登壇〕 59 ◯児嶋喜彦君 3回目は意見・要望について述べさせていただきます。  まずは、モバイル決済サービスを活用したポイント還元キャンペーンについてです。  経済効果の見込額は、今回は実施期間が2か月で、還元上限額も倍になり、過去の経済効果やモバイル決済サービスの普及率の上昇などから算出して、約136億円見込めると分かりました。今年の9月から実施するということで、それまでに事業者側の準備と、広く市民への周知活動をよろしくお願いします。  省エネ家電の購入助成については、今回は申請者が想定以上に多くなって予算が早めになくなるということも考えられます。実施期間が来年1月までということから、冬のボーナスで購入しようと考えていた人がその前に助成がなくなって利用できなかったというケースもあるかと思います。  予算額の増額については、申請状況や販売状況、国の経済対策などの動向を見据えて検討していくとのことですが、販売台数見込みと申請数の見込みを改めて確認した上で、予算を超えた場合でもできれば増額して、翌年の1月まで実施できるような対応をお願いします。  万が一、予定より早く予算がなくなる場合は、早めに広く周知するようによろしくお願いします。  これら支援事業を市民や事業者に広く知ってもらうために、各事業の内容が分かる特設ホームページを公開し、簡単に情報にたどり着けるよう、市のLINE公式アカウント上にアクセス窓口を設置するとのことですが、そういう対応が不慣れな人でもアクセスしやすいよう、検証をしっかり重ねた上で実施してもらうようよろしくお願いします。  また、スマートフォンが苦手な方用に、電話相談窓口である新型コロナなんでも相談ダイヤルを活用するとのことですが、新型コロナなんでも相談ダイヤルというと感染に関する相談のイメージが強いので、名称を少し見直すか、相談内容をしっかりと周知してもらうか検討していただきたいと思います。  次に、産業振興についての製造業に焦点を当てた取組についてです。  本市には特色のある地場産業に加え、自動車関連製品や空調機器などの電気機械工業、食品加工業などがあり、それらに関わる多くの中小事業者も存在しています。これら産業の振興は多くの雇用を生み、人口減少の歯止めにもつながります。  若者には華やかなサービス業やIT関連といった産業が人気とも聞きますが、多くの雇用を生む製造業も重要です。若年層に対するキャリア形成や教育訓練などの取組を行うとのことですが、仕事の魅力や待遇改善も含め、ものづくり人材の強化に注力していただきたいと思います。  次に、高規格道路周辺の企業立地についてです。  企業立地のニーズ調査にて、立地場所には交通アクセスを重視しているとのデータがあり、本市は各都市との距離や高速道路のアクセスなど、絶好の場所だと考えます。  今後、清水港利用促進協会の中に企業立地に関するプロジェクトチームを立ち上げるとのことですが、今後、企業立地の誘致につなげられるよう、本市の魅力をしっかり伝え、広く周知するような対応をよろしくお願いします。  次に、スポーツ政策についてです。  スポーツは、することで心と体の健康増進につながること、また、子供にとっては人間形成に大きな影響があります。  また、スポーツを見ることでは、同じチームを応援する人たちが一体になり、観戦を通して多くの来訪者と市民の交流や経済活動の活性化へとつながります。  特に、本市は清水エスパルスのホームタウンであり、サッカー王国としてもっと地域を盛り上げられる、さらなるポテンシャルがあると思います。  IAIスタジアム日本平は、老朽化とともに交通アクセスが悪いとの声を多く聞き、新スタジアムへの期待は大きくなっています。新スタジアムは年内に候補地を絞り込むとのことですが、費用負担などの課題をクリアにし、サッカー王国静岡らしい新スタジアムに向けての対応をよろしくお願いします。  スポーツをするほうの話では、まずは子供たちがしっかりスポーツに取り組める環境づくりをお願いします。  部活動については、指導人材の確保などの課題もあり、指導者の負担も考慮した上で、元プロ選手なども含めて広く協力者に声をかけて、組織的に対応できるようよろしくお願いします。  また、部活動以外にも、子供たちが気軽にスポーツを楽しめる環境づくりも必要です。学校のグラウンドも含めて、子供たちでも施設を使いやすくなるような工夫をお願いします。  施設の利用については、市が様々なスポーツ施設の管理、運営を実施していますが、市民の皆さんが予約システムにアクセスしやすくなるような改善を継続していただきたいと思います。  例えば、テニスコートを事前予約していて、隣のコートが空いているから使いたいというときに、使用料の支払いを含めてすぐに対応できないケースがあると聞いたことがあります。これら市民の声に耳を傾け、当日のスマホ予約、スマホ決済などを検討していただきたいと思います。  また、これら予約システムを市民に広く知ってもらい、多くの市民が活用できるよう周知活動もよろしくお願いします。  次に、市内観光施設の周遊についてです。  家康公とゆかりのある駿府城公園、浅間神社、久能山東照宮にある3つの施設のセット券をアピールするという話がありましたが、久能山東照宮は離れており、電車での来訪者、車での来訪者に合わせた交通アクセスの整備と周知が必要だと思います。  また、駿府城公園と浅間神社は近いと感じる方がいる一方、歩くと結構遠いなという方もいらっしゃいますので、浅間通り商店街の散策も含めて、周遊の魅力をしっかり伝えてもらいたいと思います。  また、これら家康公ゆかりの場所だけではなく、市内には多くの観光スポットがあります。観光ガイドブックにはよく市内周遊1日コースとか半日コースなどが掲載されており、静岡市の周遊コースも各種ガイドブックに掲載されています。  観光客が行きたくなるような魅力的な周遊コースを複数案用意し、各種観光ガイドブックへの掲載とホームページやSNSへの掲載、さらには、これらの情報が全国の人の目に留まるような工夫をしていただきたいと思います。  次に、Park-PFI制度についてです。  Park-PFI制度は、民間が参入することにより、より魅力的な施設となり、採算も見込めるようになることからよい制度だと思いますので、今後、清水船越堤公園でのPark-PFI制度の活用の話もありましたが、しっかりと実績を残し、今後のPark-PFI制度継続につなげてもらえればと思います。  次に、多子世帯支援についてです。  本市の多子世帯への支援は、こども園などの保育料や放課後児童クラブの保護者負担金において第2子を半額、第3子以降を無償としており、多子世帯へのよい支援だと思います。  しかしながら、子育て支援で話題になっている明石市では、第2子以降の保育料は完全無料化であったり、そのほかに子ども医療費の無料化、ゼロ歳児へのおむつ定期便など、様々な施策を実施しています。  ほかの自治体でも様々な施策を行っていますので、人口規模だったり予算の課題などがありますが、よい施策については導入していけるような検討をしていただきたいと思います。  さらには、高校、大学の学費も含め、子供が独り立ちするまでの養育費を考えると、安心して第2子、第3子を産める環境ではないかと思います。国の政策になる部分もありますが、本市としても可能な支援を実現していければと思います。  最後に、再生可能エネルギーの推進についてです。
     本市における導入効果の高い再生可能エネルギーとして、太陽光発電以外には小水力発電やバイオマス発電を進めているとお聞きしました。  小水力発電については、本市の中山間地のように高低差があって水が豊富な場所であれば実現する可能性が多々あると思います。小水力はまだこれからの事業で、地域密着で進める必要があるかと思いますので、投資対効果を確認しながら推進してもらえればと思います。  バイオマス発電については、大企業などが参入している大型設備の場合、燃料となる木製チップなどを海外から輸入しているケースなどもありますが、バイオマス発電の基本は、燃料となる材料が地産地消であることだと思います。  本市の場合は多くの森林があり、枯れ葉や流木など廃棄すべき森林資源を燃料にできれば効率的かと思います。  例えば、東海大学の田中教授が研究されていますが、三保松原の松は年中松葉かきをする必要があり、その松葉は昔、燃料として使われていたということからも、松葉はバイオマス発電に適していると言われています。  本市が脱炭素先行地域として、地域の独自性も生かしたバイオマス発電はよい事例になるかと思いますので、投資対効果の検証と導入推進をよろしくお願いいたします。  以上で全ての質問と意見・要望を終了させていただきます。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 60 ◯副議長(佐藤成子君) 次に、市川 正君。   〔市川 正君登壇〕 61 ◯市川 正君 日本共産党議員団を代表して質問いたします。  ロシアによるウクライナ侵略が長期化し、無差別攻撃で子供を含む多くの民間人が犠牲になっています。どんな言い分があろうと、学校、病院、原発まで爆撃対象とするなど、国際人道法違反、そして国連憲章違反の暴挙であり、絶対に許せません。  侵略が始まって間もない3月1日、ここ静岡市議会では、いち早くロシア連邦によるウクライナ侵略に断固抗議する決議を全会一致で採択いたしました。しかし、依然として侵略行為は続いております。日本共産党市議団として、ロシアのウクライナ侵略を改めて糾弾するものであります。  市長の政治姿勢について伺います。  2005年に静岡市は平和都市宣言を制定いたしました。前半は割愛しますけれども、中身は、「世界平和の実現は人類共通の願いであるが、今なおこの地球上では、戦争やテロリズムなどにより尊い人命が失われており、核兵器の拡散も懸念されている。」「私たちは、あらためて日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明し、静岡市が平和都市であることを宣言する。」まさに今を言い当てるすばらしい内容ではないでしょうか。この宣言の精神の立場で、幾つか質問したいと思います。  ロシアのウクライナ侵略は、原油や小麦など穀物価格の高騰、そして建設資材から日用品まであらゆる生活物資の物流が停滞し、当事国だけでなく世界に急激な経済の悪化と困難を生み出しています。  国連憲章は、第2条第4項で武力による威嚇または武力の行使を慎むよう定めていて、国連のグテーレス事務総長は、ロシアの行為はこれに違反するとの認識を示しております。ロシアが一番おそれるのは国際世論ではないでしょうか。日本をはじめ世界中の、ロシアは国際憲章を守れ、侵略をやめろ、この声が国際政治を動かし、国連総会では141か国の賛成でロシアに対する非難決議が採択されました。  静岡市平和都市宣言は、ウクライナ情勢を予見したかのように見事な輝きを放っています。まさに今、宣言のいう、世界平和の実現に貢献する、このときではありませんか。  伺います。  静岡市平和都市宣言の下、平和行政にどのように取り組んでいくのか、市長のお考えをお伺いしたいと思います。  次に、4次総について伺います。  言うまでもなく、地方自治の役割は住民の命と暮らしを守ることにあります。総合計画は、市が総合的・計画的に行政運営を行っていくための最も基本となる最上位計画です。  策定中の第4次総合計画は、2030年度までの8年間の静岡市政を大きく方向づけるものであることから、これまでの第3次総合計画の検証と総括、今の国内外の情勢、これらを踏まえた上で、市民の意見も取り入れ、検討、策定されるべきものと考えます。  3次総は、第3次総合計画の最大目標は2025年に総人口70万人を維持することですとその成果目標を明確に掲げ、高いハードルではあるが全力で取り組むと示しています。  背景は、静岡市の人口は現状のまま推移すると、2025年には約65万人にまで減少する、そして、人口の維持は地域の持続的な発展のための極めて重要な課題であるとしております。そして、その実現のため、2つの政策群の下、6つの重点プロジェクト、そして5大構想など各政策、施策を推進してきましたが、2025年を前に、人口目標の達成を断念したというところであります。  改めてお聞きします。  3次総で2025年に総人口70万人維持を最大の目標に掲げた理由は何だったのか、お伺いしたいと思います。  3次総では、とりわけ5大構想を優先して取り組んできたものと承知しております。その第1の目標は、定住人口70万人の維持にあったところであり、目標実現のためにあらゆる政策、施策を投入してまいりました。  4次総策定に当たっては、これが実現できなかったこと、静岡市が定住に足る場所であったかどうか、福祉、教育、子育て、そして経済、産業、環境など多岐にわたる検証と評価が行われるべきであります。  5大構想をはじめとした様々な政策、施策を推進してきたが、人口70万人の維持を実現できなかったことをどう総括しているのでしょうか。  次に、第4次総合計画についてお伺いいたします。  策定会議資料によりますと、人口70万人維持に代わり「市民(ひと)が輝く」「都市(まち)が輝く」、これを新たな指標に設定し、関係人口、交流人口で人口活力の維持に取り組むと方向転換しております。  定住人口は補助指標と位置づけ、人口目標はおおむね65万人としております。その上で、改めて海洋文化施設、サッカースタジアム、アリーナ建設などの建設計画が取上げられています。  そのまちに暮らす人が安心して暮らし、住んでよかったと思える施策こそ人口活力を生み出していくのではないでしょうか。昨今の情勢を鑑みますと、外出機会の減少、そして入場者の減少など、まちのにぎわいも一時的で、大型事業だからこそ持続的に誘客が進む、こういったことは考えにくい状況にもなっております。  大型事業による経済活性化を交流人口、関係人口に求めても、限定的で部分的な経済効果はあったとしても、このまちに住み続けたいという本質的な人口活力は生まれないんじゃないんでしょうか。  伺います。  定住人口維持から関係人口、交流人口の拡大に考え方がシフトしておりますけれども、4次総でも交流人口を拡大する大規模事業を推進していくのかお伺いして、第1回目としたいと思います。 62 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、第4次総合計画についてのうち、3次総において人口70万人維持を掲げた理由とその総括について、並びに4次総における大規模事業についての3つの質問にお答えいたします。  まず、定住人口を目標に掲げた理由ですが、人口活力は都市力の源泉であるという考え方に基づいています。3次総の策定の際に、2025年に総人口70万人維持という、簡単には超えられない、いわゆるストレッチ目標を掲げることによって様々な取組を進めてまいりました。  次に、70万人維持を達成できなかったことについてですが、最も大きな理由としては、我が国全体で進行する少子高齢化により自然減が拡大し、静岡市においても昨年の自然減が4,206人と、減少の一途をたどっていることが挙げられます。  議員御承知のとおり、人口は自然現象と社会現象の2つの側面から増減いたします。加えて、東京への一極集中傾向が続き、首都圏への転入超過がいまだ是正されず、こうした状況も影響しているものと検証しています。  しかしながら、そうした中にあっても、この7年間、全国の市町に先駆けて東京有楽町に設置した移住支援センターや、静岡市独自の若い方々に対する新幹線通学費貸与事業などの思い切った定住人口に寄与する取組を推進し、社会減については改善傾向を見せております。  総じて、結果だけを見れば70万人を割ることとはなりましたが、人口70万人維持というあえて高い目標を掲げ、それに向かって移住・定住を促進する多種多様な取組を積極的に進めてまいったつもりであります。  そうした一連のプロセスが大事であり、人口の減少幅を抑える一定の効果があったと総括しております。  次に、4次総における大規模事業の考え方についてです。  国全体で少子高齢化が進展しており、長期的な人口減少は避けられません。そこで、4次総においては、引き続き定住人口に寄与する取組を続けるとともに、議員御指摘の交流人口の拡充、関係人口の拡充を加えたトータルで人口活力を高めていく取組を推し進めてまいります。  そのため、4次総においては静岡市が有する地域資源をさらに磨き、これは大規模事業に限ったことではありません。いろんな磨き上げをしていき、そして、地理的な優位性も活用し、ポストコロナ時代の観光事情に応えていき、交流人口を増加する。あるいは、新しい働き方、ライフスタイルで、いわゆるワーケーションといった提案もしていき、関係人口の増加に資する施策を推進してまいります。  静岡市に関心を寄せて訪れる静岡市のファンを増やす、地域経済の持続的な維持・発展を目指してまいります。議員の御理解をお願いいたします。  以下は、局長から答弁させます。 63 ◯総務局長(渡辺裕一君) 静岡市平和都市宣言の下、平和行政にどのように取り組んでいくのかについてですが、本市では、平和都市宣言に掲げられた恒久平和という大きな理念の下、教育、文化、スポーツ等様々な場面において平和の理念を持って事業を進めていくことが平和行政と考え、取り組んできております。  ロシアによるウクライナ侵攻により、市民の平和に対する関心や平和を希求する機運が高まっていると感じており、本市としても恒久平和の実現のために幅広い世代への意識啓発が必要不可欠であると考え、今後も引き続き平和の大切さを伝えるための取組を推進してまいります。   〔市川 正君登壇〕 64 ◯市川 正君 それでは、2度目に移ります。  最初に、今、御答弁がありましたけれども、やはり人がこのまちに住み続けたくなる、そういうふうな施策は、この人口活力をどう生かすか、そして、そこに住む人たちが子育てでも教育でも生活しやすい、そういったことについて、まず一番に考えていく、こういったものが地方行政の趣旨ではないかと考えます。その点についても後で少し触れたいと思っております。  まず、憲法と平和行政について、2回目を行います。  ロシアのプーチン大統領は、欧州最大の原発、それから化学工場などへの爆撃、さらに、自分の国の防衛には核兵器の使用もためらわない、このように言い放っています。世界を核兵器で威嚇しているわけですよね。実際に核兵器が使われる危険性も相当高まっているというような見方もございます。  日本は唯一の戦争被爆国であり、非核三原則を国是として確立し、いかなる場合もこれを遵守するとしています。核兵器の使用をほのめかすプーチン大統領の言動は許せませんが、同時に、この機に乗じて日本の核配備まで提唱する改憲勢力の言動も見逃せません。  改憲勢力による核配備論は、非核三原則にも、そして静岡市平和都市宣言にも反する議論ではないでしょうか。核兵器の使用についてどのように考えておられるのか、認識をお伺いいたします。  オーストリアのウィーンで、核兵器禁止条約第1回締約国会議が開かれました。会議では、核兵器のない世界の実現に向けた禁止条約の意義を強調し、核抑止力論の誤りを明確に批判したウィーン宣言、それと同時に50項目の行動計画を採択いたしました。  この会議に唯一の戦争被爆国である日本は参加していません。また、オブザーバーさえも派遣いたしませんでした。これまで平和を求める市民団体から、非核三原則にのっとり、政府は核兵器禁止条約を批准せよ、こういった署名が取り組まれ、市長にも毎年そういった要請をしているところでございます。しかし、市長は署名しなかったと聞いております。  静岡市平和都市宣言に照らせば、署名をためらう理由はないものと考えます。また、こうした市民の意見を尊重するなら、全国市長会等の機会に核兵器禁止条約への署名・批准を国に求めるよう働きかけるなど、積極的に活用すべきではないでしょうか。  伺います。  核兵器禁止条約への署名・批准を国に求めていくべきではないでしょうか。  次に、日本国内では2015年に当時の安倍政権が憲法第9条の解釈変更を閣議決定し、集団的自衛権に道を開く安保法制を強行いたしました。そして、今、国連は無力、敵基地攻撃能力を持て、核の共有をなどと、憲法第9条改憲の動きがございます。  安保法制では、集団的自衛権を発動し、アメリカと共に戦争する道に踏み出す、こういうことになりますが、こういうことになれば取り返しのつかない泥沼にはまっていきます。日本国憲法第9条は、戦争を放棄し、紛争の解決のために武力を使用しないと決め、恒久平和の理念を明確に掲げました。これは、静岡市平和都市宣言にも取り込まれている理念でございます。これが、日本が世界中から信頼されているゆえんでもあります。  改憲の動きは明確な憲法違反であると同時に、平和都市宣言と相入れないものと考えます。憲法第99条では、広く公務員に憲法の尊重擁護義務を課しておりますけれども、この義務を負う市長としてのお考えをお聞きしたいと思います。憲法第9条を含む改憲の動きをどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。  次に、第4次総合計画について伺います。  国内外の経済情勢は長期にわたり不透明感を増しており、建設資材や半導体の不足及び高騰など、公共事業にも大きな影響を及ぼし始めていて、情勢の変化をどう認識し、影響をどう見るかは4次総策定に際しての大事な視点になっています。  今の物価高騰と国民生活の困難は、コロナからの経済回復に伴う世界的な需要増による国際価格の高騰、日銀の異次元の金融緩和政策による円安誘導と輸入価格の上昇、ロシアのウクライナ侵略と経済制裁によるエネルギーや小麦価格の上昇、こういった複合的な要因によるものであります。  この間の新自由主義、アベノミクスによって、日本経済がもろくて弱い経済になってしまっている中で起きていることで、これが国民の暮らしと営業に一層深刻な打撃を与えています。  共産党議員団は、この間、海釣り公園やごみ最終処分場の視察などを通じ、埋立てに使う資材の高騰や流通の停滞、焼却炉に使うコークスの値上がりなど、建設資材の調達や価格等の値上がりの実態を調査してまいりました。これらは、本市が行うほとんどの事業計画や事業運営に大きな支障となり得るものであります。  こうしたことから、将来、巨額の財政負担を強いる大型公共事業については、既存の計画も含めてゼロベースでの見直しが必要ではないでしょうか。近年の国内外の経済情勢や建設資材の価格高騰などは、公共事業にも大きな影響を及ぼすと想像されます。  伺います。  4次総で、現在、計画されている、交流人口を拡大する大型事業、こういったものについては見直すべきではないでしょうか。  公共事業は国民の命、安全を守り、健康で文化的な生活を支える基盤を整備するためのものです。公共性、公平性、採算性を踏まえ、自然環境、生活環境に配慮して、持続可能な地域社会に役立つよう、そして、何よりも国民、住民の理解と納得、同意を得る合意形成を前提にして実施すべきものであります。  4次総の策定に当たっては、改めて社会活力の源泉は定住人口の維持・回復であり、定住人口を70万人に回復させることを目標とするよう求めます。大型公共施設による交流人口を高めるだけでは、社会の活力は生まれてきません。また、大型公共施設建設ありきでは、先ほども申していますが、物価の高騰や物流の停滞など、本市の施策を大幅に狂わせることになりかねません。  日本共産党市議団は、5月27日、市長宛てに静岡市第4次総合計画策定に向けての提言を提出いたしました。社会活力の源泉である定住人口の維持・回復を目指し、計画期間中の定住人口を70万人に回復させることを目標とするよう提言しております。  4次総で取るべき人口増政策は、大型公共施設での交流人口に頼るのではなく、社会福祉、経済政策等の抜本的充実で市民の命と暮らしを守る施策こそ全面展開し、市民が主人公の静岡市の実現を目指すべきと考えます。  その上で、具体的施策としては、命を大切にする静岡市、子育てしやすい静岡市、暮らしやすい静岡市、環境に優しい静岡市、ジェンダー平等の静岡市、この5点について具体的に提案しております。関係人口、交流人口で経済活性化を目指すとしていますが、まちの活性化には定住人口の維持・回復にこそこだわるべきではないでしょうか。この点での見解を求めます。  もう1点、消費税インボイスについて伺います。  静岡市の産業・経済は、圧倒的に中小・小規模の企業に依存しています。3年続くコロナ禍や物価高騰などにより、中小・小規模事業者の暮らしと営業は苦しくなるばかりです。  世界では91の国・地域が消費税または付加価値税を引下げています。逆に、日本では2019年10月から消費税を10%に引上げ、23年10月からはインボイス制度が導入されることになっています。年間売上げ1,000万円以下の免税業者に新たな税負担と事務負担を強いるもので、商店や飲食店だけではなく、フリーランスやシルバー人材センター会員など、幅広く影響を受けます。  事業者は課税事業者から値引きを迫られる、あるいは取引から外される、そういった懸念もあります。それを避けるには課税業者になるしかありませんけれども、売上げが僅かであっても取引ごとのインボイス発行、そういった点から、市内の中小事業者、団体からはインボイスの中止・延期を求める声が届いています。  本市から受注量の22%に当たる公共の仕事を請け負うシルバー人材センターを例に取ってみましても、登録する会員のほとんどが年間実に40~50万円の収入しかありません。こうした方に相当額になる消費税を押しつけることにもなり、それを避けようとしてシルバーがその消費税分をかぶるとしたら、年間実に8,500万円ほどの負担増となって、これもまた大きな死活問題です。  圧倒的に中小・小規模企業に依存している静岡市ですが、インボイス制度については、何としても中止等を国に申し入れるべきではないでしょうか。市内中小業者から消費税インボイス制度導入に強い懸念が表明されています。消費税インボイス制度の中止・延期を国に要望すべきではないでしょうか。  以上、2回目を終わります。 65 ◯総務局長(渡辺裕一君) 憲法、平和行政に関する3つの質問についてお答えいたします。  まず、核兵器使用についてどのように考えているかについてですが、本市は平成17年12月に市議会で決議し、制定した平和都市宣言の中で、核兵器など大量破壊兵器の廃絶と世界平和の実現に貢献することを表明しており、この考えは現在も変わりません。  次に、核兵器禁止条約への署名・批准を国に求めるべきではないかと、憲法第9条を含む改憲の動きをどのように捉えているかについてですが、これらについては国の専管事項であり、国政の場においてしかるべき議論、対応がなされるものと考えております。 66 ◯企画局長(松浦高之君) 4次総に係る2つの質問にお答えします。  まず、4次総では経済情勢や建築資材の高騰により影響を受ける大規模事業を見直すべきではないかについてですが、予定する大規模事業はまちづくりの観点から立案し、パブリックコメントや議会審議などを経て決定してまいりました。このことから、4次総期間においても、市の財政規律を堅持しつつ着実に進めてまいります。  次に、定住人口の増加にこそこだわるべきではないかについてですが、人口は都市活力の源泉であるとの考えの下、引き続き定住人口に寄与する取組を進めるとともに、交流人口、関係人口の拡大に向けた取組も推進することで人口活力を維持していくことを目指してまいります。 67 ◯財政局長(大石貴生君) 消費税のインボイス制度についてですが、この制度は消費税の複数税率下において、適正な課税を確保する観点から必要な制度である旨、国において説明がされています。  また、現在、国では、円滑な導入に向け、事業者に対する経過措置のほか、事務の負担軽減措置やIT導入に係る支援措置を設けるとともに、関係省庁間で連携し、制度の周知、専用相談窓口の設置などの取組も進めています。  このようなことに鑑み、市として現時点で中止または延期の要望をする考えはありません。   〔市川 正君登壇〕 68 ◯市川 正君 答弁をいただきました。この答弁の中では、前向きな姿勢というのはなかなか見られないということで…… 69 ◯副議長(佐藤成子君) あと1分です。 70 ◯市川 正君(続) 残念ながら私の見解、思いと大分違うように感じております。  日本国憲法第9条は、さきの大戦でアジアにもたらした痛苦の反省から、戦争だけではなく武力の行使まで永久に放棄すると決め、世界中から日本が信頼される、そういう条文になっております。ここで第9条を変え、軍事的増強をしていけば、これが日本にとって相手国からの攻撃の的ともなり得るということから、日本にとって一番の危険になるのではないでしょうか。
     ぜひ憲法第9条を擁護し、守り、発展させていく、このことを要望いたしまして、質問に代えさせていただきます。ありがとうございました。    ─────────────────── 71 ◯副議長(佐藤成子君) 本日はこれにて延会いたします。         午後3時38分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...