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平成23年第 4回定例会−12月01日-02号
平成23年第 4回定例会−12月01日-02号

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  1. 熊本市議会 2011-12-01
    平成23年第 4回定例会−12月01日-02号


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    平成23年第 4回定例会−12月01日-02号平成23年第 4回定例会   平成23年12月1日(木曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第2号                         │ │ 平成23年12月1日(木曜)午前10時開議               │ │ 第  1 質問                             │ └─────────────────────────────────────┘                              午前10時01分 開議 ○津田征士郎 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ─────────────────────────── ○津田征士郎 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。井本正広議員。          〔10番 井本正広議員 登壇 拍手〕 ◆井本正広 議員  皆様、おはようございます。公明党熊本市議団の井本正広でございます。4月の市議選で初当選させていただき、市議会に送り出していただきました。御支援をいただいた市民の皆様の御期待に添えるように一生懸命に励んでまいります。私は、昨年の今ごろは一般サラリーマンとして会社勤めをしておりました。その庶民の目線をいつまでも忘れずに市議会で頑張ってまいります。  それでは、通告の順に質問に入ります。市長初め執行部の皆様には明確な答弁を求めます。  まずは、10月18日に閣議決定、21日に政令公布され、本市の念願でありました政令指定都市への移行が決定しました。今日まで大変に御尽力をされた関係者の皆様、本当におめでとうございます。  熊本市は1889年の市制施行から120年余り合併に合併を重ね、現在の73万都市に成長し、九州で3番目、全国で20番目の政令指定都市に明年4月1日に移行されます。「九州ど真ん中!日本一暮らしやすい政令市くまもと」の都市ビジョンを掲げ、いよいよスタートします。  ただ、現段階では市民の皆様の政令市移行に対する関心はいま一つであると感じられます。熊本市が目指す方向性と具体的な対策が見えてこない、市民の皆様にとって何がどう変わるのかビジョンやメリットが伝わっていない、何が変わるのかまだよくわからないという声がほとんどであります。幸山市長自身も、政令市移行は手段にすぎないとの発言もされています。政令市移行が本当に市民の皆様のためになるのか、本当に日本一暮らしやすい熊本になるのかは、今からの政策次第であります。  移行まであと4カ月になりました。スタートに当たり、どのような政令市を目指すのか、どういったことに力を入れていくのか、まず市長にお尋ねいたします。
             〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  井本議員の政令指定都市に関しましてのお尋ねの中で、目指すべき政令指定都市像と重点的な取り組み事項というお尋ねにつきましてお答えさせていただきます。  ただいまお話もございましたように、昨年10月に策定いたしました熊本市政令指定都市ビジョンの中におきましては、本市が目指す都市の姿といたしまして、九州の中央に位置するということを意味しました「九州ど真ん中!日本一暮らしやすい政令市くまもと」とさせていただいたところであります。  政令指定都市への移行というものは、本市が発展いたします手段としてとらえておりまして、拡充されることになります権限や財源などその効果を最大限に生かしまして医療や教育環境のさらなる充実、都市基盤の整備や都市ブランドの発信、そしてにぎわいや活気の創出に努めますなど、拠点性の向上を図りますとともに、熊本都市圏を初め県全体を牽引していくにふさわしい都市を目指していかなければならないと考えております。  このため、政令指定都市移行を見据えまして、先ほどの政令指定都市ビジョンをベースといたしまして、本年2月には挑戦元年アクションプランも策定したところでございます。このプランに基づきまして市民サービスの向上などを柱といたしました市役所の再デザイン、あるいはだれもが利用できる公共交通網の整備などの交通体系の再デザイン、さらには中心市街地の再デザイン、3つの再デザインに取り組むことといたしております。  また、暮らしやすさを実感できるまちづくりといたしまして、安全安心で子育てしやすく、農水産業等が発展し、活力に満ちた働く場があふれるまちの実現も目指しているところであります。  さらには、本市が有する歴史や自然など魅力ある資源、ポテンシャルに磨きをかけまして、暮らす場所、観光やコンベンションの開催地、そして、学ぶ場として日本全国や東アジアから選ばれる都市熊本の実現に努めてまいりたいと考えております。  確かに、先ほど議員の御指摘がございましたように、熊本市の目指す方向性、具体像、政令市移行後どのようなまちづくりを進めていくのか、まだ見えないという御指摘もいただいているところでございます。そういう中、先般、青年会議所でマニフェスト検証会にお呼びいただきまして、今後の熊本市のまちづくりのお話をさせていただきましたり、政令指定都市移行が決定したということもあり、今いろいろな団体やあるいはグループの皆様方からも、政令指定都市移行後のまちづくりについて話をしてほしいというお声がけも数多くいただいているところであります。そういうこともいい機会だととらえまして、積極的に出向いてまいりたいと考えておりますし、そして、そういう中で新たなまちづくりに対しまして多くの皆様方の御理解や御協力をいただきますように、積極的に努めてまいる所存でございます。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  政令指定都市への移行は最終目的ではなく、本市が発展する手段にすぎず、日本全国や東アジアから選ばれる都市となるように取り組んでいくとの答弁をいただきました。選ばれる都市となるために、市長をトップに全庁一丸となって施策の推進に取り組み、結果を出していただきたいと思います。市民の皆様が、熊本市に住んで本当によかった、日本一暮らしやすいまち熊本市を実感していただけるよう私も全力で頑張っていきたいと思います。  次に、政令指定都市としてのまちづくりについて質問いたします。  地元紙で、政令市と県との関係について、政令市が日本の地方自治制度の中に定着してきたのには意味がありますとの指摘がされていました。ここで紹介いたします。  1番目は、政令市は道府県の権限の多くを譲り受けることで都市機能の強化へ即応できる。  2番目は、道府県は事務負担が軽減される上、政令市域からもこれまでどおり道府県税を徴収できる。  3番目は、その財源を政令市以外の市町村に回せるという関係にあるとありました。  この3つのほかに、私は熊本市が政令市となる意味として新たに2つあると考えます。  4番目として、180万県民の中で73万の本市は、本県全体の浮揚策となる施策の展開が求められています。  さらには、5番目として九州のど真ん中である本市は、道州制を見据えた州都として九州の他の県と連携し取り込んでいく。つまり、九州の縦軸と横軸のかなめとしての意味があると考えています。  そこで、市長にお伺いいたします。県全体の浮揚策、さらには九州のかなめとしての展開をどのように進めていかれるのか、市長のお考えをお聞かせください。  次に、県と市の二重行政について伺います。  広島では、報道によると、先月、県と市のトップ会談を行い、県と政令指定都市の非効率な二重行政の解消に向けた研究会を設置することで合意し、似た機能の施設を保有したり、権限が重なったりしている実態を研究会で整理することについて協議していくそうです。広島市長は、国に提案したハローワークの権限移譲に関連し、県の職業訓練校の移管も含めて協力を要請しているようです。  これから政令市熊本を運営していく上で、県、市との間で二重規制、二重行政に陥る可能性はありませんでしょうか。取り壊す施設、産業振興等の事業等は発生しませんでしょうか。また、新たにつくる施設等のハード整備、事業等のソフト整備はどのようなものが発生しますでしょうか。県と市での二重行政の弊害は発生しませんでしょうか。企画財政局長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  引き続き政令指定都市に関しまして、先ほど御紹介のございました政令指定都市の意義、5点ございましたけれども、私からは県全体の浮揚策と、九州のかなめとしての展開につきましてお答えさせていただきたいと存じます。  まず総論でございますけれども、政令指定都市への移行によりまして、本市は現在の地方自治制度上最も充実した権限と財源を持つことになります。また、全国的、国際的に都市としての知名度の向上が図られることになります。さらに、九州の中央に位置しているという地理的な優位性は、九州新幹線全線開業によりさらに強化されたところでもございます。政令指定都市移行とそれから九州新幹線の全線開業とをあわせました相乗効果を最大限に生かしていくということが重要でございまして、九州中央の拠点都市として、県内はもとより、九州全体の浮揚にも貢献する役割があると認識いたしているところでございます。  そうした中で、県全体の浮揚策についてもう少し具体的にお話をさせていただきますと、本市は、これまでも政令指定都市移行によります効果や課題などの研究を行いますととともに、熊本都市圏を構成いたします市町村が連携いたしまして熊本圏域を牽引する役割を担いつつ、さらなる成長を果たしていきますための熊本都市圏ビジョンを策定したところであります。各自治体と連携しながら一体となって魅力と活力のある熊本都市圏の実現に取り組んできたところでもございます。  また、熊本のシンボルでもございます熊本城におきましては、桜の馬場城彩苑におきまして県内各地の観光情報でございますとか、県下の特徴あるお食事、お土産などを提供しているところでございまして、さらには、10月にオープンいたしました熊本の陸の玄関口でもあります熊本駅におきましては、くまもと森都心プラザ内の観光・郷土情報センターにおきまして、熊本の歴史文化や九州の観光情報など、実際に訪ねてみたくなる情報を積極的に発信させていただいているところであります。  さらに、熊本駅を基点として運行される観光列車のPRや、阿蘇・天草地域など県内各地の魅力ある観光圏域との連携など、観光分野を中心といたしまして広域連携に取り組んできたところでありまして、今後も熊本の豊かな観光資源の効果的なPRなど広域連携に積極的に取り組んでいきたいと考えております。  政令指定都市移行後も県内の各自治体との連携を図り、さらに高まる都市ブランドのイメージを生かし、国内外から、観光地として、企業立地の進出先として等々選ばれる都市を実現し、政令指定都市として着実に発展してまいりますことが、熊本都市圏を初め県全体の浮揚につながるものと考えております。  もう1点の九州の要としての展開でございます。先ほどの話とかぶる部分もございますが、本市は九州中央に位置しております。そして、国の機関や高等教育機関が集積いたしますなど、行政面のみならず、教育の面や文化の面などにおきまして九州の中核的な役割を果たしてきたところでございます。政令指定都市移行後は、九州における拠点性をますます高めつつ、一体的な発展を牽引していく役割が増すと認識いたしております。そのため、これまでも鹿児島市、福岡市との3都市連携や、大分市、別府市、北九州市などとの東・中九州観光ルート協議会の活動によりまして、観光プロモーションによる観光振興や物産フェアの開催など、産業情報の発信にも取り組んできたところであります。  政令市移行を契機といたしまして、九州の縦軸、横軸の両軸が交差することになります交流拠点都市として、九州の魅力を全国や東アジアに発信していく役割を積極的に果たしつつ、九州全体の浮揚と一体的な発展に向け取り組んでいきたいと考えております。          〔岡昭二企画財政局長 登壇〕 ◎岡昭二 企画財政局長  私からは、二重行政に関しての御質問にお答え申し上げます。  都道府県と政令指定都市の二重行政の問題は、制度の問題というよりも県と市の連携がしっかりとれているかが重要であると認識いたしております。  政令指定都市になりますと、これまで県と市がそれぞれ管理しておりました県道と市道が一元的に管理されることや、水前寺江津湖公園の一体的な管理ができることなど、むしろ二重行政が解消される面が強いと考えております。  また、精神保健福祉センターや身体・知的障がい者更生相談所などにつきまして新たに設置することとなりますが、これは、これまで県が県全体の手帳の判定、相談対応や診療など行ってきたものが、政令指定都市移行後は、熊本市域については市の施設で実施することとなるもので、市としては、保健所・福祉部門との連携によるきめ細やかな支援等が一元的に実施できることとなります。また、県は熊本市域以外の地域の実情に応じた支援等に余力を生かすことができることとなります。  このように、県と市の施設は互いに競合するものではなく、それぞれがそれぞれの役割を分担することでより効果が発揮されるものと考えているところでございます。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  県と市の施設は互いに競合するものではなく、それぞれの役割を分担し、県と市が連携して取り組むことでより効果が発揮されるものであり、二重行政というものにはならないと考えているとの答弁でした。  今までの例によりますと、県は市が政令指定都市に移行することを嫌い、県市のあつれきが発生するケースは少なくありませんでした。しかし、熊本県においては、蒲島知事は、熊本県にとって100年に一度のチャンス、熊本県では県と市が協調、連携して問題を解消していく方向を目指したいと語っています。これまで以上に県内の各自治体との連携協力体制をしっかりととっていただき、九州中央の拠点都市としてますます発展していくように取り組みをお願いいたします。  次に、都市マスタープランと行政区についてお伺いいたします。  本市には、都市計画法18条の2に基づく都市計画に関する基本的な方針を示す都市マスタープランがあります。政令市を見据えた新しい都市づくりの目標や都市空間の将来像を掲げ、新しい熊本づくりを推進することを目的として2009年度に第2次熊本市都市マスタープランが策定されました。この都市マスタープランは、2025年度を目標とした長期的な計画として作成されています。  都市づくりの基本理念は、「本市は、これまで形成された都市基盤や経済活動等を支える都市機能の集積を活かし、今後さらに東アジアなど海外へも目を向けた広域交流拠点都市として発展していきます。そして、熊本城や地下水などに代表される歴史・文化、豊かな自然の中で、個性を活かしたまとまりのある地域づくりを進め、将来的にも心豊かに暮らせる都市をめざします。」とあります。  基本目標は、「九州中央の交流拠点にふさわしい都市づくり」と「誰もがいきいきと輝く暮らしやすい都市づくり」です。この2つの基本目標を実現するために、土地利用の方針、都市交通体系の整備、市街地整備の方針、住宅整備の方針、自然環境保全及び公園緑地等公共空地整備の方針、都市防災の方針等が示されています。  また、都市構造として15の地域拠点を中心とした地域生活圏が記載されています。私が住む長嶺地区は政令市になりますと東区になりますが、同じ地域生活圏の帯山は中央区に含まれます。同じ地域生活圏でも行政区が分かれることになります。1つの地域生活圏が2つの区にまたがっております。  昨年10月に策定した熊本市政令指定都市ビジョンにおいては、区ごとにまちづくりのビジョンを策定し、地域の個性や特性を生かしたまちづくりを進めることとしています。そして、行政区ごとに区民会議が設置され、目的は、区制の施行に当たり、区民の参画によって区ごとの地域課題の解決や区の特性を生かしたまちづくりに関する事項について、各区の区民により構成される区民会議において調査、協議を行い、区民と区役所の協働により暮らしやすいまちづくりを推進することを目的としています。行政区におけるまちづくり都市マスタープランでのまちづくりの各々の考え方について、関係局長にお尋ねいたします。          〔岡昭二企画財政局長 登壇〕 ◎岡昭二 企画財政局長  私からは、行政区のまちづくりの考え方についてお答え申し上げます。  本市は、来年4月の政令指定都市移行時に5つの区を設置することとしており、区ごとに設置する区役所を行政サービスを提供する区の拠点と位置づけ、区単位の自主的、自立的なまちづくりの推進を図ることとしております。そのため、これまで地域で築かれてきたコミュニティ活動を大切にしながら、区民や地域のコミュニティ組織の意見を反映させるような仕組みとして区民会議を設置し、特色あるまちづくりや住民ニーズに応じたまちづくりを進めていきたいと考えております。  具体的には、区のまちづくりを進める上での指針となる区の振興ビジョンを策定し、区の特性を生かしたまちづくりとして、社会、経済、文化、環境保全などのソフト的な活動を中心に区のイメージアップや活性化を図る活動、区民の交流を促進する活動などに取り組むことを考えております。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  私からは、都市マスタープランにおけるまちづくりの考え方についてお答え申し上げます。  平成21年3月に策定いたしました本市の第2次都市マスタープランは、少子高齢化の進展や、本格的な人口減少社会の到来を見据え、中心市街地を中心に15の地域拠点が有機的に連携した多角連携型の都市構造の実現を目指し、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、土地施設の整備及び市街地開発事業に関する計画の基本的な方針を明らかにしたものでございます。  現在、第2次都市マスタープランの地区別構想について、平成25年を目標に策定作業を進めておりますが、そこでは地域の現況や課題を整理した上で、さきに述べました区ごとの土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する方針をまとめることといたしております。  なお、議員御指摘のように地域拠点を中心とした地域生活圏の幾つかは複数の区に及んでおりますけれども、地域拠点の形成は中心市街地の活性化とあわせ、今回の都市マスタープランの大きな目標であり、地域別構想の策定に際しましてはその点も十分に配慮し、わかりやすく整理してまいりたいと考えております。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  行政区のまちづくりは、区の特性を生かしたまちづくりとして社会、経済、文化、環境保全などのソフト的な活動を中心に区のイメージアップや活性を図る活動、区民の交流を促進する活動に取り組むことであるとのことであり、都市マスタープランでのまちづくりは、中心市街地を中心に15の地域拠点が都市の整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業の基本的な方針であるとの答弁でした。  ソフト的な要素が強い行政区ごとの地域活性化のまちづくりと、ハード的な要素が強い都市マスタープランの都市整備のためのまちづくりと理解をいたしました。それぞれに尊重し合い、政令市にふさわしいまちづくりをしていただきたいと思います。  続きまして、水ブランドについてお聞きいたします。  本市の最上位の総合計画には、熊本市のまちづくりの基本理念、目指すまちの姿は「湧々都市くまもと〜九州の真ん中! 人ほほえみ 暮らしうるおう 集いのまち〜」とし、重点的に取り組むくらし、めぐみ、おでかけ、出会いの4つのわくわくプロジェクトを掲げています。  熊本市総合計画の表紙には、水が湧くの「湧」という字が熊本市出身の武田双雲さんのすばらしい書で飾られています。「湧」に対する思いも「モノや情報がどれだけ循環しても、人の心のぬくもりのようなものが流れていかないということは悲しいことだと思います。どんなに便利な世の中になっても、心の底から湧きおこる力を大切にしていきたいものです。」と書かれていました。  私は、熊本市出水で生まれました。小さいころは、きれいな水が地面よりわき出す水前寺公園、江津湖周辺でよく遊んだ記憶があります。「湧」という字は、泉が湧く、希望が湧く、興味が湧く、喜びが湧く、アイデアが湧く等で使用され、何もないところから新しい発想が出てくる。新しい何かがわいてくる。力がわいてくるというようなイメージがあります。地よりわき起こる息吹、生命、力が「湧」のイメージです。世界一の阿蘇の伏流水からの恵みは熊本の宝であります。  そこで、水ブランド事業についてお聞きします。  熊本市は、蛇口をひねればミネラルウォーターが飲めるすばらしい環境であり、市民にとっては大変に幸せなことであります。他都市の方からは大変にうらやましがられています。  水といえば熊本と認知されるように、熊本の水をブランド化するとの目的で公明党の提案もあり、九州新幹線開業にあわせ、地下水都市熊本をPRするため熊本駅から熊本城までの中心市街地を中心とするまちなか5カ所に親水施設が整備されました。  しかし、熊本市第6次総合計画市民アンケート調査によりますと、熊本市において、日本一の地下水都市、森の都の名にふさわしい環境に配慮したまちづくりが進んできたと感じるかについて、平成22年度は、「とても感じる」は14.8%、「やや感じる」39.8%を合わせた割合は54.7%で、「あまり感じない」20.1%、「全く感じない」2.6%を合わせた割合22.7%を32ポイント上回っていました。しかし、平成21年度調査と比較すると、「とても感じる」、「やや感じる」を合わせた割合は58.1%から3.4ポイント減少している一方、「あまり感じない」、「全く感じない」を合わせた割合は21.1%から1.6ポイント増加しています。市民の皆様には、日本一の地下水都市としての自覚はまだまだ少ないのではないかと思います。  そこで、水ブランド事業も中途半端にこれで終わらず、日本一の地下水都市であるアピールをもっともっとしていくべきではないかと考えます。今後、どういう形で推進していくか、お考えがありますでしょうか。  2つ目に、平成の名水百選である水前寺江津湖湧水群は、来年度4月より市の管理になります。5月には(仮称)江津湖マンスと銘打ち、多彩なイベントが予定されています。どういう内容か、観光文化交流局長より説明をお願いします。  73万市民の水道水の100%を天然地下水で賄う、日本一の地下水都市熊本のシンボル的な存在である江津湖一帯の市民の憩いの場としての環境整備を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  また、熊本水遺産熊本水検定等をもっともっと発展させ、市民共有の財産である水と緑を守り、観光資源として水を発信させる水保全発信計画として取り組んでいけたらと思います。  関連して、以前、江津湖では花火大会がありましたが、熊本城に移りました。しかし、ことしの夏は本当に残念なことに、通算32回を数える大イベントであり、熊本市の夏の風物詩として定着していた火の国まつり納涼花火大会が安全確保できないとの理由で中止になりました。この夏、県下では八代市等30カ所余りで盛大に花火大会が開催されました。花火大会を楽しみにしている方がたくさんいらっしゃいます。本市は、復活に向け、明年どのような方向で検討されているのでしょうか。完全に廃止になったのでしょうか。  ここで花火大会復活の方法として一つ提案をいたします。5つの行政区に分かれますので場所にはこだわりませんが、例えば、江津湖で湖を生かした花火大会等それぞれの区5カ所で花火大会を行ってはどうでしょうか。それも同日ではなく、一定期間、花火ウィーク等、花火大会のはしごができるようなことも工夫されてはいかがでしょうか。  以上、各担当局長にお伺いいたします。          〔原本靖久環境保全局長 登壇〕 ◎原本靖久 環境保全局長  それでは、私から水ブランドとしての日本一の地下水都市のアピール推進についてお答えいたします。  熊本水ブランドを確立していくためには、市民の皆様に日本一の地下水都市として本市の水環境のすばらしさを再認識してもらうとともに、市民共有の財産である地下水の保全意識を一層高めてもらう必要があると考えております。  このようなことから、これまで水検定や水守制度などによりまして人材育成を行ってまいりましたが、今年度は新たに熊本水遺産を活用いたしました地下水学習バスツアーの実施や、合併いたしました旧3町分を含めました新たな熊本水遺産の追加登録、さらに来年早々には水を守るシンポジウムを開催することとしております。このようなさまざまな事業を通しまして、市民の皆様の日本一の地下水都市熊本としての意識高揚につなげてまいりたいと考えております。  また、昨年、熊本駅新幹線口駅前広場などの5カ所、そして、民間施設設置への補助といたしまして2カ所、計7カ所に設置いたしましたまちなか親水施設を活用しながら、「蛇口をひねればミネラルウォーター」をキャッチフレーズに日本一の地下水都市のPRの機会をさらに広げるとともに、これらの親水施設から平成の名水百選に選ばれました水前寺江津湖湧水群や金峰山湧水群への観光客などの誘導を図りながら、熊本の水の魅力を発信してまいりたいと考えております。  このほか、今年度から観光部門との連携を一層強化いたしまして、オフィシャルウォーターである熊本水物語を県外関係者が出席する大会やシンポジウム等で配布するほか、本市の水道水が100%地下水であることを知っていただくためのPRステッカーや卓上広告を飲食店や旅館、ホテルなどに配布いたしまして、さらには環境関連専門誌への広告掲載も予定しておりまして、全国レベルでの日本一の地下水都市のPRを強化していくこととしております。  今後も熊本の魅力であります地下水を質、量ともに保全しながら次世代へ伝えるとともに、観光部門と連携し、熊本の水ブランドとしての魅力や価値を内外へ発信してまいります。          〔坂本純観光文化交流局長 登壇〕 ◎坂本純 観光文化交流局長  私は、江津湖マンスと花火大会についてお答えいたします。  江津湖につきましては、御案内のように清らかな湧水や希少種を含む豊かな自然環境に恵まれ、日本一の地下水都市のシンボル的な存在であると考えております。後世に大切に受け継いでいくべき場所ととらえております。  このたび本市の政令指定都市移行に伴いまして全域が市の管理となり、その一体的な活用、あるいは魅力の発信が期待されているところであります。  そこで、江津湖一帯を会場といたしまして、環境、健康、文化、スポーツなどを通じて、「江津湖を楽しむ・江津湖を感じる・江津湖で元気に!」をテーマに、1カ月にわたって、仮称ではありますが、江津湖マンスを開催したいと考えております。  実施に当たりましては、さまざまな地域団体やNPO団体、関係機関、さらには民間事業者などにも広く参画、協力を呼びかけまして、それぞれの団体が思い思いの形で江津湖の魅力やその大切さを最大限アピールできるようにしたいと思っているところであります。  その結果、多くの市民の方々に江津湖を訪れていただき、その豊かな自然や歴史、文化を改めて体験していただくとともに、それを国内外にアピールしていただく機会にしたいと考えております。  次に、花火大会につきまして2点の御質問にお答えいたします。  まず、火の国まつり納涼花火大会についてでありますが、これまでも本会議でお答えいたしましたように、熊本城での開催は観客の安全確保に向けてさまざまな対応と検討を行ってきましたが、危険性の回避策が見当たらず、続行は困難と判断させていただいたところであります。  また、これまで江津湖を初め他の会場での開催について調査を行っておりますが、いずれも観客収容面積の不足や、交通アクセス確保の問題、安全対策に係る経費の大幅な増加など課題が多く、今後の開催は難しい状況にあります。  次に、議員御提案の各区における花火大会の開催についてでありますが、御案内のとおり、現在、7月から8月にかけて熊本港、川尻地区、また富合、城南、植木町におきまして、地元の方々が主体となった花火大会が開催され、多くの方々でにぎわっているところであります。  一方、年間を通じて見ますと、各地域では春のお花見、夏の盆踊り、秋のお月見や冬のどんどやなど、それぞれの特性を生かした祭りや催しものが開催され、地域の活性化に役立っているところであります。  このようなことから、政令指定都市移行後はさらに区ごとの特性を生かしたまちづくりが進められる中で、地域にふさわしい催しが検討されるものと期待しており、例えば、花火大会の開催もその一つではないかと考えているところであります。  いずれにいたしましても、地域住民の方々と連携協力し、各区のにぎわいづくりに努めていきたいと考えております。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  私からは、江津湖一帯の環境整備につきましてお答え申し上げます。  江津湖を含む水前寺江津湖公園は、本市を代表する都市公園の一つであり、市街地にありながら豊富な緑と湧水に恵まれ、またキタミソウやミズアオイなどといった希少生物を初めとした約600種の動植物が生息するなど、良好な景観と貴重な自然環境が残る市民のオアシスとして、また文化活動の場として広く親しまれております。  これまでこの公園の管理は県と市で行ってまいりましたが、本市の政令指定都市移行を契機に、上江津湖から下江津湖まで約90ヘクタールを本市で一体的に維持管理を行うことといたしたところでございます。今後は、地域関係団体などとの協議会を設置し、意見交換を行いながら、この自然環境や景観を後世に残す取り組みの強化や観光資源としての魅力アップを図るとともに、市民に親しまれるようなイベントを開催するなど、これまで以上に水前寺江津湖公園の魅力向上に努めてまいりたいと考えております。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  熊本の宝である地下水も水ブランドとして少しずつステップアップしています。水保全発信計画として継続的な取り組みをお願いします。
     また、江津湖につきましても、自然環境を残しながらも日本一の地下水都市のシンボル的な存在であり、市民の憩いの場所として環境整備を行っていただきたいと思います。  花火大会につきましては、市民の皆さんの復活の要望を多く耳にします。市全体としての大きいものがどうしても難しい場合は、区ごとの分散化も選択肢の一つですが、いずれにしましても地域任せではなく、市主導で復活に向けて再度検討されますことを強く求めて次の質問に入ります。  続きまして、東アジア戦略についてお尋ねいたします。  いよいよ明年1月11日に熊本県及び熊本大学と本市共同での熊本上海事務所が開設されます。上海は近年高い経済成長を遂げている中国経済の中心的な都市であり、東アジア戦略において大変に重要な拠点になることと思います。上海事務所の目的、準備状況、目指すものについてお示しください。  次に、アジア太平洋都市サミットについてお尋ねいたします。  このサミットは、アジア太平洋地域の海外13カ国20都市、九州9都市の首長が一堂に会します都市レベルでの国際交流です。現代の社会情勢のもとで、アジア太平洋の都市の連携とネットワークの構築はとても重要視されてきます。  アジア太平洋都市サミットは、昨年は「持続可能なアジア太平洋都市の発展〜世界的経済危機下での新しい都市政策〜」をテーマにロシア連邦のウラジオストク市で開催、明年2012年7月は環境がテーマで、韓国浦項市で開催予定です。そして、2013年第11回は熊本市での開催が正式に決定されています。  これまでに会員都市間での友好姉妹都市関係の締結や、研修員の受け入れ、技術協力、アジア太平洋都市観光振興機構(TPO)創設などの成果が実っています。最近では官民協働のまちづくりをテーマとするワークショップ形式の共同事業を福岡で、バンコク、大連で企画するなど新たな都市連携プロジェクトも試みられ、大変魅力ある会議になっています。  そこで、1、会員都市は13カ国、29都市となっていますが、熊本で開催する場合は、どのくらいの規模で、どの会場で開催される予定でしょうか。どのような内容の国際会議になりますでしょうか。準備体制をどのように進めていくのか、お示しください。  熊本の大学と東アジアの大学との協定では、熊本大学でタイ、インドネシア、韓国、中国、台湾等の85の大学、崇城大学で6大学、熊本県立大学で7大学、熊本学園大学で9大学、東海大学で6大学、九州ルーテル大学で3大学、熊本保健科学大学が3大学、尚絅大学が1大学、合計120大学間協定が結ばれています。アジアからの留学生も平成20年度475人、平成21年度495人、平成22年度509人と年々増加しています。このサミットは、本市を内外に示すチャンスであり、東アジアから選ばれる都市熊本にとって大変に重要な会議になります。  そこで、せっかくの機会ですので、アフターコンベンションとして、こうしたアジアからの留学生と会議参加者を交え、熊本の学校訪問等、熊本の学生、子供たちとの触れ合いができる時間をぜひつくってはいかがでしょうか。熊本の学生、子供たちが、東アジアの国々を肌で感じることにより将来の夢を膨らませてくれたらと思います。  また、これを機会にまちなかの案内を日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語表示をふやしていくべきと考えますが、お考えをお示しください。観光文化交流局長にお聞きいたします。          〔坂本純観光文化交流局長 登壇〕 ◎坂本純 観光文化交流局長  東アジア戦略の取り組みにつきまして、2点、お答えいたします。  まず、上海事務所についてであります。  御案内のように東アジア諸国とはこれまで以上に経済分野や学術分野での交流が重要となってきておりますことから、本市と熊本県、熊本大学との3者合同で、特に成長が著しい中国の上海市に事務所を設置することといたしました。  既に本年6月から職員を上海に派遣し、開設の準備を進め、10月27日には中国政府から正式に開設許可を得ております。新年早々の1月11日には、上海市政府を初め、観光貿易の関係者をお招きし、熊本県、熊本大学とともに事務所の開所式を行い、この事務所の存在を広く周知することといたしております。  今後は、この上海事務所を拠点として、特に本市としましては観光コンベンションの分野に力を入れることとしており、中国各地で開催されます旅行博覧会への参加、あるいは中国国内のテレビ局や雑誌社などを活用した情報発信、さらには、本市への研修を目的としたインセンティブツアーの誘致などに取り組んでいきたいと思っております。  次に、アジア太平洋都市サミットにつきましてお答えいたします。  まず、開催の規模につきましては、加盟29都市の首長を中心に本市の友好姉妹都市やさまざまな国際機関にも参加を呼びかけまして、総勢120名程度の参加を得て開催したいと考えているところであります。  次に、会場や会議内容につきましては、現在、事務局の福岡市と協議を進めているところであり、特にテーマにつきましては、本市の特徴や各都市の関心分野を中心に加盟都市の意向等を把握しながら、今後、設定作業を進めてまいりたいと考えております。  また、準備体制につきましては、参加者の皆様が有意義な会議であると思っていただけるよう、円滑な会議運営の体制を整えますとともに、本市の魅力やおもてなしを実感していただけるよう万全を期して望みたいと思っております。  御提案のサミット参加者の皆様との交流につきましては、例えば日本文化の体験を通した学生の皆さんとの交流を行うこと、あるいは留学生の皆さんが、母国の参加者に対して熊本城などで観光案内を行ってもらって、熊本の歴史や文化を理解していただく。そういった機会を設けることも検討したいと考えているところです。  最後に、まちなかの案内サインの多言語化につきましては、国際観光の振興に欠かせないことから、昨年度、市電の電停を4カ国語表記にしたほか、熊本城やJR熊本駅など中心市街地を中心に観光案内板を設置したところです。  さらに、今後、この取り組みを市域全体に拡大していくこととしておりまして、設置に向けた準備を現在進めているところです。  今後も東アジア戦略の一環としまして本市の魅力を積極的に発信し、観光を含めた国際コンベンションの誘致に努めるなど、東アジアから選ばれる都市の実現を図りたいと考えております。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  上海事務所が開設し、アジア太平洋都市サミットの熊本開催も決定しています。文字どおり東アジアから選ばれる都市の実現のため、着実な準備をお願いいたします。  次に、AEDについてお尋ねいたします。  AED(自動体外式除細動器)は、2004年7月より一般人の使用が認められ、急速に普及いたしました。本市施設においても、市役所本庁舎、スポーツ施設、観光施設、学校施設等、現在まで316施設に設置されております。それ以外の民間施設にも多数設置されております。熊本市のホームページには、市施設と民間施設で市ホームページの掲載を了承された施設については、施設名、設置台数が掲載されております。  先日、議会棟にも設置され、取り扱いの講習会を受けさせていただきました。初めて実物をさわり、練習をいたしました。思っていたより簡単な操作で、いざというときに私でも使えそうだなと少しは安心しました。ただ、一度もさわった経験がなければ、人の生死にかかわることですから、そう簡単に装置を使用できないことと思います。多くの方が講習を受けるべきであると感じました。  突然の心停止の多くは心臓疾患によるものです。心臓の心室が突然震え出し、全身に血液を送り出すポンプ機能が失われる心室細動と呼ばれる危険な不整脈が大きくかかわっています。この心室細動を正常な心臓のリズムに戻す唯一の方法が心臓への電気ショックです。心室細動となった場合、1分以内に電気ショックを行うと約9割、3分以内に行うと約7割の人が救命できると言われています。そのため、できるだけ早くAEDを使用することが社会復帰のかぎとなります。  しかし、厚生労働省によると、めったに使われないが、実際に使おうとする段階で有効に機能しない可能性が問題になっています。2010年4月、大阪市内で救急隊員が操作したAEDが動かず、男性が死亡しました。消防機関が装置のふぐあいを疑ったケースが2009年だけで176件もあり、2008年以降、4社の約21万台のAEDが回収や無償修理の対象になっています。また、機種によりますが、おおむねバッテリーの推定動作寿命は5年、パッドは2年で粘着力が低下するため、交換が必要です。  2006年からは、1歳以上8歳未満、体重25キログラム以下の子供にも、電気エネルギー量が成人の3分の1になっている小児用電源パッドができました。  そこで、お尋ねします。  1、機器のふぐあいに対するリコール対応は完全に済んでいますでしょうか。  2、定期的にかえる必要性があるバッテリーとパッドの期限管理はできていますでしょうか。  また、野球やソフトボールのボールが胸に当たったり、マラソン中に子供が心肺停止状態になった事例が報告されています。ある保育園の園長先生より相談がありました。園に1台しかないので遠足のときに持っていけず、不安でたまらないとのお話がありました。学校では2台以上設置されているようですが、遠足があるような保育園等で1台しかない施設には、必要なときに携帯できるように複数台設置すべきと思います。保育園等に増設を要望いたします。  続きまして、CKD対策についてお尋ねいたします。  CKDとは慢性腎臓病のことです。腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下するか、あるいはたんぱく尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を言います。  年をとると腎機能は低下してきますから、高齢者になるほどCKDが多くなります。高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い、肥満やメタボリックシンドローム、腎臓病、家族に腎臓病の人がいる場合は要注意です。さらにCKDは、心筋梗塞や脳卒中といった心血疾患の重大な危険因子になっています。  昨年の9月議会にて藤岡議員からも質問がありましたが、CKD、いわゆる慢性腎臓病は新たな国民病と言われています。私の住んでいる地域にも、身近でおつき合いがある方だけで数名の方が人工透析を受けられています。週に何回も長時間の透析をされ、大変に御苦労されている状況で仕事を続けられています。  CKD患者は成人人口の13%で、8人に1人いるとされており、本市には約7万5,000人の潜在的なCKD患者がいると予測されています。CKD患者は、放置すると人工透析や腎臓移植が必要になります。CKDが悪化し、人工透析を受けざるを得なくなった患者数の割合は、全国で100万人当たり2,153人に対し、本市は2,923人と全国平均の1.4倍で、最も高い水準であるとのことです。  そこで、質問いたします。  どうしたら人工透析を受けなくて未然に防ぐことができるでしょうか。これまでのCKDへの取り組み状況とその成果についてお尋ねします。  人工透析は、一度かかってしまいますと腎臓移植しない限り一生透析をしないといけません。腎臓の働きを示すeGFR値を健康診断結果報告書に記載されるようにしたとのことですが、早期発見で中等度の腎機能低下は治療が可能になっているそうです。人工透析を未然に防ぐことで、CKD患者さんが一生をつらい思いで透析されることなく、また医療費の削減にも大きく関係しています。早期発見、早期治療をするための啓発はされていますでしょうか。  最後に、CKDの悪化として高血圧や糖尿病などの生活習慣病があると聞いておりますが、この生活習慣病は、御存じのとおり日ごろの食生活や運動といった生活習慣により予防していくことが可能です。そして、特にCKD予防のためには食生活改善における減塩の取り組みが重要だと考えます。そこで、今後のCKD対策としてどう減塩対策を推し進めていかれますか。健康福祉局長にお尋ねします。          〔續幸弘健康福祉局長 登壇〕 ◎續幸弘 健康福祉局長  大きく2点のお尋ねがございましたので、順にお答え申し上げます。          〔議長退席、副議長着席〕  まず、AEDについてでございます。  機器のふぐあいに対するリコールの対応状況でございますが、まず救急車に配備しておりますAEDにつきましては、リコールへの対応や、バッテリー等電極パッドの定期交換を実施しますとともに、毎日の始業時点検も実施いたしております。  AEDは、厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器に指定されておりますので、販売業者が本体やパッドのすべての販売先を管理し、リコール等の連絡や回収を行うようになっております。現在、熊本市では、316の施設にAEDを設置しておりまして、リコールが発生した場合には、納入業者と設置施設の両方に対応を確認いたしております。  次に、バッテリーとパッドの期限の管理についてでございますが、平成21年にAEDのふぐあいが報道されました際には、本市に納入された機種も該当するものがありましたことから、その対応の確認と、あわせてバッテリーと電極パッドの定期交換についても調査いたしまして、期限切れのものについては至急交換いたしました。  また、その後も予算の時期などにあわせまして、定期交換の着実な実施などについて注意喚起してきましたが、バッテリーと電極パッドの定期交換については、前回の調査から2年経過しておりますので、改めて今年度中に交換状況を確認する予定でございます。  次に、CKD対策についてお答えいたします。  まず、これまでのCKD対策の取り組み状況とその成果についてでございますが、議員御指摘のとおり、本市は全国的にも人工透析患者の割合が高い状況にありますことから、CKDを本市の重要な健康課題ととらえまして、平成21年度から予防から重症化防止までの総合的な対策を開始したところであります。  対策としましては、3つの柱を立てて進めております。  まず、早期発見のための取り組みとして、国保の特定健診の検査項目に新たに腎機能を評価します血清クレアチニンと尿潜血を追加し、未受診者に対しては受診を勧奨しているところであります。  2つ目の柱は、発症予防の取り組みでございます。  保健福祉センターや地域におきまして、腎機能が軽度低下されました方を対象にCKDの予防教室を開催いたしております。  また、CKDのもとになる疾患でもあります高血圧や糖尿病を防ぎますために、食生活改善を推進するかかりつけ医と栄養士の連携システムづくりにも取り組んでおります。  3つ目の柱は、重症化防止の取り組みでございます。  重症化を防ぎますために、腎臓内科専門医とかかりつけ医との病診連携システムを構築いたしております。本年10月末現在でかかりつけ登録医は306人で、内科のある医療機関の6割を超えておりまして、具体的な連携の数も600件を超えております。  このような取り組みの成果としまして、新規の人工透析者数は、平成21年の295人から、平成22年には288人と7人減少しました。これを75歳未満で見ますと、214人から173人と41人減少いたしております。  次に、早期発見、早期治療を進めるための啓発でございますが、市政だよりやラジオ、テレビでの啓発、また地域での集まりなどの機会をとらえての啓発などを行っておりますし、また、11月の糖尿病月間、あるいは3月の世界腎臓デーには、CKD啓発イベントの開催などを実施いたしております。その結果としまして、CKDの認知度でございますが、イベント時のアンケートによりますと、事業開始時点では15%程度でございましたが、本年6月に行ったアンケートでは約半数となっておりまして、その割合は徐々に高まってきております。  最後に、今後のCKD対策としての減塩対策についてでございますが、CKD対策推進には、適切な食生活の推進が非常に重要と考えております。そこで、減塩食の普及を図りますために、くまもと減塩美食をキャッチコピーとしまして、家庭で簡単につくれるおいしい減塩食のレシピ集を作成いたしました。これを活用しまして、地域で料理教室を開催いたしております。  また、健康づくりできます店という登録制度がございますが、この中に塩分3グラム以下の食事を提供する減塩美食の項目を追加し、おいしい減塩料理等を提供するお店をふやしていく予定としております。  これらのCKD対策を進めますことで、市民の方々のQOL、すなわち生活の質の維持向上が図られ、医療費の削減にもつながりますことから、今後とも積極的に取り組みを展開してまいります。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  CKD対策につきましては新規の人工透析者は減る方向ですが、まだまだ年間300人近くの患者さんがふえています。早期発見、早期治療を進めるための啓発を今まで以上にお願いいたします。  続きまして、熊本市総合行政情報システムについてお尋ねいたします。  いよいよ政令指定都市移行まであと4カ月となりました。政令指定都市移行に伴い、情報システムの大幅な変更が発生することと思います。万全を期して取り組まれていることと思いますが、移行準備は着実に安全に進んでいますでしょうか。  本市の現行システムは昭和61年に稼働開始しているためオープン化されておらず、システム変更も容易ではないと思います。また、時間外窓口延長などの市民サービスが図れない、窓口対応後の業務処理に制限がかかる、随意契約で費用が高い、システムやデータ連携が複雑化により経費削減が難しい等の問題点が指摘されています。  そこで、現行システムの老朽化、複雑化が進行し、明年の政令指定都市移行に伴い抜本的見直しが迫られているのではないかと考えますが、今後のシステムのオープン化、再構築に向けての取り組みについてお示しください。  次に、自治体クラウドについてお尋ねいたします。  クラウド・コンピューティングとは、従来は手元のコンピューターで管理、利用していたようなソフトウエアやデータなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式です。ネットワーク上に存在するサーバーが提供するサービスを、それらのサーバー群を意識することなしに利用できるというコンピューティング形態をあらわす方式であり、ネットワークを表示するのに雲状の絵を使うことが多いことから来た表現です。  地方自治体の情報システムをデータセンターに移し、複数の市町村がシステムを共同で使うことができる環境、またはその環境をつくる取り組みを指します。総務省は、サーバーなどITシステム構築に必要な機器をデータセンターに置いて、ネットワークを介して共同利用を可能にするクラウド・コンピューティングを地方自治体に普及させる動きとして、2009年から自治体クラウドの言葉を使って開発実証事業を推進しています。  自治体クラウドでは、自治体の情報システムを集約した都道府県のデータセンターを広域の総合行政ネットワークを介して相互接続する。相互接続したデータセンターをアプリケーション事業者のサービスと組み合わせることによって、基礎台帳や税務、保険などの基幹システムをクラウド上で共同利用できるようにする。  自治体クラウドは、各自治体がサーバーなどのIT機器を所有するのではなく、共同で利用するので、厳しい財政状況に直面している自治体にとって、多額のコストをかけずにITインフラを構築することができるという利点があります。  総務省は、2000年前後に始まった自治体の業務を電子化するプロジェクト、電子自治体の一環として自治体クラウドの普及に力を入れています。現在、北海道、京都府、佐賀県、大分県、宮崎県、徳島県の6道府県78市町村でデータセンター間接続やアプリケーション接続について実証を行っているところです。  自治体クラウドへ移行する際は異なる製品間の移動を行うため、それぞれのデータ形式が異なり、データ項目ごとに変換方法を定める必要が生じます。本市に合うシステムが提供されているかどうかの問題もありますが、将来的には安全性と費用の問題で検討していくべきであると考えます。自治体クラウドについてどのようにお考えか、お示しください。企画財政局長にお聞きします。          〔岡昭二企画財政局長 登壇〕 ◎岡昭二 企画財政局長  総合行政システムに関しまして、3点の御質問にお答えいたします。  まず、政令指定都市移行の準備についてでございますが、政令指定都市への移行に伴い、情報システムにおいては、区名の追加や区間の移動、さらには権限移譲への対応など全業務において大幅な構築、改修が必要となります。  窓口業務の大部分を担う総合行政情報システムや、保健福祉情報システムにおいては、現在、おおむねプログラムの改修作業を終えるなどその準備は着実に進んでいるところでございます。  今後は、システムのテストや操作研修といった段階に入るところであり、十分な検証や研修の実施に努め、安定稼働に向け、万全を期して取り組んでまいります。  次に、システムのオープン化による再構築に向けての取り組みでございますが、現在の総合行政情報システムは、議員御指摘のとおりさまざまな課題を抱えているため、平成21年度に最適化基本計画を策定したところでございます。  現在は、計画に従って、政令指定都市移行準備と並行してシステムの再構築にも取り組んでいるところでございます。移行時点においては、新住民記録システム及び共通基盤システムを稼働することとしております。  来年度以降は、税や保険料などの再構築に着手し、平成27年度までには再構築を終了する予定といたしております。  最後に、自治体クラウドに対する考え方についてお答え申し上げます。  自治体においてのクラウドの活用は、議員御指摘のとおり、多額のコストをかけずにITインフラを構築することができるといった大きなメリットがあることは、認識いたしております。  現在は、総務省が提唱する自治体クラウドの開発実証が行われ、その効果を検証されているところでありまして、あわせまして、システム業者により比較的導入がスムーズに行える小規模自治体を対象としたサービスの提供が始まったところでございます。  しかしながら、政令指定都市規模の住民記録、税務、保険などの業務向けには、現在のところ利用可能なサービスは提供されていないのが実情でございます。  今後、政令指定都市向けのサービスが提供される環境が整った段階で、導入効果等につきまして具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  自治体クラウドの切りかえについては、大きなメリットがあることは認識していただいております。政令指定都市規模のサービスが提供されるような環境が整った際には、スムーズに移行できるようにシステムの再構築、また業務の標準化をされ、具体的な導入検討を進めていただきたいと要望いたします。  次に、今回の上下水道料金徴収に関する新システム開発遅延の問題についてであります。  2年前、上下水道料金徴収に関する新システム開発については、総合評価方式に基づき、日立情報システムズ、現在の日立システムズが落札することとなりました。落札の決め手は、システムリリース後の5年間の運用経費2億2,400万円が競争相手の日本電気が提示した金額約8億4,000万円に対して3分の1以下であったことです。しかし、平成21年8月より開発に着手したが、その後、さまざまな問題が出てまいりました。  1つ目は、開発開始から9カ月後の平成22年5月には、落札時の開発手法であったパッケージ開発が流用できないことが発覚、開発手法を新規開発方式に変更。
     2つ目は、その後、業務仕様書に記載された現行機能保証の解釈が、日立システムズ側と上下水道局側で食い違いが発生する等して、さらに9カ月後の平成23年3月に当初予定していた平成23年12月の納期が守れないことが発覚。  一方、この間、現行業務を理解しているKISは、システム稼働が間に合わないのではないかと日立システムズが申し出る平成23年3月の3カ月以上前の平成22年12月から幾度となく警告していたと伺っています。  結果、上下水道局はKISに対して業務延長の確約をとることなく日立システムズとの23カ月もの期限延長を決め、9月議会にて予算案の計上を行い、議会や市民に対して混乱を招くこととなりました。  KIS側とのたび重なる協議の結果、現行システムの運用継続について、本市がハードの老朽化に伴う故障時の責任をとることを条件にKISが了承し、最悪の事態であるシステム停止は回避されましたが、故障時の対応等、まだ予断を許さない状況であると考えます。  そこで、質問をいたします。  今回の上下水道局のシステム開発遅延の問題では原因究明の検証部会が設置されましたが、どのような体制で、どのような点について検証されますでしょうか、お伺いいたします。  さて、その上で一つの問題点として、日立システムズとの新システム契約時に現行システムを正確に把握している技術者がいなかったのではないでしょうか。仕様打ち合わせが正確にされていたのかという疑問があります。電算システムの開発においては、現行システムを正確に把握しているICT技術者が必要と考えますが、今後の市としての技術者の育成についてのお考えを西島副市長にお聞きいたします。          〔西島喜義副市長 登壇〕 ◎西島喜義 副市長  私からは、上下水道局のシステムについての2点についてお答えいたします。  まず、第1点目の検証部会の体制と検証内容についてでございます。  今回のシステム開発問題について、その原因を究明して問題点を明らかにいたしますことは、今後の開発作業に生かしていくとともに、将来開発予定の各システムの開発作業を円滑に行うためにも重要であります。  このことから、11月1日でございますが、熊本市上下水道局総合管理システムの開発に係る検証部会を設置し、検証させることにしたところでございます。  検証部会の構成でございますが、上下水道局ばかりでなく、公平な判断を行うためには市の横断的な体制でと考えまして、上下水道局総務課長を部会長に情報政策課企画審議員、契約検査室補佐及び上下水道局の総務課、経営企画課、下水道建設課の課長補佐の6名を充てております。  この検証部会において、開発がおくれた原因の究明はもとより、システム開発の契約手続、開発作業における協議体制、進捗管理、管理体制など全般的な検証を行ってまいります。  また、より公正な判断を行うためには、専門技術を有する民間からの特定任期付職員でありますCIO補佐官、そして、10月に選任されましたコンプライアンス担当監にも検証の過程を報告しながら、適宜アドバイスを求めていきたいと考えております。  この検証結果については、検証結果報告書を作成いたしまして、このことを全庁的な問題として共有するために、情報化を総合的に推進する組織でありますが、熊本市情報化推進協議会に報告させるとともに、議会等にも御報告し、公表してまいります。  次に、2点目のICT技術者についてでございます。  上下水道局におきましては、平成11年度に情報システム班を組織として位置づけておりまして、情報政策の経験や能力のある職員をその任に当たらせ、システムの運用、開発に関する調整業務を通じて専門性を高めてきたところであります。  今回の上下水道総合管理システムの開発においても、ICT技術者の資格を有する職員はおりませんでしたが、システム分析調査や入札仕様書作成等につきましては、システム専門業者に委託いたしておりますし、それとともに現行システムの業務内容や機械の操作方法を熟知した職員が、開発業者の技術者と仕様の打ち合わせを行ってきたところであります。  システム開発におきましては、情報技術に関する能力や経験を有する職員は必要と考えておりますが、その者が現行システムを正確に把握しているかどうかが重要であります。御提案の趣旨については十分理解しておりまして、今後、市全体としてICT技術者となる職員の育成について検討してまいりたいと考えております。  あわせまして、これまで熊本市情報化推進協議会から除外されておりました上下水道局を初めとした企業局につきましても構成組織として位置づけまして、市全体として適正に管理していきたいと考えております。  また、CIO補佐官についても、上下水道局のシステム開発における進捗管理など、積極的に参加させていきたいと考えております。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  ICT技術者の必要性を十分に御理解いただくとともに、専門性の高い技術においてはこの技術力を継承していくことが必要であり、専門部署での長期間の業務継続をお願いいたします。  あわせて、今回の件では既に一部処分も発表されましたが、今後再びこうした事態を引き起こさないように十分に検証していただくとともに、改善をしていただきたいと強く要望いたします。その上で、市職員だけの検証ではなく、外部メンバーも加えるべきではないかと要望いたします。  今回の問題は、上下水道局だけの問題としてとらえるのではなく、市役所全体の問題として検証していただきたいと思います。  質問を1つ省略させていただきます。  続きまして、災害対策についてお聞きいたします。  3.11東日本大震災から8カ月が経過しました。改めて、お亡くなりになられた方の御冥福と被災された方々に心からお見舞い申し上げます。  国会では、ようやく第三次補正予算が成立しました。補正では、学校の防災機能強化と耐震化が一層推進されることになりました。東日本大震災を受け、文部科学省がまとめた学校を地域の防災拠点として整備するための新たな提言があります。この提言の内容を紹介します。  学校施設の安全性を確保するため、1、耐震化の推進、2、非構造部材、天井などの耐震化、3、津波対策を掲げています。東日本大震災では、耐震化されていない学校で大きな被害が出ました。  また、体育館の天井や照明が落下し、けがをする児童・生徒が出ました。非構造部材の耐震化では、柱や床などの構造部分に比べ、天井、照明器具、内・外装、窓ガラスなどの非構造部材の速やかな耐震化の実施を求めています。  また、東日本大震災では、学校が地域住民の応急避難場所としての役割を発揮したことから、あらかじめ避難場所としての機能を強化整備していく必要性を強調しています。  一方で、学校再開に当たっての課題が明らかになってきたことから、避難から学校再開までを4つの期間に分け、必要な機能を整備することを求めています。  1、生命避難期。災害発生直後から避難するまででありますが、高台や校舎の屋上に避難できる経路を確保する。  2、生命確保期。避難直後から数日間。児童・生徒だけでなく、避難者数に応じ、食料、水、防寒具、毛布、携帯トイレ、可搬式発電機などの備蓄を進めるとともに、防災無線、災害時有線電話の設置など通信手段を確保する。  3、生活確保期。災害発生数日後から数週間。ガスがとまり、炊き出しに支障があった、女性の更衣室がなく困ったなどの被災者の声を受け、ガスについてはプロパンガスを都市ガスの調理器具に使用できる変換装置を整備、また、避難所運営に当たっては、女性のプライバシーに配慮したスペースを設ける。  4、学校機能再開期。災害発生数週間から数カ月。災害発生から数カ月後も避難所として使用する場合は、教育活動エリアと避難エリアを明確に分けることなどを提案しています。  さらに、学校に地域防災拠点としての機能を持たせ、円滑に運営していくためには、行政の防災担当との連携を強化するよう求められています。  東日本大震災では、電力の供給が大幅に減少し、学校においても一層の省エネルギー化が求められていることから、エコスクール化のさらなる推進を掲げています。  具体的には、1、屋根や壁の改修、複層ガラス設置などにより断熱化を進める。2、照明、空調機器などの省エネ化を進める。3、自然採光、ひさし、緑のカーテン、太陽熱・地熱利用設備、バイオマスなど自然の恵みを活用していく。4、太陽光発電、風力発電、燃料電池、LEDなど最新の技術を活用していく。5、こうした設備を表示装置などで見える化し、環境教育に活用していくことなどを挙げています。  以上が提言の内容です。  この提言を受けてお尋ねいたします。  1、学校での避難訓練はどのような形でされていますでしょうか。  2、学校の耐震化は平成25年度までに完了するとのことですが、天井、照明器具等、非構造部材の耐震化は進んでいますでしょうか。  3、生活確保期の避難所ごとの許容避難者数は出ていますでしょうか。  4、生活確保期では、女性より着がえる場所がない、授乳できるスペースがないなどの声が多く出ております。また、生理用品や化粧品、乳児のおむつなどの物資の不足も目立ち、災害時における女性の視点の大切さが改めて浮き彫りになりました。今回意見書でも出しましたが、新しい熊本の防災を構築するため、市長のもと民間と女性を含めた諮問機関をつくってはどうでしょうか。  5、災害用マンホールトイレを準備してはどうでしょうか。  6、防災かまどベンチを準備してはどうでしょうか。  以上、教育長と総務局長にお尋ねいたします。          〔廣塚昌子教育長 登壇〕 ◎廣塚昌子 教育長  学校を防災の拠点についての2点のお尋ねにお答えいたします。  1点目の学校における避難訓練の実施状況についてでございますが、小中学校におきましては、市教育委員会が示しました危機管理マニュアル作成の手引をもとに、火災、地震、津波、風水害等の対応マニュアルを作成し、毎年度地域の実情に応じて定期的な避難訓練を実施しております。  今年度の実施状況といたしましては、火災訓練と地震訓練につきましては全校で、風水害につきましては小学校61校、中学校7校が実施しております。  また、津波訓練に関しましては、昨年度3校の実施だったところ、今年度につきましては、今回の震災を受け、海沿いの学校を中心に小学校で13校、中学校で4校が実施することとしております。  次に、2点目の学校における非構造部材の耐震化についてでございます。  議員御案内のとおり、文部科学省においては、本年7月に出された東日本大震災の被害を踏まえた学校施設の整備についての緊急提言の中で、学校施設の耐震化の推進、非構造部材の耐震化、津波対策の3つを学校施設の安全性確保の柱としております。  非構造部材の耐震化につきましては、平成21年度から取り組んでおります耐震改修時において、設計段階等で指摘を受けた部材については、耐震補強工事とあわせて改善を行っております。  また、建築基準法の規定に基づきまして、3年に一度定期点検を行い、改善の必要な天井材やガラス建具等の取りかえ、また、壁の補強などの対策を行っているところでございます。  今後とも緊急提言に基づきまして、文部科学省が作成しております耐震化ガイドブックに沿い、日常的な点検を行いながら、子供たちの安全確保に努めてまいります。          〔重浦睦治総務局長 登壇〕 ◎重浦睦治 総務局長  学校を防災の拠点に関してということで、私からは4点、お答えいたします。  まず、議員がお述べになりました生活確保期の避難所の許容避難者数につきましては、本市の地域防災計画に基づき、それぞれの避難所ごとに受け入れ人数を設定しているところでございます。災害時における生活確保期の避難所をどこに指定するのかということにつきましては、避難者数と避難所のスペース等の能力を踏まえまして災害対策本部長が決定することとなっております。  次に、民間と女性を含めた諮問機関についてでございますが、東日本大震災の避難所におきまして、トイレ、着がえ、就寝時あるいは授乳の際の個人のプライバシーの確保が問題となったということにつきましては、承知しているところでございます。現在、本市では平成21年に策定いたしました避難所運営マニュアルで、避難所における女性、子供、さらには高齢者、障がい者などの災害時要援護者の方々の生活環境等に配慮することとしております。今後は、避難所である学校等の各施設管理者と連携協議しながら、さらに女性、母親に配慮したスペースの確保などを検討してまいりたいと存じます。  また、女性、母親の視点からの避難所運営につきましては、本市の地域防災計画を策定、実施いたします熊本市防災会議の中に女性委員にも入っていただいているところでございまして、その中で御意見をいただきながら、今後は各地域で実施する避難所運営訓練等を通じまして、女性、母親に配慮した避難所運営ができますように努めてまいりたいと存じます。  なお、備蓄品についてでございますが、本年度、東日本大震災を踏まえまして、紙おむつやマスク、災害用の救急セットなどの追加配備を行ったところでございます。  最後に、災害用マンホールトイレと防災かまどベンチについてであります。  現在、本市におきましては、災害用応急トイレ及び防災かまどベンチを一時避難場所の公園4カ所に設置しております。今後、現在、見直しを行っております本市地域防災計画の中で、学校施設を初めとした避難所のあり方につきまして、関係部局と連携協議しながら検討してまいりたいと存じます。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  非構造部材の耐震化につきましても、学校任せにすることなく、教育委員会から指導、チェックをお願いいたします。  また、避難所運営につきましては、女性・母親の視点を十分に取り入れていただき、避難所運営をできるようにお願いいたします。  次に、福祉避難所設置についてお伺いいたします。  地震や豪雨、津波といった大きな災害が起こったときに、介護の必要な高齢者や障がい者、妊産婦、乳幼児、病人のうち、特別の配慮を必要とする人たちを一時受け入れてケアする施設です。小学校等通常の避難所での生活が困難な人たちのための避難所であり、原則的に健常者は避難することはできません。専門スタッフを配置した介護施設や学校を自治体が指定することになっています。施設はバリアフリー化されていて、援護が必要な人の利用に適している施設でなければなりません。  2005年に内閣府から災害時要援護者の避難支援ガイドラインが出され、また2008年に厚生労働省から福祉避難所設置・運営に関するガイドラインが出され、自治体と福祉施設の間で福祉協定を結ぶところが少しずつふえてきています。福祉避難所になる施設として、ガイドラインでは指定避難所、老人福祉施設、障がい者支援施設、保健センター、養護学校、宿泊施設の順に書かれています。  国から福祉避難所への費用として10人に1人の割合で生活相談員を設置することができるとしているほか、ポータブルトイレ、手すり、仮設スロープ、紙おむつなどの費用についても国が負担することにしています。ただ、福祉避難所はあくまでも一時的なもので、その後は施設に戻ったり、仮設住宅に移ったりするケースを想定されています。本市においても設置すべきであると考えますが、お考えを示してください。  続きまして、避難所運営ゲームについてお伺いいたします。  静岡県で2007年に開発した避難所運営ゲームHUG。HUGとは避難所のH、運営のU、ゲームのGです。避難所を運営する主体者となり、災害発生の初期段階で実際に想定される事態に対応していくものです。避難者の年齢や性別、それぞれ抱える事情が書かれたカードを体育館や教室に見立てた平面図に配置していく。例えば、妊娠している、ペットを連れてきた、障がいがある等のケースがあり、参加者は、入口近くがいいのでは、コミュニティを維持すべきなどと意見を出し合い、対応を決定。避難所内の通路の確保や救援物資の保管場所、仮設トイレの配置、取材への対応に至るまで多くの課題に対処し、避難所運営を学べます。実際に、みずからが地域のリーダーとして避難所運営にかかわるような状況になった場合への心がまえを育成することを目的としています。  このゲームを通して、災害時要援護者への配慮をしながら部屋割りを考え、また炊き出し場や仮設トイレの配置などの生活空間の確保、視察や取材対応といった出来事に対して、思いのままに意見を出し合ったり、話し合ったりしながらゲーム感覚で避難所の運営を学ぶことができます。  この避難所運営ゲームをやった方の感想を紹介します。  「避難してくる人の望むことが多過ぎて分けるのが大変だった。我慢してもらいたいと思うようなこともあった。通路を考えるときも、どうするのが一番いいのか考えないといけなかったし、初めから後のことを考えないといけなかったから大変だった。」、「体育館や教室などに何人入ることができるか予測する必要もあり、ゲームというほど易しいものじゃなかったと思う。実際にやるとしたらもっと大変だろうと思った。」、「HUGをやる前までは簡単にすぐできると思っていたけれども、やってみるとすごく難しく、途中全然わからなくなった。でも、みんなで協力して行ったため、カード番号190番ぐらいまでは行くことができた。でも、どうせなら最後まで行きたかった。」、「ゲームでもすごく難しかった。本当にこんなことになったらどれだけ大変になるか、予想もつかない。できるだけ地域の人とコミュニケーションをとっていこうと思う。」など。また、このゲームをすることで、「自分勝手な要求は迷惑をかける、避難所にはさまざまな人がいる、もっとコミュニケーションをとる、期待されている自分たちがもっと動くことに気づくことができました。防災の知識があるだけではだめで、その知識を活用して判断したり、行動したりすることが求められると考えることもできてきました。」等々の意見、感想がありました。  このように、一時避難までの対応だけでなく、その後の避難所運営までの訓練が日ごろから大事になるのではないかと考えられます。  例えば、要援護者の方は避難所で大勢の健常者の方と同じ場所では支障が出ます。自閉症の方は学校施設の1年1組に避難させるとか、聴覚障がい者の方は1年2組に避難させる等、あらかじめ避難場所を決めた避難訓練が必要かと思います。  この避難所運営ゲームを導入のお考えはありませんでしょうか。  続きまして、災害時ホームページ代理掲載についてお伺いいたします。  東日本大震災をきっかけに、災害情報の発信機能の確保が重要なテーマになっています。役所が甚大な被害を受けた際に、ホームページの更新用サーバーも使用不能になる可能性もあり、そうした非常時に住民への情報発信手段が断たれることを防ぐ有効な手段として今注目されているのが、災害時に遠隔地の自治体にホームページを代理掲載してもらう仕組みです。  実際にことしの3.11の際、甚大な被害をこうむった岩手県、宮城県、福島県の各市町村のウエブサイトは、発災直後からサーバー、通信機器、通信回線の損傷やアクセス急増などの影響で閲覧できない状態が続きました。  そのような状況の中、被災地の一つである宮城県大崎市では、平成12年に姉妹都市の締結を結んだ北海道当別町との連携協力により、震災当日から当別町のウェブサイトに大崎市災害情報・大崎市災害対策本部ページを開設してもらい、被害の状況、避難所の情報、ライフラインに関する情報を途絶えることなく、毎日発信し続けることができました。  現在、多くの自治体では周辺の市町村が同じシステムを共有したり、同じ施設を共同で用いたり、相互に連携する対策を講じていますが、東日本大震災のように被災地域が広域にわたると、近隣自治体間ではお互いを助け合える状況ではなく、的確な情報発信が困難になりかねません。大規模災害では、むしろ離れた自治体の方が頼りになる可能性が高く、姉妹都市、友好都市など、遠隔地でありながら定期的に人が行き来して交流を深めている自治体と災害時の協定を整えていくことが重要であることは、今回の震災で得た教訓の一つであります。  こうした事例に着目した愛知県蒲郡市では、友好都市の沖縄県浦添市と災害時の情報発信に関する応援協定書を締結しました。大規模災害発生後にアクセスの集中や回線切断などの影響で、片方の市ホームページが閲覧できなくなった場合を想定した応援協定です。  本市も友好都市である福井市と応援協定を結び、事前に市民に周知徹底すべきであると考えますが、いかがでしょうか。  続きまして、被災者支援システムについてお伺いいたします。  全国的に地震や台風による自然災害が頻発に発生する一方で、安心安全に対する住民の関心が当然のこと高まっています。もしもあす大規模な自然災害に見舞われたとき、直ちに被災者を救護支援し、迅速かつ的確な復旧復興作業を行っていくことは可能でしょうか。その準備はできているのでしょうか。地方公共団体には大きな責任と期待がかかっています。  1995年に発生した阪神・淡路大地震では、西宮市の市街地のほぼ全域が被災し、市庁舎も大きな被害を受けました。コンピューター機器やネットワーク回線も大きなダメージを負った中で、市の日常業務の復旧とあわせて被災者を支援するシステムを構築し、被災者支援や復旧復興業務に大きな力を発揮しました。この被災地の経験と教訓、情報化のノウハウを生かした西宮市の被災者支援システムは、汎用ウェブシステムとしてさらに進化、リニューアルし、全国の地方公共団体に無償で公開、提供されています。  6月議会にて、浜田議員より被災者支援システムの導入についての提案がありました。総務局長より、個人情報保護を中心とした十分なセキュリティ対策の確保、あるいは本市の地域防災計画における想定被害に基づく被災者数に対応できるシステム規模などを見きわめることが必要であり、他都市の事例も含め、研究されるとのことでしたが、その後、どうでしょうか。  以上、3点について総務局長にお尋ねいたします。  次に、非常用電源設備についてお尋ねいたします。  これまでの質問で、市長より本庁舎の非常用電源設備の移設を検討しているとの答弁がございました。私も現状を見てまいりましたが、現在の非常用電源設備は地下2階に設置され、白川水害時には浸水することが当然予測されます。また、非常用発電設備の燃料は軽油での発電ですが、5,500リットルのタンク容量しかなく、約24時間しか持ちません。  そこでお尋ねいたします。  移転計画は進んでいるのでしょうか。どの場所にいつ移転し、非常時に停電何時間を想定して、何リットルの容量の軽油タンクを考えられているのでしょうか。東日本大震災ではガソリンスタンドが打撃を受け、燃料が何日も入手できませんでした。電源が復旧される時間だけでなく、電力不足ということも考えて、燃料タンクの容量を可能な限りふやしていただきたい。最低でも1週間程度は必要ではないかと考えますが、今後の構想をお示しください。企画財政局長にお尋ねします。          〔續幸弘健康福祉局長 登壇〕
    ◎續幸弘 健康福祉局長  私からは、福祉避難所の設置に対する考え方についてお答えいたします。  災害時において、高齢者や障がいのある方など、避難所生活において特別な配慮が必要となる方のためにあらかじめ福祉避難所を指定しておくことは、大変重要であると考えております。  国の福祉避難所設置・運営に関するガイドラインでは、小中学校や公民館、老人福祉施設や宿泊施設などが福祉避難所として利用可能なものとして示されているところです。この福祉避難所の指定に当たりましては、耐震、耐火や、バリアフリーなど福祉避難所に適した施設の確保や、専門的人材の確保、さらにはその避難所までの移送手段の確保などが必要でございます。  これらの解決すべき課題はありますものの、今後、福祉避難所の確保に向けまして、関係団体と協議を進めてまいりたいと考えております。          〔重浦睦治総務局長 登壇〕 ◎重浦睦治 総務局長  災害対策につきまして、私から3点お答え申し上げます。  まず、避難所運営ゲームの導入についてでありますが、避難所の運営に当たりましては、学校等の開設運営部局、自主防災組織、地域住民などの関係者が、災害時の対応について情報を共有し、共通認識を持った体制づくりが必要であります。  本市では、現在、避難所運営マニュアルを策定しておりますが、今後はその内容について、定期的な避難所運営訓練等を通じて周知徹底を図り、災害発生時に円滑な避難所運営が行えるよう努めてまいりたいと考えております。  ただいま議員から御提案いただきました避難所運営ゲームにつきましては、今後、訓練の一手法として実際に取り入れた他都市の状況等を調査しながら研究を行ってまいりたいと存じます。  次に、災害時のホームページの代理掲載についてでありますが、議員に御紹介いただきました宮城県の大崎市と北海道当別町間での例にありますように、市のホームページが閲覧できなくなった場合、被害の状況、避難所やライフラインに関する情報を市民や関係者の皆様に伝達する有効な情報伝達手段であると考えております。  本市は、平成9年に友好姉妹都市である福井市と災害時相互応援協定を締結しているところでありますが、議員から御提案いただきました災害時ホームページ代理掲載につきましても検討してまいりたいと存じます。  最後に、被災者支援システムについてでありますが、このシステムを開発、導入した西宮市、及びシステムを導入し、実際に罹災証明の発行を行いました高崎市、さらには大都市防災主管者会議等で情報収集を行い、検討してきたところでございます。  このような中、現システムを本市に導入した場合には、区役所単位での被災者支援情報の入出力、集計等における対応などの課題があるということが明らかになったところでございます。  本市といたしましては、区役所における避難所運営、罹災証明発行業務等の被災者支援業務について検討するとともに、広島市が本年度政令指定都市として初めて区制に対応したシステムの導入を行うと聞いておりますことから、その導入状況を注視してまいりたいと存じます。          〔岡昭二企画財政局長 登壇〕 ◎岡昭二 企画財政局長  私からは、本庁舎における非常用発電設備についてお答え申し上げます。  本庁舎の非常用発電設備は地下2階に設置されているため、白川の洪水が発生した場合には水没し、庁舎内への必要な電源供給が困難な状況になることが危惧されるところでございます。  このため、設置場所を現在の地下2階から洪水ハザードマップで想定される3.4メートルの浸水予想より高い場所への移転を検討しているところでございます。  また、地震等の自然災害により長期の停電状態になった場合、市役所等へは電力会社からの仮設電源の送電がなされることとなりますが、それまでの間、災害時における業務には非常用発電設備で電力を供給していかなければならないことから、現在の24時間の発電時間を拡大する必要があると考えております。  現在、これらの状況を満たすような非常用発電設備の設置に向けまして、具体的に検討を進めているところでございます。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  御答弁ありがとうございました。すべてに対してスピード感ある対応をお願いいたします。  最後に、健軍川の治水対策についてお伺いいたします。  去る6月12日の集中豪雨の際、長嶺小、長嶺中学校のすぐそばの健軍川がはんらんしました。近くの方から連絡をいただき、現場に急行しましたが、川はあふれ、道路も濁流が流れ、周辺の家は陸の孤島になり、その連絡をいただいた方の家には近寄れませんでした。  その日は日曜日の午前中でしたが、中学生は部活で何人も学校に登校しており、学校の正門一帯が浸水していましたので帰宅することもできない状況でした。  道路を無理に通ろうとした車はエンジンストップし、雨の中に立ち往生し、押して移動させていました。  この場所は、平成19年に東部土木センターの職員の方が濁流に飲み込まれて一命を落とされた場所です。少しの雨でも危険であり、通行どめにするため、土木センターの方が夜中でも見回りに行かれます。年に50回も行かれる場合もあるそうです。  緊急の場合の避難所である長嶺小学校・中学校に大雨の場合は近づけない状況であり、人命にかかわる大変に危険な場所であります。  そこで、質問いたします。  健軍川の河川工事は進んでおりますが、その地域まで改修工事が来るのを待っていたのでは相当な年数がかかります。目の前にある戸島調整池へ一時的に貯留する整備方法等の検討をお願いいたします。お考えをお示しください。都市建設局長にお尋ねします。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  健軍川の治水対策について、お答え申し上げます。  健軍川流域の浸水解消は喫緊の課題と考えております。これまで下流域から順次河川改修工事を鋭意進めてきたところであり、本年度はいよいよ国体道路までの改修が完了する見込みでございます。  来年度には、議員お尋ねの地域である国体道路から上流域の河道改修工事に着手することになりますが、この地域は大雨のたびに道路冠水等の浸水被害が発生している状況でございまして、早急に浸水解消対策を図る必要があることから、河道改修にあわせ、流域内の学校敷地等を活用した一時的に雨水を貯留浸透させる事業にも着手し、総合的な治水対策に取り組むことといたしております。  お尋ねの戸島調整池は、流域内から健軍川へ流出する雨水を一時的にためる内水対策を目的に熊本県において設置されたものでございますが、来年度の政令市移行に伴う健軍川の権限移譲にあわせまして本市に移譲いただけるよう、現在協議を進めているところでございます。  健軍川流域の浸水被害解消のためには、計画的な河道改修を進めることが第一でございますが、この戸島調整池を流出抑制施設として活用することも有効な手段と考えておりますことから、来年度移譲後に具体的な整備方法の検討を急ぎ、浸水被害の軽減を図る対策を講じてまいりたいと考えております。          〔10番 井本正広議員 登壇〕 ◆井本正広 議員  長年、地域の住民の皆様が大変に困っていらっしゃいます。局長の答弁では、対策を講じるとのこと。地域住民の方も大変に喜ばれると思います。着実な対策をお願いいたします。  最後に、子ども医療費助成制度について要望いたします。  医療費助成の拡充では、昨年10月からの入院医療費に続き、本年10月診療分から通院医療費も小学校3年生まで拡大しました。名称も乳幼児医療費助成制度から子ども医療費助成制度へ変わりました。子育て世代の御家庭から大変喜ばれております。  ただ、公明党としましては、義務教育である中学3年生までの段階的な拡大を引き続き強く要望いたしますので、よろしくお願いいたします。  以上で、初めての質問を終わらせていただきます。  長時間の御清聴、本当にありがとうございました。師走のお忙しいときにもかかわらず傍聴いただき、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)       ─────────────────────────── ○田尻将博 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                              午前11時59分 休憩                              ───────────                              午後 2時01分 再開 ○津田征士郎 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ─────────────────────────── ○津田征士郎 議長  質問を続行いたします。くつき信哉議員。          〔13番 くつき信哉議員 登壇 拍手〕 ◆くつき信哉 議員  こんにちは。自由民主党のくつき信哉でございます。今定例会において質問の場を与えていただきました先輩、同僚議員に厚く感謝いたします。  私が富合選出の議員として熊本市議会に参りましたのは、3年前の12月からでございます。また、定例会の質問は、3年間在籍して本日で3回目になりました。選挙は3年間で2回しています。その意味で、先輩、同僚議員に勝るものは選挙の数だけでございます。  本日は、傍聴にもたくさんおいでいただいていますので、老骨にむち打って、気合を入れて質問いたします。  平成24年4月1日、本市は全国で20番目の政令指定都市となります。議会執行部、市民の皆様の御苦労によって念願がかなったということです。一面では多くの希望、期待もありますが、ある面では心配も苦労も多々あるような気がいたします。政令市にはなったけれどもと市民の皆様に言われないように、政令市になってよかったと言われるような熊本市を目指して、議会、執行部ともに手を取り合いながら市民のために汗を流しましょう。  それでは、政令指定都市になるゆえにいろいろな問題を抱えることになりますので、それらの問題について質問いたします。  教育に関し、3点お尋ねします。  まず、政令指定都市移行に伴う教職員の人事異動についてお伺いいたします。  政令市移行に伴う熊本市への教職員の人事権の移譲につきましては、これまでたびたび質問がなされているところでありますが、教職員にとりましても重要な関心事項であり、先生方の理解が得られないままの決定では、教育現場のモチベーションの低下を招くとともに、子供たちへの影響も懸念されるところであります。そこで、この問題につきまして改めてお尋ねいたします。  教職員の採用選考と人事異動につきましては、県の教育委員会とおおむねの合意ができたとお聞きしておりますが、人事異動につきましては、平成24年4月1日現在で熊本市内の学校に在職している教職員は、熊本市で任用することになると理解しております。  しかしながら、熊本市内に住居がありながら、単身赴任または遠距離通勤などで、現在、市外の学校に通われている方も多数おられます。県・市教育委員会が合同で実施された採用から5年目以内の若手教職員全員を対象とした意向調査によれば、市内での勤務希望者は48%、414人だったとの結果が出ております。希望者が半数に満たなかったとはいえ、希望者すべての熊本市内への人事配置は定数の関係から困難であると思われます。そこで、熊本市への任用希望者の優先順位の決定方法や今後の計画についてどのように考えておられるか、教育長にお尋ねいたします。  また、熊本市内には管外から交流に来ておられる校長先生や、富合、城南、植木など合併によって熊本市内になった学校の校長先生が多数おられると聞いております。そのような管理職の先生は、政令市移行に伴ってもう帰れなくなってしまうのではないか、また逆に、熊本市内から平成24年度4月の異動で強制的に市外に出されるのではないかといった不安があるのではないでしょうか。あわせて、そのような管理職の異動をどのように考えておられるのか、教育長にお尋ねいたします。  次に、特色ある学校教育への取り組みについてお伺いいたします。  熊本市は富合、城南、植木の合併3町に配置してある教育委員会分室を来年3月末をもって廃止するとの方針を決定されました。この分室の廃止につきましては、政令指定都市移行に伴う教育委員会の組織改編や機能の一元化などとの説明であり、一定の理解をしているところでございます。  しかしながら、一方で合併3町の小中学校に子供を通わせている保護者の方々の中には、今回の決定に伴い、それぞれの地域で行われている小中学校の教育方針が大きく変更されるのではないかという不安を持っておられる方々が多数いらっしゃることも事実です。  従来から合併3町におきましては、植木町が実施している小学校の英会話科の設置や城南町の退職教員派遣事業など、それぞれ独自の特色ある教育に取り組んでまいりました。  私の地元である富合町におきましても、教育の町として、英語力の向上と国際感覚を養うことを目的とした平成元年からの英語指導助手の早期導入、平成4年度からの学校週5日制のモデル校など、学校教育に関して常に他に先駆けた研究や実践を率先して行ってきたところでございます。  さらに、小中学校は1校という特性を生かし、双方の連携を強化することにより児童・生徒の個々の力を伸ばすことを目的として、平成16年からは富合小中一貫教育を開始いたしました。この取り組みの特徴としましては、国際科の新たな設置による小学校5年生からの英語授業、また、日本の伝統文化に触れることと地域住民とのコミュニケーションを図ることを目的とした地元講師による茶道、三味線、郷土史などを体験する伝統文化活動などを行っていることなどが挙げられます。  また、生き方創造科の設置により、従来の道徳の授業を、奉仕活動や野外体験などを実践的に行うことで日常や将来の生活において適切な行動ができる力を養うなど、子供たちの学力の向上や人間性をはぐくむ教育を行っているところでございます。  私が懸念いたしますのは、このような各地域で取り組まれてきた特色ある学校教育が、今回の教育委員会分室廃止により、他の小中学校との均衡を図るため廃止されるのではないかということでございます。  そこで、このような特色ある学校教育についての認識、並びに今後どのように継続していかれるお考えなのか、お答えください。          〔廣塚昌子教育長 登壇〕 ◎廣塚昌子 教育長  教育についての3点のお尋ねにお答えいたします。  1点目の熊本市への任用希望者の優先順位についてでございますが、本年10月に定めました教育都市熊本の教職員像を基準としながら、本市の教育への理解があり、熱意にあふれる人材を任用してまいりたいと考えております。  また、今後の異動計画についてでございますが、平成24年4月1日に本市に在籍する教職員は本市任用の教職員となりますが、政令指定都市移行に伴う経過措置といたしまして、平成24年度までの県の選考による採用者につきましては、県が定めました異動ルールを適用することとしております。  平成19年度以降の採用者につきましては、異動ルールが終了しておりませんので、平成25年度から平成30年度において異動ルールの適用が終了した者で、本市への任用を希望する者の中から面接を実施し、各年度一定程度の人数を熊本市に受け入れることとしております。  議員御案内のように、教職員定数には限りがある中で、すべての方の異動希望を実現することは難しい面もございますが、県市協議の上、本市教育を担う人材の任用に努めてまいりたいと考えております。  2点目の管理職の異動についてでございますが、現在、本市には熊本市外からの転入の管理職や旧富合町、城南町、植木町との合併により熊本市勤務となった管理職がおります。このうち、市外からの転入の管理職につきましては、県との取り決めにより、これまで同様2年から3年で市外に転出することになっております。  また、合併によって熊本市勤務となった管理職につきましては、本人の希望を踏まえ、県と協議しながら継続しての熊本市の勤務か、あるいは転出かなどを決定していくことにしております。  今後とも政令指定都市、また県都として市立学校の活性化はもちろん、県下全体の教育水準の維持向上という視点も踏まえ、県と協議しながら一定の管理職交流を実施していきたいと考えております。  最後に、特色ある学校教育の認識、継続についてでございますが、富合、城南、植木の3地区におきましては、それぞれ旧町時代から特色ある学校教育が展開されており、本市への合併後も教育委員会分室を中心に引き続きそれぞれの特色ある教育に取り組んでいるところでございます。  今回、区役所の設置を機に、本年度末をもって分室を廃止することとしておりますが、各地区における特色ある教育につきましては、教育委員会のそれぞれの担当部署において引き継いでまいります。  具体的に申し上げますと、まず城南地区の退職教職員派遣事業につきましては、本市で実施しております授業力向上支援員派遣事業と一体化させながら、さらに拡充を図ることとしております。  植木地区の国際理解と英会話科につきましては、現在、国に教育課程特例校の認定期間の延長を申請しているところでございます。  また、富合地区における小中一貫教育につきましては、平成21年度から平成25年度までの5年間、国の教育課程特例校の認定を受けているものでございますが、その効果等について、現在、検証検討委員会において御論議いただいているところでございますので、将来的な方向性につきましては、検討委員会の報告を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  政令市移行の中で、これまでになかった人事異動等の業務の権限移譲が出てきます。教育は人の心、即現場の教育に関係していくものでございます。気配り、心配りを持って対応してもらいたい。  熊本市としての教育の一本化の中で、現在の特色ある3町の教育をさらに伸ばし、おろそかにならないことを強く望みます。  引き続き、公共交通に関する問題についてお尋ねいたします。  幸山市長が常々おっしゃっているように、我が熊本市は73万市民の上水道のすべてを賄う清冽で豊富な地下水に代表される自然、熊本城を中心とした魅力にあふれた歴史文化など恵まれた環境を有し、安全でおいしい農水産物、大学などの教育施設、さらには、医療・福祉施設なども充実しております。大変暮らしやすいまちであります。  このような中で、改めて申し上げるまでもなく、熊本市の最大の弱点といえば交通問題であり、この解決は本市市政の長年の課題でもあります。  特に、利便性の高い公共交通網の充実は、本市が目指す日本一暮らしやすい政令指定都市の実現に向けた最重要課題の一つであると考えます。  ここで、幸山市政における公共交通施策を振り返りますと、市営バス路線の民間移譲、駅前の市電のサイドリザベーションなどの取り組みを推進されてきた一方で、シンボルロードでのトランジットモール化、市電と熊本電鉄との都市部での結節、東部方面の市電延伸などの計画については、渋滞、費用などさまざまな課題もあり、具体的に進んでおらず、公共交通の利用者数を見てもバスを中心に年々減少しているのが現状であります。  このようなことから、幸山市長も、昨年11月の市長選挙において3期目の公約として掲げられた「くまもと再デザイン宣言 選ばれる都市へ」の3つの柱の一つに交通体系の再デザインを掲げられ、この問題の解決になみなみならぬ決意を示されておられます。  さらに、今年度に入って、政令指定都市移行に伴う区バス導入の検討を初め、6月にはドイツのライプツィヒ市で開催された国際会議において、移動権の理念を踏まえた交通基本条例の制定や公共交通のグランドデザインの策定などを表明され、また、8月には、民間バス事業者4社の社長も同席のもと、バス網再編に向けたプロジェクトチームを設置されるなど大変意欲的な取り組みが進められています。  そこで、まず幸山市長にお尋ねいたします。  ただいま申し上げましたように、今熊本市では公共交通の充実に向けたさまざまな施策が矢継ぎ早に展開されつつありますが、幸山市長はこれまでの取り組みの検証や本市公共交通の現状、問題点をどのように認識されてこれらの施策を打ち出されたのか、その基本的なお考えをお尋ねします。さらには、それぞれの施策の関連性やねらいなどについて、あわせてお考えをお聞かせください。  引き続き、公共交通問題に関し、特に身近な市民の足を確保するコミュニティ路線について幾つかお尋ねいたします。
     今日、公共交通の衰退などで過疎地域などを中心に日常生活の中での移動を自家用車に頼らざるを得ない状況の中で、高齢者や障がい者など、みずから運転ができず、移動が困難な人がふえている状況にあります。このような問題を解消するために国土交通省では、当初、移動権の保障を盛り込んだ交通基本法の制定を目指しておりましたが、移動権を保障するための具体的な手段や必要な財源の確保が不透明な状況のため、現在、国会に提出されている法案では、移動権に関しては大分トーンダウンしているようであります。  また、福岡市では、平成22年3月に移動権の保障が明記された公共交通空白地等及び移動制約者に係る生活交通の確保に関する条例を制定しています。この条例では、最寄りのバス停等から1キロメートル以上離れている地域を交通空白地域、また500メートル以上離れている地域を交通不便地域と定義し、さらに高低差など交通不便地域に準ずると市長が認める地域を交通空白地域等と呼び、市は、これらの地域に対する生活交通の確保に向け、市民や公共交通事業者と連携協力し、必要な支援を行うよう努めるとされています。  しかしながら、実際には西鉄の撤退によりバス路線がなくなり、交通空白地域等になった場合については、地域住民やバス事業者との連携により代替手段の確保に向けた取り組みがなされているものの、もともとバス路線がない地域に関しては対応されていないのが現状です。  このような中、熊本市では今回の区バス導入において、既存路線の延伸や路線見直しによる区役所へのアクセス強化とともに、これまで効率性や採算性の問題から、既存バス路線がなかった地域に6路線9系統のコミュニティバス路線が新設されることとなっております。  さらに、これを契機として、今後、移動権の理念を踏まえた公共交通基本条例を制定するとともに、公共交通不便地域などに対し、積極的な対応を図っていくことを表明されているところであり、私の地元である富合町を初め、これまでバスの利便性が悪かった地域住民から今後の事業展開に大きな期待が寄せられています。  そこで、お尋ねします。  これまでの国や福岡市の事例から、交通不便地域等に積極的に対応していくためには、公共交通基本条例の制定とともに並行して最低限確保すべき公共交通の利用環境を明確にするとともに、具体的な対応策や必要な財源確保等についても検討していく必要があると思います。  熊本市における交通不便地域等への対応に関する具体的な制度設計はこれから構築されていくものと思いますが、交通不便地域等への対応策について、現時点でどのように考えておられるのか、また、現在、どのような検討がなされているのか、お聞かせください。  さらに、来年4月から本格的に運行することとなるコミュニティ路線については、行政と市民に共通する目標として収支率30%を掲げ、これを達成するため地域住民やバス事業者と連携し、取り組んでいくとされております。せっかくこれまでバスがなかった地域にバス路線が新たに設けられるわけですから、地域住民みずからが自分たちの足をみずからの努力で末永く守り育てていく必要があると思います。また、行政としても地域住民の創意工夫を引き出すようなアドバイザーとして、あるいは住民と事業者との調整役として積極的な役割を果たしていただきたいと考えるものであります。そこで、住民や事業者との協議について、具体的にどのようなやり方で進めていかれるおつもりなのか。  以上、2点については都市建設局長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、公共交通の充実についての中での、公共交通施策の基本的な考え方と各施策の関連性及びねらいにつきましてお答えさせていただきたいと存じます。  私は、市長に就任して以来、あさってでちょうど10年目に入ることになりますけれども、公共交通の充実に向けたさまざまな施策、いろいろな課題の中で取り組んできたところでございます。数字を見てみますと、ここ10年間の公共交通の利用者数の推移でございますが、JRや市電などほぼ横ばいではございますが、バスに関しましては約3割減少しているという状況でございまして、依然として過度に自動車交通に依存している状況でございます。  このような中で、具体化できなかったこれまでの取り組みを検証いたしますと、公共交通の充実を図る上での施策につきましては、本市の公共交通体系全体の中での位置づけを明確にし、そして、その必要性について全市的な合意形成が不可欠であったと認識するものでございます。  このような現実を踏まえまして、私は公共交通の再デザインに向けた取り組みを進めてまいります上で、大きく2つの視点が必要であると考えております。  まず、1つ目でございますが、それは参画と協働という視点でございます。今後、公共交通を充実し、過度に自家用車に頼らない社会を形成してまいりますためには、市民の皆様方の理解と協力とが不可欠でございまして、そこで、本年度内には市民にわかりやすい形で市としての公共交通グランドデザインのたたき台を作成させていただきまして、幅広い議論を賜り、公共交通体系の目指すべき将来像につきまして、市民の皆様方と認識を共有してまいりたいと考えております。  加えまして、この望ましい将来像の実現のためには、市民の皆様方や事業者、そして、私ども行政、それぞれに役割を担い、協働で取り組んでまいる必要がありますことから、公共交通に対する基本的な理念や考え方、市民、事業者、行政の役割と参画と協働の仕組みづくりなどにつきまして、基本的な事項を定めました、仮称でございますけれども、公共交通基本条例の制定に取り組むこととしたものであります。  続きまして、2点目の視点でございますが、それは行政の積極的な関与という視点でございます。  これまで本市におきましては、九州産業交通の再建問題を初め、バス事業者の経営悪化が深刻化いたします中、地方バス路線維持費助成などの充実を図りますとともに、本市交通局のバス路線網の民間移譲を進めますなど、事業者支援に取り組んできたところであります。  これらの施策によりまして、民間バス事業者の経営安定化につきましては一定の効果を上げたところではありますが、先ほど申し上げましたように、バス利用者の減少に歯どめがかからない状況の中で、将来にわたりまして公共交通を維持、充実してまいりますためには、これまでの側面的な支援のみならず、行政みずからが事業者の牽引役、あるいは調整役としてこれまで以上に積極的に関与していく必要があると考えております。  そこで、現在、民間バス事業者と連携し、取り組んでおりますバス網再編につきまして本市が呼びかけ、民間バス4社とともにプロジェクトチームを組織いたしますとともに、本市が事務局となって検討作業を進めているものであります。  さらに、政令指定都市移行に伴い来年4月から導入する区バスにつきましても、区役所へのアクセス強化にとどまらず、これを契機として本市公共交通の再デザインを進めますため、地域連携計画で示されたこれまでの既存のバス路線が走っていなかった、いわゆる交通不便地域などに対しまして、行政が計画主体となり運行する行政バスとしてコミュニティ路線を新設したところであります。  このような交通不便地域などへの対応につきましては、今後、これを契機に運行の手段や運行の主体などについて検討しながら、さらに充実させていきたいと考えておりまして、先ほどの(仮称)熊本市公共交通基本条例におきましても、移動権の理念を踏まえ、制定を進めてまいる所存であります。  いずれにいたしましても、公共交通を守り、充実させてまいりますことは日本一暮らしやすい政令指定都市を実現し、そして、選ばれる都市を目指す本市にとりまして最重要課題の一つと認識いたしておりまして、市が積極的にリードし、また、責任を果たしながら全市一丸となって取り組んでいきたいと考えております。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  私からは、交通不便地域などの検討状況と住民や事業者との協議の進め方につきましてお答え申し上げます。  交通不便地域などに対する対応を具体的に進めていくためには、議員御指摘のとおり、(仮称)公共交通基本条例の制定作業と並行して、最低限確保すべき公共交通の利用環境を明確にする必要があると考えております。  具体的には、まずはバス停や駅からの距離を基本として高低差などを考慮し、公共交通不便地域などの定義を明らかにするとともに、基本的な運行経路や頻度などについてのサービス水準を明らかにしていきたいと考えております。  また、あわせて道路や集落などの地域の実情に応じた効率的な運行手法や必要な経費などについても十分検討してまいります。  2点目の来年4月から運行を開始する区バス、コミュニティ路線の住民との協議の具体的な進め方につきましては、まずはそれぞれの区役所に担当窓口を設置いたしまして、運行開始後の利用状況を把握するとともに、地域住民との定期的な協議の場を設定いたしまして、利用状況を報告し、改善策などについての話し合いを行っていきたいと考えております。  あわせて、運行事業者との連絡調整も密に行いながら、多くの地域住民から利用していただけるよう、実際の運行に住民意見が適宜反映されるよう努めてまいりたいと考えております。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  幸山市長からは、熊本市が積極的にリーダーシップを発揮し、市民や事業者とともに公共交通の再デザインに取り組む等、熊本市の長年の懸案である交通問題の解決に強い決意を示されました。ぜひ、高齢者や農村部の住民を初めすべての市民が暮らしやすいまちづくりに向け、公共交通の充実に全力で取り組んでいただきたいと思うものでございます。  また、都市建設局長からは、今後、交通不便地域に対し具体的に対応していくとのことでございますし、4月から運行する区バスのコミュニティ路線についても、区役所に相談窓口を置いて、地域住民の皆さんと話し合いを進めるとのことであります。住民ニーズを的確に把握しながら、多くの方に利用されるよう努めていただきたいと思います。  次に、県からの権限移譲に伴う土木関連事業の着実な推進についてお尋ねしたいと思います。  既に申すまでもなく、本市が政令指定都市に移行するに当たって、県と協議の上、移譲される権限は300余りに及んでおります。  特に、土木部門におきましては、河川の管理や整備、国道3号、57号、208号を除く国県道の管理及び建設、水前寺江津湖公園の湖面まで含めた一体的管理、また、これまで県で行っていた規模の大きい公園や都市計画道路などの決定につきましても、今後、市が主体的に行うことが可能となります。  中でも、道路事業につきましては、これまで県と市という異なる道路管理者で行っていた事業計画を、政令指定都市移行後は、本市が国県道及び市道を一体的に考える中で、主体的に優先順位を定め、策定することが可能となり、より本市の実情に即した計画的でかつ迅速なまちづくりを進めることが可能となるものと期待しているところであります。  しかしながら、一方では、これまで県と市で分担して計画し整備していたものが、市に一本化されることで土木職員の人員や実施体制の確保は大丈夫だろうか。これまでより整備のペースが落ちてしまうのではないか。また、合併した富合、城南、植木の3町関係の区役所には旧町道などの整備、管理等を行う地域整備室が設置されますが、土木センターとの連携はしっかりとれるのだろうか。さらには、西環状道路といった高度な技術が求められる土木工事も移譲されますが、職員は技術的に対応できるのだろうかなど、心配される点も多々あるわけでございます。  そこでまず、今後、これまで以上に市民の要望、相談を本市の道路計画に生かし、市域の一体的まちづくりに生かしていくための土木センター等の出先機関や区役所の地域整備室との役割分担、連携など、政令指定都市移行後の土木事業を進めるための組織体制、推進体制についてお尋ねいたします。  また、県から本市に移譲される国県道の延長は約400キロメートル近くに及ぶと聞いておりますが、これは実に北九州市から鹿児島市までの国道3号の道路延長に匹敵する膨大な長さであります。これを管理するための土木事業の業務量は飛躍的に増大するのは確実ですし、西環状道路といった地域高規格道路の建設は本市にとっていまだ経験のない土木事業なのではないでしょうか。  さらに、幹線道路としての国県道と生活道路としての市道とはその整備や維持管理の方法も異なるなど、これまで以上に職員の技術力向上が求められることになります。そこで、国県道の引き継ぎによる業務量の増加への対応と職員の技術力向上、以上、大きく2点につきまして都市建設局長にお尋ねいたします。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  権限移譲に伴う土木関連事業の着実な推進との観点からの御質問にお答え申し上げます。  まず、来年度の土木関連業務の組織についてでございますが、本庁に道路、河川、公園事業などそれぞれの事業を取りまとめ、主管する課を設置することといたしております。この本庁主管課では、国との連絡調整や計画策定、事業や予算の進捗管理、土木センターなどの出先機関との総合調整を実施することといたしております。  また、土木センターなどの出先機関では、道路、河川、公園などの都市施設整備に向けた用地の取得や工事、境界確認業務や占用許可業務を実施することを予定しております。  このような組織体制のもと、住民の皆様方から寄せられた御意見を、本庁、土木センター、地域整備室及び区役所の土木業務に関する相談窓口で把握、共有し、全体調整を行い、各事業計画を策定するなどに努めることにより、地域一体のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  次に、国県道の引き継ぎに関してでございますが、政令指定都市移行によりまして、現在、工事が進められている熊本西環状道路を含めて56路線、約388キロメートルに及ぶ国県道を引き継ぐことになります。  そこで、現在、県市幹部職員による意見交換会を設置し、引き継ぎに向けた問題、課題の整理を行うとともに、担当職員レベルにおきましても、業務ごとの進捗状況の確認や課題の整理など綿密な打ち合わせを適宜実施しているところでございます。  議員御指摘の引き継ぎによる業務量増加への対応につきましては、土木業務全般を総合的に支援するシステムの構築や、電子申請の導入により業務全般の効率化や、本庁と土木センターなどの出先機関との情報の共有化を図ることといたしております。  また、職員の技術力向上につきましては、本年度14人の土木技術職員及び事務職員を県の関係部署に派遣し実務研修を行っており、さらに来年度以降は相当数の県職員の人員派遣をお願いし、こうした交流による職員の技術力向上を目指すとともに、大規模な土木事業へ対応した組織体制の充実を構築してまいります。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  新たな業務の引き継ぎについては、意見交換会や課題の整理など綿密な打ち合わせを実施されており、万全を期されているとの答弁で、私の心配事もある程度解消いたしました。  しかしながら、引き継ぎ業務に注視する余り、今までの業務に支障を来しては何にもなりませんので、フォローアップ体制の整備についてもお願いしておきます。  また、区役所との連携については、本庁や土木センターで把握し、全体調整を行うとの答弁でしたが、合併した富合、城南、植木の3町についても、サービスの低下にならないように確実な連携をお願いいたします。  次に、都市計画について質問いたします。  この件につきましては、定数特例での富合選出の市議会議員として、旧富合町にとりましては最も重要な問題として平成21年3月議会と平成22年6月議会において質問しています。執行部におかれても御理解はいただいていると思いますが、再度、過去の経緯を述べて質問いたします。  旧富合町は、昭和46年、アンケート調査では住民の85%以上の反対の中で熊本都市計画区域に指定されました。  その当時の議員の中で先見の明のある方は、熊本都市計画区域に指定され、線引きされると、隣の市、隣の町は住宅が建ち並ぶが、道路、用水路一本隔てて富合町は住宅が建てられず、農地のまま活気、活力もなくなると予見されました。結果は全くそのとおりになりました。  農家の次男、三男は何とか家を建てることができましたが、サラリーマンは家を建てたくとも家を建てられない。生まれ育った富合町に住居を構え、住みたいと願っても、無情な法があるゆえに住むことができず、そのために仕方なく熊本市、宇土市、松橋町、城南町にと多くの方が富合町を出て、住居を構えられました。  当時、熊本市は福岡、博多を追い越せ、追い抜けとの可能性がまだまだあったときでしょう。  まず熊本市に住宅等が建ち、ある程度熊本市が活性化すれば、次は旧富合町の土地の規制も解けて、住宅建築等の土地開発ができると大きな期待、淡い期待を富合住民は抱いていました。しかしながら、本当のところ、旧富合町が熊本都市計画区域に組み込まれたのは、熊本都市圏の中の区域区分の比率、すなわち市街化区域と調整区域が主な要因であったと思われます。  旧富合町は、当時21の集落が点々と存在する町で、集落の面積も狭く、人口密度も低い。住宅も少ない状況で、市街化区域に位置づけしようとしても法的に無理、その分市街化区域が熊本市に回されたと思います。熊本都市圏形成の都合で熊本都市計画区域に組み込まれたと推測します。  また、一つには富合町にだらだらと住宅が建てば、熊本市の住居等が建築されにくくなる。まちづくりの活力が鈍る。そこでスプロール化現象を防ぐために熊本都市計画区域に組み込まれたものと思います。  昭和46年、旧富合町の住宅建築が許される市街化区域は全面積のわずか1.9%、市街化調整区域は98.1%。ちなみに、熊本市は都市計画区域1万7,172ヘクタール、市街化区域率は48%、調整区域は52%。城南町、植木町は非線引き。  人口の推移を見ますと、富合町は、昭和46年8,552名、平成13年8,037名、平成18年7,959名、平成23年10月8,625名。城南町は、昭和46年1万4,028名、平成13年1万9,527名、平成23年2万369名。植木町は、昭和46年2万3,713名、平成13年3万1,715名、平成23年3万612名。人口の推移を見ればわかりますように、昭和46年熊本都市計画区域に入って土地の利用に制限を受けたことによって、バブル経済時にも住宅は建てられず、いかに人口が減少したか、一目瞭然です。  人口が減ることで集落も人が減り、元気がなくなりました。その集落の中でいろいろななりわいをしていた方も生活ができなくなり、転職、廃業された方もたくさんおられました。このようなことで住民に目を向けたまちづくりができるはずがありませんし、また、実際にできませんでした。  隣市、隣町はどんどん人口がふえ、活力が出ていく。ハード面、ソフト面、インフラ整備も進んでいく。一方、富合町は、隣市、隣町に比較してインフラ整備もできず、もちろん住民サービスも低下していくような状況でした。  そこで、土地利用に制限を受けてのまちづくりはできないとの思いで、時の執行部、議会一体となって都市計画の抜本的な見直しの陳情をまず熊本県に、そして、国交省、農水省にテーブルを囲んで何年も何年も行いました。もちろん、国会議員の先生に同道していただき、手伝ってもらいました。  当初は、どうにかしてほしい、見直しをしてほしいと県にお願いに行っても、気持ちは理解できるが、熊本都市計画区域の中で市街化区域がまだまだたくさん残っている、そこが開発されてからでないと見直しはできないと言われるのがいつものことでした。  また、隣市、隣町の皆さんからは、「富合町は熊本市の隣だから、人口がどんどんふえてよかなあ」とよく言われました。しかし、実際そうではないことを知っていただき、最終的には宇城郡市の1市8町1村の自治体の長、議会の長の皆さんが、富合町が熊本都市計画区域の中で土地利用ができなくて、まちづくりが全くできない状況をよく理解していただき、行政区は異なりますが、友達、仲間として富合町のために時の県知事に全員で頭を下げ、お願い、陳情をしていただきました。  そこで県も富合町の置かれている状況を理解され、そして、協力いただき、平成13年に富合町の長い長い念願であった熊本都市計画区域からの離脱、そして、線引きのないまちづくりがやっとできるようになった次第です。全国で富山県の舟橋村に次いで2つ目の見直しで、3つ目はありません。  土地利用に制限を受けること、土地利用ができないことがどういうものか。集落が機能をなくし、家がなくなり、高齢化が進む。お年寄りにとっては、日常の買い物をする店もなければ、交通機関もない。この上なく不便な地区、集落になります。  くどいと思いますが、富合町のように集落が点々としているような地域は線引きされると調整区域だけ、これが旧富合町の長年経験した独自のまちづくりができない、まちづくりしたくともできなかった苦い、苦しい暗黒の時代の実態であり、経緯です。  旧富合町は平成20年10月6日に熊本市に合併しました。富合の人口は約8,000名、政令市の人口要件の70万にはほど遠く、政令市はまだ夢のような状況でした。  市長を初め執行部の皆さん、よく思い出してください。旧富合町は政令市になるために熊本市と合併したわけではありません。  執行部にも先輩、同僚議員にも、富合町が熊本都市計画区域の線引きによってまちづくりができなかったこと等を知っていただきたいとの思いで1回目、平成21年3月の議会で質問しました。当時は、城南町も植木町も熊本市との合併がどうなるのかわからないようなときでした。さきに言いましたように、もちろん政令市がどういうものか、全然実感できない状況でした。  そのような中で、1点は政令指定都市となった場合の都市計画の方向性と取り組み、2点は、都市計画の線引きは必要な地域・地区もありますが、地域・地区の活力をなくし、地区力を崩壊させる弊害があるとの質問に、時代の変化に応じた制度の見直しの必要があるとの市長の見解もいただいています。  2回目は、平成22年6月議会で質問しています。このときは城南町も植木町も熊本市と合併され、政令市が現実味を帯び、都市計画についても徐々に進められていくのではないかとの思いで質問しました。  質問の趣旨は、前回の質問の検証、旧富合町の地域の声や実情を踏まえ、熊本市として国に対してどのような働きかけをされたのか、国の都市計画の制度の見直しの現状、新潟市、相模原市の線引きがされていない実情、政令市になれば、すぐではないがいずれは行われるであろう線引き作業に対して、地域住民の意見を聞く場の設定の有無があるのか等の質問をいたしました。そのときには丁寧なる御答弁を執行部からいただいたと思っていました。  ところが、6月定例会終了後、急激な進展、あわただしく都市計画の動きが始まり出しました。地区説明、住民に対する説明が決して悪いと言うつもりはありません。  都市計画については、さきに述べましたように旧富合町は線引きされたアレルギーがあります。城南町、植木町はこれまで非線引きの地域でしたので線引きの受けとめ方も異なり、問題点の理解がなかなかできなかったのではないかと思われますが、まず2点についてお尋ねします。  1つ目、地区説明、住民説明の内容。その行政の説明を通して、住民の反応、受けとめ方をどう理解されたか。理解は得られたのか。2つ目、結論ありきで、時間的制約の中で線引きを進めていると感じざるを得ないが、その点はどうなのか。2点、お尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  政令市に向けての問題点の中での都市計画の区域区分につきまして、主に2点、お尋ねがございましたので、お答えさせていただきたいと存じます。  まず、改めてではございますが、この10月18日に熊本市の政令指定都市の指定に係る政令改正が閣議決定をされたところでございまして、そして、21日に政令が公布されたところでございます。このことにより、平成24年4月1日の熊本市の政令指定都市移行が正式に決定したものでございます。  このことは、富合町、そして、城南町、植木町、この3町の合併があって実現したものでございまして、議員各位を初めといたしまして3町の皆様方に対しまして大変感謝しているところでございます。特に富合町の皆様方におかれましては、本市の合併の道筋がなかなか見えない中におきまして、本市との合併の道を選択していただきまして、そのことが先ほど申し上げた城南、植木の合併にもつながったということ、改めまして感謝申し上げるところでございます。  そして、この合併につきましては、決して平坦な道のりではございませんでした。賛成、反対、さまざまな議論の中でのことでもございまして、そして、皆様方におかれましては大変な決断であったと認識しているものでございます。  さて、区域区分、いわゆる線引き制度についてでございますが、農林漁業との健全な調和を図りつつ、都市としての健全な発展を適正な制限のもとに実現しようとする都市計画の根幹となるものでございます。制限を受けることになる個人にとりましてさまざまな御意見が出るということは、十分承知いたしております。  しかしながら、新しい熊本市が一体となって発展をしてまいりますためには、4つの都市計画区域を一体のものとして再編させていただき、その全域に線引き制度を導入し、市街化区域と市街化調整区域に区域区分することが、秩序ある都市構造の実現のため大変重要なことであるとも考えているものであります。  都市計画に関する取り組みに当たりましては、合併協議における議論も踏まえまして、平成22年6月からこれまで旧3町の特例区協議会委員、嘱託員、農業委員などの地域の代表者を初めといたしまして、地域住民の皆様方に対し、区域区分や集落内開発制度の内容につきまして御理解をいただきますとともに、御意見を賜りますための説明会等を開催してきたところでございます。  その中で御意見といたしましては、市街化区域にしてほしい、あるいは市街化区域にはしてほしくないと相反するような御意見ももちろんございましたし、さらには、固定資産税などが高くなるのではないか。あるいは、市街化調整区域になると何も建てられなくなるのではないかといった御懸念の声、さらには、線引き制度は要らないなどさまざまな御意見、御要望を多数受けてきたところでございます。  このため、3町の総合支所内におきまして都市計画課の臨時相談窓口を設置いたしますとともに、富合町におきましては各集落単位での個別相談会を開催させていただき、個々の御意見や御懸念に対応させていただきますなど、できる限り丁寧な説明に努めてきたところでございます。  線引きにつきまして、結論ありきで取り組んでいるのではとのお尋ねでもございますが、この線引きに関する住民の皆様方の不安事項や、あるいは問題点につきましては、各町における合併協議におきましても議論となっておりました。  特に市街化調整区域におきまして、土地の利活用ができなくなる。あるいは人口が減少し、地域が衰退するなどの懸念の声が強かったところでございまして、そのことにつきましては、私も今でもはっきりと記憶しているものでございます。  特に富合町ではこの点を憂慮されまして、平成19年10月でございますが、当時の富合町議会から熊本市長、私に対しまして要望書が提出されたところでございます。この要望書におきましては、合併後に政令指定都市となり、線引きを余儀なくされる場合に、過去の経緯から富合町民の心配を払拭するために線引きを前提とした集落内開発制度の創設について記載されたものでございました。  このような経緯のもと、近年の農業を取り巻きます厳しい環境や、あるいは地域コミュニティの維持を考慮し、集落内開発制度につきましては、平成22年度に制度化させていただいたものでございます。  したがいまして、地元説明会等におきましては、線引きを前提として市街化区域、市街化調整区域、さらには集落内開発制度の制度概要や土地利用などにつきまして説明をしてまいったところでございます。          (傍聴席より発言する者あり) ○津田征士郎 議長  傍聴人に申し上げます。静粛に願います。
     議事について騒ぎたてることを禁止されておりますので、静粛に願います。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  線引き制度は農林漁業との健全な調和を図りつつ、都市としての健全な発展を適正な制限のもとに実現しようとする都市計画の根幹をなすものである。都市計画法は、40年以上経過しています。農業、林業、漁業との調和とありますが、40年もたてばすべてさま変わりしております。このことからして、この法が地区・地域の現状にそぐわないことは歴然としております。  また、熊本市が一体となって発展していくためには、4つの都市計画区域を一体のものとして再編するとの答弁ですが、言葉として一体とするというのは、何となく引き込まれそうなよい言葉です。  それぞれの町には、歴史、経緯がそれぞれございます。それぞれを無視し、配慮せずして、さも当然のように事業推進をされることに問題が生じてきていると思っております。  また、結論ありきということにつきまして、集落内開発制度の要望書が出ているという市長の答弁でございました。このことをいつも鬼の首をとったように、錦の御旗を立てたように言われるわけでございます。  当時、私たちの富合町は、熊本市だ、反熊本市だと合併問題で殺気立っていたときでございます。政令指定都市なんて眼中にございませんでした。幸山市長は富合町の合併を一番望んでおられました。その中で、宇土富合都市計画の件で、都市計画はどうするのか、また以前に戻るのか、合併論議でいろいろなうわさが出ておりました。窮余の一策として、幸山市長の願いにこたえるべき集落内開発を要望として提出した次第でございます。そういう状況でございました。決して、政令指定都市なんて私たちは眼中になかったですよ。だれもわからなかったんです。  後日聞いた話では、熊本県でこの制度はその当時できているのか、できようとしているのかという状況であったそうでございます。旧富合町民のだれも知らない、そういう集落内開発、そういう制度であったことをここでもう一回認識していただきたいと思います。  私も富合町全体、地区の説明会に何回か参加しています。富合町の場合は、まず行政不信、聞く耳がない。政令指定都市を望んで、目指して熊本市と合併したのではない。昭和46年より土地の利用ができなかった。それが、やっと平成13年度に土地の規制がとれた。これから土地の有効活用ができる、活用したい、そして、熊本市と合併したから、より一層の土地の活用ができると思っていたのが、反対に、また土地の規制を受ける。熊本市と合併して期待が大きかった分、この反発は並でないと思います。  また、地域によってさまざまな意見があります。これらの対応に理解を得られているのか。富合町でも杉島地区、小岩瀬地区は、宇土富合都市計画では市街化区域になっていましたが、地形的な新幹線と農地等の立地条件でなかなか市街化区域としての開発ができなかったわけでございます。その地区も前回のように市街化区域として計画されている。道路、用排水路の整備をしてほしいという地区もございます。  また、3号線東側の沿線50メートルでは、前回は準工業地の用途指定がしてあったが、今回は市街化区域もあれば、一方では調整区域もある。その調整区域として計画される土地は、担保物件としての価値が半減し、追加担保が要求される可能性もあり、訴訟を辞せずという地権者もおられます。  区画整理を計画されている中心部では、組合施行では過去の経緯もあり絶対不可能との思いで、市側の調査を地区として拒否されております。  非線引きになり、いずれは子供の家の建築をあと四、五年のうちにはと計画されていたが、急な線引きで資金計画も立てられず、断念された家庭もございます。一方では、急ぎ対応しなければ家を永久に建てられないとの思いで、今のうちにと転用をされる方がここ2カ月のうちに100件以上あると聞いております。城南町においても同じような状況であると聞いています。  城南町も我が会派の大島議員がさきの9月議会で、合併の混乱の中で、また、城南町が熊本市と合併しても政令市の人口要件の70万になるわけでもなく、都市計画の線引きについては合併協議会でも真剣に協議はしていない、住民の皆様にも説明もしていない、もちろん理解もできてない、理解をしてもらう時間がぜひとも必要だ、このまま進んでいくとこれから非常に心配だと質問されております。  政令指定都市となる平成24年4月1日には線引きを完了しなければならないとの動きが、何か急に加速化してきた感じを受けています。  総務省が線引きしなければ政令指定都市にしないとの発言が、執行部から富合町の説明会の場であったことが大きな要因であると思います。  新潟市、相模原市の線引きは棚に上げて、最後の政令市予定の熊本市については線引きをしないと政令市にはしない。これはどういうことでしょうか。  私は、富合町のために熊本県も熊本市民、熊本市の議会、行政が一生懸命願い、望んでこられたことが破綻することになれば迷惑をかけることになるとためらいもありましたが、熊本市としてはこれほどまでに総務省、霞が関から軽んじられているのか、熊本市の執行部はこのくらいの腰の座りかと怒りがわき上がってまいりました。  また、このことについては、国会議員のある先生に総務省、国交省に出向いていただいて、両省の見解を文書として残していただいています。私も異なる国会議員の先生に総務省の見解をお尋ねしてもらいましたが、総務省は小さいことは言わない、粛々と政令市に向けて進むだけとの返事をもらっています。  私たちも、小さな自治体の旧富合町の時代ではありますが、毎年熊本選出の国会議員に同行願い、霞が関に陳情に行きましたが、霞が関の官僚は、代議士の顔は立てるが、地方議員には顔を向けてくれない。代議士はもちろん私たちに顔を向けていただく三すくみの状況を体験してきました。  都市計画が旧富合町、旧城南町、旧植木町にとって本当に大事なものという思いが執行部にあるならば、総務省に対して、都市計画については少し待ってくれ、精一杯住民の理解を得るよう努力しているから、努力するから待ってくれというのが執行部の本来のあり方ではないでしょうか。総務省が政令市にしないというのであれば、新潟市、相模原市はどうか、なぜ差をつけるかとけんかでもしてくるような気骨ある熊本市になってもらいたい。反対に、何かしら総務省の名をかたり、都市計画の事業が進むように、上から目線で線引きの事業がなされているような思いがします。総務省の見解の真偽はいかがか、お尋ねいたします。          (傍聴席より発言する者あり) ○津田征士郎 議長  御静粛に願います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  総務省の見解の真偽につきましてお答えさせていただきます。  本市の政令……          (傍聴席より発言する者あり) ○津田征士郎 議長  ちょっと答弁、待ってください。  議長の命令に従わないときには、地方自治法第130条第1項の規定により退場を命じますから、念のため申し上げます。          (傍聴席より発言する者あり) ○津田征士郎 議長  退場をしてください。退場。退場を命じます。          (傍聴席の発言者、守衛並びに議会事務局職員に促され退場) ○津田征士郎 議長  市長、お願いします。 ◎幸山政史 市長  本市の政令指定都市移行に関する総務省への事前説明におきまして、法律で定められました区域区分、いわゆる線引きの進捗状況につきましての説明を幾度となく求められたものでございます。  新潟市や相模原市など、先ほどもお話がございましたように、政令指定都市になった時点におきまして線引きができていなかった事例が続きましたことから、政令指定都市移行後、本市が線引きにつきましての違法状態とならないよう区域区分、いわゆる線引きの進捗状況に対しまして、現在も総務省に注視されておりまして、新潟市におきましても、結果的には平成23年3月に区域区分を実施されたところでございます。来年4月に政令指定都市に移行する本市には、法令を遵守する義務がございますことから、この区域区分につきましても、法の定めにそぐわない状況にならないように努めたいと考えております。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  合併しなければ政令市にさせない、違法行為であると総務省は言っていると執行部は旧富合町に来て発言されている。私も、政令市にならないようなことになると、富合町のためですばい、熊本市の皆さんにうらまれるですばいと言われたことがある。そう言われると議員として、迷惑をかけることになると一瞬ひるみました。  さきに述べましたように、ある国会議員の先生が、そのことを確かめに総務省に、国交省に行かれたところ、そんなことはないとの文書があり、法はだれのためのものですか、また、その法が地域にそぐわないものであれば、同じ法でも悪法ではないですか。  来年4月には政令指定都市に移行する本市には、法令を遵守する義務があることから、区域区分についても、法の定めにそぐわない状況にならないように努めたいとの答弁でした。地域、市民の声よりも法が最も大事なことと聞こえました。  また、総務省に注視されているとのこと。それほど総務省が怖いのですか。総務省というところは、市民、住民の願いよりも法が、法が、法が、法が大事なところですか。  熊本市は正直者。違法行為と怒られているようですが、違法行為をした新潟市、今もしている相模原市に対して何か処罰はありましたか。寺崎副市長にお尋ねいたします。          〔寺崎秀俊副市長 登壇〕 ◎寺崎秀俊 副市長  まず1点目、市民、住民の願いより法律が大事かというお尋ねでございます。  まず冒頭、私自身、現在総務省は辞職しておりまして、熊本市副市長の立場として御答弁申し上げることを御理解いただきたいと思います。  まず、市民、住民の声を真摯に受けとめますことは大変重要でございます。これまでも市といたしまして丁寧に説明を重ねてまいりましたし、今後とも続けていくことが何よりも大事であると考えております。また、そのためにも集落内開発制度の導入などの対応も行ってきたところでございます。  一方、政令指定都市移行に当たりまして、それにふさわしい自治体であるとされるためには、熊本市は当然に法令を遵守する義務があると認識しております。この点についてもあわせて御理解賜りたいと思います。  新潟市、相模原市に関する御質問でございますが、通常、法律で都道府県や市町村に義務を課す場合、法令の遵守を自治体が行うものというのが当然の前提となっておりますことから、個人などに義務を課す場合と異なりまして、自治体に対し、個別の法律で義務に違反した場合の規定は設けられておりません。このため、新潟市や相模原市のケースにおいて、直接ペナルティーが課されたとは承知いたしておりません。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  私たちの富合町時代にも都市計画の見直しのとき、県から助役が来ておりました。「助役、きつかな、あたは県の立場で。だけど富合町だけん。」って。寺崎副市長はそういう厳しい立場だと思います。これから先、どれだけ頑張っていただくのか。それだけであると思います。  政令市移行に伴い、都市計画者は熊本県と熊本市、県の決定事項は4つの都市計画区域、熊本、植木、城南、宇土・富合の再編と、現在非線引きの旧富合、城南、植木の線引き。市の決定事項は市街化区域の用途指定、手順として素案の作成、公聴会で住民の意見の聴取、意見を踏まえて、都市計画審議会での審議、国県の同意、決定、告示。素案作成の段階で住民の意見の反映が重要と前回答弁があっております。  平成22年12月20日、熊本県都市計画審議会。平成23年3月30日、熊本市都市計画審議会。政令指定都市移行に向けて旧3町の線引きの原案を7月にまとめられております。平成23年8月22日、県公聴会。平成23年9月4日、市公聴会。平成23年10月17日、公開質問状、県知事と市長へ富合の住民の方が出されております。また、平成23年11月18日、その公開質問状の回答が来ております。  この過程の中で富合町から約3,600名の、反対ではなく、政令指定都市と同時の線引きは時期尚早、時間が欲しいとの署名が執行部に上げられています。地区説明、住民への説明は確かに行われましたが、説明に対して要望等への回答が十分にされたと思いません。3,600名の署名の取り扱い。  私も地区の説明会に参加しましたが、地区の区長さんが最後にまとめて、私の区としての要望は時期尚早、皆さんの理解が得られるまでしばらく猶予を欲しいとお願いされましたが、その後、その答えがあったとは聞いていません。地区の要望の取り扱い。  市の都市計画審議会と県の都市計画審議会の役割はどのようになっているのか。  合併3町の地区、住民の声が素直にそのまま届いているのか。その声を真摯に受けていただいて、3町の住民にとっては、このような線引きがなされたら、子供、孫の代までその地区の発展はなく、活力はわきません。  ことしの7月1日、富合町のアスパル富合で行われた区域区分の説明会の最後に、ある地区の区長さんが、「公僕とはなんですか。国、県に顔を向けた事業を推進するのが公僕ですか。今のやり方は、事業の推進は国、県に顔を向けているようにしか見えない。公僕とは地域住民に顔を向け、地域住民の幸せを願って仕事をすることではないでしょうか。」との問いかけがありました。会場は一瞬水を打ったようになりました。都市計画課の職員の答えは一応ありましたが、これは幸山市長に向けられたもの。幸山市長が答えるべきもの。区長さんも市長に答えを求めておられます。  また、だれもが住みたいと思うようなまちづくりとは、抽象的で理解できない思いがいたします。本当は市長が職員6,000名の先頭に立って、市民の幸せを願い、市民に顔を見せた事業の推進をされる。その市政のスタンスこそが、また、その姿を見てこそ、日本一だれもが住みたいまちと思うような熊本市になるのではないでしょうか。この言葉の響きのよさは一瞬です。  3,600名の署名の重み。線引きはまだ理解できていない。そこには、時間をいただきたいとの思い、気持ちが詰まっていると思いませんか。  地区説明の回答。要望があっても回答はしてございません。  公聴会の扱い。多くの方が発言されているようですが、ただ言いっ放し。セレモニーだけですか。  市の都市計画審議会、県の都市計画審議会の審議内容。地区の意見は明確に伝わっているのか。こちらもセレモニーに終わるのでしょうか。  公僕というのはどういうものと受けとめておられますか。  以上、5点、市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、お答えいたします。  まず1点目の3,600名の署名の取り扱いについてでございます。  要望書の趣旨は、区域区分の10年間の猶予ということでございますが、このことも議員のおっしゃる富合の住民の皆様方の線引き制度への強い不満のあらわれと感じておりますが、仮に今回線引きを実施できなかったとしました場合、平成26年度には熊本都市計画区域全体の定期線引き見直しの時期を迎えることになります。  現在、人口減少社会を迎えているところでありまして、この定期見直し時には旧3町域の市街化区域の設定等に関しまして、今回よりも厳しいハードルを覚悟しなければならないと考えております。  そこで、むしろ先延ばしせず、政令指定都市を契機とした現時点におきまして決断しました方が、合併3町の現在の用途地域をおおむねそのまま市街化区域に位置づけさせていただきまして、現行の総合支所周辺を地域拠点として育てていくという将来のまちづくりの考えに資するのではないかと考えたところでございます。  地区の要望の取り扱いについてということでございますが、これまでの説明会や個別相談会などでいただきました御意見や御要望に関しましては、その場でお答えできるものにつきましては回答を差し上げたところでございますが、現地調査や関係機関協議などが必要なものにつきましては、御要望として受け賜っているところでございます。  集落内開発制度区域編入の御要望につきましては、現在、現地再調査などを行っているところでございまして、作業が終わり次第皆様にお知らせしたいと考えているところでございます。  さらに、公聴会での意見の取り扱い、あるいは都市計画審議会の審議内容についてのお尋ねでございますが、公聴会で述べられました意見の取り扱いや都市計画審議会での審議内容についてでございますが、公聴会での御意見や今後実施されます都市計画案の縦覧期間に提出される意見書、さらにはこれまでいただきました要望書などにつきましては、県市で開催されます都市計画審議会にお伝えいたしますとともに、これらの意見に対する県市の考え方を説明し、御議論いただくこととなります。  最後に、公僕とは何かとのお尋ねでございますが、公僕とは広く公衆に奉仕する者、一般的には公務員を指す言葉でございますが、公務員がその職務を行うに当たりましては、その過程におきまして、市民、住民の意見を真摯に受けとめてまいりますことは、当然、求められるものであると考えております。また、一方におきましては、法令を遵守し、公平で公正に職務に当たるべきものであると認識いたしております。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  現在、富合町の有権者は6,000名、署名活動は市議会選挙の真っ最中に行われ、これだけの意思表示があったということです。もう少し真摯に受けとめていただいたらどうでしょうか。  次に、仮に今回線引きを実施できなかった場合、平成26年度には熊本都市計画区域に全体の定期線引き見直しの時期を迎える。新規の市街化区域の設定等に関して厳しいハードルを覚悟しなければならない。富合町の場合は、平成26年度に見直しになればどうなるのでしょうか。  総合支所周辺を地域拠点にするとのことですが、区画整理のことを言われると思いますが、組合施行は他町の例を見ましても無理でございます。地権者の皆さんは立入調査拒否を行っておられます。  全集落を回って地域住民の声を聞いてほしいと担当部局にお願いしていました。その取り組みについては、全集落を回り、要望等を受けておられますが、あくまでも要望は要望。先ほど申しましたように私どもの地区には回答がありません。  公聴会でいろいろ反対の意見が出ておりますけれども、その取り扱いを非常に心配しております。言いっ放し、多分そうなるような思いがいたします。市の都計審、議会選出の審議委員の先生方、よろしく審議をお願いいたします。  平成26年度の見直しになればどうなるのか、そのことについてお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  再度のお尋ねといたしまして、平成26年度に見直しとなるとどうなるのかということにつきまして、お答えさせていただきたいと存じます。  先ほども申し上げましたように、仮に今回線引きを行わないということになりますれば、新たに線引き等の案を作成しなければならなくなりますが、それが平成26年度の定期見直し時の可能性が高いわけでございます。  そうなりますと、今回は平成17年度の国勢調査に基づく推計でございますが、次回となりますれば平成22年の国勢調査をベースに基づく推計による将来人口、これが減少する懸念とともに、今回、合併3町に限って実施する随時見直しと異なりまして、合志市、菊陽町、益城町、嘉島町を含みます熊本都市計画区域全体におきまして、市街化区域等の検討を行うということになりますことから、市街化区域の設定が今回よりも難しいものになるのではと危惧いたしているところでございます。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  平成26年度は非常に不利になるそうでございますけれども、富合町に関しましては、市街化区域はほとんどありません。市街化区域に計画されているところもいろいろ疑問があるようでございます。それを開発できるか、できないか。そういう状況でございます。  昭和46年には1.9%でございます。それからほとんどふえておりません。熊本都市計画区域の中で最大限の被害を受けてきたのが富合町でございます。  何で富合町がのうのうと都市計画区域に入っていたのか、私もやっとわかりました。熊本都市計画区域の中で市街化区域、市街化調整区域の比率が多分あるわけでございます。そういう中で、富合町は集落が21あるけれども、市街化区域になるようなところは全然ございませんから、すべて調整区域。熊本市のために調整区域の中に入れられた。今になって私はそういう思いがするわけでございます。  だから、見直しされるのも皆さん方は結構だと思います。          (傍聴席より発言する者あり) ○津田征士郎 議長  御静粛に願います。 ◆くつき信哉 議員  先月の11月10日に、熊本県の都市計画課と熊本市の都市計画課の4名が、旧富合町の住民がチャーターしたバスで現地視察をしたのではなく、現地視察をさせられております。本来は当然線引きする原案を作成する前に現地に足を運び、集落を両目でしっかりと見据えて初めて線引きの素案づくりをすべきではないですか。現地を知らずして、旧富合町の、城南町の、植木町の地理、状況を知らずして、机に地図を広げて鉛筆なめなめ勝手に線を入れて事業を進めることに疑問を感じないですか。  旧富合町は昭和46年から平成13年まで27年間、線引きの中で、生まれ育った富合に住みたくとも、特にサラリーマンにおいては家は建てられず、他の町、他の市へ後ろ髪を引かれながら多くの方が出ていかれた。これでは富合町は大変なことになるとの思いで、議会、執行部ともども関係官庁に実情を訴えてきました。多くの方の御協力もいただき、都市計画の見直しができたわけです。同じ都市計画法の中でも、都市計画の見直し、離脱は、今回の都市計画の線引き作業に比べるとエネルギーが何十倍、何百倍と、苦労が違います。離脱にはそれだけの苦労があっております。  そのような富合の現場に足を運ぶことなく、鉛筆1本で地図に線を入れ、事業を進められることに、皆さん、怒りを感じられることは当然のことです。  市長にお尋ねします。  これまで、選挙は抜きにして、都市計画の事業のために何回富合の地に足を運ばれましたか。10回ですか、20回ですか、お尋ねします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  お尋ねの都市計画の区域区分に関連して富合に何度足を運んだかということでございますが、今回の都市計画案の作成に当たりましては、地域からの御意見や御要望を初めといたしまして、関係法令や関係機関協議も踏まえ作成したものでございまして、その際、私ではございませんが、担当職員につきましては何度も現地に足を運ばせていただいたものでございます。  また、私自身もこれまで合併協議でございますとか、あるいはお出かけトークなどにおきまして富合町に出向き、都市計画に関するさまざまな御意見につきましても伺ってきたところでございます。  今後もそうした状況の中におきまして、いろいろな形で皆様方から御意見を伺うような機会をできる限りつくってまいりたいと考えております。
             〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  昭和46年、熊本都市計画区域により富合町は衰退、都市計画の見直しをするには大変なエネルギーを費やしたことを述べてきましたが、現地、現場を見なくしては我がものとは思えないと思います。旧富合町は本当に苦しんできました。一つの地区、地域が線引きによって、生きるか死ぬかの瀬戸際です。そのことを思いますと、本当に富合町、もちろん城南町、植木町も知り抜いて決断してもらいたいと思います。  平成26年にはハードルが高くなる、低くなるというような問題ではございません。職員の皆さんは足を運んだそうでございますけれども、チャーターして連れていくようなあんばいですから、来てくれと言ったが、見ていないところがほとんどです。それが本当の状況だと思います。  線引きは、経験した旧富合町の住民にしか理解できないと思います。  熊本市が政令市になるのは、恩を着せるわけではありませんが、旧富合町が先陣を切って熊本市と合併したからではないですか。富合との合併がきっかけとなり、城南町、植木町との合併ができ、それで政令市を迎えることになった次第です。  皆さん御存じのように、熊本市との合併をするには、旧富合町の町民の心は、宇土市だ、熊本市だと揺れ動きました。また、地域が完全に二分され、険悪な空気が漂っていました。議会も7対7。議会も解散し、議会議員の出直し選挙もしました。住民投票条例を修正しました。住民投票もしました。宇土市との合併の調印式もしました。廃置分合の否決もしました。結婚に例えれば、結納までして、そして破談したわけであります。そういう思いで熊本市に来たわけでございます。相手の市には、言葉にはあらわせないほどのまことに御無礼なことをしてきています。他の合併にはないようないろいろなことがありました。  そのような思いをして合併した熊本市ですが、非情にも、苦しみに苦しんだ、27年間苦しんだ40年前にまた戻されることになります。あの険悪な空気、騒動は何だったのか。熊本市との合併反対派の皆さんの顔が浮かびます。  嫁さんをもらうまでは、婿さんも、じいさんも、ばあさんも、小姑もこの上もなく優しくするが、もらったら、はい、それまで。旧富合住民は、間違いなくそう思われています。  最後に、我が会派の小佐井議員が政務調査で相模原市に行かれて、女の副議長さんがおられたそうでございます。都市計画のことで話をされると、冒頭に、線引きすることで光がありますかと言われたそうでございます。一議員として、政治家として立つ位置が違う、非常な衝撃を受けたと言われました。  また、そこで神奈川選出の参議院議員の水戸将史という方が、平成20年5月21日、国会で質問され、質問第130号、市町村の合併に伴う市街化区域と市街化調整区域との区分に関する質問趣意書を出され、それをここにいただいています。  相模原市も御承知のようにいまだ線引きされておりません。合併前に非線引きされた町の、政令市前に予想できなかった不利益をこうむる可能性。政令市になったとしても急速に都市化が進むとは考えにくい。地元住民の意思に反して線引きを行うことは、多くの住民にとって酷となる。また、現行の都市計画法の制定当時、政令指定都市が広域の中山間地域を含むようになることを想定していなかった可能性があるならば、合併による政令市になった場合であって、旧市町村の都市計画区域が既成市街地、近郊整備地帯のいずれにも含まれていない場合には線引きをしなくてよいよう法令を改正すべきではないか、との条例改正の質問をされています。  結果として条例の改正はできていませんが、光がありますか。相模原市の副議長の言葉のように、光が見えなければ光が見えるように、相模原市においては、議会、市長、国会議員ともに協力し合って、法に疑問を持ちながら関係官庁と今も話し合っておられるとのことでございます。  地域主権、地方分権という時代、法律が時と地域に利益をもたらさなければ、それに対する役目は政治家である、特に市長、議会、国会議員であろうと思います。特に市長には、法治国家でありますので法に従うことも大事ですが、法に逆らうことなく地域住民の願いをくみ取っていただきたい。その願い、思いを実現できるように、時間をかけて最大の努力をし、模索していただきたい。  いろいろな多くの障害があり、道のりも遠くありましたが、旧富合町の市民も来年の4月1日、熊本市の一員としてともに政令指定都市を喜びたい。  我が会派の寺本議員も7日には異なる視点で同趣旨の質問を予定されています。市長のスローガンの日本一住みよいまち、住みたいと思うまちの熊本市の中に、富合町、城南町、植木町も含まれることを期待して市長の答弁をお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  改めて全体としてのお尋ねでございますので、お答えさせていただきます。  冒頭にも申し上げましたように、今回富合町も含めました3町の合併によりまして、来年4月、政令指定都市移行が実現することにつきまして、心から感謝申し上げる次第でございます。  そして、このことも繰り返しになりますが、現在ある4つの都市計画区域を一体化し、市街化区域と市街化調整区域に区域区分、いわゆる線引きを行いますことは、新しい市域の一体的かつ計画的なまちづくりを進めてまいりますため、大変重要であるとも考えているものでございます。  また、今回の区域区分でございますが、農林漁業との健全な調和を図りつつ、適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られる都市計画の理念に基づいているものでございます。このことは合併3町の農林漁業の健全な促進にも寄与するとともに、現行の総合支所周辺を地域拠点としてしっかりと位置づけた計画的なまちづくりのため、むしろ先延ばしいたしますよりも、今実施した方が合併3町の発展はもとより、市全体の発展にも寄与するものと考えております。  市街化調整区域におきましては、建築物の連担や農地転用が可能など、一定の条件を満たした区域に、原則どなたでも戸建て住宅など建築できる集落内開発制度を創設しているところでございまして、この点におきましては、以前とは市街化調整区域での取り扱いは大きく変化しているものと考えております。  よって、地域の皆様の御理解や御協力を賜り、さらには法令にも遵守し、政令指定都市移行時までに区域区分や用途地域の設定を終えますように、関係機関との調整の上、進めてまいりたいと考えております。          〔13番 くつき信哉議員 登壇〕 ◆くつき信哉 議員  線引きされるということは、多分、光がないことだと思います。  農林漁業との調和と申されますけれども、TPPとか何とか、急激にいろいろな話題が今入っております。本当にそういう言葉で皆さん方の心に伝わるのでしょうか。  今線引きした方が3町の発展、また、市の発展に寄与するとのことですが、こんな言葉で幾ら説明しても地域住民は納得されないでしょう。地域住民の胸に響くような説明をしてほしい。また、しなければならないと思います。  議会、市長、国会議員が手を取り合って地域住民のために法を遵守していない相模原市、違法行為の相模原市、素晴らしい市に見えてなりません。  平成13年、1市8町1村、友人が一生懸命線引きの見直しをしてくれました。私たち富合、城南、植木は熊本市に参りました。熊本市は家族でございます。友人は一生懸命しますけれども、家族はどうでしょうか。非常に疑問に思うわけでございます。  まだ質問は残っておりますけれども、時間の方がまいっておりますものですから、終わらせていただきたいと思います。  眠い時間にかかわらずおつき合いいただきました議員の皆さん、また、最後まで温かく傍聴いただきました市民の皆さん、ありがとうございました。これをもちまして、私の質問を終わらせていただきます。長時間、本当にありがとうございました。(拍手)       ─────────────────────────── ○津田征士郎 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明2日(金曜日)定刻に開きます。       ─────────────────────────── ○津田征士郎 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                              午後 3時41分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成23年12月1日 出席議員 45名       1番   津 田 征士郎        2番   田 尻 将 博       4番   寺 本 義 勝        5番   高 本 一 臣       6番   西 岡 誠 也        7番   福 永 洋 一       8番   田 上 辰 也        9番   浜 田 大 介      10番   井 本 正 広       11番   大 島 澄 雄      12番   原 口 亮 志       13番   くつき 信 哉      14番   松 野 明 美       15番   田 中 敦 朗      16番   重 村 和 征       17番   上 田 芳 裕      18番   那 須   円       19番   園 川 良 二      20番   藤 永   弘       21番   紫 垣 正 仁      22番   澤 田 昌 作       23番   倉 重   徹      24番   大 石 浩 文       25番   田 尻 善 裕      26番   白河部 貞 志       27番   上 野 美恵子      29番   藤 岡 照 代       30番   満 永 寿 博      31番   三 島 良 之       32番   齊 藤   聰      33番   坂 田 誠 二       34番   藤 山 英 美      35番   田 中 誠 一       36番   東   すみよ      37番   家 入 安 弘       39番   竹 原 孝 昭      41番   税 所 史 熙       43番   落 水 清 弘      44番   江 藤 正 行       45番   下 川   寛      46番   田 尻 清 輝       47番   古 川 泰 三      48番   北 口 和 皇       49番   益 田 牧 子      50番   田 辺 正 信 欠席議員 4名       3番   小佐井 賀瑞宜       28番   有 馬 純 夫      38番   鈴 木   弘       40番   牛 嶋   弘 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      西 島 喜 義   副市長      寺 崎 秀 俊    総務局長     重 浦 睦 治   企画財政局長   岡   昭 二    市民生活局長   飯 銅 芳 明   健康福祉局長   續   幸 弘    子ども未来局長  前 渕 啓 子   環境保全局長   原 本 靖 久    農水商工局長   宮 原 國 臣   観光文化交流局長 坂 本   純    都市建設局長   高 田   晋   消防局長     橋 本   孝    交通事業管理者  松 永 浩 一   上下水道事業管理者花 田   豊    教育委員会委員長 大 迫 靖 雄   教育長      廣 塚 昌 子    代表監査委員   安 藤 經 孝   農業委員会会長  森   日出輝    財務部長     石 櫃 紳一郎 職務のため出席した事務局職員   事務局長     中 島 博 幸    事務局次長    大 杉 研 至   議事課長     木 村 建 仁    議事課総務審議員兼課長補佐                                富 永 健 之...